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悪役と主人公
49話 青い瞳
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同じプレイヤーが攻略対象の近くにいる事で焦りを感じたのだろう
めちゃくちゃな提案をしたローズは苦い表情を見せた
「じゃあ、なんで死ぬって分かる場所にずっといるの?」
「……そうするしか、ないから。既にゲームは狂った、私はどう頑張ったって死ぬでしょうし、バグは修正出来ない所まで来てしまった。今更どうする事も出来ないでしょう?」
「修正出来ないバグ?まさか、誰か死んだの?」
リージュのルートで重要になる騎士団長
逆ハーレムエンドを狙うのであれば彼の存在は必要不可欠だ
つまり、正規ルートでは攻略できないということ
「……ご自分の目で確かめる事をお勧めします。で、もういいですか?安静にするように言われているんです」
「……あっそ、もういい!」
慌しく部屋を出たローズ
あまりにも幼いその言動に、ローズの中の人は結構幼いのかと思った
昔からああ言う人は苦手だ
“カメリアぁ!あいつホントに何だったの~!?やーな感じっ!”
小さな姿に戻ったグドは空中で器用に地団駄を始めた
でも僕もグドと同意見だ
やっぱ僕が今すぐ殺してしまおうかなんて洒落にならない事をふと思い浮かべてしまうほどだ
“わぁ物騒……”
「とかなんとか言って、同感してるの見え見えだよ?」
“てへっ。って……そうだ!あの妖精!”
あの妖精というのはライアと呼ばれていた妖精の事だろう
知り合いなのだろうか
“知り合いって言うか……会ったことは無いんだけど、妖精自体そんなに数いないから予測が……”
落ち着きのないままグルグルと飛び回るグド
どうしようと呟きながらバタバタしている
突然ピタリと止まると、僕の目の前に来て深刻そうにした
“彼女、ライアって呼ばれてたよね…。もしかしたらだけど、『裏切り者のドライアド』かも知れない………”
「裏切り者……?」
ドライアドの間からとってライア
確かに納得できてしまう
でも、裏切り者とはどう言う事だろうか
そして、何故その裏切り者とローズが共にいるのか
疑問は募るばかりだが、何やら嫌な予感がする
あの妖精の青い瞳
大きく目を開いた時に僅かに身震いしてしまった
“青い瞳はね、見た人の精神世界に干渉できてしまうんだよ。もちろんそれ以外の瞳も心を動かす事は出来る。でも、それ以上に厄介なのが青い瞳”
「もしかして、グドが目隠しをしてるのは……」
グドは言葉にせずに頷いた
あれ?
そういえば、青い瞳は他にもいたような……
誰、だったっけ
そうだ
彼も青い瞳を持っていた
黄金の髪と青い瞳
名前をずっと忘れていた彼は……!
「グド……お前は、ユグド騎士団長?」
人間サイズに変わったグドは目隠しを取った
染めている黄金の髪
宝石の様な青い瞳
何も言わずに困った様に微笑むその姿は
僕に剣をくれた騎士団長にそっくりだった
めちゃくちゃな提案をしたローズは苦い表情を見せた
「じゃあ、なんで死ぬって分かる場所にずっといるの?」
「……そうするしか、ないから。既にゲームは狂った、私はどう頑張ったって死ぬでしょうし、バグは修正出来ない所まで来てしまった。今更どうする事も出来ないでしょう?」
「修正出来ないバグ?まさか、誰か死んだの?」
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逆ハーレムエンドを狙うのであれば彼の存在は必要不可欠だ
つまり、正規ルートでは攻略できないということ
「……ご自分の目で確かめる事をお勧めします。で、もういいですか?安静にするように言われているんです」
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昔からああ言う人は苦手だ
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小さな姿に戻ったグドは空中で器用に地団駄を始めた
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“てへっ。って……そうだ!あの妖精!”
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知り合いなのだろうか
“知り合いって言うか……会ったことは無いんだけど、妖精自体そんなに数いないから予測が……”
落ち着きのないままグルグルと飛び回るグド
どうしようと呟きながらバタバタしている
突然ピタリと止まると、僕の目の前に来て深刻そうにした
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「裏切り者……?」
ドライアドの間からとってライア
確かに納得できてしまう
でも、裏切り者とはどう言う事だろうか
そして、何故その裏切り者とローズが共にいるのか
疑問は募るばかりだが、何やら嫌な予感がする
あの妖精の青い瞳
大きく目を開いた時に僅かに身震いしてしまった
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「もしかして、グドが目隠しをしてるのは……」
グドは言葉にせずに頷いた
あれ?
そういえば、青い瞳は他にもいたような……
誰、だったっけ
そうだ
彼も青い瞳を持っていた
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名前をずっと忘れていた彼は……!
「グド……お前は、ユグド騎士団長?」
人間サイズに変わったグドは目隠しを取った
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何も言わずに困った様に微笑むその姿は
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