28 / 161
崩れていく、何もかも
28話 嫌な憶測
しおりを挟む
リージュの部屋にて、僕に刺客を送った真犯人を考える事になった
なんでも、リージュがとある事に気付いたとか
深妙な面持ちでか細い声で語り始めた
「姉様に刺客が送られるのは今までにも何回かありました。それでもこの前はいつもと違った……兄様もボクも近くにいなかった。タイミングが悪かったと言えばそれまでですが、それでも一つの可能性がありますよね」
「あ………」
そうだ
今回はたまたま不運だったと思っていた
僕はずっと前にアズに守られていると分かっていて、それに頼っていた
でも、今回は僕1人だった
なんとか振り切れたが………
「もし、誰かがアズ様とリージュ様の不在時を狙っていたとしたら……?」
僕が単独行動をしているタイミングを上手く見計らっていたのなら
そう考えた瞬間、鳥肌が立った
だって、本当に狙ったタイミングなら可能性は2つ…いや、2人だけ
僕の行動とアズの行動、リージュの行動全てを把握出来る人物
それは………
「姉様も兄様も気付きました?もしこの推測が正しいのであれば、犯人はたった1人に絞り込む事が出来るんです」
「ハル…ジオン………」
そう、そもそも可能性として挙げられるのは2人
騎士団長かハルジオン
しかし、騎士団長は直前に僕に剣をくれた
もし殺したいのなら渡さないだろう
事実、その剣に助けられたのだから
だとしたらハルジオンしかいない
「アズ様、あの時どこで何をしていましたか?」
「え、あ、兄上に呼ばれていました。魔法士としての腕は立つのだから弟子を取るべきだと。よほど姉上を気に入らないのかと思っていましたが……まさか!」
そう、ハルジオンが犯人ならそれは時間稼ぎ
僕の側に常にいるアズを離れさせる為の
アズは基本的に1日のスケジュールは決まっていない
その時その時に変えるか、周りに合わせるかだ
つまり、いつアズが僕の元に来るか分からないのだ
その状態で的確に狙ったとすれば、ハルジオン一択だろう
リージュはいつものルーティーンで勉強があったらしい
訓練の後、すぐに部屋に戻り授業を受けていたと言う
ある程度のことはアズに聞いたのだろう
認めたくない
愛した人が僕を殺そうとしている
なにも出来ない、していない僕を
そんなことを認めたくない
そう、きっとこれは偶然なんだ
だって、いくら嫌われていてもこれは政略結婚なのだから
お互いに必要なのだ
それも分からないほどハルジオンは馬鹿じゃない
「きっと、ただの偶然だ……」
小さくつぶやいた
もしこれが本当にハルジオンが狙っていたとしたら、僕はまだ彼を愛すだろうか
……まだ、僕の中にいる幼いハルジオンが雑念を植え付けてくる
何度も何度も、繰り返し………
なんでも、リージュがとある事に気付いたとか
深妙な面持ちでか細い声で語り始めた
「姉様に刺客が送られるのは今までにも何回かありました。それでもこの前はいつもと違った……兄様もボクも近くにいなかった。タイミングが悪かったと言えばそれまでですが、それでも一つの可能性がありますよね」
「あ………」
そうだ
今回はたまたま不運だったと思っていた
僕はずっと前にアズに守られていると分かっていて、それに頼っていた
でも、今回は僕1人だった
なんとか振り切れたが………
「もし、誰かがアズ様とリージュ様の不在時を狙っていたとしたら……?」
僕が単独行動をしているタイミングを上手く見計らっていたのなら
そう考えた瞬間、鳥肌が立った
だって、本当に狙ったタイミングなら可能性は2つ…いや、2人だけ
僕の行動とアズの行動、リージュの行動全てを把握出来る人物
それは………
「姉様も兄様も気付きました?もしこの推測が正しいのであれば、犯人はたった1人に絞り込む事が出来るんです」
「ハル…ジオン………」
そう、そもそも可能性として挙げられるのは2人
騎士団長かハルジオン
しかし、騎士団長は直前に僕に剣をくれた
もし殺したいのなら渡さないだろう
事実、その剣に助けられたのだから
だとしたらハルジオンしかいない
「アズ様、あの時どこで何をしていましたか?」
「え、あ、兄上に呼ばれていました。魔法士としての腕は立つのだから弟子を取るべきだと。よほど姉上を気に入らないのかと思っていましたが……まさか!」
そう、ハルジオンが犯人ならそれは時間稼ぎ
僕の側に常にいるアズを離れさせる為の
アズは基本的に1日のスケジュールは決まっていない
その時その時に変えるか、周りに合わせるかだ
つまり、いつアズが僕の元に来るか分からないのだ
その状態で的確に狙ったとすれば、ハルジオン一択だろう
リージュはいつものルーティーンで勉強があったらしい
訓練の後、すぐに部屋に戻り授業を受けていたと言う
ある程度のことはアズに聞いたのだろう
認めたくない
愛した人が僕を殺そうとしている
なにも出来ない、していない僕を
そんなことを認めたくない
そう、きっとこれは偶然なんだ
だって、いくら嫌われていてもこれは政略結婚なのだから
お互いに必要なのだ
それも分からないほどハルジオンは馬鹿じゃない
「きっと、ただの偶然だ……」
小さくつぶやいた
もしこれが本当にハルジオンが狙っていたとしたら、僕はまだ彼を愛すだろうか
……まだ、僕の中にいる幼いハルジオンが雑念を植え付けてくる
何度も何度も、繰り返し………
14
お気に入りに追加
358
あなたにおすすめの小説

本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト
しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。
飛竜騎士団率いる悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治を目指すこと、そして敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。
前世の記憶『予知』のもと、目的達成のためグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後、少しずつ歴史は歪曲しグレイの予知からズレはじめる……
*主人公の股緩め、登場キャラ貞操観念低め、性癖尖り目、ピュア成分低めです。苦手な方はご注意ください。
*他サイト様にも投稿している作品です。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる