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崩れていく、何もかも
28話 嫌な憶測
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リージュの部屋にて、僕に刺客を送った真犯人を考える事になった
なんでも、リージュがとある事に気付いたとか
深妙な面持ちでか細い声で語り始めた
「姉様に刺客が送られるのは今までにも何回かありました。それでもこの前はいつもと違った……兄様もボクも近くにいなかった。タイミングが悪かったと言えばそれまでですが、それでも一つの可能性がありますよね」
「あ………」
そうだ
今回はたまたま不運だったと思っていた
僕はずっと前にアズに守られていると分かっていて、それに頼っていた
でも、今回は僕1人だった
なんとか振り切れたが………
「もし、誰かがアズ様とリージュ様の不在時を狙っていたとしたら……?」
僕が単独行動をしているタイミングを上手く見計らっていたのなら
そう考えた瞬間、鳥肌が立った
だって、本当に狙ったタイミングなら可能性は2つ…いや、2人だけ
僕の行動とアズの行動、リージュの行動全てを把握出来る人物
それは………
「姉様も兄様も気付きました?もしこの推測が正しいのであれば、犯人はたった1人に絞り込む事が出来るんです」
「ハル…ジオン………」
そう、そもそも可能性として挙げられるのは2人
騎士団長かハルジオン
しかし、騎士団長は直前に僕に剣をくれた
もし殺したいのなら渡さないだろう
事実、その剣に助けられたのだから
だとしたらハルジオンしかいない
「アズ様、あの時どこで何をしていましたか?」
「え、あ、兄上に呼ばれていました。魔法士としての腕は立つのだから弟子を取るべきだと。よほど姉上を気に入らないのかと思っていましたが……まさか!」
そう、ハルジオンが犯人ならそれは時間稼ぎ
僕の側に常にいるアズを離れさせる為の
アズは基本的に1日のスケジュールは決まっていない
その時その時に変えるか、周りに合わせるかだ
つまり、いつアズが僕の元に来るか分からないのだ
その状態で的確に狙ったとすれば、ハルジオン一択だろう
リージュはいつものルーティーンで勉強があったらしい
訓練の後、すぐに部屋に戻り授業を受けていたと言う
ある程度のことはアズに聞いたのだろう
認めたくない
愛した人が僕を殺そうとしている
なにも出来ない、していない僕を
そんなことを認めたくない
そう、きっとこれは偶然なんだ
だって、いくら嫌われていてもこれは政略結婚なのだから
お互いに必要なのだ
それも分からないほどハルジオンは馬鹿じゃない
「きっと、ただの偶然だ……」
小さくつぶやいた
もしこれが本当にハルジオンが狙っていたとしたら、僕はまだ彼を愛すだろうか
……まだ、僕の中にいる幼いハルジオンが雑念を植え付けてくる
何度も何度も、繰り返し………
なんでも、リージュがとある事に気付いたとか
深妙な面持ちでか細い声で語り始めた
「姉様に刺客が送られるのは今までにも何回かありました。それでもこの前はいつもと違った……兄様もボクも近くにいなかった。タイミングが悪かったと言えばそれまでですが、それでも一つの可能性がありますよね」
「あ………」
そうだ
今回はたまたま不運だったと思っていた
僕はずっと前にアズに守られていると分かっていて、それに頼っていた
でも、今回は僕1人だった
なんとか振り切れたが………
「もし、誰かがアズ様とリージュ様の不在時を狙っていたとしたら……?」
僕が単独行動をしているタイミングを上手く見計らっていたのなら
そう考えた瞬間、鳥肌が立った
だって、本当に狙ったタイミングなら可能性は2つ…いや、2人だけ
僕の行動とアズの行動、リージュの行動全てを把握出来る人物
それは………
「姉様も兄様も気付きました?もしこの推測が正しいのであれば、犯人はたった1人に絞り込む事が出来るんです」
「ハル…ジオン………」
そう、そもそも可能性として挙げられるのは2人
騎士団長かハルジオン
しかし、騎士団長は直前に僕に剣をくれた
もし殺したいのなら渡さないだろう
事実、その剣に助けられたのだから
だとしたらハルジオンしかいない
「アズ様、あの時どこで何をしていましたか?」
「え、あ、兄上に呼ばれていました。魔法士としての腕は立つのだから弟子を取るべきだと。よほど姉上を気に入らないのかと思っていましたが……まさか!」
そう、ハルジオンが犯人ならそれは時間稼ぎ
僕の側に常にいるアズを離れさせる為の
アズは基本的に1日のスケジュールは決まっていない
その時その時に変えるか、周りに合わせるかだ
つまり、いつアズが僕の元に来るか分からないのだ
その状態で的確に狙ったとすれば、ハルジオン一択だろう
リージュはいつものルーティーンで勉強があったらしい
訓練の後、すぐに部屋に戻り授業を受けていたと言う
ある程度のことはアズに聞いたのだろう
認めたくない
愛した人が僕を殺そうとしている
なにも出来ない、していない僕を
そんなことを認めたくない
そう、きっとこれは偶然なんだ
だって、いくら嫌われていてもこれは政略結婚なのだから
お互いに必要なのだ
それも分からないほどハルジオンは馬鹿じゃない
「きっと、ただの偶然だ……」
小さくつぶやいた
もしこれが本当にハルジオンが狙っていたとしたら、僕はまだ彼を愛すだろうか
……まだ、僕の中にいる幼いハルジオンが雑念を植え付けてくる
何度も何度も、繰り返し………
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