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変化とはあまりにも速い
13話 魔法と剣の特訓
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剣の先生が決まって1週間後
朝食後に始める事になり、剣を習う服装で朝食を食べた
深緑のパンツに白いシャツ
髪の毛は後ろでまとめ、装飾品は右耳の小さな薄紅の石のピアスだけ
アイリスの髪色のピアスだ
公爵がアイリスの嫁入りの時に渡そうとしていたピアス
病で亡くなった公爵夫人が、僕が公爵家を継ぐ時に渡そうとしてくれていた紅のピアスは紛失したらしい
僕がカメリアとして過ごす事は無いだろうけど
訓練場に来た
初日の今日はランニングとストレッチの後に10分休憩を挟み、20分20分の40分素振りをした
初めて持った木刀は思っていた以上に重く、細腕では思うように振れなかった
正直なところ、ランニングとストレッチだけでも疲れてしまう
後半になると息切れと熱で頭がクラクラする
大量に汗をかいてしまう為、1日に2度も入浴しなければならなくなる
僕の一日は固定され始めた
朝、食事を取った後その足で剣を習いに行く
終わったら入浴をして、軽食を挟んで仕事
夕食を済ませてまた入浴
寝る前にアズに習い魔力を体内に循環させる
始めたばかりの時は集中していても出来なかった魔力循環
今では読書をしながらでも出来る
魔力循環のおかげで体を動かし易くなった
僕の魔力量は雀の涙だが、それでも違っている
そして、剣を習い始めて早一ヶ月
ふと、不思議な事に気が付いた
「運動していても筋肉はつかないんだね」
だいぶ剣を振れるようになった
それだけ力が付いているにも関わらず、変わらず細腕のままだ
痩せ過ぎていた頃より肉付きは多少良くなったが、背も筋肉が無いことも変わらない
安心した
まだアイリスのフリをすることが出来る
公爵からの連絡は一切無く、何も掴めていない以上まだここにいなければならない
「お嬢様に変化が無いのは魔力の影響ですよ」
そう教えてくれたのは侍女のジル
「魔力は使用方法によってその人の時間を止めます。魔法士の御老人の中にたまに居る若く見える方がいますでしょう?」
「確かに、陛下の専属魔法士も50代なのに20代にしか見えない」
魔力量は関係無いのだろうか
だけど陛下は僕より魔力があるはず
にも関わらず、年相応に見える
やはり使い方次第ということだろうか
「まぁ、僕がアイリスとしていられる体のままならもう少し剣は出来るかな」
「見た目は気にする事は有りません。貴方はただお嬢様としての振る舞いをしていればいいのですから」
ジルは相変わらず表情ひとつ変えずに淡々と喋っている
しかし、話す時は基本僕と目を合わせてくる
本当に監視しているようで少し怖い
そして思った
ジルが言葉にしていなかった事
『お嬢様としての振る舞い』にハルジオンの暗殺は入っているのだろうか
朝食後に始める事になり、剣を習う服装で朝食を食べた
深緑のパンツに白いシャツ
髪の毛は後ろでまとめ、装飾品は右耳の小さな薄紅の石のピアスだけ
アイリスの髪色のピアスだ
公爵がアイリスの嫁入りの時に渡そうとしていたピアス
病で亡くなった公爵夫人が、僕が公爵家を継ぐ時に渡そうとしてくれていた紅のピアスは紛失したらしい
僕がカメリアとして過ごす事は無いだろうけど
訓練場に来た
初日の今日はランニングとストレッチの後に10分休憩を挟み、20分20分の40分素振りをした
初めて持った木刀は思っていた以上に重く、細腕では思うように振れなかった
正直なところ、ランニングとストレッチだけでも疲れてしまう
後半になると息切れと熱で頭がクラクラする
大量に汗をかいてしまう為、1日に2度も入浴しなければならなくなる
僕の一日は固定され始めた
朝、食事を取った後その足で剣を習いに行く
終わったら入浴をして、軽食を挟んで仕事
夕食を済ませてまた入浴
寝る前にアズに習い魔力を体内に循環させる
始めたばかりの時は集中していても出来なかった魔力循環
今では読書をしながらでも出来る
魔力循環のおかげで体を動かし易くなった
僕の魔力量は雀の涙だが、それでも違っている
そして、剣を習い始めて早一ヶ月
ふと、不思議な事に気が付いた
「運動していても筋肉はつかないんだね」
だいぶ剣を振れるようになった
それだけ力が付いているにも関わらず、変わらず細腕のままだ
痩せ過ぎていた頃より肉付きは多少良くなったが、背も筋肉が無いことも変わらない
安心した
まだアイリスのフリをすることが出来る
公爵からの連絡は一切無く、何も掴めていない以上まだここにいなければならない
「お嬢様に変化が無いのは魔力の影響ですよ」
そう教えてくれたのは侍女のジル
「魔力は使用方法によってその人の時間を止めます。魔法士の御老人の中にたまに居る若く見える方がいますでしょう?」
「確かに、陛下の専属魔法士も50代なのに20代にしか見えない」
魔力量は関係無いのだろうか
だけど陛下は僕より魔力があるはず
にも関わらず、年相応に見える
やはり使い方次第ということだろうか
「まぁ、僕がアイリスとしていられる体のままならもう少し剣は出来るかな」
「見た目は気にする事は有りません。貴方はただお嬢様としての振る舞いをしていればいいのですから」
ジルは相変わらず表情ひとつ変えずに淡々と喋っている
しかし、話す時は基本僕と目を合わせてくる
本当に監視しているようで少し怖い
そして思った
ジルが言葉にしていなかった事
『お嬢様としての振る舞い』にハルジオンの暗殺は入っているのだろうか
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