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「私」の秘密を
4話 裁かれるべき者は
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ゲームだと死ぬのはアイリスだけ
公爵は罰を受けないのだ
僕がアイリスのフリをしていなければアズも暗殺に気付かなかったかも知れない
「僕が暗殺しようとしたところで失敗に終わる。僕が王太子に勝てる訳が無い」
「だろうな。だとしても危ない事に変わりは無い。悪女として有名なお前がどう動くかなんて、予測しやすい」
「僕が誘惑するとでも?」
僕が男だと知って尚そんな予測はしないだろうと思いたいが
それでも僕についてしまったイメージは変わる事はない
「それで騎士を切ったんだろう?」
「僕はやっていない!」
僕は夜遊びはしていない
騎士がたくさんいたのは、何人もが公爵に追い出されたからだ
事件の時に死んでいた騎士達は確かに僕に使えていた事のある人達だった
でも、全員公爵家の出入りを禁じられている
何故、あの日に死んでいたのかも僕には分からないのに
「次は兄上の大切な人でも切るのか?」
「……んで、そこまで僕を悪役にしたがる?」
実際に見た訳でも無いのに何故確信が持てるのだろうか
そして同時に悟った
僕が男であっても『悪女』と認識されてしまうのか、と
まるでゲームの仕様のようだ
「お前は悪だろう」
「お前には分からないだろ……大切な人の名前で、姿で生きて、自害することすらも叶わないんだ。そんな中今度は僕の手で殺せだなんて…だったらいっその事、公爵を道連れに死んでやる。これは僕の意地だ」
「なら、公爵を殺せばお前も殺していいと?」
「そうだよ」
6歳までしか一緒にいられなかった大事な姉
前世の姉のような安心感と楽しさがあった
僕の代わりに死んだような気がした
何だっていい
もう何も失いたくない
それだけを考えて生きてきた
何も得る事も無かったが
「僕は確かに嘘吐きです。それでもこの覚悟は絶対に揺るぎません」
「……いいだろう、なら情報をひとつ寄越せ」
何かしらの信頼を得るための情報
ゲームで知ったことならある
「王室に勤めているルキーナと言う神官の女性がいます。彼女は反王室派の1人で、彼女を通してリース神殿に多額の賄賂が送られています」
「その証拠は?」
「王室医務官専用図書館と神殿の信託の書保管庫に契約書が隠されています。第3王子の病に関する事も」
「っ!どういう事だ!?」
これは本来、一年後にハルジオンがヒロインによって知る真実
あいにく僕は知りもしないヒロインに譲りはしない
第3王子は生まれつき体が弱かったらしく、すでに亡くなっている
今、この事を伝えたところで生き返るわけでは無いが、まだ生きている第4王子は助けられるだろう
「第3王子と第4王子の乳母は反王室派の1人です。ルキーナと言う神官…もとい魔女の作った薬を飲み物に入れていました」
「つまり、病死じゃ無くて毒殺だと?」
「正確には呪いです」
「調べる価値はあるな。見つかるまでは自室か兄上と2人きりにならない所にいるように」
「分かってますよ」
拘束が解かれた
手首と足首には直接巻かれた鎖の跡が残っている
ゲームの通りにありますように
少しでも反王室派の事を暴けば、公爵の悪事もきっと知られる
いっそのこと、修正を入れられないほどにゲームをバグらせてやる
それが今出来る最善策
「カメリア…いや、アイリス。私と2人の時は決して兄上を愛してるだなんて言わないよう。はっきり言って反吐が出る」
「………それは僕が男だから、ですか?」
落ち着いたと思った矢先に飛んできた言葉
アズの言葉で前世のトラウマが蘇った
公爵は罰を受けないのだ
僕がアイリスのフリをしていなければアズも暗殺に気付かなかったかも知れない
「僕が暗殺しようとしたところで失敗に終わる。僕が王太子に勝てる訳が無い」
「だろうな。だとしても危ない事に変わりは無い。悪女として有名なお前がどう動くかなんて、予測しやすい」
「僕が誘惑するとでも?」
僕が男だと知って尚そんな予測はしないだろうと思いたいが
それでも僕についてしまったイメージは変わる事はない
「それで騎士を切ったんだろう?」
「僕はやっていない!」
僕は夜遊びはしていない
騎士がたくさんいたのは、何人もが公爵に追い出されたからだ
事件の時に死んでいた騎士達は確かに僕に使えていた事のある人達だった
でも、全員公爵家の出入りを禁じられている
何故、あの日に死んでいたのかも僕には分からないのに
「次は兄上の大切な人でも切るのか?」
「……んで、そこまで僕を悪役にしたがる?」
実際に見た訳でも無いのに何故確信が持てるのだろうか
そして同時に悟った
僕が男であっても『悪女』と認識されてしまうのか、と
まるでゲームの仕様のようだ
「お前は悪だろう」
「お前には分からないだろ……大切な人の名前で、姿で生きて、自害することすらも叶わないんだ。そんな中今度は僕の手で殺せだなんて…だったらいっその事、公爵を道連れに死んでやる。これは僕の意地だ」
「なら、公爵を殺せばお前も殺していいと?」
「そうだよ」
6歳までしか一緒にいられなかった大事な姉
前世の姉のような安心感と楽しさがあった
僕の代わりに死んだような気がした
何だっていい
もう何も失いたくない
それだけを考えて生きてきた
何も得る事も無かったが
「僕は確かに嘘吐きです。それでもこの覚悟は絶対に揺るぎません」
「……いいだろう、なら情報をひとつ寄越せ」
何かしらの信頼を得るための情報
ゲームで知ったことならある
「王室に勤めているルキーナと言う神官の女性がいます。彼女は反王室派の1人で、彼女を通してリース神殿に多額の賄賂が送られています」
「その証拠は?」
「王室医務官専用図書館と神殿の信託の書保管庫に契約書が隠されています。第3王子の病に関する事も」
「っ!どういう事だ!?」
これは本来、一年後にハルジオンがヒロインによって知る真実
あいにく僕は知りもしないヒロインに譲りはしない
第3王子は生まれつき体が弱かったらしく、すでに亡くなっている
今、この事を伝えたところで生き返るわけでは無いが、まだ生きている第4王子は助けられるだろう
「第3王子と第4王子の乳母は反王室派の1人です。ルキーナと言う神官…もとい魔女の作った薬を飲み物に入れていました」
「つまり、病死じゃ無くて毒殺だと?」
「正確には呪いです」
「調べる価値はあるな。見つかるまでは自室か兄上と2人きりにならない所にいるように」
「分かってますよ」
拘束が解かれた
手首と足首には直接巻かれた鎖の跡が残っている
ゲームの通りにありますように
少しでも反王室派の事を暴けば、公爵の悪事もきっと知られる
いっそのこと、修正を入れられないほどにゲームをバグらせてやる
それが今出来る最善策
「カメリア…いや、アイリス。私と2人の時は決して兄上を愛してるだなんて言わないよう。はっきり言って反吐が出る」
「………それは僕が男だから、ですか?」
落ち着いたと思った矢先に飛んできた言葉
アズの言葉で前世のトラウマが蘇った
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