【完】『優等生』な援交男子の背中に隠された異常性癖

輝石玲

文字の大きさ
上 下
2 / 6

2.理性

しおりを挟む
 そこそこ安いホテルの一室。最初の日から一週間程でまた呼び出されたリオは、内心呆れ返っていた。本当にリピートされるとは思っていなかったからだ。

「で、今日はどうしたいんだ?」
「んー…、先に確認だ。お前は挿れない脱がせないさえ守りゃあ何しても良いんだな?」
「……まぁ、そういう事にはなるけど…何するつもりだよ。」

 警戒度が最大の相手にリオは疑心暗鬼になっている。だが、それをタクヤ本人は知らない。
 タクヤはリオの腕を引っ張りベッドに押し倒した。

「口開けて舌出せ。」

 言われた通りに動くと、タクヤは開いた喉の奥まで舌を滑り込ませた。長い舌が口内を這い、生暖かい唾液で溺れそうになる感覚にリオは唸ることしか出来ない。ようやく口が離れると、端から飲み込めなかった涎が溢れた。

「お前、本当は喉好きだろ。また勃ってるぜ?」
「……っさい、だったらなんだよ。」
「はっ、また生意気。……ま、そんな余裕なんか消してやるけどさ。」

 タクヤはリオのズボンのベルトを外し始めた。当人の困惑をシカトして、左手でグリグリと押しながら右手で最小限だけ脱がせる。リオが止めるよりも先にモノを出したタクヤは、既にトロトロの先端を指先で弄った。

「なっ、やだっ……!またそれ、んっ、恥ずかしい……っ!」
「恥ずかしい?これからもっと恥ずかしいこと、してやろうと思ってんだけどなぁ。」
「ぇ………、っあ!?うそっ、ダメだっ……ってぇ!」

 先端から溢れる雫を舌で舐め取りそのまま深くまで咥えた。舌が這いながら吸い取られ、リオは無意識に腰を浮かせて押し付けた。今までに感じたことのない程の刺激が与えられ、意識も理性もハッキリしないまま口の中に出した。タクヤはそれを飲み込むと、顔を顰めた。

「まっず……飲み込みづらいし、ウリやってる奴とかってよく飲めるな。」
「なんで…俺に、こんな………。」
「なんでって、お前の反応が見てて面白いからだけど?抵抗しようにも弱々で、イった後はトんでるし、さっきも腰浮かせて出そう出そうとしてたろ?」
「っ!」

 リオは完全に理性が飛んでる時の自分の行動を指摘され、羞恥から顔を大きく逸らした。

「…忘れろ。全部忘れろ。」
「は?やだね。お前が可愛いのが悪いんだろ?」
「………ぇ」
「ってことで、まだ終わらねーからな。」

 リオは一瞬聞き間違いかと思った。でも確かに『可愛い』と言われ、なんとも言えない感覚に目を回している。
 そしてそれはタクヤの方も……

(あれ、俺今なんて言った?)

 言葉にしてようやく気が付いた認識に、自分で驚いていた。そしてなんとか誤魔化すように、何事もなかったようにリオを自分の膝の上に座らせた。

「ぇ、な、何……?」
「こうやってちんこくっ付けて一緒に扱くと気持ちいいんだと。俺も男相手はお前が初めてだからな。面白そうだし調べてみたんだよ。」

 リオのとは全然違う大きさのそれは、既に熱を持ち脈を打っていた。ただ合わせただけ、触れる前から脈の振動で弱々しい刺激を与えられたリオは、腕をタクヤの背中に回してしがみつき、本能的に腰を前後に動かした。

「っおい、勝手に……」
「だっ、て、あんたの、あつく、て……きもちぃ、からっ……!あっ…、ごめ、ごめんなさ……っだめ、とまんなっ………!」
「お前…やっぱ最高だな。おら、手ぇ貸せ。」

 言われるままに手を出すと、2人の合わせたものを握らせられた。ただ触れ合うよりも密着し、呼応する様にリオの心臓はうるさくなる。直に触れた手のひらの熱と、上から大きな手で包み込まれた手の甲の熱。リオはその二つの熱に思考が溶け、タクヤに快楽を求める。

「あっ…、これ、きもち……っ!」
「そうだな、リョウの下手くそなフェラより全然良い。」
「んぅ…っ、いじわる、いうな……あっ…!」

 タクヤは重ねた手でリオの敏感な部分をいじめた。段々と射精感が強まっていくにつれて、リオはポロポロと涙を流し始めた。

「ゔぅ……、っ…!」
「おい、なに我慢してんだよ。イきそうなんだろ?」
「お、れが…、あっ、あんたよ、り……先に、いっちゃ…、だ、めだっ……ろ………?」

 自分は金を貰ってる側なんだから、とリオはずっと我慢している。それに感づいたタクヤは、イラつきながら扱く手を早めた。

「あっ…!?んぁっ……、はっ、だめ、ダメっ……!」
「っそのまま耐えてても苦しいだろ?さっさと諦めて、イけよ。」
「やっ、だぁ……っ!」

 どれだけ刺激を強くされても、リオはずっと我慢していた。いつまで経っても意地を張るリオに対してムカついたタクヤは、何としても先にリオをイかせようと自身も我慢を始める。何故か耐久戦のようになった2人は、常にギリギリの状態を保つことになった。

「ゔっ…、ふーっ………んゔ……」
「ちょっ、テメ…、指噛むな……っ。」

 リオは親指を噛むことで痛みで快楽を中和しようとした。タクヤはそれをやめさせようとしたが、それよりも先に絶頂してしまう。


「………あーあ、俺が先にイッちまったよ。」
「っそれでいいだろ。金貰ってる側の俺ばっか気持ちよくなったら、割りに合わない。」
「はぁ?………んだそれ、俺がしたいようにしてるだけだろ?でもまぁ、お前がそう言うなら…………」

 タクヤはリオの両手を掴んでベッドに押し倒した。両手の自由が効かなくなったリオは、寸止め状態で強制的に動きを封じられたことになる。

「な、なんだよ……!」
「コレ、まだ出してねぇから苦しそうだな。」
「分かってるなら手を離せ!」

 無愛想なリオが焦りと怒りを表に出した。しかし、それとは真逆にタクヤは悪い顔で笑った。

「お前が言ったんだろ、自分ばっか気持ちよくなっちゃダメだーって。」
「でもこんな、中途半端どころじゃないのに……。」
「ならどうしたい?俺がいいと思う答えが来るまで離さないからな。」

 リオは顔を赤くして泣きそうになりながらも、なんとか抜け出せないかとジタバタした。が、まるでビクともしない。このまま放っておけばその内収まるかと考えたが、タクヤがそれを許さない。

「ほら、早く言ってみろ。」
「知らな…っ!それ、やめっ………!」

 タクヤは膝でリオの内腿を撫でた。脚の付け根に弱い刺激を与え、逃げる隙も無くしたのだ。

「ほら?」
「……っせて、イかせて。手、離して……。」
「ダメだ。」
「なっ…!何で………」

 リオは快楽の苦しさにとうとう泣き出した。しかし、両手を掴まれてる以上は泣き顔を隠すことも出来ない。

「やだ…っ、いきたい、ど…すれば、いいんだよ………!」
「なら選べよ。俺にメチャクチャに良くされるか、俺の前でオナニーして痴態晒すか。」
「なんで、その二つなんだよ。サイテー……っあ…!」

 返答を長引かせても生意気を言ってもギリギリを迫られる。そんな快楽地獄に耐えきれなくなったリオは、ようやく答えを出した。

「おねが…触って、イきたい、っあんたに…めちゃくちゃにイかされたいっ………!」
「こいつ…完全に理性トんでんじゃねぇかよ。誘い方エロ…。」

 考えることをとうとう放棄したリオは、身体をくねらせながら足を絡めて強請った。大胆な誘惑に欲情したタクヤは、最後までしたい欲をギリギリで抑える代わりとでも言うように、ディープキスをしながらリオの一番敏感なところを器用に強く刺激した。

「んぐっ!ん、んぅ…!はっ、んんーっ…!」

 リオは口内を犯されるようなキスをされながら自慰では味わえない刺激を与えられ、たった数分で何度も絶頂を繰り返した。




 ようやく止まった頃には全身が痙攣し、服に精液が飛んでいた。リオが惚けてる間に、流石に洗おうとしたタクヤ。しかし、ワイシャツのボタンを外そうとした瞬間にリオは手を振り払って後ろに引いた。

「やめて…ください………!」
「え、あぁ、別に洗ってやろうとしただけだろ。つか、あんなエロいことしておいて上半身見られたくないとか何………」
「うるさいっ!………悪い、叫んで。でもこれくらいなら拭ってから家で洗う。」


 つい先程まで快楽に惚けていたとは思えない程に、今のリオは青ざめている。明らかに異常なその様子に、タクヤは何も言えなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

絶対にお嫁さんにするから覚悟してろよ!!!

toki
BL
「ていうかちゃんと寝てなさい」 「すいません……」 ゆるふわ距離感バグ幼馴染の読み切りBLです♪ 一応、有馬くんが攻めのつもりで書きましたが、お好きなように解釈していただいて大丈夫です。 作中の表現ではわかりづらいですが、有馬くんはけっこう見目が良いです。でもガチで桜田くんしか眼中にないので自分が目立っている自覚はまったくありません。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/110931919)

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…

まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。 5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。 相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。 一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。 唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。 それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。 そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。 そこへ社会人となっていた澄と再会する。 果たして5年越しの恋は、動き出すのか? 表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

高嶺の花宮君

しづ未
BL
幼馴染のイケメンが昔から自分に構ってくる話。

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

処理中です...