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第三章
3【R18】
しおりを挟む声が聞こえる。
「……リス、アリス」
誰もが聞き惚れるような甘い声音が、彼女の名前を呼ぶ。
「大丈夫だよアリス。ここには何も怖いものなんてないから」
闇の中、蠢く幻影に絡めとられた意識が、愛しい声に呼び戻される。頬が優しいぬくもりに包まれていると感じ、彼女は息を吐き身体の力を抜いた。
「…え…る」
そっと頬をなでる手に、アリシティアは無意識に擦り寄る。頬に触れている手を自らの手のひらで上から覆い、口元に滑らせ口づけた。
「…エル、エル」
「うん。うなされてたけど、大丈夫?」
「……怖かった…の。何回も呼んでるのに…、来てくれなくて、痛くて怖くて」
「ここにいるよ。怖くないし、痛くない」
「違……、あなたは、いなかったの」
「ちゃんとここにいる」
「それに、私に…嘘をついた」
「どんな嘘?」
「……どんな?……わからない。でも、すごく、悲しくて、痛いの」
アリシティアは両腕を、ルイスに向けて伸ばす。ルイスはそんなアリシティアを、自身の腕の中に抱き込んだ。
「夢だよ、全部」
「……ゆめ?」
「そう。だから、悪い夢は全部忘れて」
「でも、すごく、怖くて…」
アリシティアは、愛しい人の首にぎゅっと抱きついて、何度も彼の名前を呼んだ。
アリシティアに抱きつかれたルイスは、甘く愛しげな微笑を浮かべる。
「全て忘れるんだ、アリス。君が怖い時は、そばにいるから。君が要らないと言ってもね」
「……本当?」
「本当だよ」
「約束、ね」
アリシティアはその相貌に僅かに安堵を浮かべ、へにゃりと微笑んだ。
この状態のアリシティアは、完全に寝ぼけていると、ルイスは理解している。寝ぼけている時の彼女は、とことん素直で何よりも可愛い。
だから悪戯心で、稀に眠る彼女をわざと中途半端に起こして、ルイスが構い倒している事を、彼女は今だに知らない。何故か彼女は、昔から眠い時の記憶は消えるし、寝起きもかなり悪い。
ルイスはぎゅっと抱きついてくるアリシティアの目元に、優しいキスを落とす。
「ねぇアリス。しっかりと目覚めてる時も、これくらい甘えて?」
ルイスは瞼から頬、そしてほんの少し湿った唇へと、自らの唇を滑らせてゆく。
「……甘え、る?」
「そう、いっぱい甘えて」
「……なら、私の…事、好き、って言って」
瞬間、ルイスは身体をびくりと震わせ、そして苦笑した。目覚めている時なら決して口にしないであろう言葉。わかってはいても、心が震える。抱きしめる腕に力がこもる。
「大好きだよ。僕の可愛い婚約者殿」
「…もっと、言って」
「アリシティア、初めて出会った時から、ずっと愛してる。君は僕の全てだから…」
唇を微かに触れさせたまま囁き、ルイスはアリシティアの唇を舌で舐めた。
「私も、大好きよ。…エル」
アリシティアは自然と唇を開く。差し入れられた舌を迎えて、自分の舌を絡み付かせる。
貪るような口付けと共に、二人の息遣いが荒くなっていく。自然とアリシティアから甘い声が零れた。
「あっ…。お願い、私を、抱いて……、私の全てが貴方に溶けてしまう位」
最愛の彼女の甘いおねだりに、ルイスの下半身に熱が集中する。一瞬にして、痛い程存在を主張し、ルイスは単純過ぎる自分の身体に苦笑した。
「…はっ、もう。君は僕を殺す気?」
「……んで?私?…殺さない。だって、私は…貴方に幸せになって、欲しい……」
「なら、君が僕を幸せにして」
ルイスはアリシティアの足の間に、そっと手を差し入れた。そのまま指先を、アリシティアの下着の中に滑り込ませる。
同時に、アリシティアの身体がぴくりと跳ねた。
「ん…」
「はっ、なんでキスしただけで、こんなになってるの?」
「…ん、ね、入れて欲し…」
「あー、流石にそれはダメ。こんなに可愛い君のお願いでも、出来ない」
「私…では、無理…?」
「無理な訳ない。そうじゃなくて…」
ルイスの指先が、アリシティアの身体の中に、くちゅりと音をたてながら、差し入れられた。
「ああっ!!」
「いくらなんでも、いきなりは……苦しいでしょ?」
「ん、やだ。お願い…今すぐ…して」
アリシティアの中に差し込んだルイスの指が、ぎゅっと蠢く壁に締め付けられる。
「ああ、もう!!痛くても知らないからね。煽った君が悪いんだよ?!」
「エル…なら、痛くても、…苦しくても、いい。だから、お願い…」
ルイスの耳元で、アリシティアが甘えるように囁く。耳たぶを軽く噛まれ、ルイスはアリシティアの中から指を引き抜いき、性急にトラウザーズの前をくつろげる。
「んんっ、来て」
「はぁ、本当に入れるからね。痛くても知らないよ」
「エル…」
「ああ、もう!!」
服を脱がす時間すら惜しむように、彼女の下着を横にずらす。すでに持ち上がり、固くなった欲望の熱を、アリシティアの足の間に、数度滑らせた。淫猥な水音が室内に響く。そしてしっかりと蜜で潤ったアリシティアの割れた肉襞に、ルイスは彼自身の昂りを一息に突き入れた。
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