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バレンタイン・ラプソディ
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私はバレンタインデーに手作りのチョコレートを作る。直筆の手紙を添えて。
異世界で出会った彼のために──。
『バレンタインデーです。あなたを想って作りました。今年も受け取ってくれますか?』
手紙の始まりはいつも同じ。そこから毎年の思いをこめて手紙をしたためる。
『異世界で過ごした間に言葉を習得していたとはいえ、毎年1年ぶりに手紙を書くのは緊張します。文章が間違ってないといいですが。
今でも鮮明に覚えています。あなたと初めて出会った夜のことを。
異世界の月のような星が、青く輝く夜でした。漆黒の髪に黒水晶のように輝く瞳。私と同じ日本人だと思って駆け寄ったら全く違っていました。
けれど美しいあなたから目を離すことができませんでした。ええ、そうです。私の一目惚れです。あなたも私を一目見て好きになってしまった、といってくれましたよね。
あの頃の私は、異世界に聖女として召喚されたばかりで、不安でたまらない日々を過ごしていました。魔法詠唱の訓練に明け暮れる毎日。異世界の人たちは私を大切にしてくれましたし、右も左もわからない私に懇切丁寧に魔法を教えてくれました。
けれどずっと、寂しかった。私はあくまで聖女であり、打ち解けてはくれなかったから。
あなたの前では私は、ただの女でした。素のままの私でいられたのです。
それから青い月の夜の度にデートしましたね。こっそり会うだけでしたが、いままで一番幸福な時間でした。永遠にこのまま、2人一緒にいられたら。
青い月が最も大きくなる夜、私たちは二人だけで結婚式の儀式を行いましたね。
『いつ如何なる時もお互いを支え、守り、永遠に愛することを誓います』
誓いの言葉を日本のものと似ていました。1日も早く聖女としての務めを終え、あなたのところへ行こう。そして夫婦として二人で生きていこう。心からの願いでした。たとえ何があろうと叶えてみせると。
ですが、運命はどこまでも残酷でした。
夜ではない時に、あなたの姿を初めて見たのは戦場でした。私を愛した逞しい体に青い鎧を纏い、漆黒の髪には金の兜。美しく、勇ましい姿でしたね。戦場ではなかったら、あなたのところに駆け寄ったことでしょう。けれど、行けませんでした。
あなたは魔王と呼ばれる人でした。敵軍の最高司令官であり皇帝。
聖女である私が、真っ先に浄化しなければならない相手。
あの時ほど運命を呪ったことはありませんでした。
それからのことは、よく覚えていません。乞われるまま傷付いた兵士たちの体を癒やし、防御魔法で守りの壁を作って。戦場で戦い、傷ついていくあなたをぼんやり眺めていました。どうしてあなたの腕の中に飛び込んでいけないんだろう?
そんなことを考えていました。
戦は聖女を掲げる我が軍の勝利に終わりました。愛しいあなたは捕らえられ、公開処刑のために幽閉されました。
いつもなら鬼神のような強さなのに、今日の魔王は弱かった、と。
私を召喚した王と神官、高官たちは私を讃えました。聖女の力で我が軍は勝利した。憎き魔王を処刑できるのだと祝杯をあげました。
宴会の席で、酔った王は私の耳元で囁きました。
「全てあなたのおかげです。魔王を弱らせ、捕らえることができた」
私はこの時になってやっと、悟りました。
全ては仕組まれていたのだと。あなたと私の出会いから全て、計画されていたことなのだと気付きました。
私はなんて愚かだったのでしょう。聖女と崇められ、驕り、のぼせていたのです。なんてバカな女……。
せめてあなたの命だけでも、と牢屋に忍び混みました。あなたは私を見て、すぐに逃げろといいました。聖女であるあなたが魔王である私を逃がせば、その罪であなたも共に処刑される。それも全て彼らの計画だ、とあなたはいいましたね。
私もわかっていました。恨み言ひとつ言わず、私の身を案じたあなた。愛しくてたまりませんでした。どんなことがあろうと、あなたを守ってみせる。私達はもう永遠を誓った夫婦なのだから。
あなたの言葉通り、王と神官が兵士を伴って牢屋に現れました。けれど私とて無策ではありませんでした。忍び込む前、私は密かに神官の宮殿にいっていました。
あるものをもってくるために。
それは、王国の至宝である聖玉ラルシオン。この国の要であり、王国の象徴。そして私をこの世界に呼び寄せた召喚石。
私は石を高く掲げると、一気に床に叩きつけました。聖女の力と共に。あの時はあなたも私の行動に驚いてましたね。
砕け散ったラルシオンは私とあなたを包み込み、異世界から連れ去りました。ラルシオンを失えば、異世界の彼らは2度と召喚魔法を使えません。
砕けたラルシオンが私たちふたりを連れてきたのは、日本でした。そして私の部屋。この部屋で私は異世界に召喚されたのでした。
これで救われた、と思ったけれど。全てうまくはいきませんでした。ラルシオンの破片は魔王であるあなたを、石像として封じ込めてしまった。
すぐに救いだそうとしたけれど、聖女の力を失った私には何もできませんでした。泣きながら石像となったあなたを抱きしめることしかできなかった……。
その日はちょうどバレンタインデーと呼ばれる、2月14日のことでした。
あれから10年。
私はごく普通の女性として生きて働いています。毎年バレンタインデーになると、あなたのために手作りのチョコレートを作り、手紙と共に石像のあなたの前に置くのです。手紙なんて読んでもらえるはずもないのに、書かずにはいられない。あなたとの逢瀬の約束は手紙だったから。
私はこれからもあなただけを愛します。たとえ石になっても。これからも私の側にいてくださいね……』
「やだ、今年も長い手紙になっちゃった」
手紙の長さに我ながら呆れた。書き始めると止まらなくなってしまう。
「今年は10年目だもんね。特別感慨深い気がするもの」
手紙を封筒に入れ、チョコレートと共に石像の彼の前に置く。今年は手作りのガトーショコラ。うまく焼けたと思う。
石像の彼を見つめる。石になっても変わらず、美しい姿を保っている。そっと彼に寄り添った。ひんやりした石の冷たさが伝わってくる。つま先立ちになると、彼の頬を包みそっとキスをした。
「愛してるわ、あなた。美しき魔王レイ……」
愛の言葉を囁いた、そのとき。私の腰に誰かの温かい手が添えられた。驚いた瞬間、私は顔を少しだけ上向きにされ、驚く間もなく唇を塞がれた。それはレイが私を愛する時にする仕草。
「やっと目覚めることができたよ、ルリ」
「レイ……!? あなたなの? うそ、どうして」
「ラルシオンは私の体を石に変えると同時に癒やし、そして姿を変えようとしてくれたんだよ。ニホンジンとしてね。ニホンゴも使えてるだろ? でも欠片だったから時間がかかった」
「だからなの? 10年間も石像のままだったのは?」
「そうだよ。ラルシオンはね、元々私の所有物であり宝だった。奴らに奪われたんだ。力を使い果たしてなくなってしまったけれど、最後に私の願いを叶えてくれた」
涙が溢れて止まらなかった。もう二度と会えないと思った愛しい人。
「泣かないで、ルリ。ルリはオレに毎年贈り物をくれたろう? あれも復活の力になっていたんだ。ルリは10年もオレを守り続けれくれた。だから今度はオレが君を守る。これからはニホンジンとして君と共に生きていく。ルリが10際歳を重ねたぶん、オレもいい具合にオジサンになったろ?ラルシオンが気を利かせてくれた」
ああ、私の知ってるレイだ。少しだけ意地悪で、でもとびきり優しい。
言いたいことは沢山あったはずなのに。たった一言しかいえなかった。
「愛してる……レイ」
「ルリ、永遠に君を愛し、守り抜くことをここに誓います」
了
異世界で出会った彼のために──。
『バレンタインデーです。あなたを想って作りました。今年も受け取ってくれますか?』
手紙の始まりはいつも同じ。そこから毎年の思いをこめて手紙をしたためる。
『異世界で過ごした間に言葉を習得していたとはいえ、毎年1年ぶりに手紙を書くのは緊張します。文章が間違ってないといいですが。
今でも鮮明に覚えています。あなたと初めて出会った夜のことを。
異世界の月のような星が、青く輝く夜でした。漆黒の髪に黒水晶のように輝く瞳。私と同じ日本人だと思って駆け寄ったら全く違っていました。
けれど美しいあなたから目を離すことができませんでした。ええ、そうです。私の一目惚れです。あなたも私を一目見て好きになってしまった、といってくれましたよね。
あの頃の私は、異世界に聖女として召喚されたばかりで、不安でたまらない日々を過ごしていました。魔法詠唱の訓練に明け暮れる毎日。異世界の人たちは私を大切にしてくれましたし、右も左もわからない私に懇切丁寧に魔法を教えてくれました。
けれどずっと、寂しかった。私はあくまで聖女であり、打ち解けてはくれなかったから。
あなたの前では私は、ただの女でした。素のままの私でいられたのです。
それから青い月の夜の度にデートしましたね。こっそり会うだけでしたが、いままで一番幸福な時間でした。永遠にこのまま、2人一緒にいられたら。
青い月が最も大きくなる夜、私たちは二人だけで結婚式の儀式を行いましたね。
『いつ如何なる時もお互いを支え、守り、永遠に愛することを誓います』
誓いの言葉を日本のものと似ていました。1日も早く聖女としての務めを終え、あなたのところへ行こう。そして夫婦として二人で生きていこう。心からの願いでした。たとえ何があろうと叶えてみせると。
ですが、運命はどこまでも残酷でした。
夜ではない時に、あなたの姿を初めて見たのは戦場でした。私を愛した逞しい体に青い鎧を纏い、漆黒の髪には金の兜。美しく、勇ましい姿でしたね。戦場ではなかったら、あなたのところに駆け寄ったことでしょう。けれど、行けませんでした。
あなたは魔王と呼ばれる人でした。敵軍の最高司令官であり皇帝。
聖女である私が、真っ先に浄化しなければならない相手。
あの時ほど運命を呪ったことはありませんでした。
それからのことは、よく覚えていません。乞われるまま傷付いた兵士たちの体を癒やし、防御魔法で守りの壁を作って。戦場で戦い、傷ついていくあなたをぼんやり眺めていました。どうしてあなたの腕の中に飛び込んでいけないんだろう?
そんなことを考えていました。
戦は聖女を掲げる我が軍の勝利に終わりました。愛しいあなたは捕らえられ、公開処刑のために幽閉されました。
いつもなら鬼神のような強さなのに、今日の魔王は弱かった、と。
私を召喚した王と神官、高官たちは私を讃えました。聖女の力で我が軍は勝利した。憎き魔王を処刑できるのだと祝杯をあげました。
宴会の席で、酔った王は私の耳元で囁きました。
「全てあなたのおかげです。魔王を弱らせ、捕らえることができた」
私はこの時になってやっと、悟りました。
全ては仕組まれていたのだと。あなたと私の出会いから全て、計画されていたことなのだと気付きました。
私はなんて愚かだったのでしょう。聖女と崇められ、驕り、のぼせていたのです。なんてバカな女……。
せめてあなたの命だけでも、と牢屋に忍び混みました。あなたは私を見て、すぐに逃げろといいました。聖女であるあなたが魔王である私を逃がせば、その罪であなたも共に処刑される。それも全て彼らの計画だ、とあなたはいいましたね。
私もわかっていました。恨み言ひとつ言わず、私の身を案じたあなた。愛しくてたまりませんでした。どんなことがあろうと、あなたを守ってみせる。私達はもう永遠を誓った夫婦なのだから。
あなたの言葉通り、王と神官が兵士を伴って牢屋に現れました。けれど私とて無策ではありませんでした。忍び込む前、私は密かに神官の宮殿にいっていました。
あるものをもってくるために。
それは、王国の至宝である聖玉ラルシオン。この国の要であり、王国の象徴。そして私をこの世界に呼び寄せた召喚石。
私は石を高く掲げると、一気に床に叩きつけました。聖女の力と共に。あの時はあなたも私の行動に驚いてましたね。
砕け散ったラルシオンは私とあなたを包み込み、異世界から連れ去りました。ラルシオンを失えば、異世界の彼らは2度と召喚魔法を使えません。
砕けたラルシオンが私たちふたりを連れてきたのは、日本でした。そして私の部屋。この部屋で私は異世界に召喚されたのでした。
これで救われた、と思ったけれど。全てうまくはいきませんでした。ラルシオンの破片は魔王であるあなたを、石像として封じ込めてしまった。
すぐに救いだそうとしたけれど、聖女の力を失った私には何もできませんでした。泣きながら石像となったあなたを抱きしめることしかできなかった……。
その日はちょうどバレンタインデーと呼ばれる、2月14日のことでした。
あれから10年。
私はごく普通の女性として生きて働いています。毎年バレンタインデーになると、あなたのために手作りのチョコレートを作り、手紙と共に石像のあなたの前に置くのです。手紙なんて読んでもらえるはずもないのに、書かずにはいられない。あなたとの逢瀬の約束は手紙だったから。
私はこれからもあなただけを愛します。たとえ石になっても。これからも私の側にいてくださいね……』
「やだ、今年も長い手紙になっちゃった」
手紙の長さに我ながら呆れた。書き始めると止まらなくなってしまう。
「今年は10年目だもんね。特別感慨深い気がするもの」
手紙を封筒に入れ、チョコレートと共に石像の彼の前に置く。今年は手作りのガトーショコラ。うまく焼けたと思う。
石像の彼を見つめる。石になっても変わらず、美しい姿を保っている。そっと彼に寄り添った。ひんやりした石の冷たさが伝わってくる。つま先立ちになると、彼の頬を包みそっとキスをした。
「愛してるわ、あなた。美しき魔王レイ……」
愛の言葉を囁いた、そのとき。私の腰に誰かの温かい手が添えられた。驚いた瞬間、私は顔を少しだけ上向きにされ、驚く間もなく唇を塞がれた。それはレイが私を愛する時にする仕草。
「やっと目覚めることができたよ、ルリ」
「レイ……!? あなたなの? うそ、どうして」
「ラルシオンは私の体を石に変えると同時に癒やし、そして姿を変えようとしてくれたんだよ。ニホンジンとしてね。ニホンゴも使えてるだろ? でも欠片だったから時間がかかった」
「だからなの? 10年間も石像のままだったのは?」
「そうだよ。ラルシオンはね、元々私の所有物であり宝だった。奴らに奪われたんだ。力を使い果たしてなくなってしまったけれど、最後に私の願いを叶えてくれた」
涙が溢れて止まらなかった。もう二度と会えないと思った愛しい人。
「泣かないで、ルリ。ルリはオレに毎年贈り物をくれたろう? あれも復活の力になっていたんだ。ルリは10年もオレを守り続けれくれた。だから今度はオレが君を守る。これからはニホンジンとして君と共に生きていく。ルリが10際歳を重ねたぶん、オレもいい具合にオジサンになったろ?ラルシオンが気を利かせてくれた」
ああ、私の知ってるレイだ。少しだけ意地悪で、でもとびきり優しい。
言いたいことは沢山あったはずなのに。たった一言しかいえなかった。
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