異世界代理母出産～私は異世界で、100人の子を産んだ

世界をお救い下さい

「どうか、我らの世界を救っていただきたいのです、聖母様」

　目覚めた場所は、見知らぬ異世界の硬いベッドの上だった。
目覚めた私を、多くの男たちが見守っている。ぞっとした。
　歩み出てきた男は、この異世界エルドラの王だという。
王はひれ伏し、私に懇願する。

「我らの世界は、子供が産まれなくなりました。
子供を授かることができても、お腹の中で育たないのです。
エルドラ全ての女たちから、子が生まれなくなりました。
聖母様である貴女様に、我らの世界エルドラの赤子を
代わりに産んでいただきたいのです」

　代わりに出産？　どういうことだろう。

「貴女様の世界では、『代理母出産』と呼ばれるそうですね。
そのようなものだと思っていただければ良いかと思います。
医術の代わりに、我らは高度な魔法を用いますが」

　王の隣から、別の男が歩み出てきた。

「わたくしはエルドラの神官でございます、聖母様。
私が貴女様の腹に、エルドラの赤子の子種を転移魔法で移し、
授けるのです。貴女様はその赤子をお腹の中で育てて
産んでいただけたら良いのです。全て我らが致しますので
どうか御心配なきよう。どうか我らの世界をお救いください、
聖母様」

　私は震えた。そんなこと、簡単に承諾できるはずがない。