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第26話 超巨大な魔物を簡単に倒す
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さらに北東へ進むと、ティアの顔が険しくなっていた。
「魔物ね。どす黒い空気が漂っているわ」
とティアは言うが、もちろん俺たちには見えない。
ティアが聖女であるから見えるわけで、ティアはクリスタルのように更に魔物の出現を減らす力を持っている。
が、運悪く俺たちは2回も魔物に出会う機会を貰ったようだ。
ついていない。
「近いか?」
「ええ、ここから1000歩ほど進めばおそらく。それに、前回戦ったスケルトンよりも格段に強いわ。だけど!」
ティアはそう言うと俺に微笑む。
ティアが『余裕でしょ』と言いたいことを感じ取って、俺はそれに頷き返す。
「どういうことですか。聖女様?」
ヨセフは怪訝そうに眼鏡を上げていた。
「心配はいらないってことだよ、ヨセフ」
「ですが、今聖女様は強いと――」
「大丈夫です。そうでしょ?」
とティアは肩にかかった髪を払いながら言うので、俺は頷く。
やはりティアは俺の事をよくわかっている。俺は一人で戦うつもりだった。
「これは俺への依頼だからな。一人でやらなきゃ意味がない」
「いいでしょう。いざとなったら助けます」
その必要はないが、頷き、俺たちは前へと進む。
するとどんどんとティアの顔が険しくなり、ティアが巨大な岩の前で止まる。
「魔物よ」
俺はティアのそんな言葉に一瞬、ただの岩じゃないかと疑問を抱いたがすぐにこれが岩じゃなくて生き物であることが分かった。
この巨大な岩は呼吸をしている。
巨大な岩は俺たちの存在に気づいたのか、形を変え2足歩行で立ち上がろうとしていた。
タイタンほどの大きさはありそうだ。かなりでかい。
「こ! これは!!」
ヨセフは額から汗を滴り落としながら驚いていた。
「ヨセフ。この魔物のことを知っているのか?」
するとヨセフは頷く。
「この魔物は1000年前に北部を荒したと言われているバーウット」
「バーウット聞いたことがないな」
「それはあなた達が中央出身の人間だからでしょう。1000年前、技術が発展していなかった帝国はこの魔物と戦い大きな損害が出ました」
人間のような形をしているバーウットは丸まっていた背中側は岩のようだったが、表側は全て真っ黒で炎のように燃えている。
その立ち上がりを眺めながらヨセフは続ける。
「図体がでかいわりにこの魔物はとんでもなく馬鹿です。縄張り以外の敵を攻撃しようともしない。何とも不思議な魔物。ですから、皆知らなかったのでしょう」
なるほどな。そんな魔物もいるのか。
だが、感心している時間はない。
俺は杖を取り出す。
その瞬間、「ゴオオオオオオ!」と唸りながら、右足で踏みつぶそうとしていたが、俺はティアとヨセフを抱え避ける。
巨体の割には動きが早い。
「ジーク! 私たちを守る必要なんてないわ。私が何とかする」
ああ、そうだった。つい咄嗟に行動していたがティアは強いんだった。
俺は頷くと、バーウットは巨体の割に素早く動くと、今度はパンチをしてくる。
その速度は先ほどの踏みつけより数倍早い。
が、ティアは巨大な氷の壁を結界のように展開し、それを防ぐ。
流石はティアだ。相変わらず凄まじい魔力。
「一発で決めるぞ!」
俺は杖をバーウットに向けると、目を瞑り空から大量に落ちる落雷をイメージする。
攻撃を終えていたバーウットは再度踏みつけようとする動きに入ったところで、俺たちの上の空には灰色の雲が漂い、無数の紫の雷が空を駆け抜けている。
「ま、まさかバーウットを丸まる焦がすほどの雷を魔法で? そんな、馬鹿な......」
ヨセフがそう言うと同時に雷は互いに連結し合い、巨大なバーウットの肩幅を超えた雷となり落ちる。
当然雷はバーウットが俺たちを踏みつけるより早くバーウットに直撃する。
その直後、「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!」という雷の音が聞こえてきたと思ったら、バーウットは跡形もなく消えていた。
うん。イメージに時間がかかるのを除けば楽勝だ。
「そんな馬鹿な......」
ヨセフは今までそこにいたバーウットを妄想で見上げるように曇天の空を見ている。
そんなに驚くようなことだろうか。
「安心してください、ヨセフさん。あんなことができる人間なんてこの世におそらくいません」
ティアがそう言うとヨセフはハッとした表情になって咳払いをしていた。
「そうですね。この程度の魔物ならば今の帝国ならば余裕だったはず。つまり魔法はその程度という事です」
ヨセフはそう言うと踵を返していた。
どうやらヨセフの魔法嫌いは相当のようだ。
俺とティアは互いに目くばせし、ヨセフの後を追った。
「魔物ね。どす黒い空気が漂っているわ」
とティアは言うが、もちろん俺たちには見えない。
ティアが聖女であるから見えるわけで、ティアはクリスタルのように更に魔物の出現を減らす力を持っている。
が、運悪く俺たちは2回も魔物に出会う機会を貰ったようだ。
ついていない。
「近いか?」
「ええ、ここから1000歩ほど進めばおそらく。それに、前回戦ったスケルトンよりも格段に強いわ。だけど!」
ティアはそう言うと俺に微笑む。
ティアが『余裕でしょ』と言いたいことを感じ取って、俺はそれに頷き返す。
「どういうことですか。聖女様?」
ヨセフは怪訝そうに眼鏡を上げていた。
「心配はいらないってことだよ、ヨセフ」
「ですが、今聖女様は強いと――」
「大丈夫です。そうでしょ?」
とティアは肩にかかった髪を払いながら言うので、俺は頷く。
やはりティアは俺の事をよくわかっている。俺は一人で戦うつもりだった。
「これは俺への依頼だからな。一人でやらなきゃ意味がない」
「いいでしょう。いざとなったら助けます」
その必要はないが、頷き、俺たちは前へと進む。
するとどんどんとティアの顔が険しくなり、ティアが巨大な岩の前で止まる。
「魔物よ」
俺はティアのそんな言葉に一瞬、ただの岩じゃないかと疑問を抱いたがすぐにこれが岩じゃなくて生き物であることが分かった。
この巨大な岩は呼吸をしている。
巨大な岩は俺たちの存在に気づいたのか、形を変え2足歩行で立ち上がろうとしていた。
タイタンほどの大きさはありそうだ。かなりでかい。
「こ! これは!!」
ヨセフは額から汗を滴り落としながら驚いていた。
「ヨセフ。この魔物のことを知っているのか?」
するとヨセフは頷く。
「この魔物は1000年前に北部を荒したと言われているバーウット」
「バーウット聞いたことがないな」
「それはあなた達が中央出身の人間だからでしょう。1000年前、技術が発展していなかった帝国はこの魔物と戦い大きな損害が出ました」
人間のような形をしているバーウットは丸まっていた背中側は岩のようだったが、表側は全て真っ黒で炎のように燃えている。
その立ち上がりを眺めながらヨセフは続ける。
「図体がでかいわりにこの魔物はとんでもなく馬鹿です。縄張り以外の敵を攻撃しようともしない。何とも不思議な魔物。ですから、皆知らなかったのでしょう」
なるほどな。そんな魔物もいるのか。
だが、感心している時間はない。
俺は杖を取り出す。
その瞬間、「ゴオオオオオオ!」と唸りながら、右足で踏みつぶそうとしていたが、俺はティアとヨセフを抱え避ける。
巨体の割には動きが早い。
「ジーク! 私たちを守る必要なんてないわ。私が何とかする」
ああ、そうだった。つい咄嗟に行動していたがティアは強いんだった。
俺は頷くと、バーウットは巨体の割に素早く動くと、今度はパンチをしてくる。
その速度は先ほどの踏みつけより数倍早い。
が、ティアは巨大な氷の壁を結界のように展開し、それを防ぐ。
流石はティアだ。相変わらず凄まじい魔力。
「一発で決めるぞ!」
俺は杖をバーウットに向けると、目を瞑り空から大量に落ちる落雷をイメージする。
攻撃を終えていたバーウットは再度踏みつけようとする動きに入ったところで、俺たちの上の空には灰色の雲が漂い、無数の紫の雷が空を駆け抜けている。
「ま、まさかバーウットを丸まる焦がすほどの雷を魔法で? そんな、馬鹿な......」
ヨセフがそう言うと同時に雷は互いに連結し合い、巨大なバーウットの肩幅を超えた雷となり落ちる。
当然雷はバーウットが俺たちを踏みつけるより早くバーウットに直撃する。
その直後、「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!」という雷の音が聞こえてきたと思ったら、バーウットは跡形もなく消えていた。
うん。イメージに時間がかかるのを除けば楽勝だ。
「そんな馬鹿な......」
ヨセフは今までそこにいたバーウットを妄想で見上げるように曇天の空を見ている。
そんなに驚くようなことだろうか。
「安心してください、ヨセフさん。あんなことができる人間なんてこの世におそらくいません」
ティアがそう言うとヨセフはハッとした表情になって咳払いをしていた。
「そうですね。この程度の魔物ならば今の帝国ならば余裕だったはず。つまり魔法はその程度という事です」
ヨセフはそう言うと踵を返していた。
どうやらヨセフの魔法嫌いは相当のようだ。
俺とティアは互いに目くばせし、ヨセフの後を追った。
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