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第25話 久しぶりに会う人は変わらない
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俺たちはもこもこのモコンに乗りモラの村に向かっていて、あと少しのところだ。
だというのに、帝国部隊のマントが邪魔で仕方がない。
黒を基調として赤が少し入る程度の帝国の制服は帝国の将ならば着なければいけないらしく、俺はアシスヘイムを出る辺りから着ているのだが、どうもマントと言うものが慣れない。
クルザ王国でもマントはあるが、クルザでは自由なので俺は着ていなかった。
こんなにも邪魔なのか......
俺はマントを右手で押さえる。
「ジーク。そのマント邪魔そうね」
横を走っていたティアはついに気づいてくれたのかそう言っていた。
ちなみに、ティアは聖女なのでクルザと変わらずの白い服だ。
「ああ、そうなんだ。風でなびいてな......」
「慣れですよ。大元帥」
前を行くヨセフは相変わらず振り向きもせずそう言うと、
「さあ、着いたようです」
前を指さしながらそう言っていた。
俺がマントに現を抜かしている間に、どうやらもう着いていたようだ。
俺はそんなヨセフの言葉に前を見ると、真っ暗な中橙色の魔法掲示板の光や、魔法電灯が光っている。
俺はその北部限定の質素な明かりを見て懐かしいと感じた。
以前、ここに来たのは18の頃。俺がまだ学生だった頃だ。
あのときにはもう先代宰相の元で働いていたか。
俺は過去を懐かしく思っていると、前方からモコンの足音に気づいた村人たちが近寄っていた。
「おお、これはヨセフ元帥様。それに......」
「こちらはジーク大元帥とリスティア聖女です」
村長の言葉にヨセフは敬語でそう答えていた。
やはりヨセフは礼儀正しいようだ
「なんとっ! これは失礼しました。ジーク様、リスティア様」
村長は頭を下げると、後ろにいた村人たちは何やら話している。
「リリーザ様を救ってくれたクルザの魔法使い!」「でも魔法使いなんて怖い.......」「ばか! 声がでかいぞ!」
聞こえてるんだがな。
「これ! 失礼なことを言う出ない! すみません、北部は代々魔力を持たないものが多いもので」
「そうですか」
俺はティアのバックからクリスタルをとると魔力を補充し、村長に手渡す。
これでいくらか安心してくれるだろう。
あと、クリスタルの補給についても考えなければな。
「5年は持つだろう」
「5年ですと? 馬鹿なあり得ない! いや、失礼。ジーク様の力ならあり得るのでしょうか......」
「まぁ、使ってみてくれ」
「わかりました。ジーク様、ありがとうございます」
と村長が言うと、村人たちも納得してくれたのか俺の事を怖い人と言う認識を捨て去った顔をしていた。
「それで、今日ここに来たのは頑固な爺さんを探すためなんだ」
俺がそう言うと村人たちは一斉に頷いた。どうやら有名人になったらしい。
「ああー! あの変わりものの。あっ! これは失礼」
事実だからな。言ってもいいぞ。
「ザンビさんなら、もうずっとこの近くにある滝の裏の洞窟で暮らしています」
村長はそう言うと北東の滝を指さす。
グレアにいた頃、ザンビは家に暮らしていたから、もっと変わり者のようになったらしい。
「ありがとう村長。さあ、行こう」
俺はティアとヨセフを見る。
「もう、行かれるのですか?」
「ええ、少々忙しいので」
とヨセフは俺が言うより早くに言い、俺たちは村の近くの滝へと向かう。
「本当にこんな薄暗い洞窟に暮らしているのかしら。しかも、ちょっと焦げ臭いし」
ティアは鼻の前で手を振っている。
「この匂い。確実にザンビ爺さんだな」
俺はこの臭いを知っている。鉱石を溶かして打つときの臭いだ。
「すごい臭いですね......」
ヨセフも臭いのか鼻をつまんでいた。
「独自の技術だからな。どうしても臭くなるそうだ」
俺はそう言うと、洞窟の中に進む。
「ザンビ爺さん!」
すると、奥から白髭を生やした小太りの久しぶりに見る顔が現れる。
「ほう。これは珍しい。8年ぶりか」
「ああ、そんなところだ」
「でかくなったもんだな」
爺はそう言うと、ティアとヨセフをちらっと見る。
「それで何の用なんだ?」
爺さんやはり話が早くて助かる。
「実は、天剣を作って欲しい」
「断る」
「お願いだ」
「横のおなごに触っていいならやってやる」
「断る」
「ちょっとだけだ」
「絶対に断る」
俺がそう言うと間が開く。
だが、嫌な雰囲気にはならない。
そんな中、俺はようやく理由を言いたくなってきたので、言うことにした。
「人の命を救うためだ。頼む」
するとザンビは大きな溜息をした。
「なぜ早く言わんのだ。相変わらず頑固な小僧だ」
「爺さんだって相変わらず頑固じゃないか」
すると再び間が開く。
これが俺たちのコミュニケーションだった。
「だが、わしもただで引き受けるつもりはない。それに本来ならば、絶対に断ってたぞ」
ザンビは力強い目でそう言うので、俺は頷く。
「ああ、分かってる。それでも来たんだ」
俺がそう言うとザンビは眉を上げる。
「変わらずだなお前は。まあ、いい。条件だ。わしはクルザの国民の命など遠すぎて、もはやどうでもいい。だが、近くとなると別だ。モラの村の北東、ここから先にさらに進んだところに魔物の住みかができた」
「倒せばいいのか、その魔物を」
相変わらず損な性格をしている。魔物を倒していることを村の皆が知れば、どんなに驚くことか。
いや、それは俺もだったか。人のことは言えないな。
俺はそんなことを思いながらそう言う。
「そう言うことだな。ジーク。ここはクルザから遠い。魔物も頻繁に沸く。大抵はわしが倒すが、今回の魔物はレベルが違う。鍛冶師のわしでは無理だが、お前ならできる。そうだろう?」
ザンビはニッコリと笑っていたので、俺は頷く。
「もちろんだ。速攻で片付けてくるよ」
「ああ、天剣は任せておけ」
俺はそう言うと、ティアとヨセフを見る。
ぽかんとしていた二人だったが、俺の視線に気づくと頷く。
だから俺は北東へ向かった。
宣言通り、速攻で片付けるために。
だというのに、帝国部隊のマントが邪魔で仕方がない。
黒を基調として赤が少し入る程度の帝国の制服は帝国の将ならば着なければいけないらしく、俺はアシスヘイムを出る辺りから着ているのだが、どうもマントと言うものが慣れない。
クルザ王国でもマントはあるが、クルザでは自由なので俺は着ていなかった。
こんなにも邪魔なのか......
俺はマントを右手で押さえる。
「ジーク。そのマント邪魔そうね」
横を走っていたティアはついに気づいてくれたのかそう言っていた。
ちなみに、ティアは聖女なのでクルザと変わらずの白い服だ。
「ああ、そうなんだ。風でなびいてな......」
「慣れですよ。大元帥」
前を行くヨセフは相変わらず振り向きもせずそう言うと、
「さあ、着いたようです」
前を指さしながらそう言っていた。
俺がマントに現を抜かしている間に、どうやらもう着いていたようだ。
俺はそんなヨセフの言葉に前を見ると、真っ暗な中橙色の魔法掲示板の光や、魔法電灯が光っている。
俺はその北部限定の質素な明かりを見て懐かしいと感じた。
以前、ここに来たのは18の頃。俺がまだ学生だった頃だ。
あのときにはもう先代宰相の元で働いていたか。
俺は過去を懐かしく思っていると、前方からモコンの足音に気づいた村人たちが近寄っていた。
「おお、これはヨセフ元帥様。それに......」
「こちらはジーク大元帥とリスティア聖女です」
村長の言葉にヨセフは敬語でそう答えていた。
やはりヨセフは礼儀正しいようだ
「なんとっ! これは失礼しました。ジーク様、リスティア様」
村長は頭を下げると、後ろにいた村人たちは何やら話している。
「リリーザ様を救ってくれたクルザの魔法使い!」「でも魔法使いなんて怖い.......」「ばか! 声がでかいぞ!」
聞こえてるんだがな。
「これ! 失礼なことを言う出ない! すみません、北部は代々魔力を持たないものが多いもので」
「そうですか」
俺はティアのバックからクリスタルをとると魔力を補充し、村長に手渡す。
これでいくらか安心してくれるだろう。
あと、クリスタルの補給についても考えなければな。
「5年は持つだろう」
「5年ですと? 馬鹿なあり得ない! いや、失礼。ジーク様の力ならあり得るのでしょうか......」
「まぁ、使ってみてくれ」
「わかりました。ジーク様、ありがとうございます」
と村長が言うと、村人たちも納得してくれたのか俺の事を怖い人と言う認識を捨て去った顔をしていた。
「それで、今日ここに来たのは頑固な爺さんを探すためなんだ」
俺がそう言うと村人たちは一斉に頷いた。どうやら有名人になったらしい。
「ああー! あの変わりものの。あっ! これは失礼」
事実だからな。言ってもいいぞ。
「ザンビさんなら、もうずっとこの近くにある滝の裏の洞窟で暮らしています」
村長はそう言うと北東の滝を指さす。
グレアにいた頃、ザンビは家に暮らしていたから、もっと変わり者のようになったらしい。
「ありがとう村長。さあ、行こう」
俺はティアとヨセフを見る。
「もう、行かれるのですか?」
「ええ、少々忙しいので」
とヨセフは俺が言うより早くに言い、俺たちは村の近くの滝へと向かう。
「本当にこんな薄暗い洞窟に暮らしているのかしら。しかも、ちょっと焦げ臭いし」
ティアは鼻の前で手を振っている。
「この匂い。確実にザンビ爺さんだな」
俺はこの臭いを知っている。鉱石を溶かして打つときの臭いだ。
「すごい臭いですね......」
ヨセフも臭いのか鼻をつまんでいた。
「独自の技術だからな。どうしても臭くなるそうだ」
俺はそう言うと、洞窟の中に進む。
「ザンビ爺さん!」
すると、奥から白髭を生やした小太りの久しぶりに見る顔が現れる。
「ほう。これは珍しい。8年ぶりか」
「ああ、そんなところだ」
「でかくなったもんだな」
爺はそう言うと、ティアとヨセフをちらっと見る。
「それで何の用なんだ?」
爺さんやはり話が早くて助かる。
「実は、天剣を作って欲しい」
「断る」
「お願いだ」
「横のおなごに触っていいならやってやる」
「断る」
「ちょっとだけだ」
「絶対に断る」
俺がそう言うと間が開く。
だが、嫌な雰囲気にはならない。
そんな中、俺はようやく理由を言いたくなってきたので、言うことにした。
「人の命を救うためだ。頼む」
するとザンビは大きな溜息をした。
「なぜ早く言わんのだ。相変わらず頑固な小僧だ」
「爺さんだって相変わらず頑固じゃないか」
すると再び間が開く。
これが俺たちのコミュニケーションだった。
「だが、わしもただで引き受けるつもりはない。それに本来ならば、絶対に断ってたぞ」
ザンビは力強い目でそう言うので、俺は頷く。
「ああ、分かってる。それでも来たんだ」
俺がそう言うとザンビは眉を上げる。
「変わらずだなお前は。まあ、いい。条件だ。わしはクルザの国民の命など遠すぎて、もはやどうでもいい。だが、近くとなると別だ。モラの村の北東、ここから先にさらに進んだところに魔物の住みかができた」
「倒せばいいのか、その魔物を」
相変わらず損な性格をしている。魔物を倒していることを村の皆が知れば、どんなに驚くことか。
いや、それは俺もだったか。人のことは言えないな。
俺はそんなことを思いながらそう言う。
「そう言うことだな。ジーク。ここはクルザから遠い。魔物も頻繁に沸く。大抵はわしが倒すが、今回の魔物はレベルが違う。鍛冶師のわしでは無理だが、お前ならできる。そうだろう?」
ザンビはニッコリと笑っていたので、俺は頷く。
「もちろんだ。速攻で片付けてくるよ」
「ああ、天剣は任せておけ」
俺はそう言うと、ティアとヨセフを見る。
ぽかんとしていた二人だったが、俺の視線に気づくと頷く。
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