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79 ※ゲイルside
しおりを挟むスカルフが暫く安静にと言っていたが、いつまでなんだろう。
マリーをベッドに寝かせ浄化魔法を掛けて、その美しい黒髪を手で梳く
「マリー、今日の晩飯は何が良い?」
いつマリーが起きるか分からないからな、飯を作って待っていてやらねばな。
きっと、お腹を空かせているだろうから。
マリーに問い掛けながら、晩飯のメニューを考えた。
その日は心配で何度もマリーの部屋に足を運んだ。
結局マリーは、起きなかった。
自分だけ少し食べて、飯は明日用に置いておいた。
次の日もマリーは起きなかった。
起きたら近くに居てやりたいから、出来るだけ傍に居た。
学園が長期休暇中で良かった。
その次の日もマリーは起きなかった。
浄化魔法を掛けたり、話し掛けたりしてみたが反応は無い。
顔色は良いが、温もりを感じて居ないと不安になり手を握っていた。
呆れたアレンから口に果物や木の実、水分を偶に押し込まれて咀嚼し飲み込む日々。
次の日は涙が止まらなかった。
こんなにもマリーが愛しい。
早く、元気なマリーが見たい。
1日泣き腫らし、擦り過ぎた目はヒリヒリとしていて
こんな顔はマリーに見せられないなと自棄になっていた。
眠る事すらままならず、マリーに怒られる想像をしてはその肌に触れる。
すると、指先がピクリと動き
ゆっくりとマリーが目を開けた。
俺を見てマリーは俺の名前を呼ぼうとしたが5日も眠って居たのだ、話せずに咳き込んでしまう。
「ありがとう、何だか喉がカラカラ」
そう言って笑うマリーは、俺が見たかったマリーそのものだった。
大変だったろうに、心配させまいと可憐な花の様に笑うマリーはとても美しい。
生きている喜びと、本当かどうかの不安でマリーを強く抱き締めた。
ねぇ、マリー。
やっぱり俺は君を離してなんかやれない。
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