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しおりを挟む「ど~~しよーーー、カレン~。
推しに本気になるとか世の理に反するよ~!!」
「…ちょっと、なんで私が兄を好きな人の恋愛相談に乗らなきゃいけないのよ」
「だって~…。こんな事話せるの、カレンしかいないもん」
「ばっ…!そ、そこまで言うなら聞いてあげても良くってよ。
ていうか、何がいけないのか分からないわ」
「ありがと~カレンは女神様かな?そういえば、似てるかも?」
「ズレてるわよ、マリー」
昨日の今日で家に居辛くて、たまたま来たカレンを引っ張り出しカフェでお茶をしている。
つまり、女子会中だ。
「カレンはどうなの?エディと」
「え!!?ななななな、なんで知ってるのよ!」
「あ~、やっぱりそうなんだ!
漫画の話しをする度に嬉しそうだからそうかなって思って、カマかけちゃった」
「なっ!なんて人なの!自分の事は鈍感な癖に!」
「で、どうなの?」
「どうもしないわよ!……最近、少し距離を置いているんだもの」
「え、どうして?」
「…この間王城に行った時に令嬢方に囲まれて鼻の下を伸ばしていたわ。
政略結婚もまだ多いけれど、貴族同士の自由恋愛も増えた。
エディもそろそろ誰か婚約者を、とゲイルに婚約者が出来た事で未婚の方々は必死なのよ」
「その話題、完全に忘れてた。
カレンはその中に混ざらないの?」
「私は…、女とも見られて居ないわ…妹の様な存在止まりなの。
意識して貰おうと頑張った時も有ったけれど…
長い付き合いよ、分かってしまう。
お母様に16歳までに何も無ければ婚約者を決める、と言われてしまったわ。
私は侯爵家に生まれたんだもの、覚悟はしている。
でも、エディの婚約者が決まる所も誰かが隣に居るところも見たくないから…避けているわ…。
って!!やだ、泣かないでよ!」
「だ、だって」
自分には貴族の事は分からない。
カレンは冷静に自己分析した上で、エディを避けているのだ。
こんなにエディの事が好きなのに
「…同情なんてしないで。
分かっていて好きになってしまったんだもの。
代わりに泣いてくれてありがとう」
そう言ってカレンは私の涙をとても綺麗なハンカチで拭ってくれる。
カレンはまだ15歳だ。
でも、貴族の世界では"もう"15歳だと言う。
あちらでは高校生に上がるか上がらないかくらいの年齢では無いか
年下の女の子が健気に頑張っているのに、涙腺が緩まない私では無い。
こんなに大人にならなければ貴族になれないなら、私にはきっとなれない。
「ごめんね、カレン。
でも諦めたらそこで試合終了なんだから~ーーー!」
「…なにそれ。可笑しな人ね」
某名言を発したら余計涙腺が崩壊してしまい、カレンがクスクス笑いながら私の涙を拭い続けてくれる。
こんなに優しい人が報われないなんて。
女神様にクレーム入れよう。
「それ、あげるわ」と言われたハンカチが滴るくらいになってようやく涙は止まり、奢るからやけ食いしよう!と追加にケーキを頼んだ。
このハンカチ高そう。
「ふふ、私に奢るなんて言うのマリーくらいよ」
「いいのっ!奢りたい気分なの!」
「では、甘えようかしら」
「喜んで!」
「それで、マリーはどうするの?」
「ん~…。とりあえずは現状維持かなって思ってる。
恋愛に疎すぎてどうして良いのか分からないんだよね」
「え?マリーはあちらで28歳だったのよね?」
「そう。だけど恋人さえ出来た事無かったからなぁ~」
「そうなの?その…、失礼かもしれないけれど見た目が悪かったりしたの?」
「かな?変わったのは目の色だけだから、そうだと今も変わらないなぁ。ゲイル不細工でも良いかなぁ?」
「…それは無いって事ね。何故かしら」
「え、無いの?」
「えぇ、無いわね。高嶺の花とかだったんじゃ無いかしら」
「まさか~無い無い。それはもう見事な干物でしたよ」
「干物は分からないけれど…。ま、いいわ。
自分の気持ち、打ち明けないの?」
「うん、今は無いかな…。後半年一緒に居なきゃいけないのに気不味くなりたくないし、何よりゲイルを困らせたくない」
「確かに、ゲイルにしたら断りにくい状況ね」
「でしょ?だからとりあえず、現状維持!」
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「恋バナ?」
「恋の話し!」
「あぁ、私も初めてよ。婚約者が出来たらマリーに直ぐに伝えるわね」
「分かった。良い人だと良いね」
「そうね。マリーも進展したら教えるのよ?」
「うん!暫く進展しないかもしれないけど、カレンが居てくれて良かったな」
「…マリーは恥ずかしい事をズカズカ言うわよね」
「え、付き合っちゃう?」
「なっ!何の話よ!私達お互い好きな人がいるのに!」
「ふふふ~カレン大好き~!」
「ちょっと、抱き着かないでって!ほら、ケーキ来たわよ!」
「わーい!いただきまーす!」
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