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第4章 学園生活
第34話 ごめんみんな……
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「というわけなんだ。明日朝一で一回実家に戻ることになった。」
「えぇ!?なんでルー君だけ?私も帰りたいよ!!」
ルーズハルトは夕食の際にサイファとのやり取りをざっくりと説明した。
ただし神様との取引についてと転生者としての内容は伏せたままで。
説明内容についてはサイファとリリックの両名と打ち合わせ済みで、両親にもそう伝えることとなっていた。
〝リリックの推薦で魔法騎士見習いとして騎士団に所属することになった。〟というものだ。
実際に後日騎士団の使いのものが来ることにもなっており、展開の速さにルーズハルトはついていけなかった。
「わがままを言わないよエミリアー。」
「だって~。」
エミリアは憮然とした態度を示すのも無理はなかった。
実家を離れてから半年以上が経過し、ホームシックになりつつあったからである。
それでも周囲の生徒たちに比べ、実年齢20歳を超えた女性であるエミリアは普段は表に出すことはなかった。
しかしルーズハルトが一時帰宅をすると聞き、それが表に現れたのだ。
ここに居る気心知れたいつものメンバーだからというのもあるが。
「エミー、別に遊びに帰るわけじゃないからね?騎士団の件は両親に了承を貰わないといけないんだ。しかも騎士団からも同行者がいるし。」
「むぅ~。ルー君の意地悪!!」
更に機嫌を損ねたエミリアはプイッとそっぽを向いてしまった。
ルーズハルトは苦笑いを浮かべつつも、バイトに対して視線を送っていた。
バイトもその意図に気が付いたのか、そっと何かをエミリアに呟くと、エミリアは憮然とした態度はくずさな、少しだけ態度を軟化させてくれたのであった。
「ルー君!!帰ってきたらスイーツ巡りに付き合ってよね!!」
「え?!なんでそうなるの!ちょっ、バイト!?エミーに何言ったんだよ!?」
不貞腐れた表情は変わらないものの、ルーズハルトに向かってビシッと指差すエミリア。
この時ルーズハルトは、その内容に戦律を覚えた。
なぜならばエミリアは大のカワイイアンド甘い物好きなのである。
ルーズハルトは学生時代……と言っても今は幼少期だが……現代日本に居た頃も度々エミリアに捕まり、その都度スイーツ巡りにつきあわされていた。
いくら好きな女性であったとしても、この辺りは辟易せざるを得なかったのだ。
———閑話休題———
思い出したくない記憶が鮮明に蘇ったルーズハルトは、身体を身震いさせ、慌てる様子でバイトに詰め寄った。
バイトはニヤリと笑みを浮かべるも助ける様子はなく、周りのメンバーも微笑ましく見守るだけであった。
「……わかったよ……分かりました!!エミリアお嬢様、お付き合いさせていただきます……」
状況的に積んだと判断したルーズハルトは、観念したようにエミリアの提案を渋々受け入れることにしたのだった。
ルーズハルトから了承の返事を得たエミリアは、先程までの態度とは打って変わって満面の笑みで勝ち誇ったような態度を見せていた。
このとき初めてルーズハルトは悟った。
いつからかは分からないが、エミリアの手のひらに乗っていたことを。
そう言えば、実家にいたときも父ルーハスとともに、母オーフェリアとエミリアには頭が上がらなかった事を思い出したルーズハルトなのであった。
「ところでいつ戻る予定なんだい?」
ルンデルハイムはあらかた食事を終えたと判断し、本題に入ることにした。
「どうだろ?騎士団の馬車の移動速度次第だけど、おおよそ1週間から10日くらいじゃないかな?」
今のルーズハルトであれば、3日もあれば行って帰ってこれる距離となっていた。
しかし今回は事情説明のため騎士団からも数人同行することになり、馬車換算の日程となってしまったのだ。
「それは寂しくなるね。その間エミリア嬢は僕に任せてくれたまえ。」
「それが一番心配事でしかないんだが……。バイト……責任を持って止めてくれ。」
いつになく真剣なルーズハルトの視線に、バイトは首肯しそれに答えた。
エミリアは未だ諦めてくれないルンデルハイムに深いため息をつくも、嫌ってる様子は見られなかった。
だが一番噛み付いたのはほかでもないリリアナであった。
「ルンデルハイム様!!この状況であわよくばと口説こうとするのは紳士としていかがなものでしょう?」
「ん?どうしたんたい、リリアナ嬢。僕はいつもどおりだと思うけど?」
リリアナはエミリアを守るように手を伸ばすと、ルンデルハイムに向かってガルルと言わんばかりに不快感をあらわにした。
と言っても実際には子犬が牙を剥く程度の可愛らしさであり、周囲も微笑ましこ思えていた。
「ルンデルハイムも揶揄うのはやめるんだ。リリーも淑女としてどうかと思うよ?」
「おっと、つい可愛らしいものでね。」
「あわわっわわ!!す、す、すみません!!あぁんもう、私ったら……ついお姉様のことになると……」
バイトが諫めるように二人を止めると、ルンデルハイムは肩をすくめてみせた。
一方のリリアナは、自身の行動があまりにも恥ずかしかったのか、赤面でゆでダコ状態。
いつもの日常を取り戻していたのだった。
「ごめんみんな……」
そんな中つぶやかれたルーズハルトの言葉は誰の耳にも届くことはなかったのだった。
「えぇ!?なんでルー君だけ?私も帰りたいよ!!」
ルーズハルトは夕食の際にサイファとのやり取りをざっくりと説明した。
ただし神様との取引についてと転生者としての内容は伏せたままで。
説明内容についてはサイファとリリックの両名と打ち合わせ済みで、両親にもそう伝えることとなっていた。
〝リリックの推薦で魔法騎士見習いとして騎士団に所属することになった。〟というものだ。
実際に後日騎士団の使いのものが来ることにもなっており、展開の速さにルーズハルトはついていけなかった。
「わがままを言わないよエミリアー。」
「だって~。」
エミリアは憮然とした態度を示すのも無理はなかった。
実家を離れてから半年以上が経過し、ホームシックになりつつあったからである。
それでも周囲の生徒たちに比べ、実年齢20歳を超えた女性であるエミリアは普段は表に出すことはなかった。
しかしルーズハルトが一時帰宅をすると聞き、それが表に現れたのだ。
ここに居る気心知れたいつものメンバーだからというのもあるが。
「エミー、別に遊びに帰るわけじゃないからね?騎士団の件は両親に了承を貰わないといけないんだ。しかも騎士団からも同行者がいるし。」
「むぅ~。ルー君の意地悪!!」
更に機嫌を損ねたエミリアはプイッとそっぽを向いてしまった。
ルーズハルトは苦笑いを浮かべつつも、バイトに対して視線を送っていた。
バイトもその意図に気が付いたのか、そっと何かをエミリアに呟くと、エミリアは憮然とした態度はくずさな、少しだけ態度を軟化させてくれたのであった。
「ルー君!!帰ってきたらスイーツ巡りに付き合ってよね!!」
「え?!なんでそうなるの!ちょっ、バイト!?エミーに何言ったんだよ!?」
不貞腐れた表情は変わらないものの、ルーズハルトに向かってビシッと指差すエミリア。
この時ルーズハルトは、その内容に戦律を覚えた。
なぜならばエミリアは大のカワイイアンド甘い物好きなのである。
ルーズハルトは学生時代……と言っても今は幼少期だが……現代日本に居た頃も度々エミリアに捕まり、その都度スイーツ巡りにつきあわされていた。
いくら好きな女性であったとしても、この辺りは辟易せざるを得なかったのだ。
———閑話休題———
思い出したくない記憶が鮮明に蘇ったルーズハルトは、身体を身震いさせ、慌てる様子でバイトに詰め寄った。
バイトはニヤリと笑みを浮かべるも助ける様子はなく、周りのメンバーも微笑ましく見守るだけであった。
「……わかったよ……分かりました!!エミリアお嬢様、お付き合いさせていただきます……」
状況的に積んだと判断したルーズハルトは、観念したようにエミリアの提案を渋々受け入れることにしたのだった。
ルーズハルトから了承の返事を得たエミリアは、先程までの態度とは打って変わって満面の笑みで勝ち誇ったような態度を見せていた。
このとき初めてルーズハルトは悟った。
いつからかは分からないが、エミリアの手のひらに乗っていたことを。
そう言えば、実家にいたときも父ルーハスとともに、母オーフェリアとエミリアには頭が上がらなかった事を思い出したルーズハルトなのであった。
「ところでいつ戻る予定なんだい?」
ルンデルハイムはあらかた食事を終えたと判断し、本題に入ることにした。
「どうだろ?騎士団の馬車の移動速度次第だけど、おおよそ1週間から10日くらいじゃないかな?」
今のルーズハルトであれば、3日もあれば行って帰ってこれる距離となっていた。
しかし今回は事情説明のため騎士団からも数人同行することになり、馬車換算の日程となってしまったのだ。
「それは寂しくなるね。その間エミリア嬢は僕に任せてくれたまえ。」
「それが一番心配事でしかないんだが……。バイト……責任を持って止めてくれ。」
いつになく真剣なルーズハルトの視線に、バイトは首肯しそれに答えた。
エミリアは未だ諦めてくれないルンデルハイムに深いため息をつくも、嫌ってる様子は見られなかった。
だが一番噛み付いたのはほかでもないリリアナであった。
「ルンデルハイム様!!この状況であわよくばと口説こうとするのは紳士としていかがなものでしょう?」
「ん?どうしたんたい、リリアナ嬢。僕はいつもどおりだと思うけど?」
リリアナはエミリアを守るように手を伸ばすと、ルンデルハイムに向かってガルルと言わんばかりに不快感をあらわにした。
と言っても実際には子犬が牙を剥く程度の可愛らしさであり、周囲も微笑ましこ思えていた。
「ルンデルハイムも揶揄うのはやめるんだ。リリーも淑女としてどうかと思うよ?」
「おっと、つい可愛らしいものでね。」
「あわわっわわ!!す、す、すみません!!あぁんもう、私ったら……ついお姉様のことになると……」
バイトが諫めるように二人を止めると、ルンデルハイムは肩をすくめてみせた。
一方のリリアナは、自身の行動があまりにも恥ずかしかったのか、赤面でゆでダコ状態。
いつもの日常を取り戻していたのだった。
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