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第9章 富士の樹海ダンジョン攻略編
第121話 敵わぬ者
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静かに広がった殺気を感じたリヒテルたちは、局面が変わったことを感じ取っていた。
だが迫りくる剣の嵐は変わることなく、とめどなく押し寄せてきた。
自分たちでは近づくことはおろか、この場に縫い留められている状況に、歯がゆさを感じていたのだ。
「くそ!!どうすれば!!」
つい漏れるリヒテルの苛立ち。
それは、仲間たち全員が同じ気持ちであった。
元凶たる山田に、何一つ返せていなかったからだ。
そんなリヒテルたちを横目に、涼しい顔でケントを見つめる山田……井伊。
そんなやり取りをしている間にも、またも盗賊団の一団が姿を現したのだ。
「お頭ぁ~、俺たちはこっから先にいけないんで、ここで応援してますねぇ~」
なんとも場違いなセリフに、一瞬気が緩みかけるリヒテル。
命のやり取りをしている最中に、そのようなセリフがよく出てくるものだと感心しかけたのだった。
すると井伊は何を思ったか、宙に浮いた剣の大群を消滅させたのだ。
「あぁ~うん、興が覚めてしまったな。依頼主も殺したことだし、終わりにしようか。」
井伊は手にした剣を鞘に戻し、踵を返して手下のもとへと向かってしまった。
あまりにも急なことで戸惑い、行動が遅れたリヒテル。
追う姿勢を見せるも、それはケントによって止められたのだった。
「やめておいた方が良い。君たちだとあいつには勝てない。あいつは実力の4割も出していないからね。今の君たちが束になっても返り討ちに合うのが関の山だ。」
ケントの忠告を無視するわけにもいかず、ただ井伊が去るのを見送る事しかできない自分に苛立ちを覚えるリヒテル。
その感情は、悔しさと怒りが綯交ぜとなり、自分でもコントロールが出来そうになかった。
「そうだ、中村剣斗さん。きっとあなたとは、またどこかで会いそうだ。その時を楽しみに待ってる……。それとそこの坊や……いずれまた会おう。」
去り行く井伊は、言い忘れたとばかりに、ケントとリヒテルに声をかけた。
それは挑発とも挑戦ともとれるもので、ケントは苦笑いを浮かべるほかなかった。
井伊は後ろ手にひらひらと手を振り、悪びれる様子もなくその場を後にしたのだった。
「一難去ってまた一難……って感じかな?」
「災難と言ってもいいくらいですよ……」
ケントはどこか困った様子を見せるも、顔には楽しみだと言わんばかりに笑みが浮かんでいた。
それはリヒテルとは対照的であった。
——————
「さて、予定は崩れたからこの後どうする?」
ケントは、何事もなかったようにリヒテルに問いかける。
一瞬リヒテルは答えに詰まってしまったが、今はまだダンジョンアタック中であることを思い出し、どうするべきかと思案をしていた。
「一度戻ろう。とりあえず不足した消耗品も補充したいし。劉さんにその辺はお願いするとしよう。」
リヒテルは一瞬迷ったものの、撤退の行動指針を示すことにした。
理由は簡単で、思ったよりも自分の消耗が激しかったからだ。
肉体的にも、精神的にも。
メンバーもそれを否定することはなく、意見は一致していた。
ケントもその判断には賛成だった。
そばにいたタクマやタケシも、納得の表情で頷いていた。
どうやらリヒテルの判断は、二人のお眼鏡にかなったようであった。
一度ダンジョンアタックを終えて防衛用の砦を後にした一行だったか、一人膝を抱えて座席に座っている人物がいた。
そう、レイモンドだ。
レイモンドは帰りも自分が運転するものだと思っており、心ワクワクといった感じであった。
しかし、実際に運転しているのはケントであった。
最初、運転席に座るためにドアに手をかけたレイモンドであったが、ギルバードにつかまりそのまま後部座席に放り込まれてしまったのだ。
その隙に運転席にケントが座り、文句を言う間もなく次々と全員が座席に付きシートベルトを締めると、すぐに発信してしまったのだ。
おかげでレイモンドは、ハンドルを握ることなく【シャービンシュライン】へと戻ってきたのだった。
「おかえりなさい。補給の準備は出来ていますが、まずは公営組織探索者支援組合に行ってください。先ほど連絡いただいた件で組合長が話があるそうです。」
街に着くなり劉の出迎えを受けた一行だったが、休む間もなく公営組織探索者支援組合へ向かうことになった。
劉には帰る前に事情を知らせており、劉の方でいろいろと動いてくれていたようだった。
その一環で、組合長との面会という流れになってしまったらしい。
劉としても面倒ごとになると予感し避けたかったようだが、それがかなわなかったと頭を下げていた。
「ねえ劉、どうせあなたの事だから情報を引き出したんでしょ?」
「何のことでしょう?あちらもお待ちですから急いで向かいましょう。」
劉の性格を理解してきたジェシカは劉に耳打ちをした。
しかし劉はそれに何ら動揺することなく、先を急ぐように促してきた。
食えない男ねとつぶやくと、ジェシカは面白くなさそうな表情を浮かべていた。
その会話が聞こえていたリヒテルは苦笑いを浮かべるほかなかった。
劉の交渉能力はリヒテルとしても頼りにする部分が大きかった。
しかし昔から秘密主義者である劉の弱みを見つけたことがなかっただけに、果敢に攻めようとするジェシカに憐れみすら覚えてしまったのだった。
「お待ちしておりましたケント様。」
「様はいらないよ。俺は一回の【探索者】だ。そんな俺に組合長がへりくだっては示しがつかないでしょ?むしろこっちが敬語を使った方が良いのかな?」
待ち人来りて頬染める……などという情緒のある再会はここには存在していなかった。
あったのは狸の化かし合い。
大人の交渉というやつであった。
のっけからやり合うケントと律にはらはらとしてしまったリヒテルであった。
組合長の執務室へやってきたリヒテル一行は、律に迎えられるまま応接用のソファーに腰かける。
律もその様子を見て、リヒテルとケントの前のソファーに腰を下ろした。
「それに、わざとそんなことしなくていいから。リヒテルが困ってるでしょ?」
「つい調子に乗って悪ふざけを。ごめんなさいねリヒテル君。ケント様にお会いできるなんて夢のようで、舞い上がってしまったの。」
今度こそ顔を赤らめ若干の科をつくる律に、どう反応して良いのか分からず、リヒテルは困惑の色を隠せなずにいた。
レイラやジェシカはそれが演技だと気が付いては居たが、リヒテルの困惑している姿が思いの他ツボにハマったようで、それを咎めることはしなかった。
「さてと、そろそろ本題に入ろうか。呼び出しの件は【井伊 修】と盗賊団【霞】の話でしょ?」
「そうですね、その件でお呼び立てしました。本当にごめんなさい。こちらの元部下のせいで、あなたたちに迷惑をかけてしまいました。いくらお詫びしてもしきれません。」
律はそう言うと、直ぐに席から立ち上がり、頭を深く下げた。
組合長という職業柄、あまり人に頭を下げることは良しとされていなかった。
頭を軽々しく下げることは、その権威を貶めることに繋がってしまうからだ。
しかし律は、それでも頭を下げることにしたようだった。
誠心誠意の謝罪の意を込めて。
「まずは頭を上げてください。でないと話が出来ないから。」
「はい。」
ケントは律にそういうと、律もすぐに頭を上げて席に座りなおした。
ケントはここからの話の主導権をリヒテルに渡すべく、いまだ軽く呆けているリヒテルに肘で合図を送る。
「あ、え、えっと……。組合長からの謝意は受け取りました。詳しい状況の説明をしてもらってもいいですか?」
やっと我に返ったリヒテルは、ケントから話を引き継ぎ、リーダーとして話を聞くことにした。
律はやはりケントに話そうとしてしまっていたが、このパーティーのリーダーはケントではなくリヒテルであった。
そのことが頭から抜けていた律は、自分がそれ程までテンパっていたことを、この時初めて自覚したのだった。
「本当にごめんなさい。」
そしてもう一度深く頭を下げて、リヒテルに謝罪をする羽目になってしまったのだった。
だが迫りくる剣の嵐は変わることなく、とめどなく押し寄せてきた。
自分たちでは近づくことはおろか、この場に縫い留められている状況に、歯がゆさを感じていたのだ。
「くそ!!どうすれば!!」
つい漏れるリヒテルの苛立ち。
それは、仲間たち全員が同じ気持ちであった。
元凶たる山田に、何一つ返せていなかったからだ。
そんなリヒテルたちを横目に、涼しい顔でケントを見つめる山田……井伊。
そんなやり取りをしている間にも、またも盗賊団の一団が姿を現したのだ。
「お頭ぁ~、俺たちはこっから先にいけないんで、ここで応援してますねぇ~」
なんとも場違いなセリフに、一瞬気が緩みかけるリヒテル。
命のやり取りをしている最中に、そのようなセリフがよく出てくるものだと感心しかけたのだった。
すると井伊は何を思ったか、宙に浮いた剣の大群を消滅させたのだ。
「あぁ~うん、興が覚めてしまったな。依頼主も殺したことだし、終わりにしようか。」
井伊は手にした剣を鞘に戻し、踵を返して手下のもとへと向かってしまった。
あまりにも急なことで戸惑い、行動が遅れたリヒテル。
追う姿勢を見せるも、それはケントによって止められたのだった。
「やめておいた方が良い。君たちだとあいつには勝てない。あいつは実力の4割も出していないからね。今の君たちが束になっても返り討ちに合うのが関の山だ。」
ケントの忠告を無視するわけにもいかず、ただ井伊が去るのを見送る事しかできない自分に苛立ちを覚えるリヒテル。
その感情は、悔しさと怒りが綯交ぜとなり、自分でもコントロールが出来そうになかった。
「そうだ、中村剣斗さん。きっとあなたとは、またどこかで会いそうだ。その時を楽しみに待ってる……。それとそこの坊や……いずれまた会おう。」
去り行く井伊は、言い忘れたとばかりに、ケントとリヒテルに声をかけた。
それは挑発とも挑戦ともとれるもので、ケントは苦笑いを浮かべるほかなかった。
井伊は後ろ手にひらひらと手を振り、悪びれる様子もなくその場を後にしたのだった。
「一難去ってまた一難……って感じかな?」
「災難と言ってもいいくらいですよ……」
ケントはどこか困った様子を見せるも、顔には楽しみだと言わんばかりに笑みが浮かんでいた。
それはリヒテルとは対照的であった。
——————
「さて、予定は崩れたからこの後どうする?」
ケントは、何事もなかったようにリヒテルに問いかける。
一瞬リヒテルは答えに詰まってしまったが、今はまだダンジョンアタック中であることを思い出し、どうするべきかと思案をしていた。
「一度戻ろう。とりあえず不足した消耗品も補充したいし。劉さんにその辺はお願いするとしよう。」
リヒテルは一瞬迷ったものの、撤退の行動指針を示すことにした。
理由は簡単で、思ったよりも自分の消耗が激しかったからだ。
肉体的にも、精神的にも。
メンバーもそれを否定することはなく、意見は一致していた。
ケントもその判断には賛成だった。
そばにいたタクマやタケシも、納得の表情で頷いていた。
どうやらリヒテルの判断は、二人のお眼鏡にかなったようであった。
一度ダンジョンアタックを終えて防衛用の砦を後にした一行だったか、一人膝を抱えて座席に座っている人物がいた。
そう、レイモンドだ。
レイモンドは帰りも自分が運転するものだと思っており、心ワクワクといった感じであった。
しかし、実際に運転しているのはケントであった。
最初、運転席に座るためにドアに手をかけたレイモンドであったが、ギルバードにつかまりそのまま後部座席に放り込まれてしまったのだ。
その隙に運転席にケントが座り、文句を言う間もなく次々と全員が座席に付きシートベルトを締めると、すぐに発信してしまったのだ。
おかげでレイモンドは、ハンドルを握ることなく【シャービンシュライン】へと戻ってきたのだった。
「おかえりなさい。補給の準備は出来ていますが、まずは公営組織探索者支援組合に行ってください。先ほど連絡いただいた件で組合長が話があるそうです。」
街に着くなり劉の出迎えを受けた一行だったが、休む間もなく公営組織探索者支援組合へ向かうことになった。
劉には帰る前に事情を知らせており、劉の方でいろいろと動いてくれていたようだった。
その一環で、組合長との面会という流れになってしまったらしい。
劉としても面倒ごとになると予感し避けたかったようだが、それがかなわなかったと頭を下げていた。
「ねえ劉、どうせあなたの事だから情報を引き出したんでしょ?」
「何のことでしょう?あちらもお待ちですから急いで向かいましょう。」
劉の性格を理解してきたジェシカは劉に耳打ちをした。
しかし劉はそれに何ら動揺することなく、先を急ぐように促してきた。
食えない男ねとつぶやくと、ジェシカは面白くなさそうな表情を浮かべていた。
その会話が聞こえていたリヒテルは苦笑いを浮かべるほかなかった。
劉の交渉能力はリヒテルとしても頼りにする部分が大きかった。
しかし昔から秘密主義者である劉の弱みを見つけたことがなかっただけに、果敢に攻めようとするジェシカに憐れみすら覚えてしまったのだった。
「お待ちしておりましたケント様。」
「様はいらないよ。俺は一回の【探索者】だ。そんな俺に組合長がへりくだっては示しがつかないでしょ?むしろこっちが敬語を使った方が良いのかな?」
待ち人来りて頬染める……などという情緒のある再会はここには存在していなかった。
あったのは狸の化かし合い。
大人の交渉というやつであった。
のっけからやり合うケントと律にはらはらとしてしまったリヒテルであった。
組合長の執務室へやってきたリヒテル一行は、律に迎えられるまま応接用のソファーに腰かける。
律もその様子を見て、リヒテルとケントの前のソファーに腰を下ろした。
「それに、わざとそんなことしなくていいから。リヒテルが困ってるでしょ?」
「つい調子に乗って悪ふざけを。ごめんなさいねリヒテル君。ケント様にお会いできるなんて夢のようで、舞い上がってしまったの。」
今度こそ顔を赤らめ若干の科をつくる律に、どう反応して良いのか分からず、リヒテルは困惑の色を隠せなずにいた。
レイラやジェシカはそれが演技だと気が付いては居たが、リヒテルの困惑している姿が思いの他ツボにハマったようで、それを咎めることはしなかった。
「さてと、そろそろ本題に入ろうか。呼び出しの件は【井伊 修】と盗賊団【霞】の話でしょ?」
「そうですね、その件でお呼び立てしました。本当にごめんなさい。こちらの元部下のせいで、あなたたちに迷惑をかけてしまいました。いくらお詫びしてもしきれません。」
律はそう言うと、直ぐに席から立ち上がり、頭を深く下げた。
組合長という職業柄、あまり人に頭を下げることは良しとされていなかった。
頭を軽々しく下げることは、その権威を貶めることに繋がってしまうからだ。
しかし律は、それでも頭を下げることにしたようだった。
誠心誠意の謝罪の意を込めて。
「まずは頭を上げてください。でないと話が出来ないから。」
「はい。」
ケントは律にそういうと、律もすぐに頭を上げて席に座りなおした。
ケントはここからの話の主導権をリヒテルに渡すべく、いまだ軽く呆けているリヒテルに肘で合図を送る。
「あ、え、えっと……。組合長からの謝意は受け取りました。詳しい状況の説明をしてもらってもいいですか?」
やっと我に返ったリヒテルは、ケントから話を引き継ぎ、リーダーとして話を聞くことにした。
律はやはりケントに話そうとしてしまっていたが、このパーティーのリーダーはケントではなくリヒテルであった。
そのことが頭から抜けていた律は、自分がそれ程までテンパっていたことを、この時初めて自覚したのだった。
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