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第7章 中立国【ジャポニシア】
第84話 中立国【ジャポニシア】
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リヒテルを魔素技研に残し、北を目指した避難民一行は、【ネクストビーチェ】より海路で北を目指した。
その際、物資補給も兼ねて数か所の港町で休息をとり、今は本土の最北端の領地【ブルーフォレスト】へと到着した。
立ち寄った各地は機械魔の被害などほとんどなく、活気に溢れていた。
シュトリーゲとしては、自分たちの国と何が違ったのか全く分からず困惑の色を示す。
アテンドとして同行していた外務卿の古見 巌も、同じように困惑していた。
互いの常識のずれがあるようで、外交官として見過ごすことの出来ない事象が、たびたび発生していた。
これではまずいと感じたシュトリーゲと古見は、道中で互いのずれの解消を行っていたのだ。
古見の説明を聞いて、シュトリーゲは自国との違いをまざまざと思い知らされたのだった。
いくら事前に暗部が調べたといっても、それは完ぺきではなかったのだ。
——————
中立国【ジャポニシア】。
古代より世界の中心として、その存在感を示してきた。
さらに古い時代では一国家であったが、魔石の研究の中心を務めていた国が魔素汚染により壊滅。
その際一番被害の少なかった【ジャポニシア】が、すべての中立国として、その研究を引き継ぐこととなった。
その過程で生き残った人々が【ジャポニシア】へ渡り、さらに研究が進んだのだ。
一度失った文明はすぐには取り戻すことは出来ず、国の安定化を図るために国王制を復活。
当時の皇族と呼ばれた者たちを王家とし、権力者や政治を動かしていた人物を貴族家と称し、国の運営を強制的に立て直していった。
その名残と、失った文明から復活させた政治形態を合わせる形で【ジャポニシア】が誕生した。
王家と名乗るだけあり、すべての最終決定権は王家にあるものの、独裁ができない形をとっていた。
その下には貴族院・領主院・臣院の三院制を敷いていた。
貴族院は30席からなり、代々貴族家が世襲している。
領主院は大小ある領地の領主が一議席を持ち、35席で構成。
なお、領主は臣民による投票によって決められている。
基本任期は4年だが、領民の3分の2の投票により解任することもできる。
さらに、最長任期は3期までとなり、12年が最長となる。
最後の臣院だが、こちらは臣民の選挙から選出され、250席で構成されている。
任期は固定6年で半数が3年ごとに改選される。
ただし、こちらは最長任期は設定されていないため、実力のあるものは長くその席に座ることとなる。
そしてここからが、この国の面白い仕組みであった。
三院とも同じ権力を有しており、どこかが暴走することの無いようにすべての事柄が三院の内二院の賛成が必要となる。
その長たる国王は、絶対的権力を有する代わりに、強権を発動するためにはいくつかのリスクを負う必要があった。
それは、国王の暴走を抑止するために必ず三院の可決が必要となるのだ。
ただしこれにも特例事項もあり、緊急時案の場合に限り国王が強制的に命令を発令することができると、憲法に明記されていた。
これはあくまでも特例であり、事後に説明責任を果たさなければならないという他国から見た場合に、あまりにも臣民に寄り過ぎているのではないかと首を傾げられてしまうような法となっていた。
この説明の際に少し笑いながらではあるが古見が話ずらそうに、シュトリーゲに近づき耳打ちを行っていた。
どうやらこの法を改正しようとした国王もいたようだが、その数日後に不審死を遂げる事態となっていたそうだ。
この国には裏に誰かがいると、臣民のもっぱらの噂話となっているようだった。
政治面だけでもこれだけの違いがあり、軍事面についても同じであった。
普通軍隊は、各国が自分で整えるのが当たり前である。
しかし中立を謳う【ジャポニシア】には、その軍隊が存在していないのだ。
あるのは世界防衛軍なる集まりであった。
世界防衛軍についてはシュトリーゲも知っており、世界を守る軍隊だと認識していた。
あくまでも機械魔の脅威から人々を守るのが任務であり、国同士の諍いには不干渉を貫く。
今回のスタンビードの際も、各国に赴き支援を行っていた。
斯くいう【エウロピニア】も、脱出の際に各国への輸送を依頼していた。
つまり、島の防衛に関しては狩猟者及び探索者がその任に当たる。
古見曰く、そこらの軍では【ジャポニシア】を盗る事は不可能だそうだ。
その自信を見て、シュトリーゲは若干頬を引きつらせていた。
最後に宗教であるが、【ジャポニシア】は国教を定めていなかった。
誰しもが自分の信じたい神を崇める。
それが【ジャポニシア】の教えであった。
そこにはいろいろな事情があるらしいが、今では失伝してしまってる。
ただし、【ジャポニシア】の民のほとんどが無宗教を貫いていた。
イベントごととしていろいろ行うも、信じているかと言えばNOという。
それが【ジャポニシア】の臣民であった。
——————
「やはり何もかもが異なるますな……」
「そうだな……。まさかここまで違うとは……。」
一通り会談を終え、シュトリーゲとロレンツィオは疲れた表情で本土最北の地【ブルーフォレスト】の宿の一室で顔を突き合わせていた。
事前情報との違いに面くらい、いつものシュトリーゲなら吐かないであろう弱音を漏らしていた。
それを気にする余裕はロレンツィオにもなく、頭を抱えるほどであった。
そして【ジャポニシア】国王の【ノースウェイランド】の貸し出しの件に繋がってくるのだった。
「つまりは秋斗王はこの違いを理解したうえで、あえて貸し出しとしたと……?」
「であろうな。ただ、外務卿も慌てる様子を見せていた以上、完全ではなかろうが……。だめだな、情報が足らなすぎる。ここでいくら議論しようが詮無き事よな。」
ふぅ~と深いため息をつくと、ソファーに深くもたれかかったシュトリーゲ。
思案を巡らせるも、答えなど出はしなかった。
それが余計に疲れをシュトリーゲに齎していた。
コンコンコン
不意にドアがノックされる。
シュトリーゲは、胸元の魔銃に手をかけて警戒態勢に入る。
同じくロレンツィオも魔銃に手をかけ、ゆっくりとドア付近まで移動する。
ロレンツィオと目くばせしたシュトリーゲは、その相手に声をかけた。
「誰か?」
「陛下、佐々木防衛隊総隊長がお見えです。」
告げられたのは、辰之進の来訪であった。
本日はその予定がなかったため訝しがるロレンツィオ。
ただ、警戒したところで意味がないと判断したシュトリーゲは、入室の許可を与えた。
そしてドアを開けて入室してきたのは、紛れもなく辰之進であった。
「失礼いたします。突然の訪問お許しください。暗部よりの速報をまとめましたので、お持ちいたしました。」
辰之進は恭しく膝まづくと、ロレンツィオに対して数冊のファイルを差し出した。
ロレンツィオはそれを受け取ると、中をざっと見流す。
いくつかの事柄について気になったようで、眉がピクリと何度か動くのが見て取れた。
「陛下……吉報と凶報どちらがお好みですかな?」
「その場合は凶報から聞いた方がよさそうだな。」
シュトリーゲの答えにロレンツィオは数枚の資料をめくる。
「まずは北方の状況から。正直申しましてあまりいい状態ではなさそうですな。一応上陸可能な遺跡都市群を発見したようですから、そこを橋頭保として確保し制圧を進める流れになりそうです。」
「そのあたりは予想通りということか……。まあ、遺跡群があるならばそこを整備して都市とすれば少しはましになろう。して、吉報は?」
さらにロレンツィオは資料をめくる。
「狩猟者連合協同組合本部より狩猟者の貸し出しの申し出があったようですな。自前の防衛隊と狩猟者を合わせれば、安全の確保に目途がつくかと。」
「目途……な。やはりあやつの抜けた穴は大きい、ということかの?」
シュトリーゲの言葉に、辰之進が一瞬反応を見せた。
ここでいうあやつというのは、間違いなくリヒテルこのことであるからだ。
この手厚い歓迎も、リヒテルという犠牲の上に成り立っているといってもおかしくはないとシュトリーゲは考えていた。
「ならば、是が非でも北を制圧せねばな。佐々木総隊長、早々で悪いが部隊の編成と作戦立案を頼む。忙しくなるぞ!!」
「「はっ!!」」
決意を固めたシュトリーゲは強く拳を握る。
これからの戦いに勝つと誓って。
その際、物資補給も兼ねて数か所の港町で休息をとり、今は本土の最北端の領地【ブルーフォレスト】へと到着した。
立ち寄った各地は機械魔の被害などほとんどなく、活気に溢れていた。
シュトリーゲとしては、自分たちの国と何が違ったのか全く分からず困惑の色を示す。
アテンドとして同行していた外務卿の古見 巌も、同じように困惑していた。
互いの常識のずれがあるようで、外交官として見過ごすことの出来ない事象が、たびたび発生していた。
これではまずいと感じたシュトリーゲと古見は、道中で互いのずれの解消を行っていたのだ。
古見の説明を聞いて、シュトリーゲは自国との違いをまざまざと思い知らされたのだった。
いくら事前に暗部が調べたといっても、それは完ぺきではなかったのだ。
——————
中立国【ジャポニシア】。
古代より世界の中心として、その存在感を示してきた。
さらに古い時代では一国家であったが、魔石の研究の中心を務めていた国が魔素汚染により壊滅。
その際一番被害の少なかった【ジャポニシア】が、すべての中立国として、その研究を引き継ぐこととなった。
その過程で生き残った人々が【ジャポニシア】へ渡り、さらに研究が進んだのだ。
一度失った文明はすぐには取り戻すことは出来ず、国の安定化を図るために国王制を復活。
当時の皇族と呼ばれた者たちを王家とし、権力者や政治を動かしていた人物を貴族家と称し、国の運営を強制的に立て直していった。
その名残と、失った文明から復活させた政治形態を合わせる形で【ジャポニシア】が誕生した。
王家と名乗るだけあり、すべての最終決定権は王家にあるものの、独裁ができない形をとっていた。
その下には貴族院・領主院・臣院の三院制を敷いていた。
貴族院は30席からなり、代々貴族家が世襲している。
領主院は大小ある領地の領主が一議席を持ち、35席で構成。
なお、領主は臣民による投票によって決められている。
基本任期は4年だが、領民の3分の2の投票により解任することもできる。
さらに、最長任期は3期までとなり、12年が最長となる。
最後の臣院だが、こちらは臣民の選挙から選出され、250席で構成されている。
任期は固定6年で半数が3年ごとに改選される。
ただし、こちらは最長任期は設定されていないため、実力のあるものは長くその席に座ることとなる。
そしてここからが、この国の面白い仕組みであった。
三院とも同じ権力を有しており、どこかが暴走することの無いようにすべての事柄が三院の内二院の賛成が必要となる。
その長たる国王は、絶対的権力を有する代わりに、強権を発動するためにはいくつかのリスクを負う必要があった。
それは、国王の暴走を抑止するために必ず三院の可決が必要となるのだ。
ただしこれにも特例事項もあり、緊急時案の場合に限り国王が強制的に命令を発令することができると、憲法に明記されていた。
これはあくまでも特例であり、事後に説明責任を果たさなければならないという他国から見た場合に、あまりにも臣民に寄り過ぎているのではないかと首を傾げられてしまうような法となっていた。
この説明の際に少し笑いながらではあるが古見が話ずらそうに、シュトリーゲに近づき耳打ちを行っていた。
どうやらこの法を改正しようとした国王もいたようだが、その数日後に不審死を遂げる事態となっていたそうだ。
この国には裏に誰かがいると、臣民のもっぱらの噂話となっているようだった。
政治面だけでもこれだけの違いがあり、軍事面についても同じであった。
普通軍隊は、各国が自分で整えるのが当たり前である。
しかし中立を謳う【ジャポニシア】には、その軍隊が存在していないのだ。
あるのは世界防衛軍なる集まりであった。
世界防衛軍についてはシュトリーゲも知っており、世界を守る軍隊だと認識していた。
あくまでも機械魔の脅威から人々を守るのが任務であり、国同士の諍いには不干渉を貫く。
今回のスタンビードの際も、各国に赴き支援を行っていた。
斯くいう【エウロピニア】も、脱出の際に各国への輸送を依頼していた。
つまり、島の防衛に関しては狩猟者及び探索者がその任に当たる。
古見曰く、そこらの軍では【ジャポニシア】を盗る事は不可能だそうだ。
その自信を見て、シュトリーゲは若干頬を引きつらせていた。
最後に宗教であるが、【ジャポニシア】は国教を定めていなかった。
誰しもが自分の信じたい神を崇める。
それが【ジャポニシア】の教えであった。
そこにはいろいろな事情があるらしいが、今では失伝してしまってる。
ただし、【ジャポニシア】の民のほとんどが無宗教を貫いていた。
イベントごととしていろいろ行うも、信じているかと言えばNOという。
それが【ジャポニシア】の臣民であった。
——————
「やはり何もかもが異なるますな……」
「そうだな……。まさかここまで違うとは……。」
一通り会談を終え、シュトリーゲとロレンツィオは疲れた表情で本土最北の地【ブルーフォレスト】の宿の一室で顔を突き合わせていた。
事前情報との違いに面くらい、いつものシュトリーゲなら吐かないであろう弱音を漏らしていた。
それを気にする余裕はロレンツィオにもなく、頭を抱えるほどであった。
そして【ジャポニシア】国王の【ノースウェイランド】の貸し出しの件に繋がってくるのだった。
「つまりは秋斗王はこの違いを理解したうえで、あえて貸し出しとしたと……?」
「であろうな。ただ、外務卿も慌てる様子を見せていた以上、完全ではなかろうが……。だめだな、情報が足らなすぎる。ここでいくら議論しようが詮無き事よな。」
ふぅ~と深いため息をつくと、ソファーに深くもたれかかったシュトリーゲ。
思案を巡らせるも、答えなど出はしなかった。
それが余計に疲れをシュトリーゲに齎していた。
コンコンコン
不意にドアがノックされる。
シュトリーゲは、胸元の魔銃に手をかけて警戒態勢に入る。
同じくロレンツィオも魔銃に手をかけ、ゆっくりとドア付近まで移動する。
ロレンツィオと目くばせしたシュトリーゲは、その相手に声をかけた。
「誰か?」
「陛下、佐々木防衛隊総隊長がお見えです。」
告げられたのは、辰之進の来訪であった。
本日はその予定がなかったため訝しがるロレンツィオ。
ただ、警戒したところで意味がないと判断したシュトリーゲは、入室の許可を与えた。
そしてドアを開けて入室してきたのは、紛れもなく辰之進であった。
「失礼いたします。突然の訪問お許しください。暗部よりの速報をまとめましたので、お持ちいたしました。」
辰之進は恭しく膝まづくと、ロレンツィオに対して数冊のファイルを差し出した。
ロレンツィオはそれを受け取ると、中をざっと見流す。
いくつかの事柄について気になったようで、眉がピクリと何度か動くのが見て取れた。
「陛下……吉報と凶報どちらがお好みですかな?」
「その場合は凶報から聞いた方がよさそうだな。」
シュトリーゲの答えにロレンツィオは数枚の資料をめくる。
「まずは北方の状況から。正直申しましてあまりいい状態ではなさそうですな。一応上陸可能な遺跡都市群を発見したようですから、そこを橋頭保として確保し制圧を進める流れになりそうです。」
「そのあたりは予想通りということか……。まあ、遺跡群があるならばそこを整備して都市とすれば少しはましになろう。して、吉報は?」
さらにロレンツィオは資料をめくる。
「狩猟者連合協同組合本部より狩猟者の貸し出しの申し出があったようですな。自前の防衛隊と狩猟者を合わせれば、安全の確保に目途がつくかと。」
「目途……な。やはりあやつの抜けた穴は大きい、ということかの?」
シュトリーゲの言葉に、辰之進が一瞬反応を見せた。
ここでいうあやつというのは、間違いなくリヒテルこのことであるからだ。
この手厚い歓迎も、リヒテルという犠牲の上に成り立っているといってもおかしくはないとシュトリーゲは考えていた。
「ならば、是が非でも北を制圧せねばな。佐々木総隊長、早々で悪いが部隊の編成と作戦立案を頼む。忙しくなるぞ!!」
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