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第7章 中立国【ジャポニシア】
第83話 トップ会談
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港を後にしたシュトリーゲは、現在ロレンツィオを伴い待合室で待機をしていた。
置かれている調度品は下品なほど華美ではなく、程よい作りとなっていた。
その丁度よさにセンスを感じたシュトリーゲは、ゆっくりとお茶を楽しんでいた。
「陛下、ジャポニシア国王との面会ですが……」
「分かっているよ。下手に出るつもりはないが、機嫌を損ねないようにしないとね。本当によく調べてくれた。おそらくこちらの願いは通るだろうが……、差し出せるものが少ないからの。」
手元の資料に目を落とすシュトリーゲ。
そのタイトルは「【ジャポニシア】北部領地の現状」と書かれていた。
内容としては現地調査の結果が書かれており、その内容からシュトリーゲは今回の交渉に自信をのぞかせていた。
「本当によろしいのですね?」
「良いも悪いも……判断は先方が行うんだからどうにもならん。それに、あえて探るのを止めてこなかった……つまりはそういうことよ」
実際問題、間者としてすでに潜入工作等を行っていた暗部であったが、あまりの順調さに違和感を覚えていた。
普通であれば妨害工作などもあって然りなはずだったが、それが一切みられなかった。
むしろ調べる事を推奨し、かつそれを選ぶことを望んでいるかのように。
「北の大地は現在手つかず……ですか。」
「そうだな。手が回っていないんだろうな。今いる本土の制圧はかなりうまくいっているようだが……立入禁止区域が全て無くなるなど、普通はあり得ないからな。」
シュトリーゲは、その実情に舌を巻いた。
どの国も【ジャポニシア】の研究機関から送られてきた対機械魔防壁を導入し、徐々にその立入禁止区域を打開。
そして、自分たちの住める生活可能区域へと変えてきた。
しかし、その行為自体危険を伴い、長い年月をかけてやっと7割ほど奪い返していたのだ。
だが、先の黒フードの集団の件で、それがまた3割くらいへと押し戻されていた。
いくつかの国はそれに耐えきることができず、【エウロピニア】帝国同様に滅亡の道を歩むことになった。
こと【ジャポニシア】に目を向けると、現状は異なった結果となっていた。
【ジャポニシア】は大小さまざまな島があり、大まかに北の大地【ノースウェイランド】。
本土の【ジャポニシア】。
西部に位置する【フォーランド】。
南部に位置する【ナインステイツ】。
大まかにはこの4つで構成されていた。
今現在【ジャポニシア】の首脳陣は南部の制圧に力を入れており、あと数か月で【フォーランド】を。
数年以内には、【ナインステイツ】を奪還することを目標としていた。
だがしかし、北部【ノースウェイランド】については手を付ける気は無いようであった。
一度観測班を派遣したようだったが、持ち帰られた情報はあまりにも悲惨なものだったそうだ。
輸送等の問題もあり、北の奪還は事実上諦めたようだった。
「【ジャポニシア】政府が諦めた大地ですか……。やはり危険ではありませんか?」
「危険だろうな……。だがそれだけにやる意味がある。解放したのちには暫定的に【エウロピニア】帝国の仮領都として認めてもらうつもりだよ。」
シュトリーゲの自信が、どこから来るものなのか分からなかったロレンツィオだったが、シュトリーゲがやるという以上否はなかった。
シュトリーゲが何かに気付いたようで、一瞬ピクリと反応を見せた。
するとドアがノックされ、謁見の間へと案内されることとなった。
——————
「よくぞ参られた。」
シュトリーゲが通された場所は、謁見の間というには些かこじんまりとした応接間のような空間であった。
ソファーに腰かけた人物がシュトリーゲを見るなり、握手を求めてきたのだ。
「これは国王陛下。この度の避難民受け入れ、感謝いたします。」
「なに、困ったときはお互い様……というよりも、こちらとしても打算はありますよ。」
その男の名は秋斗。
シュトリーゲは最初資料を目にしたとき、驚きを隠せなかった。
ラストネームのない人物が、存在すると思ってもみなかったからだ。
それが宗教上の理由なのか歴史的理由なのかは分からないが、【ジャポニシア】の国王は代々ラストネームを破棄しているようだった。
そして意外だったのがその体つきだった。
正直シュトリーゲは、困惑を感じていた。
あまりにも鍛え上げられた肉体だったからだ。
外に出て戦う人間でもあるまいし、健康維持ができればそれでいいのでは?と、シュトリーゲは考えていた。
しかし、秋斗は違っていた。
鍛え上げられて肉体は張り艶ともによく、時折こぼれる笑みに混じるその白い歯に目が行ってしまいそうになった。
黒髪の短髪にきれいにそろえられた髪型も相まって、反応が遅れてしまったのだ。
「どうされました?もしやこの筋肉ですかな?いや~お恥ずかしい。今朝はトレーニングを省略してしまいまして、些か萎んでしまっています。見るに堪えないですな。」
そういうと秋斗は豪快に笑って見せた。
すでに主導権を取られたと感じたシュトリーゲは、一つ咳ばらいを行い、空気をリセットする。
「陛下、無礼を承知で申し上げる。北の大地を我々に貸し出してはいただけないだろうか?」
「え?いいよ?むしろそうしてくれるなら、こちらとしても助かる。何だったら元の大地を解放するまでの仮領地としてもいい。ただ税金は納めてもらいますが、利益の5%ももらえれば十分。何ならサポートもつけましょう。」
あまりの好条件にシュトリーゲは驚き、訝しんだ。
交渉の末もぎ取ろうとしていた条件が、いとも簡単に出てきてしまったからだ。
税金というか上納金の話も考えていたが、自身が想定していたよりも遥かに低い。
これほどの好条件を突きつけるには、必ず裏があるといっても過言ではなかった。
だからこその警戒。
それを察したのか秋斗は、ニカリと笑って見せた。
「やはり警戒されましたな。いちいち交渉で無駄な時間を使いたくなかったのでね。そちらが望むものを提供したまでです。」
その言葉に焦りを覚えたシュトリーゲだった。
つまりは、こちらの情報が筒抜けであったということの証明に他ならなかった。
シュトリーゲが得た情報は、この謁見が始まる数時間前の事であった。
だからこそ、この条件は少し前に決まったこと。
なのにその情報をすでに掴んでいるということは、エウロピニア側にもスパイが紛れ込んでいたということになるのだ。
シュトリーゲがチラリと横目でロレンツィオに視線を送ると、ロレンツィオも分からないと首を横に振る。
そしてこの会談は、完全に秋斗の手の上であることを強制的に理解させられたのであった。
「それにね、こちらも陛下より預かっていますからね。彼を……。どれほどそれが貴重なものか。そう考えれば、今回の条件など安いものですよ。しかも北の解放をしてくれるんですから、こちらとしては渡りに船というやつです。ですので、あまり気になさらずとも良いということですよ。」
そう言って笑みを零す秋斗だった。
それから先は、とんとん拍子に事が進む。
貿易の話や安全保障の事、軍備について。
一番の話題は黒フードの集団についてであった。
特にゴールドラッドの情報は秋斗も熱心に聞き取りを行い、その狙いや今後について議論を重ねていった。
シュトリーゲと秋斗のやり取りは3日にも及び、最終的には双方合意の元、書面で契約を交わすまでに至ったのであった。
「では、これからも良き隣人であることを【ジャポニシア】は望みます。」
「【エウロピニア】もまた同じ思いです。」
二人は互いに契約書に署名をし、固い握手を交わしたのであった。
置かれている調度品は下品なほど華美ではなく、程よい作りとなっていた。
その丁度よさにセンスを感じたシュトリーゲは、ゆっくりとお茶を楽しんでいた。
「陛下、ジャポニシア国王との面会ですが……」
「分かっているよ。下手に出るつもりはないが、機嫌を損ねないようにしないとね。本当によく調べてくれた。おそらくこちらの願いは通るだろうが……、差し出せるものが少ないからの。」
手元の資料に目を落とすシュトリーゲ。
そのタイトルは「【ジャポニシア】北部領地の現状」と書かれていた。
内容としては現地調査の結果が書かれており、その内容からシュトリーゲは今回の交渉に自信をのぞかせていた。
「本当によろしいのですね?」
「良いも悪いも……判断は先方が行うんだからどうにもならん。それに、あえて探るのを止めてこなかった……つまりはそういうことよ」
実際問題、間者としてすでに潜入工作等を行っていた暗部であったが、あまりの順調さに違和感を覚えていた。
普通であれば妨害工作などもあって然りなはずだったが、それが一切みられなかった。
むしろ調べる事を推奨し、かつそれを選ぶことを望んでいるかのように。
「北の大地は現在手つかず……ですか。」
「そうだな。手が回っていないんだろうな。今いる本土の制圧はかなりうまくいっているようだが……立入禁止区域が全て無くなるなど、普通はあり得ないからな。」
シュトリーゲは、その実情に舌を巻いた。
どの国も【ジャポニシア】の研究機関から送られてきた対機械魔防壁を導入し、徐々にその立入禁止区域を打開。
そして、自分たちの住める生活可能区域へと変えてきた。
しかし、その行為自体危険を伴い、長い年月をかけてやっと7割ほど奪い返していたのだ。
だが、先の黒フードの集団の件で、それがまた3割くらいへと押し戻されていた。
いくつかの国はそれに耐えきることができず、【エウロピニア】帝国同様に滅亡の道を歩むことになった。
こと【ジャポニシア】に目を向けると、現状は異なった結果となっていた。
【ジャポニシア】は大小さまざまな島があり、大まかに北の大地【ノースウェイランド】。
本土の【ジャポニシア】。
西部に位置する【フォーランド】。
南部に位置する【ナインステイツ】。
大まかにはこの4つで構成されていた。
今現在【ジャポニシア】の首脳陣は南部の制圧に力を入れており、あと数か月で【フォーランド】を。
数年以内には、【ナインステイツ】を奪還することを目標としていた。
だがしかし、北部【ノースウェイランド】については手を付ける気は無いようであった。
一度観測班を派遣したようだったが、持ち帰られた情報はあまりにも悲惨なものだったそうだ。
輸送等の問題もあり、北の奪還は事実上諦めたようだった。
「【ジャポニシア】政府が諦めた大地ですか……。やはり危険ではありませんか?」
「危険だろうな……。だがそれだけにやる意味がある。解放したのちには暫定的に【エウロピニア】帝国の仮領都として認めてもらうつもりだよ。」
シュトリーゲの自信が、どこから来るものなのか分からなかったロレンツィオだったが、シュトリーゲがやるという以上否はなかった。
シュトリーゲが何かに気付いたようで、一瞬ピクリと反応を見せた。
するとドアがノックされ、謁見の間へと案内されることとなった。
——————
「よくぞ参られた。」
シュトリーゲが通された場所は、謁見の間というには些かこじんまりとした応接間のような空間であった。
ソファーに腰かけた人物がシュトリーゲを見るなり、握手を求めてきたのだ。
「これは国王陛下。この度の避難民受け入れ、感謝いたします。」
「なに、困ったときはお互い様……というよりも、こちらとしても打算はありますよ。」
その男の名は秋斗。
シュトリーゲは最初資料を目にしたとき、驚きを隠せなかった。
ラストネームのない人物が、存在すると思ってもみなかったからだ。
それが宗教上の理由なのか歴史的理由なのかは分からないが、【ジャポニシア】の国王は代々ラストネームを破棄しているようだった。
そして意外だったのがその体つきだった。
正直シュトリーゲは、困惑を感じていた。
あまりにも鍛え上げられた肉体だったからだ。
外に出て戦う人間でもあるまいし、健康維持ができればそれでいいのでは?と、シュトリーゲは考えていた。
しかし、秋斗は違っていた。
鍛え上げられて肉体は張り艶ともによく、時折こぼれる笑みに混じるその白い歯に目が行ってしまいそうになった。
黒髪の短髪にきれいにそろえられた髪型も相まって、反応が遅れてしまったのだ。
「どうされました?もしやこの筋肉ですかな?いや~お恥ずかしい。今朝はトレーニングを省略してしまいまして、些か萎んでしまっています。見るに堪えないですな。」
そういうと秋斗は豪快に笑って見せた。
すでに主導権を取られたと感じたシュトリーゲは、一つ咳ばらいを行い、空気をリセットする。
「陛下、無礼を承知で申し上げる。北の大地を我々に貸し出してはいただけないだろうか?」
「え?いいよ?むしろそうしてくれるなら、こちらとしても助かる。何だったら元の大地を解放するまでの仮領地としてもいい。ただ税金は納めてもらいますが、利益の5%ももらえれば十分。何ならサポートもつけましょう。」
あまりの好条件にシュトリーゲは驚き、訝しんだ。
交渉の末もぎ取ろうとしていた条件が、いとも簡単に出てきてしまったからだ。
税金というか上納金の話も考えていたが、自身が想定していたよりも遥かに低い。
これほどの好条件を突きつけるには、必ず裏があるといっても過言ではなかった。
だからこその警戒。
それを察したのか秋斗は、ニカリと笑って見せた。
「やはり警戒されましたな。いちいち交渉で無駄な時間を使いたくなかったのでね。そちらが望むものを提供したまでです。」
その言葉に焦りを覚えたシュトリーゲだった。
つまりは、こちらの情報が筒抜けであったということの証明に他ならなかった。
シュトリーゲが得た情報は、この謁見が始まる数時間前の事であった。
だからこそ、この条件は少し前に決まったこと。
なのにその情報をすでに掴んでいるということは、エウロピニア側にもスパイが紛れ込んでいたということになるのだ。
シュトリーゲがチラリと横目でロレンツィオに視線を送ると、ロレンツィオも分からないと首を横に振る。
そしてこの会談は、完全に秋斗の手の上であることを強制的に理解させられたのであった。
「それにね、こちらも陛下より預かっていますからね。彼を……。どれほどそれが貴重なものか。そう考えれば、今回の条件など安いものですよ。しかも北の解放をしてくれるんですから、こちらとしては渡りに船というやつです。ですので、あまり気になさらずとも良いということですよ。」
そう言って笑みを零す秋斗だった。
それから先は、とんとん拍子に事が進む。
貿易の話や安全保障の事、軍備について。
一番の話題は黒フードの集団についてであった。
特にゴールドラッドの情報は秋斗も熱心に聞き取りを行い、その狙いや今後について議論を重ねていった。
シュトリーゲと秋斗のやり取りは3日にも及び、最終的には双方合意の元、書面で契約を交わすまでに至ったのであった。
「では、これからも良き隣人であることを【ジャポニシア】は望みます。」
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