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第6章 落日
第71話 脱出準備
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「急げ!!何している!!」
「邪魔をするな!!」
「早くするんだ!!もたもたするな!!」
市街地のあちこちで怒号が聞こえてくる。
日が明けてすぐに、陛下からのお言葉として広く発布されたのだ。
〝機械魔脅威による帝都の放棄〟
それからすぐに防衛隊や狩猟者連合協同組合はてんやわんやの大騒ぎとなった。
帝都内に散らばり治安維持活動に従事していた。
避難民を乗せた車両が、次々と帝都を離れていく。
それに伴う形で狩猟者たちが護衛についていた。
長い長い車列は蛇のように伸びていた。
いたるところで喧嘩や騒ぎが起こる。
誰しもが焦り、憤り、焦燥に駆られていた。
リヒテルたち防衛隊の面々は、城下の治安維持にあたっていた。
特に第1大隊第1中隊は帝都防衛の任を受けており、人々の流れに逆らって移動を開始していた。
「ねぇ、リヒテル隊長?あの話を信じるの?」
エイミーは、いまだに納得がいっていない様子でリヒテルに話しかけていた。
リヒテルは当然とまではいかないが、あまり気にした様子は見られなかった。
「ん?あの話?あぁ、元始天王についてのことかな?陛下がすでに掌握したみたいだし問題ないよ。」
「エイミーは考え過ぎだ。もう少し気楽にいかんとな。」
「うっさい筋肉だるま!!」
「なにおう!?」
いつものじゃれあいの如く、エイミーとクリストフが睨み合いを行っていた。
なんと器用なことをするんだろうなと、いつもながらリヒテルは感じていた。
二人とも睨み合っていはいるが、何かにぶつかったり転んだりすることはなかったからだ。
リヒテルとしても、エイミーの意見も理解できていた。
「まあ、あんな話信じろって言われったってなかなかな。」
——————
時は遡り、夜がまだ明けきらない早朝、リヒテル小隊の面々はフル装備を行い辰之進のもとへと急いでいた。
防衛隊本部に着くと、既に行動を開始していた部隊もおり、慌ただしく動き回っていた。
受付の女性がリヒテルを見つけると、辰之進の執務室へと案内してくれた。
どうやら話は通っていたようで、何事もなくスムーズに進むことができたのだった。
コンコンコン
「佐々木総隊長。リヒテル・蒔苗小隊長が到着しました。」
「そうか、入れ。」
受付の女性が扉を開けると、忙しそうに書類整理を行っていた辰之進の姿が見える。
戦闘中からは想像できないような眼鏡姿に、若干の違和感を感じる面々だったが、受付の女性に促されるままに応接用のソファーに腰を下ろした。
しばらくすると一通り作業が終わったのか、眼鏡をはずしながら辰之進もソファーに腰を下ろした。
目のあたりをもみほぐしているあたり、相当根詰めて作業を行っていたことが推測できた。
「悪いな朝早くに。おおむね命令書に記載したとおりだが、リヒテルたちには伝えなくてはいけないことがあったので呼んだまでだ。」
そういうと、受付の女性が用意してくれた熱々のお茶を一啜りして気持ちを落ち着ける辰之進。
リヒテルたちも促されるままにお茶を飲んでいた。
「それでだ、君たちには最終防衛に当たってもらうわけだが、おそらく機械魔の上位種が現れる。君たちは殿を務めてもらことになるだろう。」
おおむね予想通りだった答えに、エイミーたちの顔が強張る。
それは、出来る事なら拒否したいという気持ちの表れでもあった。
「俺たちが避難民のための時間を稼げばいいってことですか?」
「おおむねその通りだが、少し違う。実はな、機密事項になるんだがこの帝都には古代から伝わる防衛機構が備わっている。その名は魔道具【元始天王】。まあ御伽噺にも出てくるものだが、それが実在するらしい。昨晩陛下がそれを掌握されたそうだ。その防衛機構は指定した者以外範囲内に入れなくするものらしい。陛下はその元始天王を持ってこの帝都を離脱する。つまり、陛下を中心に守りを固めながらの脱出作戦となる。ここまではいいか?」
辰之進は、リヒテルたちの反応を確認しつつ話を続ける。
「脱出作戦時におそらく問題が発生する。黒のフードの一行。ここにきて動きを見せていないことが不気味でならない。そこで君たちの出番というわけだ。可能な限りでいい、時間稼ぎをお願いしたい。民が逃げ切れるだけの時間が稼げたなら、討伐は気にしなくていい。あくまでも自分たちの命を優先してもらいたい。これについては陛下からも言質を頂いている。」
陛下からの言質……
それを聞いただけでリヒテルは、辰之進がどれほど骨を折ったか理解する事が出来た。
陛下から言質を取るなど普通では考えられないことだからである。
「わかりました。出来る限り尽力はします。」
「頼む。」
辰之進は無謀を敷いていることを十分に理解していた。
それでもやると言ってくれたリヒテルに対し、辰之進は頭を下げるしかできなかったのだった。
リヒテルが席を立つと、メンバーもそれに合わせて席を立った。
立ち去るリヒテルたちを見送る辰之進の心内は複雑であった。
できる事なら一緒に逃げてほしいとも考えてしまう。
しかし、防衛を任されている立場である以上、私情を挟むことは許されなかった。
「ロイドさんに顔向けできないな……」
辰之進のつぶやきは誰に聞かれるでもなく虚空へと消えていった。
——————
「で、リヒテル君。勝ち目はあるの?」
エイミーが廊下を歩きながらリヒテルに疑問をぶつける。
それは非難しているわけではなく、作戦についての確認だった。
「ん?あぁ、正直分からない。出たとこ勝負と言ってもいいかもしれない。相手がどう出てくるかもわからない以上、こちらは出来る限りの備えをするしかないだろうな。」
「ラミアさんたちは結局帰ってこなかったな。」
前日装備の保守を依頼しにラミアの店に行くと、そこにはラミアの姿はなかった。
リヒテルが隣の店舗を除くと、同じようにマリリンの姿もなかった。
あの時ランク5相当の機械魔との戦闘で別れて以来、その姿を見ることはなかったのだ。
ただ、装備品の点検については弟子の青年たちが指示を受けていたらしく、問題無く修理点検は終了することができた。
「老師も一緒だし、問題はないだろうけど……心配は心配かな。」
「そうね……」
リヒテル小隊が外に出ると、慌ただしさがさらに増していた。
むしろ、焦りに近いものが見受けられた。
「どうしたんだろうな?」
「わからん、どちらにせよ儂らは儂らの役目を果たすだけだ。」
周囲を見回していたリチャードは、その雰囲気に違和感を感じた。
クリストフは、どこか落ち着いた雰囲気を醸し出す。
はやる気持ちを抑え、リヒテル小隊は予定の北門付近へとやってきた。
すでに第1小隊第1中隊は準備を整えており、アドリアーノが最終確認を行っているところであった。
「来たな。話し合いは終わったみたいだな。」
手にしたバインダーと山積みの荷物とにらめっこをしていたアドリアーノは、リヒテルたちに気が付くとすぐに顔を上げた。
若干疲れた様子は見られたが、無理はしていないようだった。
「アドリアーノ中隊長。リヒテル小隊現着しました。これより作戦行動に移ります。」
「了解した。リヒテル……わりいな。無茶させちまって……」
申し訳なさそうに眉を顰めるアドリアーノに、リヒテルは首を横に振って答えた。
「アドリアーノ~?何か悪いものでも食べたの?いつもと違って元気ないけど?」
ふざけた様子でアドリアーノに絡むエイミー。
若干プルプルとアドリアーノがしていたが、それに構わずまとわりつく。
アドリアーノはさすがに限界が来そうだったのか、がばっと顔を上げるとエイミーを睨みつけようとした。
しかしエイミーは、それをいち早く察してか、すぐにアドリアーノを離すとリヒテルの陰に隠れてしまった。
なんだか懐かしい空気に、リヒテルは一人ほくそ微笑むのだった。
「邪魔をするな!!」
「早くするんだ!!もたもたするな!!」
市街地のあちこちで怒号が聞こえてくる。
日が明けてすぐに、陛下からのお言葉として広く発布されたのだ。
〝機械魔脅威による帝都の放棄〟
それからすぐに防衛隊や狩猟者連合協同組合はてんやわんやの大騒ぎとなった。
帝都内に散らばり治安維持活動に従事していた。
避難民を乗せた車両が、次々と帝都を離れていく。
それに伴う形で狩猟者たちが護衛についていた。
長い長い車列は蛇のように伸びていた。
いたるところで喧嘩や騒ぎが起こる。
誰しもが焦り、憤り、焦燥に駆られていた。
リヒテルたち防衛隊の面々は、城下の治安維持にあたっていた。
特に第1大隊第1中隊は帝都防衛の任を受けており、人々の流れに逆らって移動を開始していた。
「ねぇ、リヒテル隊長?あの話を信じるの?」
エイミーは、いまだに納得がいっていない様子でリヒテルに話しかけていた。
リヒテルは当然とまではいかないが、あまり気にした様子は見られなかった。
「ん?あの話?あぁ、元始天王についてのことかな?陛下がすでに掌握したみたいだし問題ないよ。」
「エイミーは考え過ぎだ。もう少し気楽にいかんとな。」
「うっさい筋肉だるま!!」
「なにおう!?」
いつものじゃれあいの如く、エイミーとクリストフが睨み合いを行っていた。
なんと器用なことをするんだろうなと、いつもながらリヒテルは感じていた。
二人とも睨み合っていはいるが、何かにぶつかったり転んだりすることはなかったからだ。
リヒテルとしても、エイミーの意見も理解できていた。
「まあ、あんな話信じろって言われったってなかなかな。」
——————
時は遡り、夜がまだ明けきらない早朝、リヒテル小隊の面々はフル装備を行い辰之進のもとへと急いでいた。
防衛隊本部に着くと、既に行動を開始していた部隊もおり、慌ただしく動き回っていた。
受付の女性がリヒテルを見つけると、辰之進の執務室へと案内してくれた。
どうやら話は通っていたようで、何事もなくスムーズに進むことができたのだった。
コンコンコン
「佐々木総隊長。リヒテル・蒔苗小隊長が到着しました。」
「そうか、入れ。」
受付の女性が扉を開けると、忙しそうに書類整理を行っていた辰之進の姿が見える。
戦闘中からは想像できないような眼鏡姿に、若干の違和感を感じる面々だったが、受付の女性に促されるままに応接用のソファーに腰を下ろした。
しばらくすると一通り作業が終わったのか、眼鏡をはずしながら辰之進もソファーに腰を下ろした。
目のあたりをもみほぐしているあたり、相当根詰めて作業を行っていたことが推測できた。
「悪いな朝早くに。おおむね命令書に記載したとおりだが、リヒテルたちには伝えなくてはいけないことがあったので呼んだまでだ。」
そういうと、受付の女性が用意してくれた熱々のお茶を一啜りして気持ちを落ち着ける辰之進。
リヒテルたちも促されるままにお茶を飲んでいた。
「それでだ、君たちには最終防衛に当たってもらうわけだが、おそらく機械魔の上位種が現れる。君たちは殿を務めてもらことになるだろう。」
おおむね予想通りだった答えに、エイミーたちの顔が強張る。
それは、出来る事なら拒否したいという気持ちの表れでもあった。
「俺たちが避難民のための時間を稼げばいいってことですか?」
「おおむねその通りだが、少し違う。実はな、機密事項になるんだがこの帝都には古代から伝わる防衛機構が備わっている。その名は魔道具【元始天王】。まあ御伽噺にも出てくるものだが、それが実在するらしい。昨晩陛下がそれを掌握されたそうだ。その防衛機構は指定した者以外範囲内に入れなくするものらしい。陛下はその元始天王を持ってこの帝都を離脱する。つまり、陛下を中心に守りを固めながらの脱出作戦となる。ここまではいいか?」
辰之進は、リヒテルたちの反応を確認しつつ話を続ける。
「脱出作戦時におそらく問題が発生する。黒のフードの一行。ここにきて動きを見せていないことが不気味でならない。そこで君たちの出番というわけだ。可能な限りでいい、時間稼ぎをお願いしたい。民が逃げ切れるだけの時間が稼げたなら、討伐は気にしなくていい。あくまでも自分たちの命を優先してもらいたい。これについては陛下からも言質を頂いている。」
陛下からの言質……
それを聞いただけでリヒテルは、辰之進がどれほど骨を折ったか理解する事が出来た。
陛下から言質を取るなど普通では考えられないことだからである。
「わかりました。出来る限り尽力はします。」
「頼む。」
辰之進は無謀を敷いていることを十分に理解していた。
それでもやると言ってくれたリヒテルに対し、辰之進は頭を下げるしかできなかったのだった。
リヒテルが席を立つと、メンバーもそれに合わせて席を立った。
立ち去るリヒテルたちを見送る辰之進の心内は複雑であった。
できる事なら一緒に逃げてほしいとも考えてしまう。
しかし、防衛を任されている立場である以上、私情を挟むことは許されなかった。
「ロイドさんに顔向けできないな……」
辰之進のつぶやきは誰に聞かれるでもなく虚空へと消えていった。
——————
「で、リヒテル君。勝ち目はあるの?」
エイミーが廊下を歩きながらリヒテルに疑問をぶつける。
それは非難しているわけではなく、作戦についての確認だった。
「ん?あぁ、正直分からない。出たとこ勝負と言ってもいいかもしれない。相手がどう出てくるかもわからない以上、こちらは出来る限りの備えをするしかないだろうな。」
「ラミアさんたちは結局帰ってこなかったな。」
前日装備の保守を依頼しにラミアの店に行くと、そこにはラミアの姿はなかった。
リヒテルが隣の店舗を除くと、同じようにマリリンの姿もなかった。
あの時ランク5相当の機械魔との戦闘で別れて以来、その姿を見ることはなかったのだ。
ただ、装備品の点検については弟子の青年たちが指示を受けていたらしく、問題無く修理点検は終了することができた。
「老師も一緒だし、問題はないだろうけど……心配は心配かな。」
「そうね……」
リヒテル小隊が外に出ると、慌ただしさがさらに増していた。
むしろ、焦りに近いものが見受けられた。
「どうしたんだろうな?」
「わからん、どちらにせよ儂らは儂らの役目を果たすだけだ。」
周囲を見回していたリチャードは、その雰囲気に違和感を感じた。
クリストフは、どこか落ち着いた雰囲気を醸し出す。
はやる気持ちを抑え、リヒテル小隊は予定の北門付近へとやってきた。
すでに第1小隊第1中隊は準備を整えており、アドリアーノが最終確認を行っているところであった。
「来たな。話し合いは終わったみたいだな。」
手にしたバインダーと山積みの荷物とにらめっこをしていたアドリアーノは、リヒテルたちに気が付くとすぐに顔を上げた。
若干疲れた様子は見られたが、無理はしていないようだった。
「アドリアーノ中隊長。リヒテル小隊現着しました。これより作戦行動に移ります。」
「了解した。リヒテル……わりいな。無茶させちまって……」
申し訳なさそうに眉を顰めるアドリアーノに、リヒテルは首を横に振って答えた。
「アドリアーノ~?何か悪いものでも食べたの?いつもと違って元気ないけど?」
ふざけた様子でアドリアーノに絡むエイミー。
若干プルプルとアドリアーノがしていたが、それに構わずまとわりつく。
アドリアーノはさすがに限界が来そうだったのか、がばっと顔を上げるとエイミーを睨みつけようとした。
しかしエイミーは、それをいち早く察してか、すぐにアドリアーノを離すとリヒテルの陰に隠れてしまった。
なんだか懐かしい空気に、リヒテルは一人ほくそ微笑むのだった。
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