63 / 87
第6章 落日
第63話 これから
しおりを挟む
「報告書は読んだ。まさかこのような事態になっているとはな。リズもありがとう。これで少しは対策が進みそうだ。」
リヒテルとリズから報告書を受け取った辰之進は、手早くその報告書に目を通した。
しかし、いまだ理解に苦しい状況であることを思い知らされたのだから、疲れが出てもおかしくはなかった。
疲れた目をいたわるためか、目頭をもみほぐすしぐさをする辰之進。
その疲れ切った表情に、どこか申し訳なさが込み上げてきたリヒテルであった。
「さてと……どうする辰之進。」
辰之進が報告書を読み終えるのを待っていたリンリッド。
辰之進の困り果てた態度に、少しばかり後押しをすることにしたようだった。
「正直これ以上は打つ手なしですね。今打てる対策は、スタンビードが来たら全力で迎え撃つくらいです。可能であれば国外退去も視野に入れますが、今の現状は推測でしかないですからね。さすがに陛下にも進言しずらいです。」
困った困ったと天井を拝む辰之進。
しかし、その視線はリンリッドへ向けられていた。
その視線に気が付いているリンリッドも、あえてそれに応えようとしなかった。
「とりあえず、狩猟者連合協同組合との連携を軸に調整します。老師にはこの件を陛下に伝えていただきたいですね。」
「……わかった。それについてはこちらで手配しよう。」
リンリッドは辰之進にそう告げると、辰之進の執務室を後にしたのだった。
「で、リズ。君の意見が聞きたい。これから先どうなると思う?」
「私見で良ければ……。正直なところ分からないわ。楽観視すれば、このまま出てこないでくれるといいのだけれど。最悪を考えた場合、〝市中の虫がすべて魔物化〟。その先にあるのは〝機械魔化〟でしょうね。」
リズはため息をつきながら辰之進に答えた。
リズとしては最悪になる可能性が一番高いと考えていたからだ。
辰之進も同意見だったようで、異論をはさむことはなかった。
二人の間に重苦しい空気が漂う。
辰之進はそれを打ち払うべく、リヒテルにも意見を求めた。
「そうですね。〝虫の魔物化〟とゴールドラッドが起こした〝魔物の創造からの機械魔化〟が同一の事象なのかどうなのか。そこが問題だと思います。もし〝虫の魔物化〟が自然発生的なものであるならば、それは止められるものではないです。しかし、同一の事象だった場合は手の打ちようがあるのではないでしょうか?」
「ゴールドラッドを止める……か。」
ソファーに深く腰掛けた辰之進は、天井を見やる。
リヒテルとしてもそれが一番の近道だと直感がささやいていた。
「止められるのかしら?」
「止めないとならんだろうな……。亡霊は亡霊のままで終わってほしかったと思う。」
リズの問いに困惑の色が見える辰之進。
そしてその答えが、辰之進の本心だったのかもしれない。
「リヒテル小隊にはゴールドラッド討伐を依頼することになるだろう。だが、作戦自体は第1大隊として行う。間違っても先走るんじゃないぞ?」
辰之進がリヒテルの目を見て、何か不安を感じていた。
その眼には何か黒いものが見えたからだ。
リヒテルはそんなつもりはなく、なぜ念押しされたのか分からないといった様子。
しかし、自分を心配しての言葉であることは確かであったため深く頭を下げると、リヒテルもリンリッドに次いで執務室を後にした。
残されたリズと辰之進は、去りいくリヒテルの背を見つめていた。
年の離れた弟を見る、そんな感じであった。
「リズ……リヒテルの身体のことは知っているな?」
「えぇ、景虎さんから聞いているわ。でも不思議なのよね。もし機械魔化しているのであれば対機械魔領域の中にいられるはずがないもの。でも彼は平然としていた。機械魔化しているとは言い難いわね。」
「そうか……」
リズの意見を聞いて、少しだけ安心した辰之進。
それほどまでにリヒテルの存在は、異形といっても過言ではない状況であった。
リヒテルの骨格のすべてが、機械魔化しているなどと思うものはいないだろう。
だが、現実にそれが起きていた。
そしてそれが公になれば、リヒテルは機械魔として討伐対象になる。
体内の魔石の成長はいまだ継続しており、景虎が定期的に検査を行っていた。
その報告によれば、リヒテルを人間として定義していいのか迷いが生じるレベルだとのことであった。
「それじゃあ私も戻るわね。隊長……無理はしないでくださいね。」
「わかっているよ。リズもな。」
見つめあう二人に何か独特の空気が流れた。
リズはクスリと笑みを浮かべるとソファーを立ち、執務室を後にした。
残された辰之進は深く息を吐くと、何か考え込むように意識を思考の海へと潜らせていくのであった。
——————
「それで、総隊長はどうするって?」
第1中隊の宿舎のホールでくつろいでいたアドリアーノは、リヒテルが戻るのを待っていたようだった。
最近は一緒に行動することは少なくなっていたが、リヒテルにとっても良き相談相手であることは変わりなかった。
「基本方針は帝都の防衛とゴールドラッドの討伐。その2本柱だね。」
「まぁ、そうなるわな。」
アドリアーノとしても、おおむね予想通りだったことであまり楽しそうではなかった。
中隊長へ昇格したアドリアーノは苦手なデスクワークに追われ、なかなか息抜きができずにいたのだ。
特に第1中隊は曲者ぞろいもいいところで、アドリアーノとしては掌握するだけでも一苦労であった。
「もぉ~。辛気臭い顔しらいのぉ~。せっきゃくこうやってお酒飲んでるんらから……不味くなったらアドリアーノのおごりらからねぇ~?」
「ふっざけんな、エミリー!!お前飲み過ぎなんだよ!!」
隣の席で食事をしていたエミリーたちだったが、そのエミリーはすでに出来上がっていたようで、呂律がだいぶ怪しい状況であった。
それを介抱していたメイリンであったが、あまりのエミリーの酔いつぶれ加減に半ばあきらめの状態であった。
「ふん、酒に飲まれるとはだらしないのぉ~。これだからエルフ族は。」
そういうと、エミリーの目の前で酒をあおり飲んでいるクリストフ。
この二人は仲がいいのか悪いのか。
中隊全員の意見としては、仲いいだろう?ということになっていた。
嫌味を漏らすクリストフに食って掛かるエイミーを抑えながら涙目のメイリン。
視線をリヒテルとアドリアーノに向けると、言外に助けてとアピールしていたのだった。
さすがのリヒテルもメイリンのあまりな状況に助け船を出し、なんとかその場を収拾することができたのだった。
「それでアドリアーノ。なんでエイミーがあんなに出来上がってたのさ?」
「それがな……」
アドリアーノから、事のあらましを説明されたリヒテル。
その内容からうれしさと悲しさとさみしさと入り混じるエイミーの心情が読み取れた。
調査隊が発見したものはライガとヒョウガの遺品だった。
前回ゴールドラッドの出現の後、その周辺の調査が行われたのだ。
理由は突如として発生した地面から沸き上がった魔石について調べるためである。
辰之進たちも目撃していたが、ゴールドラッドが掲げた銀色の器からもたらされたどす黒い液体が呼び水となったことは間違いなかった。
その成分を解明できれば今後の対策になるのではないかという考えから調査することになったのだ。
その調査の過程で周辺を調べていた時に発見されたのが、ライガとヒョウガのドックタグと装備品の一部だったのだ。
調査隊も遺品として回収し、身内へ引き渡すつもりだったが、あいにくライガとヒョウガには肉親がいなかった。
そこで生前親しかったエイミーに、それが引き渡されたのだった。
「じゃあ、今日はとことん付き合うとしようか。」
「そうだな……」
リヒテルとアドリアーノは、今宵ばかりはとエイミーの行動に目をつむることにしたのだった。
明後日にはまた任務へと出発することになるのだから……
エイミーの席の隣には、エイミーとともに笑いあう二人の姿が映された写真あった。
その中のエイミーとライガ、ヒョウガはとてもとても幸せそうだったとリヒテルは思ったのだった。
「ライガ……、ヒョウガ……。敵は必ず……」
リヒテルのつぶやきは、ホールにこだまする宴の音にかき消され、誰の耳にも届かなかったのだった……
リヒテルとリズから報告書を受け取った辰之進は、手早くその報告書に目を通した。
しかし、いまだ理解に苦しい状況であることを思い知らされたのだから、疲れが出てもおかしくはなかった。
疲れた目をいたわるためか、目頭をもみほぐすしぐさをする辰之進。
その疲れ切った表情に、どこか申し訳なさが込み上げてきたリヒテルであった。
「さてと……どうする辰之進。」
辰之進が報告書を読み終えるのを待っていたリンリッド。
辰之進の困り果てた態度に、少しばかり後押しをすることにしたようだった。
「正直これ以上は打つ手なしですね。今打てる対策は、スタンビードが来たら全力で迎え撃つくらいです。可能であれば国外退去も視野に入れますが、今の現状は推測でしかないですからね。さすがに陛下にも進言しずらいです。」
困った困ったと天井を拝む辰之進。
しかし、その視線はリンリッドへ向けられていた。
その視線に気が付いているリンリッドも、あえてそれに応えようとしなかった。
「とりあえず、狩猟者連合協同組合との連携を軸に調整します。老師にはこの件を陛下に伝えていただきたいですね。」
「……わかった。それについてはこちらで手配しよう。」
リンリッドは辰之進にそう告げると、辰之進の執務室を後にしたのだった。
「で、リズ。君の意見が聞きたい。これから先どうなると思う?」
「私見で良ければ……。正直なところ分からないわ。楽観視すれば、このまま出てこないでくれるといいのだけれど。最悪を考えた場合、〝市中の虫がすべて魔物化〟。その先にあるのは〝機械魔化〟でしょうね。」
リズはため息をつきながら辰之進に答えた。
リズとしては最悪になる可能性が一番高いと考えていたからだ。
辰之進も同意見だったようで、異論をはさむことはなかった。
二人の間に重苦しい空気が漂う。
辰之進はそれを打ち払うべく、リヒテルにも意見を求めた。
「そうですね。〝虫の魔物化〟とゴールドラッドが起こした〝魔物の創造からの機械魔化〟が同一の事象なのかどうなのか。そこが問題だと思います。もし〝虫の魔物化〟が自然発生的なものであるならば、それは止められるものではないです。しかし、同一の事象だった場合は手の打ちようがあるのではないでしょうか?」
「ゴールドラッドを止める……か。」
ソファーに深く腰掛けた辰之進は、天井を見やる。
リヒテルとしてもそれが一番の近道だと直感がささやいていた。
「止められるのかしら?」
「止めないとならんだろうな……。亡霊は亡霊のままで終わってほしかったと思う。」
リズの問いに困惑の色が見える辰之進。
そしてその答えが、辰之進の本心だったのかもしれない。
「リヒテル小隊にはゴールドラッド討伐を依頼することになるだろう。だが、作戦自体は第1大隊として行う。間違っても先走るんじゃないぞ?」
辰之進がリヒテルの目を見て、何か不安を感じていた。
その眼には何か黒いものが見えたからだ。
リヒテルはそんなつもりはなく、なぜ念押しされたのか分からないといった様子。
しかし、自分を心配しての言葉であることは確かであったため深く頭を下げると、リヒテルもリンリッドに次いで執務室を後にした。
残されたリズと辰之進は、去りいくリヒテルの背を見つめていた。
年の離れた弟を見る、そんな感じであった。
「リズ……リヒテルの身体のことは知っているな?」
「えぇ、景虎さんから聞いているわ。でも不思議なのよね。もし機械魔化しているのであれば対機械魔領域の中にいられるはずがないもの。でも彼は平然としていた。機械魔化しているとは言い難いわね。」
「そうか……」
リズの意見を聞いて、少しだけ安心した辰之進。
それほどまでにリヒテルの存在は、異形といっても過言ではない状況であった。
リヒテルの骨格のすべてが、機械魔化しているなどと思うものはいないだろう。
だが、現実にそれが起きていた。
そしてそれが公になれば、リヒテルは機械魔として討伐対象になる。
体内の魔石の成長はいまだ継続しており、景虎が定期的に検査を行っていた。
その報告によれば、リヒテルを人間として定義していいのか迷いが生じるレベルだとのことであった。
「それじゃあ私も戻るわね。隊長……無理はしないでくださいね。」
「わかっているよ。リズもな。」
見つめあう二人に何か独特の空気が流れた。
リズはクスリと笑みを浮かべるとソファーを立ち、執務室を後にした。
残された辰之進は深く息を吐くと、何か考え込むように意識を思考の海へと潜らせていくのであった。
——————
「それで、総隊長はどうするって?」
第1中隊の宿舎のホールでくつろいでいたアドリアーノは、リヒテルが戻るのを待っていたようだった。
最近は一緒に行動することは少なくなっていたが、リヒテルにとっても良き相談相手であることは変わりなかった。
「基本方針は帝都の防衛とゴールドラッドの討伐。その2本柱だね。」
「まぁ、そうなるわな。」
アドリアーノとしても、おおむね予想通りだったことであまり楽しそうではなかった。
中隊長へ昇格したアドリアーノは苦手なデスクワークに追われ、なかなか息抜きができずにいたのだ。
特に第1中隊は曲者ぞろいもいいところで、アドリアーノとしては掌握するだけでも一苦労であった。
「もぉ~。辛気臭い顔しらいのぉ~。せっきゃくこうやってお酒飲んでるんらから……不味くなったらアドリアーノのおごりらからねぇ~?」
「ふっざけんな、エミリー!!お前飲み過ぎなんだよ!!」
隣の席で食事をしていたエミリーたちだったが、そのエミリーはすでに出来上がっていたようで、呂律がだいぶ怪しい状況であった。
それを介抱していたメイリンであったが、あまりのエミリーの酔いつぶれ加減に半ばあきらめの状態であった。
「ふん、酒に飲まれるとはだらしないのぉ~。これだからエルフ族は。」
そういうと、エミリーの目の前で酒をあおり飲んでいるクリストフ。
この二人は仲がいいのか悪いのか。
中隊全員の意見としては、仲いいだろう?ということになっていた。
嫌味を漏らすクリストフに食って掛かるエイミーを抑えながら涙目のメイリン。
視線をリヒテルとアドリアーノに向けると、言外に助けてとアピールしていたのだった。
さすがのリヒテルもメイリンのあまりな状況に助け船を出し、なんとかその場を収拾することができたのだった。
「それでアドリアーノ。なんでエイミーがあんなに出来上がってたのさ?」
「それがな……」
アドリアーノから、事のあらましを説明されたリヒテル。
その内容からうれしさと悲しさとさみしさと入り混じるエイミーの心情が読み取れた。
調査隊が発見したものはライガとヒョウガの遺品だった。
前回ゴールドラッドの出現の後、その周辺の調査が行われたのだ。
理由は突如として発生した地面から沸き上がった魔石について調べるためである。
辰之進たちも目撃していたが、ゴールドラッドが掲げた銀色の器からもたらされたどす黒い液体が呼び水となったことは間違いなかった。
その成分を解明できれば今後の対策になるのではないかという考えから調査することになったのだ。
その調査の過程で周辺を調べていた時に発見されたのが、ライガとヒョウガのドックタグと装備品の一部だったのだ。
調査隊も遺品として回収し、身内へ引き渡すつもりだったが、あいにくライガとヒョウガには肉親がいなかった。
そこで生前親しかったエイミーに、それが引き渡されたのだった。
「じゃあ、今日はとことん付き合うとしようか。」
「そうだな……」
リヒテルとアドリアーノは、今宵ばかりはとエイミーの行動に目をつむることにしたのだった。
明後日にはまた任務へと出発することになるのだから……
エイミーの席の隣には、エイミーとともに笑いあう二人の姿が映された写真あった。
その中のエイミーとライガ、ヒョウガはとてもとても幸せそうだったとリヒテルは思ったのだった。
「ライガ……、ヒョウガ……。敵は必ず……」
リヒテルのつぶやきは、ホールにこだまする宴の音にかき消され、誰の耳にも届かなかったのだった……
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
あらゆる属性の精霊と契約できない無能だからと追放された精霊術師、実は最高の無の精霊と契約できたので無双します
名無し
ファンタジー
レオンは自分が精霊術師であるにもかかわらず、どんな精霊とも仮契約すらできないことに負い目を感じていた。その代わりとして、所属しているS級パーティーに対して奴隷のように尽くしてきたが、ある日リーダーから無能は雑用係でも必要ないと追放を言い渡されてしまう。
彼は仕事を探すべく訪れたギルドで、冒険者同士の喧嘩を仲裁しようとして暴行されるも、全然痛みがなかったことに違和感を覚える。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる