63 / 142
第6章 落日
第63話 これから
しおりを挟む
「報告書は読んだ。まさかこのような事態になっているとはな。リズもありがとう。これで少しは対策が進みそうだ。」
リヒテルとリズから報告書を受け取った辰之進は、手早くその報告書に目を通した。
しかし、いまだ理解に苦しい状況であることを思い知らされたのだから、疲れが出てもおかしくはなかった。
疲れた目をいたわるためか、目頭をもみほぐすしぐさをする辰之進。
その疲れ切った表情に、どこか申し訳なさが込み上げてきたリヒテルであった。
「さてと……どうする辰之進。」
辰之進が報告書を読み終えるのを待っていたリンリッド。
辰之進の困り果てた態度に、少しばかり後押しをすることにしたようだった。
「正直これ以上は打つ手なしですね。今打てる対策は、スタンビードが来たら全力で迎え撃つくらいです。可能であれば国外退去も視野に入れますが、今の現状は推測でしかないですからね。さすがに陛下にも進言しずらいです。」
困った困ったと天井を拝む辰之進。
しかし、その視線はリンリッドへ向けられていた。
その視線に気が付いているリンリッドも、あえてそれに応えようとしなかった。
「とりあえず、狩猟者連合協同組合との連携を軸に調整します。老師にはこの件を陛下に伝えていただきたいですね。」
「……わかった。それについてはこちらで手配しよう。」
リンリッドは辰之進にそう告げると、辰之進の執務室を後にしたのだった。
「で、リズ。君の意見が聞きたい。これから先どうなると思う?」
「私見で良ければ……。正直なところ分からないわ。楽観視すれば、このまま出てこないでくれるといいのだけれど。最悪を考えた場合、〝市中の虫がすべて魔物化〟。その先にあるのは〝機械魔化〟でしょうね。」
リズはため息をつきながら辰之進に答えた。
リズとしては最悪になる可能性が一番高いと考えていたからだ。
辰之進も同意見だったようで、異論をはさむことはなかった。
二人の間に重苦しい空気が漂う。
辰之進はそれを打ち払うべく、リヒテルにも意見を求めた。
「そうですね。〝虫の魔物化〟とゴールドラッドが起こした〝魔物の創造からの機械魔化〟が同一の事象なのかどうなのか。そこが問題だと思います。もし〝虫の魔物化〟が自然発生的なものであるならば、それは止められるものではないです。しかし、同一の事象だった場合は手の打ちようがあるのではないでしょうか?」
「ゴールドラッドを止める……か。」
ソファーに深く腰掛けた辰之進は、天井を見やる。
リヒテルとしてもそれが一番の近道だと直感がささやいていた。
「止められるのかしら?」
「止めないとならんだろうな……。亡霊は亡霊のままで終わってほしかったと思う。」
リズの問いに困惑の色が見える辰之進。
そしてその答えが、辰之進の本心だったのかもしれない。
「リヒテル小隊にはゴールドラッド討伐を依頼することになるだろう。だが、作戦自体は第1大隊として行う。間違っても先走るんじゃないぞ?」
辰之進がリヒテルの目を見て、何か不安を感じていた。
その眼には何か黒いものが見えたからだ。
リヒテルはそんなつもりはなく、なぜ念押しされたのか分からないといった様子。
しかし、自分を心配しての言葉であることは確かであったため深く頭を下げると、リヒテルもリンリッドに次いで執務室を後にした。
残されたリズと辰之進は、去りいくリヒテルの背を見つめていた。
年の離れた弟を見る、そんな感じであった。
「リズ……リヒテルの身体のことは知っているな?」
「えぇ、景虎さんから聞いているわ。でも不思議なのよね。もし機械魔化しているのであれば対機械魔領域の中にいられるはずがないもの。でも彼は平然としていた。機械魔化しているとは言い難いわね。」
「そうか……」
リズの意見を聞いて、少しだけ安心した辰之進。
それほどまでにリヒテルの存在は、異形といっても過言ではない状況であった。
リヒテルの骨格のすべてが、機械魔化しているなどと思うものはいないだろう。
だが、現実にそれが起きていた。
そしてそれが公になれば、リヒテルは機械魔として討伐対象になる。
体内の魔石の成長はいまだ継続しており、景虎が定期的に検査を行っていた。
その報告によれば、リヒテルを人間として定義していいのか迷いが生じるレベルだとのことであった。
「それじゃあ私も戻るわね。隊長……無理はしないでくださいね。」
「わかっているよ。リズもな。」
見つめあう二人に何か独特の空気が流れた。
リズはクスリと笑みを浮かべるとソファーを立ち、執務室を後にした。
残された辰之進は深く息を吐くと、何か考え込むように意識を思考の海へと潜らせていくのであった。
——————
「それで、総隊長はどうするって?」
第1中隊の宿舎のホールでくつろいでいたアドリアーノは、リヒテルが戻るのを待っていたようだった。
最近は一緒に行動することは少なくなっていたが、リヒテルにとっても良き相談相手であることは変わりなかった。
「基本方針は帝都の防衛とゴールドラッドの討伐。その2本柱だね。」
「まぁ、そうなるわな。」
アドリアーノとしても、おおむね予想通りだったことであまり楽しそうではなかった。
中隊長へ昇格したアドリアーノは苦手なデスクワークに追われ、なかなか息抜きができずにいたのだ。
特に第1中隊は曲者ぞろいもいいところで、アドリアーノとしては掌握するだけでも一苦労であった。
「もぉ~。辛気臭い顔しらいのぉ~。せっきゃくこうやってお酒飲んでるんらから……不味くなったらアドリアーノのおごりらからねぇ~?」
「ふっざけんな、エミリー!!お前飲み過ぎなんだよ!!」
隣の席で食事をしていたエミリーたちだったが、そのエミリーはすでに出来上がっていたようで、呂律がだいぶ怪しい状況であった。
それを介抱していたメイリンであったが、あまりのエミリーの酔いつぶれ加減に半ばあきらめの状態であった。
「ふん、酒に飲まれるとはだらしないのぉ~。これだからエルフ族は。」
そういうと、エミリーの目の前で酒をあおり飲んでいるクリストフ。
この二人は仲がいいのか悪いのか。
中隊全員の意見としては、仲いいだろう?ということになっていた。
嫌味を漏らすクリストフに食って掛かるエイミーを抑えながら涙目のメイリン。
視線をリヒテルとアドリアーノに向けると、言外に助けてとアピールしていたのだった。
さすがのリヒテルもメイリンのあまりな状況に助け船を出し、なんとかその場を収拾することができたのだった。
「それでアドリアーノ。なんでエイミーがあんなに出来上がってたのさ?」
「それがな……」
アドリアーノから、事のあらましを説明されたリヒテル。
その内容からうれしさと悲しさとさみしさと入り混じるエイミーの心情が読み取れた。
調査隊が発見したものはライガとヒョウガの遺品だった。
前回ゴールドラッドの出現の後、その周辺の調査が行われたのだ。
理由は突如として発生した地面から沸き上がった魔石について調べるためである。
辰之進たちも目撃していたが、ゴールドラッドが掲げた銀色の器からもたらされたどす黒い液体が呼び水となったことは間違いなかった。
その成分を解明できれば今後の対策になるのではないかという考えから調査することになったのだ。
その調査の過程で周辺を調べていた時に発見されたのが、ライガとヒョウガのドックタグと装備品の一部だったのだ。
調査隊も遺品として回収し、身内へ引き渡すつもりだったが、あいにくライガとヒョウガには肉親がいなかった。
そこで生前親しかったエイミーに、それが引き渡されたのだった。
「じゃあ、今日はとことん付き合うとしようか。」
「そうだな……」
リヒテルとアドリアーノは、今宵ばかりはとエイミーの行動に目をつむることにしたのだった。
明後日にはまた任務へと出発することになるのだから……
エイミーの席の隣には、エイミーとともに笑いあう二人の姿が映された写真あった。
その中のエイミーとライガ、ヒョウガはとてもとても幸せそうだったとリヒテルは思ったのだった。
「ライガ……、ヒョウガ……。敵は必ず……」
リヒテルのつぶやきは、ホールにこだまする宴の音にかき消され、誰の耳にも届かなかったのだった……
リヒテルとリズから報告書を受け取った辰之進は、手早くその報告書に目を通した。
しかし、いまだ理解に苦しい状況であることを思い知らされたのだから、疲れが出てもおかしくはなかった。
疲れた目をいたわるためか、目頭をもみほぐすしぐさをする辰之進。
その疲れ切った表情に、どこか申し訳なさが込み上げてきたリヒテルであった。
「さてと……どうする辰之進。」
辰之進が報告書を読み終えるのを待っていたリンリッド。
辰之進の困り果てた態度に、少しばかり後押しをすることにしたようだった。
「正直これ以上は打つ手なしですね。今打てる対策は、スタンビードが来たら全力で迎え撃つくらいです。可能であれば国外退去も視野に入れますが、今の現状は推測でしかないですからね。さすがに陛下にも進言しずらいです。」
困った困ったと天井を拝む辰之進。
しかし、その視線はリンリッドへ向けられていた。
その視線に気が付いているリンリッドも、あえてそれに応えようとしなかった。
「とりあえず、狩猟者連合協同組合との連携を軸に調整します。老師にはこの件を陛下に伝えていただきたいですね。」
「……わかった。それについてはこちらで手配しよう。」
リンリッドは辰之進にそう告げると、辰之進の執務室を後にしたのだった。
「で、リズ。君の意見が聞きたい。これから先どうなると思う?」
「私見で良ければ……。正直なところ分からないわ。楽観視すれば、このまま出てこないでくれるといいのだけれど。最悪を考えた場合、〝市中の虫がすべて魔物化〟。その先にあるのは〝機械魔化〟でしょうね。」
リズはため息をつきながら辰之進に答えた。
リズとしては最悪になる可能性が一番高いと考えていたからだ。
辰之進も同意見だったようで、異論をはさむことはなかった。
二人の間に重苦しい空気が漂う。
辰之進はそれを打ち払うべく、リヒテルにも意見を求めた。
「そうですね。〝虫の魔物化〟とゴールドラッドが起こした〝魔物の創造からの機械魔化〟が同一の事象なのかどうなのか。そこが問題だと思います。もし〝虫の魔物化〟が自然発生的なものであるならば、それは止められるものではないです。しかし、同一の事象だった場合は手の打ちようがあるのではないでしょうか?」
「ゴールドラッドを止める……か。」
ソファーに深く腰掛けた辰之進は、天井を見やる。
リヒテルとしてもそれが一番の近道だと直感がささやいていた。
「止められるのかしら?」
「止めないとならんだろうな……。亡霊は亡霊のままで終わってほしかったと思う。」
リズの問いに困惑の色が見える辰之進。
そしてその答えが、辰之進の本心だったのかもしれない。
「リヒテル小隊にはゴールドラッド討伐を依頼することになるだろう。だが、作戦自体は第1大隊として行う。間違っても先走るんじゃないぞ?」
辰之進がリヒテルの目を見て、何か不安を感じていた。
その眼には何か黒いものが見えたからだ。
リヒテルはそんなつもりはなく、なぜ念押しされたのか分からないといった様子。
しかし、自分を心配しての言葉であることは確かであったため深く頭を下げると、リヒテルもリンリッドに次いで執務室を後にした。
残されたリズと辰之進は、去りいくリヒテルの背を見つめていた。
年の離れた弟を見る、そんな感じであった。
「リズ……リヒテルの身体のことは知っているな?」
「えぇ、景虎さんから聞いているわ。でも不思議なのよね。もし機械魔化しているのであれば対機械魔領域の中にいられるはずがないもの。でも彼は平然としていた。機械魔化しているとは言い難いわね。」
「そうか……」
リズの意見を聞いて、少しだけ安心した辰之進。
それほどまでにリヒテルの存在は、異形といっても過言ではない状況であった。
リヒテルの骨格のすべてが、機械魔化しているなどと思うものはいないだろう。
だが、現実にそれが起きていた。
そしてそれが公になれば、リヒテルは機械魔として討伐対象になる。
体内の魔石の成長はいまだ継続しており、景虎が定期的に検査を行っていた。
その報告によれば、リヒテルを人間として定義していいのか迷いが生じるレベルだとのことであった。
「それじゃあ私も戻るわね。隊長……無理はしないでくださいね。」
「わかっているよ。リズもな。」
見つめあう二人に何か独特の空気が流れた。
リズはクスリと笑みを浮かべるとソファーを立ち、執務室を後にした。
残された辰之進は深く息を吐くと、何か考え込むように意識を思考の海へと潜らせていくのであった。
——————
「それで、総隊長はどうするって?」
第1中隊の宿舎のホールでくつろいでいたアドリアーノは、リヒテルが戻るのを待っていたようだった。
最近は一緒に行動することは少なくなっていたが、リヒテルにとっても良き相談相手であることは変わりなかった。
「基本方針は帝都の防衛とゴールドラッドの討伐。その2本柱だね。」
「まぁ、そうなるわな。」
アドリアーノとしても、おおむね予想通りだったことであまり楽しそうではなかった。
中隊長へ昇格したアドリアーノは苦手なデスクワークに追われ、なかなか息抜きができずにいたのだ。
特に第1中隊は曲者ぞろいもいいところで、アドリアーノとしては掌握するだけでも一苦労であった。
「もぉ~。辛気臭い顔しらいのぉ~。せっきゃくこうやってお酒飲んでるんらから……不味くなったらアドリアーノのおごりらからねぇ~?」
「ふっざけんな、エミリー!!お前飲み過ぎなんだよ!!」
隣の席で食事をしていたエミリーたちだったが、そのエミリーはすでに出来上がっていたようで、呂律がだいぶ怪しい状況であった。
それを介抱していたメイリンであったが、あまりのエミリーの酔いつぶれ加減に半ばあきらめの状態であった。
「ふん、酒に飲まれるとはだらしないのぉ~。これだからエルフ族は。」
そういうと、エミリーの目の前で酒をあおり飲んでいるクリストフ。
この二人は仲がいいのか悪いのか。
中隊全員の意見としては、仲いいだろう?ということになっていた。
嫌味を漏らすクリストフに食って掛かるエイミーを抑えながら涙目のメイリン。
視線をリヒテルとアドリアーノに向けると、言外に助けてとアピールしていたのだった。
さすがのリヒテルもメイリンのあまりな状況に助け船を出し、なんとかその場を収拾することができたのだった。
「それでアドリアーノ。なんでエイミーがあんなに出来上がってたのさ?」
「それがな……」
アドリアーノから、事のあらましを説明されたリヒテル。
その内容からうれしさと悲しさとさみしさと入り混じるエイミーの心情が読み取れた。
調査隊が発見したものはライガとヒョウガの遺品だった。
前回ゴールドラッドの出現の後、その周辺の調査が行われたのだ。
理由は突如として発生した地面から沸き上がった魔石について調べるためである。
辰之進たちも目撃していたが、ゴールドラッドが掲げた銀色の器からもたらされたどす黒い液体が呼び水となったことは間違いなかった。
その成分を解明できれば今後の対策になるのではないかという考えから調査することになったのだ。
その調査の過程で周辺を調べていた時に発見されたのが、ライガとヒョウガのドックタグと装備品の一部だったのだ。
調査隊も遺品として回収し、身内へ引き渡すつもりだったが、あいにくライガとヒョウガには肉親がいなかった。
そこで生前親しかったエイミーに、それが引き渡されたのだった。
「じゃあ、今日はとことん付き合うとしようか。」
「そうだな……」
リヒテルとアドリアーノは、今宵ばかりはとエイミーの行動に目をつむることにしたのだった。
明後日にはまた任務へと出発することになるのだから……
エイミーの席の隣には、エイミーとともに笑いあう二人の姿が映された写真あった。
その中のエイミーとライガ、ヒョウガはとてもとても幸せそうだったとリヒテルは思ったのだった。
「ライガ……、ヒョウガ……。敵は必ず……」
リヒテルのつぶやきは、ホールにこだまする宴の音にかき消され、誰の耳にも届かなかったのだった……
10
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる