46 / 94
第5章 壁の先にあるもの
第46話 崩壊の始まり
しおりを挟む
ため息交じりに話していた辰之進に語り掛けたのは、眼鏡がよく似合う女性であった。
隊服に身を包んだ姿は、凛とした空気を纏っていた。
彼女の名はエミーリア・リオンディーノ。
帝都防衛隊第一大隊第3中隊を任されている中隊長である。
背は辰之進よりも高く、おおよそ180cmくらいのスレンダー美女である。
すれ違った男性が、10人中7人は振り返るとまで言われている。
魔法系スキルを習得しており、その威力はアドリアーノが裸足で逃げだすとまで言わしめるほどであった。
さらにその性格も相まって〝鉄血の魔女〟という字名を拝命するに至った。
「どうした、エミーリア。何か気になることでもあったのか?」
「佐々木君の説明を鑑みるに、あのうわさ話が脳裏をよぎるのだが君はどうだい?」
あのうわさ話。
隊長格の間でも何度か話題に上がった話……世界遡及。
この世界がやり直しを行った結果だという、根も葉もないうわさである。
しかし、その噂に登場する人物こそプロメテウスであった。
そのため、辰之進もまた同じように考えざるを得なかった。
「さすがに断言はできんよ。あまりにも荒唐無稽するぎる。そして情報が不足しすぎている。むしろ、〝今まさに神が降り立った〟と言われたほうが、まだ現実味がある。」
「そう……ね。そうれもそうだわ。それで、これから彼らはどう動くかしらね。」
辰之進は「わからん」と一言答えると考え込んでしまった。
「ほらエミーリア。お前が余計なことを言うから、辰の字が潜っちまったじゃねぇ~か。」
「黙りなさい。その自慢のひげをむしり取るわよ?」
短めに刈り揃えたあごひげをさすりながら、エミーリアへちょっかいをかけ始める男性。
その特徴的頭髪は、長い黒髪を後ろで一つ結びにしていた。
さらに、その特徴として見られたのが〝和装〟と呼ばれる服装であった。
今時珍しい装いで、携えた武器もまた珍しいものであった。
今ではそれを製造できるのは、中立国ジャポニシアのごく一部の職人だけである。
そんな彼の名は、五十嵐 清十郎……彼もまた第4中隊を任される隊長格である。
「やめないか、エミーリア。清十郎、さすがにまじめに考えてほしいんだがな?」
「固いこと言うなよザック。それに報告の限りだと対機械魔領域が機能しているんだし焦ることないさ。」
二人のやり取りをやんわりと諫めるザックに対し、清十郎は肩をすくめながら何でもないとでも言わんばかりに飄々としていた。
その態度を訝しがるエミーリアをよそに、ザックは辰之進へ話しかけた。
「で、どうするんだ?」
ザックの問いに顔をあげる辰之進の表情は、疲れが見えていた。
「まずは帝都に戻って総隊長に報告だろうな。大隊長殿に任せたら、とんでもないことにならないはずがない。」
「違いない。」
そこにいた全員が辰之進の言葉に大きくうなずいていた。
それほどまでにリシャースの信用は地の底であった。
それからもブリーフィングが続き、すべてが終わりかけた時のことであった。
「伝令!!伝令!!」
隊員が血相を変えて慌てて飛び込んできたのだ。
「なにがあった!?」
「立入禁止区域ランク1の対機械魔領域が突破されたとのことです!!」
先ほどまで疲れ切っていたのが嘘のように、全員跳ね起きる。
ここまで築き上げてきた人類の生活圏が、突如として脅かされる状況になり始めていた。
「ひ、被害状況は!?」
エミーリアが慌てた様子で隊員に確認すると、まだそれほどまでの被害が出ておらず、現場対応に当たっていた狩猟者が押し戻しに成功したようであった。
出力強化することでその波を封じ込められたと聞き、皆一様に安どの表情を浮かべていた。
「しかしこれはまいったねぇ~。つまりどの対機械魔領域もいつ突破されるかわからない状況だという事だろ?」
「出発を繰り上げて帝都に戻る!!」
一人冷静に状況を見ていた清十郎が、一番の懸念にたどり着いていた。
辰之進もそれを心配しており、悠長にしている時間が惜しいと考えた。
そして矢継ぎ早に各隊に指示を出し、即時出発の準備を整える。
即座に対応を開始した各隊の動きはやはり統制されており、先ほどまであった野営駐屯地はその姿を消していた。
防衛隊の対応に一瞬不満を漏らした狩猟者たちだったが、事情を聴いたとたん、帝都に戻るまでは防衛隊の指揮下に編入すると申し出てくれた。
辰之進たちにしてみれば指揮がとりやすくなるため、願ったりかなったりだった。
ただ一人の人物を除いては。
「どういうことだこれは!!出発は明日昼過ぎの予定だったはずだ!!」
「申し訳ありません。緊急事態が発生したためやむを得ず対応いたしました。状況説明はおって行いますが故、直ちに車両へ搭乗願います。」
怒り散らすリシャースを軽くあしらうと、そのまま大隊長専用車両に押し込め扉を閉める。
扉越しに何かを叫んでいたが、それすら無視し運転手に出発を促した。
運転手も慣れたもので、すべてをスルーして車両を発進させた。
そしてこの車両も漏れず多脚型の為、姿勢を崩していたリシャースは強かに頭部を天井に打ち付けていた。
「全員出発!!先頭は第3中隊。後、第2・第4。殿は第1中隊が務める!!狩猟者諸君は第2中隊と行動を共にしてくれ!!前方又は後方で戦闘が開始した際は即時対応を求める!!以上!!出発!!」
辰之進のよく通る声が大隊全体に響き渡る。
そしてそれに呼応するように返事が巻き起こった。
ぞろぞろと進軍が開始され、30分ののちそこにあった駐屯地は跡形もなく消え去っていたのだった。
——————
『プロメテウス様……。雛鳥は鳥籠に帰りました。』
「それでは、そのまま監視を続けてください。」
プツリと通信が途切れると、プロメテウスはニヤリと笑みを浮かべていた。
「これですべての隊は帝都へ戻ったということですね。あとはこの国の国盗りをするだけです。さて、ほかの国はどうでしょうね……。ハーディーとニュクスはうまくやっているでしょうかね。まあ、気分屋のヘルメスは考えるだけ無駄でしょうが……」
コンコンコン
そんなことを独り言ちていると、急に部屋の扉をノックする音が聞こえる。
プロメテウスが入室の許可を出すと、一人の男性が姿を現した。
その男性はヅカヅカと我が物顔で入室すると、どかりとプロメテウスの前のソファーに腰を下ろした。
「何度も呼びつけるなと言ったはずだがな、ゴールドラッド。お前とのつながりが露見したらただでは済まない。そのリスクは理解しているんだろう?」
「そう言わないでくださいよ。私とあなたのなかでしょう……ねえ、威張総隊長殿?」
苦々しい顔でプロメテウスをにらみつける威張総隊長。
それを気にした様子もなく、プロメテウスは話を続ける。
「予定通り事は進んでいますからねぇ~。これでやっと悲願成就となりそうですね。」
「わかっている。これもこの世界の為。正しい歴史へと戻すためだ。ゴールドラッド……貴様とはその一点でのみ利害が一致していることを忘れるな。」
ぎろりと睨みつける威張をよそに、プロメテウスはニマニマと笑みをこぼす。
それを見ていた威張は、面白くないと言わんばかりに態度をさらに悪化させていったのだった。
「それで、機械魔どもの解放は予定通り二日後の深夜でいいんだな?それに合わせて私がこの帝国にクーデターを仕掛ける。」
「はい、間違いなく。そして地下に眠る秘宝を解放すればいいだけです。」
フンと鼻を鳴らしながらソファーから立ち上がる威張。
一刻も早くこの場を立ち去りたいのか、そのまま部屋を後にしたのだった。
一人残されたプロメテウスはほくそ微笑んでいた。
「全く、いつになっても人の欲とは面白いものだ。少し唆すだけでこれほどうまく動いてくれるとは……。さてさて、これで面白くなりそうだ……。せっかく彼が頑張ったのに……ねぇ……〝中村剣斗〟さん。」
ニヤリと口角をあげてほほ笑むその顔は、邪悪に彩られていた。
隊服に身を包んだ姿は、凛とした空気を纏っていた。
彼女の名はエミーリア・リオンディーノ。
帝都防衛隊第一大隊第3中隊を任されている中隊長である。
背は辰之進よりも高く、おおよそ180cmくらいのスレンダー美女である。
すれ違った男性が、10人中7人は振り返るとまで言われている。
魔法系スキルを習得しており、その威力はアドリアーノが裸足で逃げだすとまで言わしめるほどであった。
さらにその性格も相まって〝鉄血の魔女〟という字名を拝命するに至った。
「どうした、エミーリア。何か気になることでもあったのか?」
「佐々木君の説明を鑑みるに、あのうわさ話が脳裏をよぎるのだが君はどうだい?」
あのうわさ話。
隊長格の間でも何度か話題に上がった話……世界遡及。
この世界がやり直しを行った結果だという、根も葉もないうわさである。
しかし、その噂に登場する人物こそプロメテウスであった。
そのため、辰之進もまた同じように考えざるを得なかった。
「さすがに断言はできんよ。あまりにも荒唐無稽するぎる。そして情報が不足しすぎている。むしろ、〝今まさに神が降り立った〟と言われたほうが、まだ現実味がある。」
「そう……ね。そうれもそうだわ。それで、これから彼らはどう動くかしらね。」
辰之進は「わからん」と一言答えると考え込んでしまった。
「ほらエミーリア。お前が余計なことを言うから、辰の字が潜っちまったじゃねぇ~か。」
「黙りなさい。その自慢のひげをむしり取るわよ?」
短めに刈り揃えたあごひげをさすりながら、エミーリアへちょっかいをかけ始める男性。
その特徴的頭髪は、長い黒髪を後ろで一つ結びにしていた。
さらに、その特徴として見られたのが〝和装〟と呼ばれる服装であった。
今時珍しい装いで、携えた武器もまた珍しいものであった。
今ではそれを製造できるのは、中立国ジャポニシアのごく一部の職人だけである。
そんな彼の名は、五十嵐 清十郎……彼もまた第4中隊を任される隊長格である。
「やめないか、エミーリア。清十郎、さすがにまじめに考えてほしいんだがな?」
「固いこと言うなよザック。それに報告の限りだと対機械魔領域が機能しているんだし焦ることないさ。」
二人のやり取りをやんわりと諫めるザックに対し、清十郎は肩をすくめながら何でもないとでも言わんばかりに飄々としていた。
その態度を訝しがるエミーリアをよそに、ザックは辰之進へ話しかけた。
「で、どうするんだ?」
ザックの問いに顔をあげる辰之進の表情は、疲れが見えていた。
「まずは帝都に戻って総隊長に報告だろうな。大隊長殿に任せたら、とんでもないことにならないはずがない。」
「違いない。」
そこにいた全員が辰之進の言葉に大きくうなずいていた。
それほどまでにリシャースの信用は地の底であった。
それからもブリーフィングが続き、すべてが終わりかけた時のことであった。
「伝令!!伝令!!」
隊員が血相を変えて慌てて飛び込んできたのだ。
「なにがあった!?」
「立入禁止区域ランク1の対機械魔領域が突破されたとのことです!!」
先ほどまで疲れ切っていたのが嘘のように、全員跳ね起きる。
ここまで築き上げてきた人類の生活圏が、突如として脅かされる状況になり始めていた。
「ひ、被害状況は!?」
エミーリアが慌てた様子で隊員に確認すると、まだそれほどまでの被害が出ておらず、現場対応に当たっていた狩猟者が押し戻しに成功したようであった。
出力強化することでその波を封じ込められたと聞き、皆一様に安どの表情を浮かべていた。
「しかしこれはまいったねぇ~。つまりどの対機械魔領域もいつ突破されるかわからない状況だという事だろ?」
「出発を繰り上げて帝都に戻る!!」
一人冷静に状況を見ていた清十郎が、一番の懸念にたどり着いていた。
辰之進もそれを心配しており、悠長にしている時間が惜しいと考えた。
そして矢継ぎ早に各隊に指示を出し、即時出発の準備を整える。
即座に対応を開始した各隊の動きはやはり統制されており、先ほどまであった野営駐屯地はその姿を消していた。
防衛隊の対応に一瞬不満を漏らした狩猟者たちだったが、事情を聴いたとたん、帝都に戻るまでは防衛隊の指揮下に編入すると申し出てくれた。
辰之進たちにしてみれば指揮がとりやすくなるため、願ったりかなったりだった。
ただ一人の人物を除いては。
「どういうことだこれは!!出発は明日昼過ぎの予定だったはずだ!!」
「申し訳ありません。緊急事態が発生したためやむを得ず対応いたしました。状況説明はおって行いますが故、直ちに車両へ搭乗願います。」
怒り散らすリシャースを軽くあしらうと、そのまま大隊長専用車両に押し込め扉を閉める。
扉越しに何かを叫んでいたが、それすら無視し運転手に出発を促した。
運転手も慣れたもので、すべてをスルーして車両を発進させた。
そしてこの車両も漏れず多脚型の為、姿勢を崩していたリシャースは強かに頭部を天井に打ち付けていた。
「全員出発!!先頭は第3中隊。後、第2・第4。殿は第1中隊が務める!!狩猟者諸君は第2中隊と行動を共にしてくれ!!前方又は後方で戦闘が開始した際は即時対応を求める!!以上!!出発!!」
辰之進のよく通る声が大隊全体に響き渡る。
そしてそれに呼応するように返事が巻き起こった。
ぞろぞろと進軍が開始され、30分ののちそこにあった駐屯地は跡形もなく消え去っていたのだった。
——————
『プロメテウス様……。雛鳥は鳥籠に帰りました。』
「それでは、そのまま監視を続けてください。」
プツリと通信が途切れると、プロメテウスはニヤリと笑みを浮かべていた。
「これですべての隊は帝都へ戻ったということですね。あとはこの国の国盗りをするだけです。さて、ほかの国はどうでしょうね……。ハーディーとニュクスはうまくやっているでしょうかね。まあ、気分屋のヘルメスは考えるだけ無駄でしょうが……」
コンコンコン
そんなことを独り言ちていると、急に部屋の扉をノックする音が聞こえる。
プロメテウスが入室の許可を出すと、一人の男性が姿を現した。
その男性はヅカヅカと我が物顔で入室すると、どかりとプロメテウスの前のソファーに腰を下ろした。
「何度も呼びつけるなと言ったはずだがな、ゴールドラッド。お前とのつながりが露見したらただでは済まない。そのリスクは理解しているんだろう?」
「そう言わないでくださいよ。私とあなたのなかでしょう……ねえ、威張総隊長殿?」
苦々しい顔でプロメテウスをにらみつける威張総隊長。
それを気にした様子もなく、プロメテウスは話を続ける。
「予定通り事は進んでいますからねぇ~。これでやっと悲願成就となりそうですね。」
「わかっている。これもこの世界の為。正しい歴史へと戻すためだ。ゴールドラッド……貴様とはその一点でのみ利害が一致していることを忘れるな。」
ぎろりと睨みつける威張をよそに、プロメテウスはニマニマと笑みをこぼす。
それを見ていた威張は、面白くないと言わんばかりに態度をさらに悪化させていったのだった。
「それで、機械魔どもの解放は予定通り二日後の深夜でいいんだな?それに合わせて私がこの帝国にクーデターを仕掛ける。」
「はい、間違いなく。そして地下に眠る秘宝を解放すればいいだけです。」
フンと鼻を鳴らしながらソファーから立ち上がる威張。
一刻も早くこの場を立ち去りたいのか、そのまま部屋を後にしたのだった。
一人残されたプロメテウスはほくそ微笑んでいた。
「全く、いつになっても人の欲とは面白いものだ。少し唆すだけでこれほどうまく動いてくれるとは……。さてさて、これで面白くなりそうだ……。せっかく彼が頑張ったのに……ねぇ……〝中村剣斗〟さん。」
ニヤリと口角をあげてほほ笑むその顔は、邪悪に彩られていた。
10
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
【完結済み】VRゲームで遊んでいたら、謎の微笑み冒険者に捕獲されましたがイロイロおかしいです。<長編>
BBやっこ
SF
会社に、VRゲーム休があってゲームをしていた私。
自身の店でエンチャント付き魔道具の売れ行きもなかなか好調で。なかなか充実しているゲームライフ。
招待イベで魔術士として、冒険者の仕事を受けていた。『ミッションは王族を守れ』
同僚も招待され、大規模なイベントとなっていた。ランダムで配置された場所で敵を倒すお仕事だったのだが?
電脳神、カプセル。精神を異世界へ送るって映画の話ですか?!
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
建国戦記
ひでかず
SF
全世界規模の軍事衝突の余波によって2062年から、西暦1538年に飛ばされた日本国防軍第3任務艦隊。彼らは自らの手ではなく、織田信秀や織田信長の後押しを行って日本統一を進めつつ、自らは日本の友好国になる国家の建国へと動いていく。史実とは大きく異なった歴史の流れが始まろうとしていた。
誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる