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第1章 未来の物語

第0話 世界の変革

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第0話はこの物語の説明です。
この世界の成り立ちの説明ですので、興味ある方はご一読ください。
なお、用語の説明等も含まれております。

物語が今すぐ読みたい方は、読み飛ばしていただいても結構です。

では本編をどうぞ。

★★★★★★★★★★★★★★

 今より時は大きく遡る。
 この物語の主人公:【リヒテル・蒔苗】が産まれる、約1000年前の出来事。
 
 人々は一塊の物質を発見する。
 直径3mを超えるその物質は、どこから齎された物なのか……。

 ある者は言う、宇宙からの飛来物ギフトであると。
 またある者は言う、地球からの贈り物ギフトであると。
 別の者は言う、神からの賜り物ギフトであると。

 深く……暗く……赤く光る物質は、怪しくも禍々しく輝いていた。
 そして人々を魅了していくのだった。
 研究者達はその物質をギフトと仮称した。
 研究者達は長い観測の結果により、ギフトには膨大なエネルギーを内包していることを突き止めたのだ。
 そして科学はついにそのエネルギー……ギフトエナジーを取り出す段階まで漕ぎつけたのだ。
 人々はその革新的物質、ギフトに魅了されていく。
 科学者たちはギフトに魔性を見出し、熱狂していく。
 その熱量たるや、その昔に起こった産業革命を彷彿とさせるものであった。
 人々はギフトを魔石マナコアとし、そこから取り出されるであろうエネルギー体を魔素マナと命名した。
 それから更に研究は進み、いよいよ本格的に魔石マナコアから魔素マナを取り出す実験が開始された。

 しかし、悲劇は起こる……
 いや、起こるべくして起こったのかもしれない……

 『魔石崩壊マナブレイク

 実用実験中に、ドクリ……ドクリと脈打つ魔石マナコア
 それはまるで胎児の鼓動……
 生命の鼓動の様だったと、偶然にも生き残った当時の研究者は、そう語っていた。

 そして、突如として魔石マナコアが暴走を始めた。
 魔石マナコアは制御不能となり、徐々にその姿を崩壊させていった。
 初めからそうなることが決定されていたかのように、崩壊してゆく魔石マナコア
 その崩壊が進むたびに、エネルギーを暴力的にまき散らしていく。
 そして、その崩壊が完了する頃には、内包されていた魔素マナが世界中を覆いつくした。

 世界中にあふれた魔素マナは、世界中の全てのモノを汚染していく。
 生物・非生物はもとより、機械までも。



 世界が魔素マナにより汚染されて10年の時が過ぎた。
 人々は魔石マナコアの研究を一時中断し、魔素マナの中和に躍起になっていた。
 汚染された生物は、その姿形を変えていった。
 あるものは獰猛となり、あるものは巨大化し、あるものはその姿が崩れていた。
 それは生物全てで起こりえたのだ。
 そう、人でさえも。

 野生動物が魔素マナに汚染され、凶悪な【魔物モンスター】となった。
 人が汚染され誕生したのが、【魔人デモンズ】と呼称される人型生命体である。
 その魔物モンスター魔人デモンズが縄張り争いを行い、相互に魔素汚染マナコンタミネーションを広げていった。
 
 そして、世界の変革はこれにとどまることはなかった……人類は更なる恐怖に怯える事となる。

 機械は魔素マナの力を浴び、新たなる生命体……【機械魔デモニクス】が誕生した。
 汚染当初は、タダの機械の成れの果てだった。
 打ち捨てられ、朽ち果てていく……ただの金属の塊にしか過ぎなかった。
 しかし、その中の一部が運よく……人類にとっては不幸としか言いようがないが……スーパーコンピュータを取り込んだ機械魔デモニクスは、己を進化させることに成功してしまった。
 時には魔物モンスターを取り込み、時には人を、時には魔人デモンズを、時には機械魔デモニクスを……

 当初人類は魔物モンスター魔人デモンズによりその人口を減らしてきた。
 対抗するために銃火器を使用するも、何とか均衡を保つのが精いっぱいであった。

 だがしかし……進化を遂げた機械魔デモニクスの台頭により、その均衡は脆くも崩れ去ってしまった。
 通常の銃火器では全く対応できず、人類は更にその人口を減らしていった。
 それは魔物モンスター魔人デモンズも例外ではなかった。
 そしてついに機械魔デモニクスは、その勢力図を広げ、世界の覇者となったのだ。



 それから500年。
 つい人類は、一つの悲願を達成する。
 機械魔デモニクスの討伐に成功したのだ。
 それを願って幾星霜。
 代を重ね、人々は知恵を振り絞った。
 そして人々は、ついに新たなる時代へと突入したのだ。
 旧世代機械技術ロストテクノロジー(※以後LT)を失った人類が、新世代機械技術ニュージェネレーションテクノロジー(※以後NGT)を作り上げ、勝利した偉大な年となった。

 それから更に100年。
 NGTは、さらなる飛躍を遂げる事となった。
 ついに成し遂げたのだ。
 魔石マナコアのエネルギー利用を。
 それにより人々は、永遠の課題であったエネルギー問題を克服することになった。
 ただし一つだけ問題が発生した。
 その魔石マナコアの産出方法であった。
 なぜならばその産出先は、機械魔デモニクス魔物モンスター魔人デモンズ魔素汚染マナコンタミネーションを受けて誕生した生命体の体内からだったからである。

 人々は機械魔デモニクスに初勝利したものの、常勝していた訳ではない。
 魔物モンスター魔人デモンズに対しても然り。
 辛くも勝利し、得られた貴重な魔石マナコアを元に研究が進められてきたのだ。
 手に入れた魔石マナコアを元に、さらなる研究を推し進めていった。
 その先に人類の明るい未来があると信じて。

 そして、魔石マナコアの研究結果で得られた技術が技能スキルである。
 残念ながら人々は魔素マナの汚染を完全に逃れることはできなかった。
 僅かながら体内に魔素マナを取り込んでおり、それが長時間蓄積されることによって技能スキルが発現されるのだ。
 その期間は約7年。
 その蓄積量は新生児の方がより多く観測されており、おそらく母親からその蓄積を引き継いでしまうというのが定説となっていた。
 技能スキルが発現すると、魔素マナの汚染はある程度抑制できると研究でも証明されている。

 そして、子供は生まれてから7年の後、一つの診断を受けることになる。
 それが適性診断ジョブダイアグノースである。
 NGTの進歩により、その人物が持つ技能スキルを確認できるのだ。
 そしてその技能スキルに沿った一番適性のある職業が判断されることとなる。
 それにより、人々は自身の適正に沿って職業に就くようになった。
 これは減りすぎた人々を、の策の一つでもあった。

 技能スキルの中には、機械魔デモニクスとの戦闘に役立つものも数多く発現した。
 それにより人々は、さらに機械魔デモニクスとの戦闘を激化させていったのだ。

 機械魔デモニクスとの実戦部隊として戦った彼らは【狩猟者ハンター】と呼ばれ、後の英雄となった。
 そしてその時立ち上げられた組織が、【狩猟者連合協同組合ハンターギルド】である。


 人類が機械魔デモニクスに対する反撃を行い始めてから約400年後の世界……

 この物語は、そんな狩猟者ハンターに憧れた一人の少年の物語である。
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