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第5章 ここから始まる女神様?
五十一日目⑬ 世界地図
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「うん、良し。じゃあ、リサには死んでもらおう……」
俺の言葉が静まり返った部屋に響き渡った。
誰もが耳を疑った、そんな表情を浮かべていた。
俺からそんな言葉が出るとは思いもしなかったようだ。
「カイト!!お前何考えてるんだ!!」
最初に声を上げたのはポールだ。
まぁ、怒って当たり前だよね?
自分の大切な人に「死んでもらう」って言われたんだから。
それが嫌だから、この国を出る覚悟をしたんだから。
あまりの怒りから、普段は冷静なポールは激しく椅子を倒すほどの勢いで立ち上がっていた。
その形相から、皆が言葉を失っていた。
「まぁ、最後まで話を聞けってポール。それでエルダ質問だけど、この世界の冒険者ギルドの状況を教えてくれない?」
「冒険者ギルド?そうね、世界にはいくつかの国があるけれど、南の正教国と北の王国以外は皆同じギルド組織よ?簡単に言えば冒険者ギルドが二つあると思ってもらっていいわ。そして私たちが所属しているギルドが正当なギルドと言われているわ。」
前にこの世界の国々についてエルダから教えて貰ったことがある。
俺たちのいる【シュミット王国】を中心に考えたときの話だけど。
北に位置するのが【トリスタン王国】。
主に鉄鋼業が盛んで、気温の低さのせいで農業があまり発展してこなかった。
ただ鉄鋼業が栄えたおかげか、騎士団の力がとても精強らしい。
【ユピテル真教】との繋がりが強い国でもあった。
と言っても、いくら騎士団が精強であっても食べるものがないんじゃ話にならない。
それにこれは地球と同じような季節感で、北に行けば寒く、南に行けば暖かい。
そして暖かい地域の先は見渡す限り海だって話だ。
その先については未開の地とも、地図無き地とも言われているって話だ。
それで話を戻すと、南に位置する国は2つ。
1つ目は【ゴーヨクォート正教国】。
言わずと知れた【ユピテル真教】の総本山がある国だ。
あの【勇者モドキ】の所属する国とでも言った方が分かりやすいが……
何をしてもすべての上位に来るのが【ユピテル真教】であり、【最高神ユピテル】なのだ。
かなり排他的宗教国家で、最高神ユピテルを唯一神とし、その他の神や土着神なを邪神やまがい物と切って捨てるくらいだ。
なのでレティシアの存在は彼らにとっては許しがたいものになると思う。
2つ目は【ユグドラシア帝国】。
この世界最大の人口を誇り、世界最強の軍事国家を自負している。
その自負を裏付けするよに、世界最強といわしめる兵士団を所有している。
その土地の広さと資源の豊かさが相まって、食料の自給自足が成り立っている。
ただ、鉱石採掘があまり多くなく軍を支えることが一苦労となっている。
と言っても、軍事に傾倒しなければ十分国を支えていける分の鉱物資源を有しているそうだ。
それを軍事に際限なく回すあたりがなんとも言えないな……
それを補うために今現在は【トリスタン王国】と鉱石と農産物で取引を行っているそうだ。
ちなみに、侵略戦争を国是としており、最終目標は統一国家とする事らしい。
はた迷惑な国是もあったもんだよ。
出来るなら関わりたくない国のうちの1つだ。
東を見ると、森に囲まれた豊かな大地が見える。
そこにはエルフやドワーフといった〝亜人種〟と呼ばれる人々が暮らしていた。
しかし、そこには国家があるわけではなく、全体を総称して【エルフィンド】と呼ばれていた。
更にその東には【東武国】と呼ばれる島国が存在していた。
大小さまざまな島が集まった諸島ともいうべき島国だ。
エルダも詳しくは分からなかったようだけど、どうやら昔の日本に近い文化を持っているように感じられた。
出来る事なら一度は行ってみたいなとも思った。
更にその【東武国】よりも東。
海を隔てた場所になるのが獣人の国【ライオネル】が広がっている。
部族が集まって一つのコミュニティーを形成しており、その政治は部族長会議で意思決定が行われる。
更に上位組織に長老会があるが、あくまでも助言にとどめている程度だそうだ。
この国の宗教が精霊信仰で、正教会の目の敵にされている。
西側に目を向けると、海を挟んだ先に【西方諸国連合】がある。
複数の小国が【ユグドラシア帝国】・【トリスタン王国】・【ゴーヨクォート正教国】に対抗するために集まってできた連合国だ。
ちなみに【西方諸国連合】をさらに西に進むと獣人国【ライオネル】につながる。
このことから、この世界は平らではないということが立証されたようだ。
とまあ、こんな感じで世界地図があることを教えて貰った。
ただ、さらなる世界が北や南に広がっている可能性もあるので、そこは分からないと言われてしまった。
今現在判明している世界だと言う事らしい。
話はそれたけど、ギルドの集まりは次のようになっている。
【シュミット王国】・【エルフィンド】・【西方諸国連合】・【東武国】・【ライオネル】、そして意外にも【ユグドラシア帝国】がまとまって一つの冒険者ギルドを形成していた。
残る【トリスタン王国】・【ゴーヨクォート正教国】がもう一つの冒険者ギルドを運営していた。
俺たちが所属する冒険者ギルドの本部が実は【シュミット王国】の冒険者ギルドだったりする。
つまり、シャバズのおっちゃんてめっちゃ偉い人なんだってさ。
そうは見えないから面白いな。
ほんと人って見かけによらないよな。
俺の言葉が静まり返った部屋に響き渡った。
誰もが耳を疑った、そんな表情を浮かべていた。
俺からそんな言葉が出るとは思いもしなかったようだ。
「カイト!!お前何考えてるんだ!!」
最初に声を上げたのはポールだ。
まぁ、怒って当たり前だよね?
自分の大切な人に「死んでもらう」って言われたんだから。
それが嫌だから、この国を出る覚悟をしたんだから。
あまりの怒りから、普段は冷静なポールは激しく椅子を倒すほどの勢いで立ち上がっていた。
その形相から、皆が言葉を失っていた。
「まぁ、最後まで話を聞けってポール。それでエルダ質問だけど、この世界の冒険者ギルドの状況を教えてくれない?」
「冒険者ギルド?そうね、世界にはいくつかの国があるけれど、南の正教国と北の王国以外は皆同じギルド組織よ?簡単に言えば冒険者ギルドが二つあると思ってもらっていいわ。そして私たちが所属しているギルドが正当なギルドと言われているわ。」
前にこの世界の国々についてエルダから教えて貰ったことがある。
俺たちのいる【シュミット王国】を中心に考えたときの話だけど。
北に位置するのが【トリスタン王国】。
主に鉄鋼業が盛んで、気温の低さのせいで農業があまり発展してこなかった。
ただ鉄鋼業が栄えたおかげか、騎士団の力がとても精強らしい。
【ユピテル真教】との繋がりが強い国でもあった。
と言っても、いくら騎士団が精強であっても食べるものがないんじゃ話にならない。
それにこれは地球と同じような季節感で、北に行けば寒く、南に行けば暖かい。
そして暖かい地域の先は見渡す限り海だって話だ。
その先については未開の地とも、地図無き地とも言われているって話だ。
それで話を戻すと、南に位置する国は2つ。
1つ目は【ゴーヨクォート正教国】。
言わずと知れた【ユピテル真教】の総本山がある国だ。
あの【勇者モドキ】の所属する国とでも言った方が分かりやすいが……
何をしてもすべての上位に来るのが【ユピテル真教】であり、【最高神ユピテル】なのだ。
かなり排他的宗教国家で、最高神ユピテルを唯一神とし、その他の神や土着神なを邪神やまがい物と切って捨てるくらいだ。
なのでレティシアの存在は彼らにとっては許しがたいものになると思う。
2つ目は【ユグドラシア帝国】。
この世界最大の人口を誇り、世界最強の軍事国家を自負している。
その自負を裏付けするよに、世界最強といわしめる兵士団を所有している。
その土地の広さと資源の豊かさが相まって、食料の自給自足が成り立っている。
ただ、鉱石採掘があまり多くなく軍を支えることが一苦労となっている。
と言っても、軍事に傾倒しなければ十分国を支えていける分の鉱物資源を有しているそうだ。
それを軍事に際限なく回すあたりがなんとも言えないな……
それを補うために今現在は【トリスタン王国】と鉱石と農産物で取引を行っているそうだ。
ちなみに、侵略戦争を国是としており、最終目標は統一国家とする事らしい。
はた迷惑な国是もあったもんだよ。
出来るなら関わりたくない国のうちの1つだ。
東を見ると、森に囲まれた豊かな大地が見える。
そこにはエルフやドワーフといった〝亜人種〟と呼ばれる人々が暮らしていた。
しかし、そこには国家があるわけではなく、全体を総称して【エルフィンド】と呼ばれていた。
更にその東には【東武国】と呼ばれる島国が存在していた。
大小さまざまな島が集まった諸島ともいうべき島国だ。
エルダも詳しくは分からなかったようだけど、どうやら昔の日本に近い文化を持っているように感じられた。
出来る事なら一度は行ってみたいなとも思った。
更にその【東武国】よりも東。
海を隔てた場所になるのが獣人の国【ライオネル】が広がっている。
部族が集まって一つのコミュニティーを形成しており、その政治は部族長会議で意思決定が行われる。
更に上位組織に長老会があるが、あくまでも助言にとどめている程度だそうだ。
この国の宗教が精霊信仰で、正教会の目の敵にされている。
西側に目を向けると、海を挟んだ先に【西方諸国連合】がある。
複数の小国が【ユグドラシア帝国】・【トリスタン王国】・【ゴーヨクォート正教国】に対抗するために集まってできた連合国だ。
ちなみに【西方諸国連合】をさらに西に進むと獣人国【ライオネル】につながる。
このことから、この世界は平らではないということが立証されたようだ。
とまあ、こんな感じで世界地図があることを教えて貰った。
ただ、さらなる世界が北や南に広がっている可能性もあるので、そこは分からないと言われてしまった。
今現在判明している世界だと言う事らしい。
話はそれたけど、ギルドの集まりは次のようになっている。
【シュミット王国】・【エルフィンド】・【西方諸国連合】・【東武国】・【ライオネル】、そして意外にも【ユグドラシア帝国】がまとまって一つの冒険者ギルドを形成していた。
残る【トリスタン王国】・【ゴーヨクォート正教国】がもう一つの冒険者ギルドを運営していた。
俺たちが所属する冒険者ギルドの本部が実は【シュミット王国】の冒険者ギルドだったりする。
つまり、シャバズのおっちゃんてめっちゃ偉い人なんだってさ。
そうは見えないから面白いな。
ほんと人って見かけによらないよな。
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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