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第5章 ここから始まる女神様?
五十日目⑩ 【湿原のダンジョン】初戦闘からの反省会
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「二人とも、まずはダンジョンのスライムと、外のスライムの違いに慣れてね。ここの青いのは酸性が強いタイプ。出来れば魔法で一気に倒し切りたいタイプね。飛び散らせると、その辺酸だらけになるから気を付けて。その辺は外と同じかな?ただし、酸液を吐き出してくるから要注意よ。」
エルダが注意点を軽く説明してくれた。
氷系の魔法が使えれば凍らせて倒すのも手だろけど、俺は基本四属性魔法の初級のみだし、リサは無属性。
二人とも、核を撃ち抜いて倒す以外に手立てがなかった。
「だいじょうぶだよ~。浴びてもナンディーが回復してくれるから。ね?ナンディー。」
「ふむ。そこは任せてください。二人とも無理はなさらずに。死んでしまえば助けられるものも助けられませんから。」
俺とリサは四人に後押しをされて、戦場へと向かった。
二匹以外のモンスターについてはデイジーとエルダで抑えれくれるそうだ。
万が一の場合はポールが間に入ると言われたので、安心して突撃したいと思う。
俺は【ファイアバレット】を、リサは【エネルギーボルト】を待機状態にして走り出した。
いつもよりも走り難かったが、事前に教えて貰ったように細かい脚捌きで走っていく。
スライムも俺とリサに気が付き、警戒を上げていく。
「くらえ!!」
「え、えい!!」
俺は接近ギリギリで魔法を射出。
放たれた火の玉はスライムの核に吸い込まれていく。
見事に火の玉が核を撃ち抜いたとたん、パリンと音を立てて砕け散った。
それから一拍して体を構成していた水分が一気に崩れ去り、そこには何も残らなかった。
リサの方もうまく撃ち抜いたようで、俺と同じ現象が発生していた。
少しすると、消え去った場所から黒い靄が立ち上がりダンジョンへ消えていった。
そこに残されたのは魔石(小)が二つだった。
「お疲れ様。」
後ろからポールが声をかけて来た。
明らかにリサを心配しての声掛けだ。
だって視線がリサにしか行ってないからね。
「カイト、どうだった?」
「そうだね。いまいち手ごたえを感じなかったかな?」
「それはそうよ。これFランクパーティーで対応する階層よ?Dのカイトが苦戦するようだったら、初めからここには来なかったわ。」
そりゃそうですよね~。
なんだかんだ言ってスライムって弱い分類に入るらしい。
個人だったり少数で相手をする場合は苦戦する可能性があるけど、魔法使いや弓使い、遠距離攻撃が可能な仲間がいれば特に苦戦する敵ではないみたいだ。
俺みたいに魔法は使えるけど飛ばせないってのもまたレアらしい。
結局近寄ってぶち込むって手段が一番手っ取り早かった。
これで【付与魔法】とか使えるようになればまた変わってくるかもしれないな。
剣に攻撃魔法を纏わせて、〝魔法剣〟なんてね。
やばい中二病がうずき始めて来た……
沈まれ……
沈まれ俺の……
ダメだダメだダメだ。
危うくそっち側に行きかけたよ。
黒歴史がこんにちはしやがった。
「エルダとデイジーが倒したスライムはどうなった?」
「回収したわよ。魔石(小)とスライムゼリーね。」
スライムゼリーと言えば、あの汚泥スライムからなんであんなに綺麗なゼリーが取れるのか謎になったやつだな。
プルンとしてひやっとして気持ちいいんだよね。
謎だ……
「とりあえず、戦闘の違いは分かったか?」
ポールは俺とリサに戦闘の反省点などを確認してきた。
俺は外のスライムと同じような倒し方だったのでいまいちよく分からない。
それはリサも同じだったようだ。
「ごめん、いまいち分からなかったかな?あっさり倒しすぎたのもあるけどさ。」
「ポール様、申し訳ありません。私も分かりませんでした。外のスライムとほぼ同じ感じで倒せましたので。」
俺もリサもその違いが全く分からなかった。
強いて言うなら、綺麗だなくらいか?
ポールも少し困り顔だった。
本来なら何かアクシデントがあるはずだったのだろうか。
「そうか、ならここを見るといい。」
ポールはエルダが倒したスライムが居た場所を指差した。
そこを観察しろってことなのか?
俺はそっとそこに近付くと、その異変に気が付く事が出来た。
「二人は上手く核を貫けたからよかったものの、そうでなかった場合はこういう被害が出ていたんだ。」
その異変とは、湿地の草が焼け焦げていたのだ。
火で炙ったような焦げ方ではなくて、点々と粒がくっついて焼けたような跡だ。
俺の知識が間違ってなかったら、濃硫酸でもかけられたかのような跡だ。
「見た通り、これが人の身体にかかると惨事になる。」
「ちょっと待ってよ。じゃあ、こんなダンジョンFランクに開放するのってめちゃくちゃ危ないじゃないか。なのになんでFランクなんだ?」
俺がそう疑問を投げかけると、エルダがその疑問に答えてくれた。
「このダンジョンを攻略するときの目的は〝正確性〟と〝対応力〟よ。パーティーで挑み、正確にスライムを倒す。もし酸液を浴びたなら即時回復薬を使う。そう言った意味でも訓練になるの。正直、この階層のスライムの液ならかかったとしても軽いやけど程度が関の山よ。」
うん、ソロの俺にはハードルが高すぎたようだ。
皆が居てくれて本当に助かるよ。
おんぶにだっこを卒業したいけど、まだまだ先は長そうだな。
エルダが注意点を軽く説明してくれた。
氷系の魔法が使えれば凍らせて倒すのも手だろけど、俺は基本四属性魔法の初級のみだし、リサは無属性。
二人とも、核を撃ち抜いて倒す以外に手立てがなかった。
「だいじょうぶだよ~。浴びてもナンディーが回復してくれるから。ね?ナンディー。」
「ふむ。そこは任せてください。二人とも無理はなさらずに。死んでしまえば助けられるものも助けられませんから。」
俺とリサは四人に後押しをされて、戦場へと向かった。
二匹以外のモンスターについてはデイジーとエルダで抑えれくれるそうだ。
万が一の場合はポールが間に入ると言われたので、安心して突撃したいと思う。
俺は【ファイアバレット】を、リサは【エネルギーボルト】を待機状態にして走り出した。
いつもよりも走り難かったが、事前に教えて貰ったように細かい脚捌きで走っていく。
スライムも俺とリサに気が付き、警戒を上げていく。
「くらえ!!」
「え、えい!!」
俺は接近ギリギリで魔法を射出。
放たれた火の玉はスライムの核に吸い込まれていく。
見事に火の玉が核を撃ち抜いたとたん、パリンと音を立てて砕け散った。
それから一拍して体を構成していた水分が一気に崩れ去り、そこには何も残らなかった。
リサの方もうまく撃ち抜いたようで、俺と同じ現象が発生していた。
少しすると、消え去った場所から黒い靄が立ち上がりダンジョンへ消えていった。
そこに残されたのは魔石(小)が二つだった。
「お疲れ様。」
後ろからポールが声をかけて来た。
明らかにリサを心配しての声掛けだ。
だって視線がリサにしか行ってないからね。
「カイト、どうだった?」
「そうだね。いまいち手ごたえを感じなかったかな?」
「それはそうよ。これFランクパーティーで対応する階層よ?Dのカイトが苦戦するようだったら、初めからここには来なかったわ。」
そりゃそうですよね~。
なんだかんだ言ってスライムって弱い分類に入るらしい。
個人だったり少数で相手をする場合は苦戦する可能性があるけど、魔法使いや弓使い、遠距離攻撃が可能な仲間がいれば特に苦戦する敵ではないみたいだ。
俺みたいに魔法は使えるけど飛ばせないってのもまたレアらしい。
結局近寄ってぶち込むって手段が一番手っ取り早かった。
これで【付与魔法】とか使えるようになればまた変わってくるかもしれないな。
剣に攻撃魔法を纏わせて、〝魔法剣〟なんてね。
やばい中二病がうずき始めて来た……
沈まれ……
沈まれ俺の……
ダメだダメだダメだ。
危うくそっち側に行きかけたよ。
黒歴史がこんにちはしやがった。
「エルダとデイジーが倒したスライムはどうなった?」
「回収したわよ。魔石(小)とスライムゼリーね。」
スライムゼリーと言えば、あの汚泥スライムからなんであんなに綺麗なゼリーが取れるのか謎になったやつだな。
プルンとしてひやっとして気持ちいいんだよね。
謎だ……
「とりあえず、戦闘の違いは分かったか?」
ポールは俺とリサに戦闘の反省点などを確認してきた。
俺は外のスライムと同じような倒し方だったのでいまいちよく分からない。
それはリサも同じだったようだ。
「ごめん、いまいち分からなかったかな?あっさり倒しすぎたのもあるけどさ。」
「ポール様、申し訳ありません。私も分かりませんでした。外のスライムとほぼ同じ感じで倒せましたので。」
俺もリサもその違いが全く分からなかった。
強いて言うなら、綺麗だなくらいか?
ポールも少し困り顔だった。
本来なら何かアクシデントがあるはずだったのだろうか。
「そうか、ならここを見るといい。」
ポールはエルダが倒したスライムが居た場所を指差した。
そこを観察しろってことなのか?
俺はそっとそこに近付くと、その異変に気が付く事が出来た。
「二人は上手く核を貫けたからよかったものの、そうでなかった場合はこういう被害が出ていたんだ。」
その異変とは、湿地の草が焼け焦げていたのだ。
火で炙ったような焦げ方ではなくて、点々と粒がくっついて焼けたような跡だ。
俺の知識が間違ってなかったら、濃硫酸でもかけられたかのような跡だ。
「見た通り、これが人の身体にかかると惨事になる。」
「ちょっと待ってよ。じゃあ、こんなダンジョンFランクに開放するのってめちゃくちゃ危ないじゃないか。なのになんでFランクなんだ?」
俺がそう疑問を投げかけると、エルダがその疑問に答えてくれた。
「このダンジョンを攻略するときの目的は〝正確性〟と〝対応力〟よ。パーティーで挑み、正確にスライムを倒す。もし酸液を浴びたなら即時回復薬を使う。そう言った意味でも訓練になるの。正直、この階層のスライムの液ならかかったとしても軽いやけど程度が関の山よ。」
うん、ソロの俺にはハードルが高すぎたようだ。
皆が居てくれて本当に助かるよ。
おんぶにだっこを卒業したいけど、まだまだ先は長そうだな。
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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