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第5章 ここから始まる女神様?
四十九日目⑤ 連携テスト3 第1回反省会からの再調整
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「周辺に敵影なし。戦闘は終了かな。」
「ありがとうデイジー。続けて警戒をお願いね。」
「おっけ~」
デイジーが周辺の確認を行ってもモンスターの気配を感じなかった。
これをもって戦闘は一旦終了となった。
ただデイジーには悪いけど、引き続け警戒を続けてもらいつつ、今の戦闘での状況確認を行っていく。
「まずはお疲れさま。」
俺は休憩を取る皆に声をかけた。
まずは反省会の開始だな。
「警戒中のところ悪いけどデイジーから見て、今回の戦闘はどうだった?」
全体把握出来ているであろうデイジーに、まずは聞いてみた。
少し考えるそぶりをしてから、デイジーは気が付いたことを話し始めた。
「まずは私はナンディーとの組み合わせで動いてみたけど、ナンディーってすごいね。後ろに目があるんじゃない?って感じで、私の位置が確認できているの。たぶんだけど、他の人が後ろに居ても同じことが出来るんじゃない?ものすごくやりやすかった。」
「いやいや、かいかぶりすぎですよ。私はあくまで経験則で動いているだけですから。」
そうは言っても最後のやり取りはすごかったと思う。
デイジーが射撃しやすいタイミングで〝わざと大振りの攻撃が来るように仕向けた〟のだから。
端から見てわかったけど、ナンディーは誘導がかなりうまいのかもしれない。
俺も戦って分かったけど、ついつられて攻撃してしまっている感じがあった。
だからこそ攻撃がことごとく盾に吸い寄せられる感覚がしてしまっていたのだ。
戦いにくいとかそう言うのではなく、戦わされている感じがしてしまっていた。
「ナンディー。あれはどうやって誘導してたの?差し支えなければ教えてほしいんだけど。」
俺は気になったので、ナンディーに聞いてみることにした。
少し顎髭をさすりながら考えていたナンディーだったけど、どうしたものかという雰囲気が見て取れた。
「話したくないなら別に構わないよ。無理させてごめん。」
「いえいえ。そうではないんですよ。どうやったかって考えたときに明確に答えられないなと思っただけです。自然にそうやっていたので、意識していないんですよ。」
あぁ~、うんなるほど。
この人、実は天才肌だったんだね。
そりゃ答えられないか……
うん、あまり聞きすぎると擬音の嵐になりそうだから諦めよう。
「エルダから見てどうだった。最後列からだったら全体が見えてたでしょ。」
ナンディーの話題を終わらせるために、俺はエルダに話を振った。
うん、自然な流れ……だよね?
「そうね。とりあえず、みんなしてゴブリンファイターへの注意が低かった気がするわ。たぶん私が倒すと踏んでの行動だったと思うけど、それが失敗したときに問題が発生するわ。出来ればリサにフォローの魔法を準備してもらえたら完ぺきだったのだけど。」
「あ、ご、ごめんなさい。」
エルダは皆が不注意の状態になっていたことを指摘した。
リサが放った無属性魔法で倒れこんだゴブリンに注意を向けていなかったのは俺もだ。
完全に他の2匹の動きに気を持っていかれすぎて、視界に入れていたけど……って状態になっていた。
これは全員の落ち度だ。
その後のリサへの注意は恐らく、観戦モードに入ってしまったリサへの忠告だろうな。
それに気が付いたリサも、反省の色を見せていた。
「あとは前衛のポールから感じたことは何かあった?」
「あぁ。俺としては特にはなかったな。ナンディーが第二盾役をきちんとしていてくれたから、俺もディフェンダーに集中できたしな。ラストでカイトが攻撃参加してくれたから連携という意味では問題ないと思う。ただ、エルダの指摘通り俺も反省はしないといけないな。」
ポールとしてもファイターへの不注意に思うところがあったらしい。
当初はファイターとソードマンをポールとナンディーが相手する予定だった。
そしてディフェンダーを魔法と矢で足止め。
俺がディフェンダーの首を刈り取って残りを殲滅する。
しかし、ファイターが吹っ飛んだお陰で、予定が崩れ今回の戦闘の流れになってしまったのだ。
結果的に問題はなかったが、全体の連携というよりもペアでの連携を確認する形になってしまった。
もっと流動的に動けないと、今後どこかで躓くことは目に見えていた。
「じゃあ、今回はこれで反省会終了っと。次回に活かすなら、もっと視野を広げないとだめだってところかな?」
「そうね。でも悪い連携じゃ無かったとは思うわよ?」
エルダはすかさずフォローを入れてくれた。
それから俺たちは連携を確認するために第1層で何度か戦闘を繰り返していく。
今回はわざとゴブリンを選びながら戦闘を続けていく。
ゴブリンアーチャーが4匹で固まっていた時は、最初どう動くべきか迷ってしまった。
まあ結果としてはエルダ・デイジー・リサが遠距離から一気に砲撃をして、ポールとナンディーが矢を防ぐ形の砲撃戦の練習となった。
俺はと言うと、すぐさま姿を消してアーチャーの後ろへ周り、1匹1匹倒していった。
これだけ砲撃をかけていけば、俺の姿が見つかることはなかった。
ただ、何度か俺も魔法を食らいそうになり、ジト目でにらんだのはご愛嬌だ。
「ありがとうデイジー。続けて警戒をお願いね。」
「おっけ~」
デイジーが周辺の確認を行ってもモンスターの気配を感じなかった。
これをもって戦闘は一旦終了となった。
ただデイジーには悪いけど、引き続け警戒を続けてもらいつつ、今の戦闘での状況確認を行っていく。
「まずはお疲れさま。」
俺は休憩を取る皆に声をかけた。
まずは反省会の開始だな。
「警戒中のところ悪いけどデイジーから見て、今回の戦闘はどうだった?」
全体把握出来ているであろうデイジーに、まずは聞いてみた。
少し考えるそぶりをしてから、デイジーは気が付いたことを話し始めた。
「まずは私はナンディーとの組み合わせで動いてみたけど、ナンディーってすごいね。後ろに目があるんじゃない?って感じで、私の位置が確認できているの。たぶんだけど、他の人が後ろに居ても同じことが出来るんじゃない?ものすごくやりやすかった。」
「いやいや、かいかぶりすぎですよ。私はあくまで経験則で動いているだけですから。」
そうは言っても最後のやり取りはすごかったと思う。
デイジーが射撃しやすいタイミングで〝わざと大振りの攻撃が来るように仕向けた〟のだから。
端から見てわかったけど、ナンディーは誘導がかなりうまいのかもしれない。
俺も戦って分かったけど、ついつられて攻撃してしまっている感じがあった。
だからこそ攻撃がことごとく盾に吸い寄せられる感覚がしてしまっていたのだ。
戦いにくいとかそう言うのではなく、戦わされている感じがしてしまっていた。
「ナンディー。あれはどうやって誘導してたの?差し支えなければ教えてほしいんだけど。」
俺は気になったので、ナンディーに聞いてみることにした。
少し顎髭をさすりながら考えていたナンディーだったけど、どうしたものかという雰囲気が見て取れた。
「話したくないなら別に構わないよ。無理させてごめん。」
「いえいえ。そうではないんですよ。どうやったかって考えたときに明確に答えられないなと思っただけです。自然にそうやっていたので、意識していないんですよ。」
あぁ~、うんなるほど。
この人、実は天才肌だったんだね。
そりゃ答えられないか……
うん、あまり聞きすぎると擬音の嵐になりそうだから諦めよう。
「エルダから見てどうだった。最後列からだったら全体が見えてたでしょ。」
ナンディーの話題を終わらせるために、俺はエルダに話を振った。
うん、自然な流れ……だよね?
「そうね。とりあえず、みんなしてゴブリンファイターへの注意が低かった気がするわ。たぶん私が倒すと踏んでの行動だったと思うけど、それが失敗したときに問題が発生するわ。出来ればリサにフォローの魔法を準備してもらえたら完ぺきだったのだけど。」
「あ、ご、ごめんなさい。」
エルダは皆が不注意の状態になっていたことを指摘した。
リサが放った無属性魔法で倒れこんだゴブリンに注意を向けていなかったのは俺もだ。
完全に他の2匹の動きに気を持っていかれすぎて、視界に入れていたけど……って状態になっていた。
これは全員の落ち度だ。
その後のリサへの注意は恐らく、観戦モードに入ってしまったリサへの忠告だろうな。
それに気が付いたリサも、反省の色を見せていた。
「あとは前衛のポールから感じたことは何かあった?」
「あぁ。俺としては特にはなかったな。ナンディーが第二盾役をきちんとしていてくれたから、俺もディフェンダーに集中できたしな。ラストでカイトが攻撃参加してくれたから連携という意味では問題ないと思う。ただ、エルダの指摘通り俺も反省はしないといけないな。」
ポールとしてもファイターへの不注意に思うところがあったらしい。
当初はファイターとソードマンをポールとナンディーが相手する予定だった。
そしてディフェンダーを魔法と矢で足止め。
俺がディフェンダーの首を刈り取って残りを殲滅する。
しかし、ファイターが吹っ飛んだお陰で、予定が崩れ今回の戦闘の流れになってしまったのだ。
結果的に問題はなかったが、全体の連携というよりもペアでの連携を確認する形になってしまった。
もっと流動的に動けないと、今後どこかで躓くことは目に見えていた。
「じゃあ、今回はこれで反省会終了っと。次回に活かすなら、もっと視野を広げないとだめだってところかな?」
「そうね。でも悪い連携じゃ無かったとは思うわよ?」
エルダはすかさずフォローを入れてくれた。
それから俺たちは連携を確認するために第1層で何度か戦闘を繰り返していく。
今回はわざとゴブリンを選びながら戦闘を続けていく。
ゴブリンアーチャーが4匹で固まっていた時は、最初どう動くべきか迷ってしまった。
まあ結果としてはエルダ・デイジー・リサが遠距離から一気に砲撃をして、ポールとナンディーが矢を防ぐ形の砲撃戦の練習となった。
俺はと言うと、すぐさま姿を消してアーチャーの後ろへ周り、1匹1匹倒していった。
これだけ砲撃をかけていけば、俺の姿が見つかることはなかった。
ただ、何度か俺も魔法を食らいそうになり、ジト目でにらんだのはご愛嬌だ。
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