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第5章 ここから始まる女神様?
四十九日目① ダリア・カーペンタ―
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ついに自宅の解体日当日を迎えた。
なんだか感慨深いものもあり、何とも言えない寂しさを感じてしまう。
食堂に降りると、他の皆もどことなくしんみりした空気が漂っていた。
まあ、リサとナンディーについては住んだ事が無いので、何とも言えない感じで空気に呑まれていた。
「おはようみんな。今日は自宅の解体を見届けた後は、連携のチェックで良いんだよね?」
俺は昨日のうちに、今の自分の気持ちや考えを伝えておいた。
ナンディーからの助言?もあり、誰かにお願いできるところはお願いする事にした事を伝えた。
エルダからは、「それは当然よね?」と帰ってくるし、「やっと気が付いたの?」ってデイジーから返ってきた。
ポールはと言うと、特に何か言うまででもなく、俺の決断を肯定してくれた。
なのでレンガについては、エドワードさんに協力を要請する旨をみんなに伝えた。
薬師ギルドの件もあるし、恐らく石釜戸を提供すると、一気に作成が出来るはずだ。
それがあれば、期日前に鍛冶師ギルドへの納入期限に間に合いそうだ。
恐らくだけど、鍛冶師ギルドが欲しがるのは簡易溶鉱炉までだと思う。
簡易鍜治場はあると、恐らく誰でも鍛冶師になれるだろう。
しかし、そうなれば鍛冶師としての腕が失われていくとこになる。
食いつなぎたい鍛冶師に取ってみては、救世主かもしれないけど……
そうなると、昨日のあのおっさんがさらに酷い目に遭いそうだな。
うん、考えるのはやめよう。
これは恐らく全ての産業に言えることかもしれない。
食いつなげない人に対して最低限度の製作能力を与える代わりに、飛びぬけた才能を持った人以外は、全て最低限度の能力者にしてしまう。
管理を厳重にしないといけないのだろうなと……
まあ、その辺はギルマスたちに全て丸投げしよう。
しかもだ、作業台ってよくよく考えると、俺以外でも作業できるようにしてしまう代物じゃないか……
俺が作る必要なくなるな。
そうなると収入が……
って俺はクリエイターになりたいわけじゃないからいいのか?
エルダに怒られそうだけど。
そんなこんな話ながら朝食を摂っていると、出発の時間が迫ってきていた。
俺たちは身支度を済ませて、自宅へと向かった。
「おう、ちょうどよかった。これから作業を開始するところだ。」
「おはようございますエドワードさん。今日からよろしくお願いします。あ、これ皆さんで食べてください。」
俺は収納箱(簡易)を取り出して、エドワードさんに渡した。
中身はダニエルさんに頼んで作ってもらった昼食の弁当だ。
人数が分からなかったので50個ほど頼んだけど、どうやら間に合いそうだな。
「こいつはすまないな。昼に堪能させてもらうよ。おっと、工事責任者を紹介しておく。おいダリア!!こっち来てくれ!!」
エドワードさんが作業現場の作業員に声をかけると、一人の女性が走り寄ってきた。
細身の割に出るとこが出ているので、一瞬目を奪われそうになったけど、何やら氷河期がきたんじゃないかっていうくらい背中が寒くなったので、すぐに気持ちを切り替えた。
「こいつが今回の工事の建設工事統括責任者のダリアだ。」
「初めまして、ダリア・カーペンタ―よ。よろしく。」
なんというか、気さくな人だなというのが第一印象だった。
見た目は置いておいて、建築作業員をまとめると考えると……
偏見かもしれないが男性がするのだと思っていた。
すると、ダリアさんがクスクスと笑いだしたので俺は首をかしげてしまった。
「ごめんなさいね。大体の人が同じ反応をするものだから。一応こう見えても木工ギルド建築部門の部門長をしているのよ?これでもギルドでもサブマスターの次に偉いのよ?」
おっと、俺の視線が不安を含んでいたのか、やんわりとダリアさんから釘を刺されてしまった。
エドワードさんが自信を持って紹介してくれているんだから、心配なんていらないはずなのにな。
「なに、心配はいらんさ。このダリアに任せれば大体の奴らは大人しく言う事を聞くようになるからな。」
エドワードさんはそう言うと豪快に笑っていた。
その傍らで、一瞬空気を凍らせたダリアさんだったが、俺の視線に気が付きすぐにその気配は霧散していった。
もしかしてそっちが本性なのではと一瞬思ってしまったが、すぐに封印する事にした。
きっと知らなくても良い事はたくさんあるのだから。
「ではダリアさん。これからやく4か月お世話になります。」
俺たちはダリアさんに深々と頭を下げた。
俺たちの活動拠点を作ってくれる最重要人物だ。
敬ったところで罰は当たらないはずだ。
「そんなのはいいわよ。私も物凄く楽しみなの。エド爺の設計する建物って最近なかったのよ。だから私もこれに携われるなんて光栄だわ。」
ん?エド爺?物凄く親しい感じがしたんだけど……
「んあ?あぁそうか言ってなかったな、こいつは俺の孫娘だからな。」
え?じゃあ、ダリアさんって実は俺と年齢があまり変わらなかったりするの?!
なんかすごく大人に感じてしまった。
あ、ごめんなさい。
睨まないでください。
物凄く針で刺される勢いの殺気を強く感じたので、俺は年齢の事を考えるのをやめた。
つかなんで分かったんだろうな……
なんだか感慨深いものもあり、何とも言えない寂しさを感じてしまう。
食堂に降りると、他の皆もどことなくしんみりした空気が漂っていた。
まあ、リサとナンディーについては住んだ事が無いので、何とも言えない感じで空気に呑まれていた。
「おはようみんな。今日は自宅の解体を見届けた後は、連携のチェックで良いんだよね?」
俺は昨日のうちに、今の自分の気持ちや考えを伝えておいた。
ナンディーからの助言?もあり、誰かにお願いできるところはお願いする事にした事を伝えた。
エルダからは、「それは当然よね?」と帰ってくるし、「やっと気が付いたの?」ってデイジーから返ってきた。
ポールはと言うと、特に何か言うまででもなく、俺の決断を肯定してくれた。
なのでレンガについては、エドワードさんに協力を要請する旨をみんなに伝えた。
薬師ギルドの件もあるし、恐らく石釜戸を提供すると、一気に作成が出来るはずだ。
それがあれば、期日前に鍛冶師ギルドへの納入期限に間に合いそうだ。
恐らくだけど、鍛冶師ギルドが欲しがるのは簡易溶鉱炉までだと思う。
簡易鍜治場はあると、恐らく誰でも鍛冶師になれるだろう。
しかし、そうなれば鍛冶師としての腕が失われていくとこになる。
食いつなぎたい鍛冶師に取ってみては、救世主かもしれないけど……
そうなると、昨日のあのおっさんがさらに酷い目に遭いそうだな。
うん、考えるのはやめよう。
これは恐らく全ての産業に言えることかもしれない。
食いつなげない人に対して最低限度の製作能力を与える代わりに、飛びぬけた才能を持った人以外は、全て最低限度の能力者にしてしまう。
管理を厳重にしないといけないのだろうなと……
まあ、その辺はギルマスたちに全て丸投げしよう。
しかもだ、作業台ってよくよく考えると、俺以外でも作業できるようにしてしまう代物じゃないか……
俺が作る必要なくなるな。
そうなると収入が……
って俺はクリエイターになりたいわけじゃないからいいのか?
エルダに怒られそうだけど。
そんなこんな話ながら朝食を摂っていると、出発の時間が迫ってきていた。
俺たちは身支度を済ませて、自宅へと向かった。
「おう、ちょうどよかった。これから作業を開始するところだ。」
「おはようございますエドワードさん。今日からよろしくお願いします。あ、これ皆さんで食べてください。」
俺は収納箱(簡易)を取り出して、エドワードさんに渡した。
中身はダニエルさんに頼んで作ってもらった昼食の弁当だ。
人数が分からなかったので50個ほど頼んだけど、どうやら間に合いそうだな。
「こいつはすまないな。昼に堪能させてもらうよ。おっと、工事責任者を紹介しておく。おいダリア!!こっち来てくれ!!」
エドワードさんが作業現場の作業員に声をかけると、一人の女性が走り寄ってきた。
細身の割に出るとこが出ているので、一瞬目を奪われそうになったけど、何やら氷河期がきたんじゃないかっていうくらい背中が寒くなったので、すぐに気持ちを切り替えた。
「こいつが今回の工事の建設工事統括責任者のダリアだ。」
「初めまして、ダリア・カーペンタ―よ。よろしく。」
なんというか、気さくな人だなというのが第一印象だった。
見た目は置いておいて、建築作業員をまとめると考えると……
偏見かもしれないが男性がするのだと思っていた。
すると、ダリアさんがクスクスと笑いだしたので俺は首をかしげてしまった。
「ごめんなさいね。大体の人が同じ反応をするものだから。一応こう見えても木工ギルド建築部門の部門長をしているのよ?これでもギルドでもサブマスターの次に偉いのよ?」
おっと、俺の視線が不安を含んでいたのか、やんわりとダリアさんから釘を刺されてしまった。
エドワードさんが自信を持って紹介してくれているんだから、心配なんていらないはずなのにな。
「なに、心配はいらんさ。このダリアに任せれば大体の奴らは大人しく言う事を聞くようになるからな。」
エドワードさんはそう言うと豪快に笑っていた。
その傍らで、一瞬空気を凍らせたダリアさんだったが、俺の視線に気が付きすぐにその気配は霧散していった。
もしかしてそっちが本性なのではと一瞬思ってしまったが、すぐに封印する事にした。
きっと知らなくても良い事はたくさんあるのだから。
「ではダリアさん。これからやく4か月お世話になります。」
俺たちはダリアさんに深々と頭を下げた。
俺たちの活動拠点を作ってくれる最重要人物だ。
敬ったところで罰は当たらないはずだ。
「そんなのはいいわよ。私も物凄く楽しみなの。エド爺の設計する建物って最近なかったのよ。だから私もこれに携われるなんて光栄だわ。」
ん?エド爺?物凄く親しい感じがしたんだけど……
「んあ?あぁそうか言ってなかったな、こいつは俺の孫娘だからな。」
え?じゃあ、ダリアさんって実は俺と年齢があまり変わらなかったりするの?!
なんかすごく大人に感じてしまった。
あ、ごめんなさい。
睨まないでください。
物凄く針で刺される勢いの殺気を強く感じたので、俺は年齢の事を考えるのをやめた。
つかなんで分かったんだろうな……
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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