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第4章 ここから始まる勇者様?
四十二日目⑦ 突然の襲撃
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「了解した。その部屋ならまだ大丈夫だ。で、いつから何泊の予定だ?」
ダニエルさんは宿帳を確認しながら、話を進めてくれた。
一応予定は三か月と言われていたけど、はっきりとはしていないから、とりあえず四か月でいいかなと思う。
「じゃあ、その部屋割りで四か月お願いします。料金はいくらですか?」
「一人、一泊銅貨5枚だから、金貨36枚だな。どうするよ?」
いくら何でも1泊銅貨5枚は安すぎるだろ!?
……前に言ってた苦労している冒険者を助けたいっていう漢気の現れなんだろうか。
となれば、俺の行動は決まった!!
「じゃあ、食事を豪華にしてもらうってことで金貨50枚でどうでしょう?」
俺は感謝の気持ちを込めて、あえて高く支払うことにした。
エルダも特に否定はしなかったので、異議はない様だった。
「さすがにそんなに受け取れねぇ~よ。金貨36枚だ。」
「これは迷惑料も含めてだと思ってください。何となく嫌な予感がするので。」
「おいおい物騒なこと言わないでくれよなぁ。」
俺が冗談で言った話を聞いて、若干引き気味になったダニエルさん。
俺も受け取ってもらえないと、恰好が付かない状態なんだよな。
「良いじゃないのあなた。受け取りましょう。それだけの価値があるってこの子たちが認めたってことよ?」
「わぁ~たよ。じゃあ、腕によりをかけてうまいもん食わせてやるから覚悟しておけよ?」
うし、受け取ってもらえて何よりだ。
そしてうまい飯が確定したのがうれしいことだ。
「そうだ、それと話変わるんですが前に料理教えてもらうって言ってたことはまだ有効ですか?」
「お、あん時の約束だろ?覚えてるよ。じゃあ、泊ってる間に教えてやるよ。」
「ありがとうございます。」
俺は、ついにダニエルさんへの弟子入り計画を実行させる時がきたのかと思い、なんだかうれしくなった。
それから少し話をしていると、徐々に店内は込み始めて来た。
話の途中ダニエルさんは酒場と食事処の仕事があるのでカウンターへと戻っていった。
メアリーさんもダニエルさんのフォローに向かったため、俺たちはリリーちゃんと他愛のない話をしていた。
ついに、リリーちゃんも手伝わないといけない状況になり、リリーちゃんもフォローに向かった。
ほんと出来た子だよね。
「晩御飯どうしよっか?今から帰って作ると遅くなっちゃうけど……」
デイジーはメニュー表を見ながら、今晩の夕食の話をしてきた。
確かに時間も遅いので、帰って作るとなると大変だ。
エルダを見ると、エルダの目線もメニューのある一部に釘付けとなっていた。
俺とポールは顔を見合わせて、今日はここで食べるかと提案したのだった。
二人はことのほか喜んでおり、これでよかったんだよなと思ってしまう。
蝶のように飛びまわるリリーちゃんを見てほっこりしていると、ひとりの男性がこちらへ近づいてくるのが見えた。
歳は俺とさほど離れていないようだけど、出会った記憶はないな。
身長もさほど高くなく、中肉中背ってところだろうか。
ただ、普通ではないことはわかる。
殺気を殺そうとはしていないかったからだ。
ポールもすでに反応していて、剣に手をかけていた。
しかしまずいことに、完全にオフモード。
盾を持参していなかったのだ。
デイジーの警戒網から隠れていたので、デイジーも驚きを隠せずにいた。
その男はテーブルの前に付かづくと、タンという音と共にナイフを突き立てる。
その気配を察したのか、ポールもまた正確にその男の首元に剣を当てていた。
「何のつもりだ。」
ポールは相手に剣筋を当てながら、警戒を怠らなかった。
その反応速度は俺が目でぎりぎり終える速度だった。
「私はその男に用がある。外野は黙っていたまえ。」
男がそう言うとポールを一瞬にして制圧してしまった。
何をされたのかポールもわからなかったようだ。
俺も目でまったく追えなかった。
ただ分かるのは、ポールが床で転がされているという事実だ。
そのまま硬直状態になると、今度はダニエルさんが顔を出した。
「お待ちどう様って。いったい何をやってるんだ人の店の中で。しかもナイフなんて持ち出しやがって。」
ダニエルさんはこの状況に怒りを顕わにした。
「お前か?」
ダニエルさんの声がいつもよりかなり低く感じた。
いつの間にかメアリーさんがその男の後ろを陣取っていた。
しかしメアリーさんの表情がすぐれない。
何があったんだ?
よく見ると、メアリーさんの腹部にナイフが添えられていた。
ナイフを抜いたのもわからなければ、いつ動いたのかすらわからなかった。
突然現れたメアリーさんのさらにその先を取っていたのは明らかだ。
「外野は黙っていたまえ。話ができないではないか。」
この状況は一体全体どうなってんだ?
俺は全く状況を掴めないでいた。
「そこの女。変な魔法は使わないことだ。周りの人間に危害が及ぶぞ?」
いつの間にかエルダが【魔光陣】のその男の足元に設置しようとしていた。
しかし、それすらも看破していたようで、メアリーさんに添えられたナイフが、少しずつメアリーさんの体へ迫っていた。
くそ!!
つか、暗部はどうしたよ?!
護衛でいるんじゃないのか?!
「何間抜けた顔をしている。暗部になど頼るからこうなるのだぞ?そろそろ自覚した方がいいんじゃないのか?」
その男はいきなり「ふぅ~」と息を吐くと、殺気が一瞬にして霧散した。
いったい何なんだよ!?
ダニエルさんは宿帳を確認しながら、話を進めてくれた。
一応予定は三か月と言われていたけど、はっきりとはしていないから、とりあえず四か月でいいかなと思う。
「じゃあ、その部屋割りで四か月お願いします。料金はいくらですか?」
「一人、一泊銅貨5枚だから、金貨36枚だな。どうするよ?」
いくら何でも1泊銅貨5枚は安すぎるだろ!?
……前に言ってた苦労している冒険者を助けたいっていう漢気の現れなんだろうか。
となれば、俺の行動は決まった!!
「じゃあ、食事を豪華にしてもらうってことで金貨50枚でどうでしょう?」
俺は感謝の気持ちを込めて、あえて高く支払うことにした。
エルダも特に否定はしなかったので、異議はない様だった。
「さすがにそんなに受け取れねぇ~よ。金貨36枚だ。」
「これは迷惑料も含めてだと思ってください。何となく嫌な予感がするので。」
「おいおい物騒なこと言わないでくれよなぁ。」
俺が冗談で言った話を聞いて、若干引き気味になったダニエルさん。
俺も受け取ってもらえないと、恰好が付かない状態なんだよな。
「良いじゃないのあなた。受け取りましょう。それだけの価値があるってこの子たちが認めたってことよ?」
「わぁ~たよ。じゃあ、腕によりをかけてうまいもん食わせてやるから覚悟しておけよ?」
うし、受け取ってもらえて何よりだ。
そしてうまい飯が確定したのがうれしいことだ。
「そうだ、それと話変わるんですが前に料理教えてもらうって言ってたことはまだ有効ですか?」
「お、あん時の約束だろ?覚えてるよ。じゃあ、泊ってる間に教えてやるよ。」
「ありがとうございます。」
俺は、ついにダニエルさんへの弟子入り計画を実行させる時がきたのかと思い、なんだかうれしくなった。
それから少し話をしていると、徐々に店内は込み始めて来た。
話の途中ダニエルさんは酒場と食事処の仕事があるのでカウンターへと戻っていった。
メアリーさんもダニエルさんのフォローに向かったため、俺たちはリリーちゃんと他愛のない話をしていた。
ついに、リリーちゃんも手伝わないといけない状況になり、リリーちゃんもフォローに向かった。
ほんと出来た子だよね。
「晩御飯どうしよっか?今から帰って作ると遅くなっちゃうけど……」
デイジーはメニュー表を見ながら、今晩の夕食の話をしてきた。
確かに時間も遅いので、帰って作るとなると大変だ。
エルダを見ると、エルダの目線もメニューのある一部に釘付けとなっていた。
俺とポールは顔を見合わせて、今日はここで食べるかと提案したのだった。
二人はことのほか喜んでおり、これでよかったんだよなと思ってしまう。
蝶のように飛びまわるリリーちゃんを見てほっこりしていると、ひとりの男性がこちらへ近づいてくるのが見えた。
歳は俺とさほど離れていないようだけど、出会った記憶はないな。
身長もさほど高くなく、中肉中背ってところだろうか。
ただ、普通ではないことはわかる。
殺気を殺そうとはしていないかったからだ。
ポールもすでに反応していて、剣に手をかけていた。
しかしまずいことに、完全にオフモード。
盾を持参していなかったのだ。
デイジーの警戒網から隠れていたので、デイジーも驚きを隠せずにいた。
その男はテーブルの前に付かづくと、タンという音と共にナイフを突き立てる。
その気配を察したのか、ポールもまた正確にその男の首元に剣を当てていた。
「何のつもりだ。」
ポールは相手に剣筋を当てながら、警戒を怠らなかった。
その反応速度は俺が目でぎりぎり終える速度だった。
「私はその男に用がある。外野は黙っていたまえ。」
男がそう言うとポールを一瞬にして制圧してしまった。
何をされたのかポールもわからなかったようだ。
俺も目でまったく追えなかった。
ただ分かるのは、ポールが床で転がされているという事実だ。
そのまま硬直状態になると、今度はダニエルさんが顔を出した。
「お待ちどう様って。いったい何をやってるんだ人の店の中で。しかもナイフなんて持ち出しやがって。」
ダニエルさんはこの状況に怒りを顕わにした。
「お前か?」
ダニエルさんの声がいつもよりかなり低く感じた。
いつの間にかメアリーさんがその男の後ろを陣取っていた。
しかしメアリーさんの表情がすぐれない。
何があったんだ?
よく見ると、メアリーさんの腹部にナイフが添えられていた。
ナイフを抜いたのもわからなければ、いつ動いたのかすらわからなかった。
突然現れたメアリーさんのさらにその先を取っていたのは明らかだ。
「外野は黙っていたまえ。話ができないではないか。」
この状況は一体全体どうなってんだ?
俺は全く状況を掴めないでいた。
「そこの女。変な魔法は使わないことだ。周りの人間に危害が及ぶぞ?」
いつの間にかエルダが【魔光陣】のその男の足元に設置しようとしていた。
しかし、それすらも看破していたようで、メアリーさんに添えられたナイフが、少しずつメアリーさんの体へ迫っていた。
くそ!!
つか、暗部はどうしたよ?!
護衛でいるんじゃないのか?!
「何間抜けた顔をしている。暗部になど頼るからこうなるのだぞ?そろそろ自覚した方がいいんじゃないのか?」
その男はいきなり「ふぅ~」と息を吐くと、殺気が一瞬にして霧散した。
いったい何なんだよ!?
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