勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第4章 ここから始まる勇者様?

四十日目③ 無双?!

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「それにしても長い列だな?」
「しょうがないよ。それよりもさ、今日は何階層まで行くつもりなの?」

 俺たちはロベルトさんの鍛冶場を後にして、受付の列に並んでいた。
 今は、やっと列の中盤まで来れたのであともう少し。
 だけどデイジーが大分飽きて来たらしく、あっち行ったりこっち行ったりとグダグダしていた。
 終いには屋台に行ってくると言い残して、走り去ってしまったのだ。
 そんなデイジーに呆れていると、当の本人は大量の荷物を抱えて戻ってきた。

『ふぁっふぇふぃふぁふぉ~~~!!』

 って元気に言われたら、怒る気力もどこかに行ってしまった。
 そして買ってきたのは大量の食料。
 というか、食べながら走るんじゃありません!!
 転んだら危ないでしょ⁈
 
 でもさ……これ食べきれないんじゃないか?
 
 まあ、食べきれなくてもアイテムボックスに仕舞えば良いんだけどね。
 周囲の冒険者の視線が痛いよう……
 まぁ、食べるんだけどね?

 しばらくすると、俺たちの番になり、受付窓口へと移動した。
 受付は本当に簡易的なもので、テントにテーブルが並べてあって、申請用の書類の束が積みあがっていた。
 ただ一番違ったのは受付を担当していたのが魔人族ではなく、騎士団の団員が代わりに管理を行っていた。

「この書類に目を通してください。ルールは基本的に一般のダンジョンと一緒ですので。読み終わりましたら、ここに名前を記入してください。」
「あれ?魔人族の人はいないんですか?」

 俺は名前を記入しながら、疑問に思ったことを確認した。

「まだ到着してないんだよ。明日には到着予定だから、俺たちは明日にはここを引き渡す感じだな。」
「そうなんですね。それじゃあ復活の腕輪って効果ありますか?」

 俺は腕輪を見せながら、騎士団員に話を聞いていた。
 サインを終えたエルダが、後ろから声をかけて来た。

「ごめんなさい。伝えてなかったわね。魔人族管理じゃない野良ダンジョンは、基本的に復活の腕輪は使えないわ。明日の到着なら、メンテナンス含めて明後日がこのダンジョンの正式な稼働日になるでしょうね。そうしたら低クラスの冒険者も順次このダンジョンを潜れるようになるわ。」
「なるほどね~。あ、ごめんなさい。ありがとうございました。」

 俺は書き終えた書類を騎士団員に私、頭を下げてその場を後にした。
 騎士団員もまた「気を付けて」と声をかけてくれたので、ここでもやはりうれしくなってしまった。



 【緑人の住処ダンジョン】第一層に入った俺たちが見た物は……

 ただの洞窟でした。
 通路は【鉱山跡地ダンジョン】よりも若干狭い感じがする。
 壁に手掘りで掘り進んだような、そんな傷跡が無数に残っている。
 形もいびつで、曲がり角も90度ってわけじゃないから、攻略が大変そうだなって感じだった。

 肝心のモンスターはと言うと、影も形もなかった。
 まあそうだよね。
 これだけ人が入れば、モンスターだってすぐいなくなるよね?
 
 というわけで俺たちは、少人数を活かしてダンジョンを駆け回った。
 理由はマッピング。
 俺が頑張ってマッピングした情報を紙に書きだせば、正確なマップ情報として成果になるからだ。
 他にもマッピングを行っているパーティーがいたが、大体は板と紙を持って慎重に歩いている感じだった。
 おそらく俺たちがマッピングしてるなんて思ってもいないだろうな……

 第1層で遭遇したモンスターは、普通のゴブリンだった。
 しかも大体が単独行動しており、いても2匹までだ。
 ここなら初心者でも探索しやすいのでは?と思えた。
 おそらくEランク以下のパーティーでも問題ないはずだ。
 そんなことを思いつつも、走り回ると下に続く階段を発見した。
 おおよそ回り終えることができたので、マッピングの最終確認を行った。
 すると、9割以上が埋まっていたので良しとすることにした。



 階段を下りて第2層につくも、ここもすでに回られている感じだった。
 ここでも急いでマッピングを進め、約9割埋めることに成功。
 先に見つけておいた第3層の階段を下りていくことにした。

 ちなみに、第2層のモンスターはゴブリンだったけど、3~4匹のチームで行動していた。
 連携と言えるほどでもなく、ここもきちんと対処できればEランクパーティーだったら問題ないと思う。



 第3層に降りると、Dランクパーティーがちらほら見えていた。
 戦闘音が聞こえることから、おそらく少してこずっているのだろうか。
 Dランクパーティーでてこずる相手か。
 たぶんだけど、ホブゴブリンか職種系のゴブリンが出ているかもしれないな。
 俺たちはさっきまでよりも慎重に行動した。
 デイジーも警戒レベルを上げてくれている。
 だからこそ、ここでも走りながらのマッピングを行えている。

 戦闘の脇を通り抜けると、モンスターの種類が分かった。
 予想通りホブゴブリンだった。
 ホブゴブリンが指揮官となり、普通のゴブリンと連携を取りながら迫ってくる。
 確かに、決め手に欠けてしまえば戦闘が長引いてしまうかもしれない。

「拡散炎弾!!」

 そこはエルダが大活躍だった。
 おそらく、本人隠す気ないんじゃないか?ってくらい【魔光陣】を使いまくっている。
 俺たちがモンスターに近づく前には、すでにカタが付いている状態だ。
 俺たちはただ、ドロップアイテムを拾う係と化していた。
 うん、エルダ無双!!

 第3層もめぼしいものはなく、階段を見つけたこともあり第4層へ降りることにした。



 第4層は先程までとはうって変わって、森林のステージだった。
 本当にダンジョンって不思議な場所だよね?
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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