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第4章 ここから始まる勇者様?
三十八日目⑨ ここでも巡り巡って助かった
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姿を現した神官騎士は、息も絶え絶えだった。
すでに瀕死の重傷であることが見て取れた。
俺はみんなの顔を見ると、みんなもどうしていいか困惑していた。
正直このまま放置してもいいんだが、なんだか寝覚めが悪い気がしてきた。
「ポール、あの神官担げるか?」
「問題は無いが……、助けるのか?」
「正直迷ってる。助けたところで絶対碌なことになりはしないからな。」
俺は正直な気持ちを吐露した。
その言葉にエルダ達も同じ意見であると言ってくれた。
言うまでもなく災いの種以外の何物でもないからね。
「とりあえず、回復ポーション(低)でどこまで回復できるか……だな。」
「わかった。俺が担いで移動しよう。幸いここは戦闘区域にはなっていないようだから問題はない。」
そう言うと俺とポールは、その神官騎士の元へと急いだ。
神官騎士は最後の力を振り絞り、入り口付近まで移動していた。
しかしそこで意識を失い、倒れこんでしまった。
時間がないと考えた俺は、アイテムボックスから回復ポーション(低)を取り出して、神官騎士にぶっかけた。
血だまりになるんじゃないかという勢いの出血は収まったが、完全回復までには至っていない。
意識も回復しておらず、呼吸も浅い。
素人目に見ても大丈夫とは言えない状態だった。
ポールは神官騎士を担ぎ上げると、元居た場所へと運んでくれた。
神官騎士は既に意識を失っており、とりあえず出来る限りの手当ては行った。
あとは本人次第だけど、どうしたもんかな。
「取り合えず、この後どうしようか。このままにもできないし、外に運び出すのが一番だと思うんだけど。」
「そうね。それが良いわね。」
俺はこの時少しばかリ悩んでいた。
助けたことでみんなが危険にさらされるんだった、このまま放置した方が良いんじゃないかって。
でもエルダは助ける方を選んでくれた。
「じゃあ、戦闘は極力避けるルートで行くね。」
「頼む。」
デイジーも同じで捨て置くことは出来なかったみたいだ。
ポールも静かにうなずいていた。
やっぱりこの仲間たちは最高だな。
その後は迅速に行動した。
ポールは神官騎士を担いでいるので戦闘に参加できない。
なので、先頭をエルダが担当して中衛のデイジーがモンスターを発見しだい、殲滅することにした。
俺は殿を務め、バックアタックの警戒をしていく。
運がいいことに、途中で帰還中の別パーティーと合流でき、事情を説明したら一緒に離脱してもらえた。
どうやら、このパーティーも前回肉をおごったときに居たパーティーで、そのお礼だとのことだった。
しかも街まで護衛してもらえたので、戦闘もかなりスムーズに進めることができた。
「ありがとうございました。助かりました。」
「なんてことねぇよ。お礼だったら、また今度肉おごってくれや。」
照れ臭そうにしていた冒険者は、俺の肩をポンポンと叩く。
「わかりました、今度酒場のマスターに渡しておきますね。」
「楽しみにしてるよ」
そう言うと先輩冒険者たちは先に門をくぐり、街の中へと入っていった。
俺たちはと言うと、門の衛兵と神官騎士の扱いについて話し合いをしていた。
あくまで人道的理由から治療を行い、ここまで運んだものの、この後についてどうしたものかと悩んでいた。
そこで、衛兵が騎士団に問い合わせをして、第三騎士団で預かる手はずとなったみたいだ。
そして俺たちは騎士団が到着するのを待っている状態である。
神官騎士はと言うと、容体は大分改善しており、今すぐ死ぬことはないとは思う。
ただ、素人の見立てなので出来れば早急にプロに見てもらう必要がある。
しばらくすると、第三騎士団の団員たちが薬師ギルドの職員を連れて迎えに来てくれた。
「お待たせしました。彼が件の人物ですね。」
現れた団員はそれなりの年配の方で、何とも言えないような雰囲気を醸し出していた。
きっと戦っても勝てない、そんな気がした。
「はい、【新緑のダンジョン】にて保護しました。おそらく【教会の勇者】の関係者だと思われます。」
俺は代表してそこまでの経緯を説明した。
おそらく、俺たちが見た戦いの後、戦線が崩壊。
この人が殿を務めさせられたんだと思う。
ただこれは憶測にしかすぎないので、なぜそうなったかについては彼の回復を待つ必要がある。
「なるほどわかりました。彼の身柄はこちらで保護します。それと……おいそこの君!!」
現れた年配の団員は近くにいた衛兵に声をかける。
衛兵は一瞬びくりとして、すぐに駆け寄ってきた。
「すまないが一時詰所の休憩所を借りますが、よろしいですかな?」
「はっ!!どうぞお使いください!!おいっ!!副団長を部屋まで案内して差し上げろ!!」
「はっ!!」
え?第三騎士団の副団長だったの?
通りで強そうなわけだ。
リヒター団長とどっちが強いんだろうか。
副団長と一緒に来ていた薬師ギルドの職員は、衛兵に案内されて詰所の休憩室へと移動した。
もちろん神官騎士の彼も衛兵に担架で運ばれていった。
お役御免になった俺たちは、ほっと一息ついてから冒険者ギルドへと移動した。
「キャサリンさん戻りました。」
「おかえりなさいみんな。大変だったわね。」
おっと、もうキャサリンさんまで話が来てたのか。
さすがといった方が良いのかな?
「もう話が届いているんですか?」
「それはね。これでもこの仕事は長いから。ところで依頼はどうなったのかしら。」
俺は今回回収した素材を出すために、倉庫へ移動することを提案した。
その提案で事情を察したキャサリンさんの目からハイライトが消えたのは言うまでもない。
すでに瀕死の重傷であることが見て取れた。
俺はみんなの顔を見ると、みんなもどうしていいか困惑していた。
正直このまま放置してもいいんだが、なんだか寝覚めが悪い気がしてきた。
「ポール、あの神官担げるか?」
「問題は無いが……、助けるのか?」
「正直迷ってる。助けたところで絶対碌なことになりはしないからな。」
俺は正直な気持ちを吐露した。
その言葉にエルダ達も同じ意見であると言ってくれた。
言うまでもなく災いの種以外の何物でもないからね。
「とりあえず、回復ポーション(低)でどこまで回復できるか……だな。」
「わかった。俺が担いで移動しよう。幸いここは戦闘区域にはなっていないようだから問題はない。」
そう言うと俺とポールは、その神官騎士の元へと急いだ。
神官騎士は最後の力を振り絞り、入り口付近まで移動していた。
しかしそこで意識を失い、倒れこんでしまった。
時間がないと考えた俺は、アイテムボックスから回復ポーション(低)を取り出して、神官騎士にぶっかけた。
血だまりになるんじゃないかという勢いの出血は収まったが、完全回復までには至っていない。
意識も回復しておらず、呼吸も浅い。
素人目に見ても大丈夫とは言えない状態だった。
ポールは神官騎士を担ぎ上げると、元居た場所へと運んでくれた。
神官騎士は既に意識を失っており、とりあえず出来る限りの手当ては行った。
あとは本人次第だけど、どうしたもんかな。
「取り合えず、この後どうしようか。このままにもできないし、外に運び出すのが一番だと思うんだけど。」
「そうね。それが良いわね。」
俺はこの時少しばかリ悩んでいた。
助けたことでみんなが危険にさらされるんだった、このまま放置した方が良いんじゃないかって。
でもエルダは助ける方を選んでくれた。
「じゃあ、戦闘は極力避けるルートで行くね。」
「頼む。」
デイジーも同じで捨て置くことは出来なかったみたいだ。
ポールも静かにうなずいていた。
やっぱりこの仲間たちは最高だな。
その後は迅速に行動した。
ポールは神官騎士を担いでいるので戦闘に参加できない。
なので、先頭をエルダが担当して中衛のデイジーがモンスターを発見しだい、殲滅することにした。
俺は殿を務め、バックアタックの警戒をしていく。
運がいいことに、途中で帰還中の別パーティーと合流でき、事情を説明したら一緒に離脱してもらえた。
どうやら、このパーティーも前回肉をおごったときに居たパーティーで、そのお礼だとのことだった。
しかも街まで護衛してもらえたので、戦闘もかなりスムーズに進めることができた。
「ありがとうございました。助かりました。」
「なんてことねぇよ。お礼だったら、また今度肉おごってくれや。」
照れ臭そうにしていた冒険者は、俺の肩をポンポンと叩く。
「わかりました、今度酒場のマスターに渡しておきますね。」
「楽しみにしてるよ」
そう言うと先輩冒険者たちは先に門をくぐり、街の中へと入っていった。
俺たちはと言うと、門の衛兵と神官騎士の扱いについて話し合いをしていた。
あくまで人道的理由から治療を行い、ここまで運んだものの、この後についてどうしたものかと悩んでいた。
そこで、衛兵が騎士団に問い合わせをして、第三騎士団で預かる手はずとなったみたいだ。
そして俺たちは騎士団が到着するのを待っている状態である。
神官騎士はと言うと、容体は大分改善しており、今すぐ死ぬことはないとは思う。
ただ、素人の見立てなので出来れば早急にプロに見てもらう必要がある。
しばらくすると、第三騎士団の団員たちが薬師ギルドの職員を連れて迎えに来てくれた。
「お待たせしました。彼が件の人物ですね。」
現れた団員はそれなりの年配の方で、何とも言えないような雰囲気を醸し出していた。
きっと戦っても勝てない、そんな気がした。
「はい、【新緑のダンジョン】にて保護しました。おそらく【教会の勇者】の関係者だと思われます。」
俺は代表してそこまでの経緯を説明した。
おそらく、俺たちが見た戦いの後、戦線が崩壊。
この人が殿を務めさせられたんだと思う。
ただこれは憶測にしかすぎないので、なぜそうなったかについては彼の回復を待つ必要がある。
「なるほどわかりました。彼の身柄はこちらで保護します。それと……おいそこの君!!」
現れた年配の団員は近くにいた衛兵に声をかける。
衛兵は一瞬びくりとして、すぐに駆け寄ってきた。
「すまないが一時詰所の休憩所を借りますが、よろしいですかな?」
「はっ!!どうぞお使いください!!おいっ!!副団長を部屋まで案内して差し上げろ!!」
「はっ!!」
え?第三騎士団の副団長だったの?
通りで強そうなわけだ。
リヒター団長とどっちが強いんだろうか。
副団長と一緒に来ていた薬師ギルドの職員は、衛兵に案内されて詰所の休憩室へと移動した。
もちろん神官騎士の彼も衛兵に担架で運ばれていった。
お役御免になった俺たちは、ほっと一息ついてから冒険者ギルドへと移動した。
「キャサリンさん戻りました。」
「おかえりなさいみんな。大変だったわね。」
おっと、もうキャサリンさんまで話が来てたのか。
さすがといった方が良いのかな?
「もう話が届いているんですか?」
「それはね。これでもこの仕事は長いから。ところで依頼はどうなったのかしら。」
俺は今回回収した素材を出すために、倉庫へ移動することを提案した。
その提案で事情を察したキャサリンさんの目からハイライトが消えたのは言うまでもない。
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