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第4章 ここから始まる勇者様?
三十七日目③ 置き土産はノーセンキュー
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第3層の探索が終わり、いよいよ第4層に降りることになった。
まあ、俺でも対応可能だろうと3人は言っているが、念のため危険と判断した場合は即時撤退をすることで決まった。
「カイト、この第4層の【アーマードロックアント】だけれども、これを倒せて初級冒険者の卒業だ。これはランクが云々ってことじゃなくて、慣習とかそういった感じだ。だから気合を入れていこう。」
「だね~。私もポールもここはもう超えているから、あとはカイトだけだよ。頑張って!!」
なんだか二人ともガンガンに煽ってくるな。
しかも息ぴったりだし。
そんなに俺が心配なのだろうか……
「カイト。倒し方は前と同じ、濡らして斬る。それだけよ。常に気配を探り、気を抜かないでね。」
エルダからもものすごく心配されてしまった。
俺ってそんなに信用無いのかな?
「わかった。気を抜かないようにするよ。」
第4層に降りるための階段の前で、俺は深呼吸を始めた。
やはりどこか緊張していたのだろうか。
身体が思っているよりも、かなり重い。
今朝のだるさがまたぶり返してきてるのかな?
だからか、みんなが俺の事をずっと心配そうな顔で見つめてきているのは……
うん、明日は休養日に当てることにしよう。
ここ最近頑張りすぎてる気がするしね。
それでは改めまして、第4層へ降りていこう。
第4層でもやることは変わらなかった。
ただし、変わったのはさっきも言われた【アーマードロックアント】の存在だ。
俺とエルダはすぐに水魔法を使えるように準備を始める。
すでにデイジーの探知範囲に【アーマードロックアント】が確認できているそうだ。
残念ながら俺の探知範囲には全くいない。
おそらく200mオーバーの位置にいるんだろうな。
ポールを先頭にゆっくりと前進していく。
前方目視150mに蟻のような姿を発見した。
「前方140m。【アーマードロックアント】。数は3。」
「よし、エルダは爆発系水魔法で一気に濡らしてくれ。デイジーはその場で射撃。カイトも同じく水魔法で攻撃だ。」
「あ、言い忘れてた……俺の魔法……射程短い……」
なんというか、居た堪れない空気になってしまった。
「カイトは水魔法を保持のまま突撃で……」
「うん。」
何とも締まらない開戦となってしまった。
戦闘はと言うと、特に何か特筆すべきことはなかった。
エルダの【魔光陣】から水爆撃という魔法が射出されると、前方の【アーマードロックアント】のいる場所が一面水浸しになった。
もちろん【アーマードロックアント】もびしょびしょに濡れて、身動きがとりづらそうだった。
それを確認する前に、俺とポールは突撃をする。
ポールはいつものように、シールドバッシュで1匹を吹っ飛ばす。
デイジーは【魔導弓】の射撃で一瞬にして1匹にとどめを刺した。
俺も負けじと【ウォーターバレット】は叩き込みつつ、構えた双剣でとどめを刺す。
俺が倒している間に、最初に吹っ飛ばした【アーマードロックアント】にポールがとどめを刺していた。
3匹を倒し終わると、鎧岩蟻の外殻が手に入った。
新しい素材だったので、すぐに鑑定をしてみた。
——————
鎧岩蟻の外殻:薄い割に丈夫な外殻。防具の素材になる。
——————
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
やはりというかなんというか。
レシピが増えたみたいだ。
これについては、家についてからゆっくり確認しようと思う。
その後も第4層を探索しながら、俺の戦闘の調整を続けた。
ある程度問題なく戦闘をこなせるようになったことで、第5層にも足を延ばした。
第5層では【アーマードロックアント】が4~6匹で群れを成していた。
しかしそれでも俺たちの……ってよりもエルダのだな……敵ではなく、順調に第5層もマッピングすることができた。
ほんと、エルダ無双だよこれじゃ……
第5層のマッピングも終わり第6層の階段を見つけたところで、ポールが話しかけてきた。
「そろそろ帰還しよう。さすがにこれ以上は潜りすぎになる。第6層からは敵も強くなるから、いったん仕切り直そう。」
「わかった。デイジーとエルダもそれでいい?」
ポールからの提案ももっともで、エルダとデイジーも不満はないようだ。
次はきちんと準備して第10層を目指そう!!
俺たちは帰り際に数人の冒険者と出会ったんだけど、その様子がやはりおかしい。
なんというか、皆一様に疲れが見える。
しかもその人たちは、この前【勇者モドキ】とのトラブルで一緒になった人たちだった。
俺は何かいやな予感がしてきた。
慌ててステータスを確認した。
——————
基本情報
名前:カイト=イシダテ
年齢:25
性別:男性
種族:ヒューマン
職業:なんでも屋
称号:転移者
ステータス
HP :210/230(20UP)
MP : 40/ 43(3UP)
SP : 73/ 86(13UP)
体力 : 45(4UP)(+8)
力 : 88(2UP)(+5)
知力 : 31(1UP)
魔力 : 38(1UP)
素早さ:124(3UP)(-5)
魅力 : 5
幸運 : 53
自然回復量
HP :2/分
MP :1/分
SP :2/分
状態変化
バフ :
デバフ:疲労の呪い(弱)
——————
予感が的中した。
呪いをかけられていたようだ。
俺は慌てて、周りの冒険者たちにもステータスを確認するように言った。
すると、やはり俺とのトラブルに介入してくれた先輩方がもれなく呪いをかけられていた。
ポールとデイジーはその対象ではなかったようで、無事だった。
さすがにこれはギルマスに報告案件だよな……
俺たちは先輩たちと一緒に、冒険者ギルドへ急いだのだった。
まあ、俺でも対応可能だろうと3人は言っているが、念のため危険と判断した場合は即時撤退をすることで決まった。
「カイト、この第4層の【アーマードロックアント】だけれども、これを倒せて初級冒険者の卒業だ。これはランクが云々ってことじゃなくて、慣習とかそういった感じだ。だから気合を入れていこう。」
「だね~。私もポールもここはもう超えているから、あとはカイトだけだよ。頑張って!!」
なんだか二人ともガンガンに煽ってくるな。
しかも息ぴったりだし。
そんなに俺が心配なのだろうか……
「カイト。倒し方は前と同じ、濡らして斬る。それだけよ。常に気配を探り、気を抜かないでね。」
エルダからもものすごく心配されてしまった。
俺ってそんなに信用無いのかな?
「わかった。気を抜かないようにするよ。」
第4層に降りるための階段の前で、俺は深呼吸を始めた。
やはりどこか緊張していたのだろうか。
身体が思っているよりも、かなり重い。
今朝のだるさがまたぶり返してきてるのかな?
だからか、みんなが俺の事をずっと心配そうな顔で見つめてきているのは……
うん、明日は休養日に当てることにしよう。
ここ最近頑張りすぎてる気がするしね。
それでは改めまして、第4層へ降りていこう。
第4層でもやることは変わらなかった。
ただし、変わったのはさっきも言われた【アーマードロックアント】の存在だ。
俺とエルダはすぐに水魔法を使えるように準備を始める。
すでにデイジーの探知範囲に【アーマードロックアント】が確認できているそうだ。
残念ながら俺の探知範囲には全くいない。
おそらく200mオーバーの位置にいるんだろうな。
ポールを先頭にゆっくりと前進していく。
前方目視150mに蟻のような姿を発見した。
「前方140m。【アーマードロックアント】。数は3。」
「よし、エルダは爆発系水魔法で一気に濡らしてくれ。デイジーはその場で射撃。カイトも同じく水魔法で攻撃だ。」
「あ、言い忘れてた……俺の魔法……射程短い……」
なんというか、居た堪れない空気になってしまった。
「カイトは水魔法を保持のまま突撃で……」
「うん。」
何とも締まらない開戦となってしまった。
戦闘はと言うと、特に何か特筆すべきことはなかった。
エルダの【魔光陣】から水爆撃という魔法が射出されると、前方の【アーマードロックアント】のいる場所が一面水浸しになった。
もちろん【アーマードロックアント】もびしょびしょに濡れて、身動きがとりづらそうだった。
それを確認する前に、俺とポールは突撃をする。
ポールはいつものように、シールドバッシュで1匹を吹っ飛ばす。
デイジーは【魔導弓】の射撃で一瞬にして1匹にとどめを刺した。
俺も負けじと【ウォーターバレット】は叩き込みつつ、構えた双剣でとどめを刺す。
俺が倒している間に、最初に吹っ飛ばした【アーマードロックアント】にポールがとどめを刺していた。
3匹を倒し終わると、鎧岩蟻の外殻が手に入った。
新しい素材だったので、すぐに鑑定をしてみた。
——————
鎧岩蟻の外殻:薄い割に丈夫な外殻。防具の素材になる。
——————
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
やはりというかなんというか。
レシピが増えたみたいだ。
これについては、家についてからゆっくり確認しようと思う。
その後も第4層を探索しながら、俺の戦闘の調整を続けた。
ある程度問題なく戦闘をこなせるようになったことで、第5層にも足を延ばした。
第5層では【アーマードロックアント】が4~6匹で群れを成していた。
しかしそれでも俺たちの……ってよりもエルダのだな……敵ではなく、順調に第5層もマッピングすることができた。
ほんと、エルダ無双だよこれじゃ……
第5層のマッピングも終わり第6層の階段を見つけたところで、ポールが話しかけてきた。
「そろそろ帰還しよう。さすがにこれ以上は潜りすぎになる。第6層からは敵も強くなるから、いったん仕切り直そう。」
「わかった。デイジーとエルダもそれでいい?」
ポールからの提案ももっともで、エルダとデイジーも不満はないようだ。
次はきちんと準備して第10層を目指そう!!
俺たちは帰り際に数人の冒険者と出会ったんだけど、その様子がやはりおかしい。
なんというか、皆一様に疲れが見える。
しかもその人たちは、この前【勇者モドキ】とのトラブルで一緒になった人たちだった。
俺は何かいやな予感がしてきた。
慌ててステータスを確認した。
——————
基本情報
名前:カイト=イシダテ
年齢:25
性別:男性
種族:ヒューマン
職業:なんでも屋
称号:転移者
ステータス
HP :210/230(20UP)
MP : 40/ 43(3UP)
SP : 73/ 86(13UP)
体力 : 45(4UP)(+8)
力 : 88(2UP)(+5)
知力 : 31(1UP)
魔力 : 38(1UP)
素早さ:124(3UP)(-5)
魅力 : 5
幸運 : 53
自然回復量
HP :2/分
MP :1/分
SP :2/分
状態変化
バフ :
デバフ:疲労の呪い(弱)
——————
予感が的中した。
呪いをかけられていたようだ。
俺は慌てて、周りの冒険者たちにもステータスを確認するように言った。
すると、やはり俺とのトラブルに介入してくれた先輩方がもれなく呪いをかけられていた。
ポールとデイジーはその対象ではなかったようで、無事だった。
さすがにこれはギルマスに報告案件だよな……
俺たちは先輩たちと一緒に、冒険者ギルドへ急いだのだった。
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