勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
上 下
155 / 322
第4章 ここから始まる勇者様?

三十七日目① 次の目標

しおりを挟む
「朝……か……」

 目を覚ますと昨日頑張り過ぎたのか、ちょっと身体がだるい感じがした。
 気のせい……というには少ししんどい感じがするな。
 
 俺はだるい身体に鞭打って身体お起こし、柔軟体操をしてみる。
 ものすごくメキメキと身体が鳴るので、相当凝り固まってしまったらしい。
 そりゃ一日中つるはし振りまくってたら身体にくなるよなって思えた。
 
 あらかた身体がほぐれると、さっきまでの違和感はある程度解消できた。
 やっぱり疲れがたまってしまったみたいだな。

 ストレッチを終えた俺はリビングへ移動した。
 うん、階段も若干降りづらいな……
 ほんと、運動不足は嫌になっちゃう。

 やはり起きたのは俺が一番遅かったようだ。
 みんな既に朝食を食べ始めていた。

「おはようカイト。だいぶ遅かったわね?」

 俺が降りてきたことに気がついたエルダが、先に声をかけてきた。

「おはようみんな。遅くなってごめん。」
「遅いよー。ポールが何度か起こしに行ったら、返事は返ってきたみたいだから、起きてるものだと思ってたよ。」

 ポールに悪いことしたみたいだな。
 おそらく寝ぼけて返事だけしていたのかもしれない。

「ホール、ごめん。手間取らせちゃったみたいだね。」
「いや、問題無い。それより顔洗って食事にしたらどうだ?」
「そうするよ。」

 俺は洗顔などの身支度をして朝食を始めた。
 いつもと味が少し違うけど、これはこれでありだと思った。

「うん、うまい。」

 俺はなんの気無しにうまいと表現すると、鼻歌交じりのデイジーが物凄くご機嫌になったのが見て取れた。
 なるほど、今日はデイジーが頑張って作ったんだね。
 ほんと、家の女性陣には頭があがらないね。

「それじゃあ今日の予定だけど冒険者ギルドに依頼品を納品してから、また【鉱山跡地ダンジョン】で残りの鉄鉱石を採取って流れだけど問題ないかな?」
「それで行こう。おそらくそうなるだろうと、話していたしな。」

 なるほど、俺が起きる前にみんなで話してたのか。
 本当にポールは有能だな。



 俺たちは朝食の後、すぐに冒険者ギルドへ移動した。

 やはりなんだか調子が悪い。
 何となくだけど、体が重い気がしてならない。
 大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど……
 戦闘に微妙に影響が出そうで少し怖い気がした。

 ギルドに着いた俺たちはキャサリンさんに声をかけた。

「「「「おはようございます」」」」
「おはよう。今日はどういった用事ですか?」

 いつものように朗らかな笑みを見せるキャサラインさん。
 ほんと、若々しいというかなんというか……出来るお姉さんって感じだよね。
 たまにかけてるメガネがまた知的さを印象付けている気がする。
 
「受けていた薬師ギルドの依頼が完成したので持ってきまいた。依頼品の確認してもらっていいですか?」
「じゃあ、また裏手の倉庫に出してもらえるかしら。」
「わかりました。」

 俺は勝手知ったるなんとやら。
 案内されるでもなく裏手の倉庫へ向かった。
 デイジーたちには依頼書のチェックをお願いしてある。
 良いのが有ったら受けてもらうためだ。
 時間は有効的に使わないとね。


 
「お、来たね。話は聞いてるよ。」
「おはようございますガレオンさん。」
 
 倉庫に付くと既にガレオンさんがスタンバっていた。
 挨拶もそこそこに依頼品についての話を進める。

「そこに並べてもらっていいかい?」
「このあたりでいいですか?」
「頼む!!」

 俺は言われるがまま、指示された場所に【簡易薬物作業台】と【精製水蒸留装置】を取り出して並べていく。
 ドンドンと置かれていく製品に、ガレオンさんの表情が少し引きつっていた。
 まあ、気にしないことにした。
 少しして全ての製品を並び終えると、そこは展示会場そのものだった。

「こりゃ壮観だね~。とりあえず個数の確認はできたから、この木札を持て行って精算してくれ。」

 俺は木札を貰うと、すぐに精算カウンターへ向かった。


報酬:金貨440枚
簡易薬物作業台……1200 ×20 =24000=金貨240枚
精製水蒸留装置……1000 ×20 =20000=金貨200枚


 お金はすべてパーティー口座に入れてもらった。
 みんなで素材集めをしたんだからいいよね?

 俺は清算を終えると、みんなの元に移動した。

「おわったよ~。そっちは何かいいのあった?」
「一応あったけど、カイトが行ったことが無い場所なんだよね~。みんなで話してて、どうしようかって。」

 デイジーは一枚の依頼書を指差して見せた。
 それを見たおれは確かに少し困ってしまった。

・鎧岩蟻の顎の納品:鎧岩蟻の顎を5個納品。銅貨175枚。※納品期限3日以内。

「鎧岩蟻ってもしかして【アーマードロックアント】?」
「そうね。その出現場所は【鉱山跡地ダンジョン】までの間にある巣を攻撃する。または【鉱山跡地ダンジョン】第4層以降に入る。そんな感じね。」

 なるほどね~。
 まだ第3層に入ったばっかりの俺はみんなに心配されていたらしい。
 そこまで過保護にしなくてもいのでは?とも思ったりもするが、ありがたいっちゃありがたいね。

「今回は受けないでおこう。失敗したときのペナルティーを受けるのは避けた方がいいからね。」

 俺が現実的な話をすると、みんなもそれに納得を示してくれた。
 依頼失敗はランクに影響を与えるから、極力失敗はしたくないからね。

「じゃあ、今日も張り切って【鉱山跡地ダンジョン】へいこっか。」

 俺たちは依頼を諦めて、【鉱山跡地ダンジョン】へ向かった。
しおりを挟む
本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
感想 77

あなたにおすすめの小説

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。