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第3章 ここから始まる転換点?
三十四日目⑨ モンス肉はやばい
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街へ帰る際に、オーク肉の扱いについて話し合った。
正直オーク肉400kgなんて持っていても仕方がない。
いくら収納箱(簡易)で荷物の圧縮したところで、消費しきれない。
しかもこれから何回も来ることになるであろう場所なので、今から備蓄するのはどうなんだろうか。
「キッチンを預かっているエルダとしてはどうなの?」
「そうね、カイトに保管してもらってれば劣化しないって言っても、そこまでは必要ないわね。100kgもあれば十分すぎるわ。それに霜降り肉も17kgもあるんでしょ?これは5kgもあれば十分よ。たぶん一回食べると当分いらなくなるから。」
エルダの言葉に引っ掛かりを覚えた。
一回食べると当分いらないって……。
うまいんじゃないの?
「あら?不思議そうな顔ね?霜降り肉は脂分が多いから、一口二口は良いの。でも量を摂ると……あきるのよ。だから一人100gもあれば十分ってこと。逆にオーク肉の方はどんな料理にも使えるから、重宝するわ。」
なるほど、つまりはたまに食べるごちそう的な?そんな感じなんだろうな。
「そういえばカイト。オークの睾丸はどうした?とっていたんだろ?」
……。
言えない。
捨てて来たなんて言えない。
「どうした?まさか……。捨てたのか?!」
「カイト⁉」
ポールとデイジーが驚きを隠せないでいた。
実は最初にエルダから、睾丸は高値で取引されるから必ず回収するように言われていた。
しかし、解体して思った。
これは取り扱いたくないと……
エルダも解体で出て来た睾丸を見て、ものすごく嫌な顔をしていた。
取り出した場所が場所だけに。
2人してそっと内臓と一緒に処分したのだ。
取引金額も聞いている。
1つ金貨5枚。
今回は4匹分で8個金貨40枚だ。
でも……それでも、生理的に無理だった。
「デイジー。今度俺と一緒に解体作業しよう。そうすればわかるから……」
ポールは俺の言っている意味を理解したようで、ものすごく嫌な顔をした。
その解体を俺たち二人にやらせたんだけどね。
そして、一緒に解体作業をすると聞いて、デイジーも嫌な顔をしていた。
デイジー、君も知っているんだろ?
結果、ギルドに卸すのは次のようになった。
・オークの肉(500g) 600個(300kg)
・オークの霜降り肉(250g) 48個(12kg)
・オークの骨(500g) 100本
ギルドに卸す分を収納箱(簡易)に移し替えていく。
その数8箱になってしまった。
「それにしても、普通じゃありえない量よね?」
「そうなのか?」
「そうよ。ふつうは一回ダンジョン行って50kgとか100kg取れたら万歳よ?それをオーク肉で400kgって異常よ?」
デイジーはそのでたらめな量に、いまだに納得がいかないという感じだ。
「でも霜降り肉が食べられるからいいだろ?」
「そうなんだけどね~~~。」
本当にデイジーはわかりやすいな。
スキップしながらデイジーの隣を歩いている。
そんなこんなで俺たちは街へと戻ってきたのだった。
俺たちは、そのまま冒険者ギルドに向かった。
ギルド会館はいつも通り、酒場でどんちゃん騒ぎ。
ドンだけ体力有り余ってんだろうな。
受付にはキャサリンさんがいて、帰ってきたことを知らせた。
「おかえりなさい。どうだった【新緑のダンジョン】は。」
「えぇ、自分の未熟さを痛感しました。」
俺は恥ずかしさのあまり、頭をカリカリとかいてしまった。
幼少期からの癖で、つい出てしまう。
「そう、それはよかったわ。」
「そうですね、いい経験が出来ました。仲間に感謝です。」
キャサリンさんは俺の返事を聞いて、優し気な笑みを浮かべていた。
その表情を見てキャサリンさんにはお見通しなんだなってそう思ってしまった。
「それじゃあ、精算しましょうか。」
「はい、それで量が量なので、裏を使わせてください。」
「わかったわ。誰か、ここをお願い。」
キャサリンさんは受付を交換してもらって、俺たちと一緒に裏に回った。
「で、カイト君。君またやらかしたわね?」
「え?やらかしてませんからね?はい、これが今回の分です。」
納品予定にしていた分を分けておいた収納箱(簡易)を、アイテムボックスから合計8箱取り出した。
それを見たキャサリンさんは既にあきらめの表情を浮かべていた。
さらに内容よそのおおよその量を説明すると、天井を見上げて生気を失ったようになってしまった。
あ、なんかごめんなさい。
それからしばらくしてキャサリンさんは正気に戻ると、すぐに追加の職員を呼び出した。
到着した職員にてきぱきと指示を出すキャサリンさん。
やっぱりできる女性はかっこいいよなって思ってしまった。
中身の確認して、報酬を割り出すから待っていてほしいそうだ。
俺たちは、待っている間にギルドの酒場で、食事をとることにした。
ついでだからと、デイジーから保管してもらってたオーク肉を陰で取り出してもらった。
量にして50kg。
そして全員一致で、マスターにステーキにしてもらうことにした。
一人1kgもあれば十分なので、残りはここにいる人で分けてもらった。
酒場にいた冒険者たちは、いきなりの差し入れにどっと沸きあがった。
次々と礼を言いに来る先輩たちと乾杯をしながら、俺たちもステーキにありついたのだった。
ものすごく旨かったとだけ言っておこう。
正直オーク肉400kgなんて持っていても仕方がない。
いくら収納箱(簡易)で荷物の圧縮したところで、消費しきれない。
しかもこれから何回も来ることになるであろう場所なので、今から備蓄するのはどうなんだろうか。
「キッチンを預かっているエルダとしてはどうなの?」
「そうね、カイトに保管してもらってれば劣化しないって言っても、そこまでは必要ないわね。100kgもあれば十分すぎるわ。それに霜降り肉も17kgもあるんでしょ?これは5kgもあれば十分よ。たぶん一回食べると当分いらなくなるから。」
エルダの言葉に引っ掛かりを覚えた。
一回食べると当分いらないって……。
うまいんじゃないの?
「あら?不思議そうな顔ね?霜降り肉は脂分が多いから、一口二口は良いの。でも量を摂ると……あきるのよ。だから一人100gもあれば十分ってこと。逆にオーク肉の方はどんな料理にも使えるから、重宝するわ。」
なるほど、つまりはたまに食べるごちそう的な?そんな感じなんだろうな。
「そういえばカイト。オークの睾丸はどうした?とっていたんだろ?」
……。
言えない。
捨てて来たなんて言えない。
「どうした?まさか……。捨てたのか?!」
「カイト⁉」
ポールとデイジーが驚きを隠せないでいた。
実は最初にエルダから、睾丸は高値で取引されるから必ず回収するように言われていた。
しかし、解体して思った。
これは取り扱いたくないと……
エルダも解体で出て来た睾丸を見て、ものすごく嫌な顔をしていた。
取り出した場所が場所だけに。
2人してそっと内臓と一緒に処分したのだ。
取引金額も聞いている。
1つ金貨5枚。
今回は4匹分で8個金貨40枚だ。
でも……それでも、生理的に無理だった。
「デイジー。今度俺と一緒に解体作業しよう。そうすればわかるから……」
ポールは俺の言っている意味を理解したようで、ものすごく嫌な顔をした。
その解体を俺たち二人にやらせたんだけどね。
そして、一緒に解体作業をすると聞いて、デイジーも嫌な顔をしていた。
デイジー、君も知っているんだろ?
結果、ギルドに卸すのは次のようになった。
・オークの肉(500g) 600個(300kg)
・オークの霜降り肉(250g) 48個(12kg)
・オークの骨(500g) 100本
ギルドに卸す分を収納箱(簡易)に移し替えていく。
その数8箱になってしまった。
「それにしても、普通じゃありえない量よね?」
「そうなのか?」
「そうよ。ふつうは一回ダンジョン行って50kgとか100kg取れたら万歳よ?それをオーク肉で400kgって異常よ?」
デイジーはそのでたらめな量に、いまだに納得がいかないという感じだ。
「でも霜降り肉が食べられるからいいだろ?」
「そうなんだけどね~~~。」
本当にデイジーはわかりやすいな。
スキップしながらデイジーの隣を歩いている。
そんなこんなで俺たちは街へと戻ってきたのだった。
俺たちは、そのまま冒険者ギルドに向かった。
ギルド会館はいつも通り、酒場でどんちゃん騒ぎ。
ドンだけ体力有り余ってんだろうな。
受付にはキャサリンさんがいて、帰ってきたことを知らせた。
「おかえりなさい。どうだった【新緑のダンジョン】は。」
「えぇ、自分の未熟さを痛感しました。」
俺は恥ずかしさのあまり、頭をカリカリとかいてしまった。
幼少期からの癖で、つい出てしまう。
「そう、それはよかったわ。」
「そうですね、いい経験が出来ました。仲間に感謝です。」
キャサリンさんは俺の返事を聞いて、優し気な笑みを浮かべていた。
その表情を見てキャサリンさんにはお見通しなんだなってそう思ってしまった。
「それじゃあ、精算しましょうか。」
「はい、それで量が量なので、裏を使わせてください。」
「わかったわ。誰か、ここをお願い。」
キャサリンさんは受付を交換してもらって、俺たちと一緒に裏に回った。
「で、カイト君。君またやらかしたわね?」
「え?やらかしてませんからね?はい、これが今回の分です。」
納品予定にしていた分を分けておいた収納箱(簡易)を、アイテムボックスから合計8箱取り出した。
それを見たキャサリンさんは既にあきらめの表情を浮かべていた。
さらに内容よそのおおよその量を説明すると、天井を見上げて生気を失ったようになってしまった。
あ、なんかごめんなさい。
それからしばらくしてキャサリンさんは正気に戻ると、すぐに追加の職員を呼び出した。
到着した職員にてきぱきと指示を出すキャサリンさん。
やっぱりできる女性はかっこいいよなって思ってしまった。
中身の確認して、報酬を割り出すから待っていてほしいそうだ。
俺たちは、待っている間にギルドの酒場で、食事をとることにした。
ついでだからと、デイジーから保管してもらってたオーク肉を陰で取り出してもらった。
量にして50kg。
そして全員一致で、マスターにステーキにしてもらうことにした。
一人1kgもあれば十分なので、残りはここにいる人で分けてもらった。
酒場にいた冒険者たちは、いきなりの差し入れにどっと沸きあがった。
次々と礼を言いに来る先輩たちと乾杯をしながら、俺たちもステーキにありついたのだった。
ものすごく旨かったとだけ言っておこう。
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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