131 / 322
第3章 ここから始まる転換点?
三十四日目④ 【新緑の森ダンジョン】
しおりを挟む
ドロップアイテムをアイテムボックスへしまった俺たちは、さらに森を進んでいく。
途中で合計5匹のオークと遭遇し、戦闘訓練を行った。
エルダも調整に慣れたようで、何とか被害無く倒し切ることができた。
そして魔方陣がいかに有用かというのが理解できた。
試しにとエルダが水撃の【魔光陣】を空中に展開し、低威力で発動させた。
その後に、水撃の【魔光陣】を別な空中に展開してみたのだ。
これはまだ試したことが無かったようで、レンさんからはそういう使い方も可能だとは聞いていたようだった。
二つの【魔光陣】が展開されて、エルダのMPを吸収しつつ一定間隔で水弾が目標物に向かって飛んでいくのだ。
これには俺たちも驚いてしまった。
今はエルダのMPの都合上で3つまでの展開と維持が限界だった。
つまりこれからMPの上限が増えればもっと増やせるし、瞬間火力を上げようと思うとMPが許す限り青天井になるのだ。
それに、集中力をかなり使うからまだ1つしか制御できないけど、【魔光陣】を移動させることも可能だそうだ。
つまりは相手を追尾する。
または自分を追尾することが可能となるのだ。
かなり反則臭いなこれ。
しかし、欠点もある。
展開数を増やすと一気にMPを持っていかれるそうだ。
そして移動させた場合は、周囲の警戒がおろそかになってしまうそうだ。
そんなデメリットよりも余りあるメリットが際立ってしまった。
本当にレンさんって何者なんだろうか。
そんなこんなで俺たちは、目的地の【新緑の森ダンジョン】へ到着した。
ここにも【鉱山跡地ダンジョン】と同様にどでかい門が見えてきた。
遠くからでもわかるほどの大きさで、森の中に悠然とその存在を誇示しているようだった。
「ようこそ【新緑の森ダンジョン】へ。君たちはここは初めてかい?」
そう言ってきたのは、受付担当の魔人族の男性だった。
彼は見た目的には20代くらいに見えるけど、魔人族は青年期が長いらしく、実は70歳くらいとかありえるそうだ。
寿命も最長で200歳くらいで、人間の約2倍くらいは生きるそうだ。
「はい、ここは初めてですね。【鉱山跡地ダンジョン】は何度か潜りましたが。」
「そうですか、では腕輪や内部での注意事項の説明は不要ですね。では冒険者証の提示をお願いします。」
俺たちは男性に冒険者証を提示すると受付は完了した。
「ではお気をつけていってらっしゃい。無理はしてはダメですよ?」
なんて優しい人なんだ。
魔人族とは言うけれど、俺たちと何ら変わらないんだなと感じた。
「あ、そうだ。確認し忘れていました。王国との戦争状態は解除されたんですか?」
「はい、それは解除済みです。通常に戻ってますので問題ありませんよ。ただ、準戦時状態ではありますので、突如の変遷にお気を付けくださいね。」
良かった。これでまともに潜れそうだ。
ただ、国王が変わってもまだ準戦時状態を維持していることは、信用されてはいないんだなってことが 伺える。
まあ、それがきっと普通なんだろうな。
受付を済ませた俺たちは【新緑の森ダンジョン】へと足を踏み入れたのだった。
「じゃあ、みんな。気を引き締めていこう!!」
俺はリーダーらしくみんなに注意を促した。
ダンジョンとは一歩間違えればそのまま死に直結してしまう場所なのだから。
「どうしたのカイト。なんでそんなに気合を入れてるの?ここは推奨Eランクオーバーのダンジョンだよ?第1層なんてメインはゴブリンとオークだけだし。問題ない場所だよ?」
「え?」
俺はデイジーの言葉に我を失いかけた。
エルダに目を向けると、すごく申し訳なさそうにしていた。
ポールも何か良く分からない的な表情をしていた。
「ごめんなさいカイト。説明不足だったわ。ここも【鉱山跡地ダンジョン】と脅威度で言えば大差がない場所なのよ。むしろモンスターを斬れるだけ倒しやすいと言えるわ。【鉱山跡地ダンジョン】は対策さえすれば無双が可能だから人気が高いけど。」
「まじですか?」
俺はあっけにとられていた。
俺の気合を返してほしい。
「つまりどういうこと?」
「それは第10層までは私達でも問題なく対応が可能だってことよ。」
「無理をしなければ問題なく攻略を進められるだろうな。」
デイジーとポールが説明してくれるけど、あまり入ってこなかった。
精神的ダメージが大きすぎた。
「エルダはちなみにここだと第何層まで進んだんだ?」
「私?私はパーティー組んでた時は第17層までだったかな?」
「エルダすご~い。やっぱりCランクだけあるねぇ~。」
デイジーも驚いていた。
デイジーとポールはまだ第10層まで行けていないそうだ。
ということで当分はここを中心に目標第10層として頑張ることにした。
俺はいったいいつになったらエルダに追いつけるんだろうな……
つか、この前の【鉱山跡地ダンジョン】での苦戦って、完全に俺が足を引っ張ってたってことじゃないか!?
マジで頑張らんとエルダにおんぶにだっこになってしまう。
それだけは嫌だ!!
そして俺たちは本格的に【新緑の森ダンジョン】の探索を開始した。
途中で合計5匹のオークと遭遇し、戦闘訓練を行った。
エルダも調整に慣れたようで、何とか被害無く倒し切ることができた。
そして魔方陣がいかに有用かというのが理解できた。
試しにとエルダが水撃の【魔光陣】を空中に展開し、低威力で発動させた。
その後に、水撃の【魔光陣】を別な空中に展開してみたのだ。
これはまだ試したことが無かったようで、レンさんからはそういう使い方も可能だとは聞いていたようだった。
二つの【魔光陣】が展開されて、エルダのMPを吸収しつつ一定間隔で水弾が目標物に向かって飛んでいくのだ。
これには俺たちも驚いてしまった。
今はエルダのMPの都合上で3つまでの展開と維持が限界だった。
つまりこれからMPの上限が増えればもっと増やせるし、瞬間火力を上げようと思うとMPが許す限り青天井になるのだ。
それに、集中力をかなり使うからまだ1つしか制御できないけど、【魔光陣】を移動させることも可能だそうだ。
つまりは相手を追尾する。
または自分を追尾することが可能となるのだ。
かなり反則臭いなこれ。
しかし、欠点もある。
展開数を増やすと一気にMPを持っていかれるそうだ。
そして移動させた場合は、周囲の警戒がおろそかになってしまうそうだ。
そんなデメリットよりも余りあるメリットが際立ってしまった。
本当にレンさんって何者なんだろうか。
そんなこんなで俺たちは、目的地の【新緑の森ダンジョン】へ到着した。
ここにも【鉱山跡地ダンジョン】と同様にどでかい門が見えてきた。
遠くからでもわかるほどの大きさで、森の中に悠然とその存在を誇示しているようだった。
「ようこそ【新緑の森ダンジョン】へ。君たちはここは初めてかい?」
そう言ってきたのは、受付担当の魔人族の男性だった。
彼は見た目的には20代くらいに見えるけど、魔人族は青年期が長いらしく、実は70歳くらいとかありえるそうだ。
寿命も最長で200歳くらいで、人間の約2倍くらいは生きるそうだ。
「はい、ここは初めてですね。【鉱山跡地ダンジョン】は何度か潜りましたが。」
「そうですか、では腕輪や内部での注意事項の説明は不要ですね。では冒険者証の提示をお願いします。」
俺たちは男性に冒険者証を提示すると受付は完了した。
「ではお気をつけていってらっしゃい。無理はしてはダメですよ?」
なんて優しい人なんだ。
魔人族とは言うけれど、俺たちと何ら変わらないんだなと感じた。
「あ、そうだ。確認し忘れていました。王国との戦争状態は解除されたんですか?」
「はい、それは解除済みです。通常に戻ってますので問題ありませんよ。ただ、準戦時状態ではありますので、突如の変遷にお気を付けくださいね。」
良かった。これでまともに潜れそうだ。
ただ、国王が変わってもまだ準戦時状態を維持していることは、信用されてはいないんだなってことが 伺える。
まあ、それがきっと普通なんだろうな。
受付を済ませた俺たちは【新緑の森ダンジョン】へと足を踏み入れたのだった。
「じゃあ、みんな。気を引き締めていこう!!」
俺はリーダーらしくみんなに注意を促した。
ダンジョンとは一歩間違えればそのまま死に直結してしまう場所なのだから。
「どうしたのカイト。なんでそんなに気合を入れてるの?ここは推奨Eランクオーバーのダンジョンだよ?第1層なんてメインはゴブリンとオークだけだし。問題ない場所だよ?」
「え?」
俺はデイジーの言葉に我を失いかけた。
エルダに目を向けると、すごく申し訳なさそうにしていた。
ポールも何か良く分からない的な表情をしていた。
「ごめんなさいカイト。説明不足だったわ。ここも【鉱山跡地ダンジョン】と脅威度で言えば大差がない場所なのよ。むしろモンスターを斬れるだけ倒しやすいと言えるわ。【鉱山跡地ダンジョン】は対策さえすれば無双が可能だから人気が高いけど。」
「まじですか?」
俺はあっけにとられていた。
俺の気合を返してほしい。
「つまりどういうこと?」
「それは第10層までは私達でも問題なく対応が可能だってことよ。」
「無理をしなければ問題なく攻略を進められるだろうな。」
デイジーとポールが説明してくれるけど、あまり入ってこなかった。
精神的ダメージが大きすぎた。
「エルダはちなみにここだと第何層まで進んだんだ?」
「私?私はパーティー組んでた時は第17層までだったかな?」
「エルダすご~い。やっぱりCランクだけあるねぇ~。」
デイジーも驚いていた。
デイジーとポールはまだ第10層まで行けていないそうだ。
ということで当分はここを中心に目標第10層として頑張ることにした。
俺はいったいいつになったらエルダに追いつけるんだろうな……
つか、この前の【鉱山跡地ダンジョン】での苦戦って、完全に俺が足を引っ張ってたってことじゃないか!?
マジで頑張らんとエルダにおんぶにだっこになってしまう。
それだけは嫌だ!!
そして俺たちは本格的に【新緑の森ダンジョン】の探索を開始した。
869
本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
お気に入りに追加
3,346
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。