勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
上 下
128 / 322
第3章 ここから始まる転換点?

三十四日目① いざ行かん!!

しおりを挟む
「おはようみんな。ちょっと話が有るんだけどいいかな?」

 俺は朝起きると、真っ先にリビングへと向かった。
 リビングにはみんな揃っていて、俺の第一声に何かあったのかと訝しんでいた。

「俺は決めたんだ。俺は……。俺は………!!俺は作業場を増築する!!」
「そっか。」
「まあ、カイトだからな。」
「カイト、思いつめてたからなんだと思ったよ。」

 俺は一世一代のつもりでみんなに宣言した。
 しかし、みんなの反応はいまいちだった。

 あれ?意外と皆さん予想してた?

「ちょ、俺一世一代のつもりで話したんですけど?!」
「いや、だってねぇ~。ここって誰の家なの?」
「俺たちのでしょ?」

 何を馬鹿なことを言ってるんですかデイジーさん。
 決まっているではないですか。

「たぶんそこの認識からして間違ってるよ?ここはカイトの家だからね?改装OKって内容でカイトが契約を結んだんだからそうでしょ?」
 
 デイジーが何を言っているか分からないって顔で小首を傾げていた。
 た、確かにそういう契約だったような……
 ヤバイ……契約内容あまり覚えてないや。
 あとでもう一度契約書を見直さないとだめだね。

「だったら、カイトがどう魔改造しようがカイトの自由でしょ?ましてやカイトの個人資産で改造するんだから、私たちには何も言えないでしょ?」

 やばい、デイジーがまともなこと言ってる。
 あ、いやごめんなさい。睨まないでください。

「あと、どこか直したい場所とかある?」
「私はキッチンを新調したいわね。最近新しいモデルが出たっていうし。みんなにもおいしい料理食べてほしいから。」

 エルダからは、エルダらしい返答があった。
 本当にエルダには頭が上がらないな。
 いつもおいしい料理ありがとうござます。
 キッチンを直しても罰は当たならにだろうね。
 むしろ日頃の感謝を込めて新調するのもありだな。

「あ、じゃあ私はお風呂の修繕をお願いします!!もっと広いお風呂がいいな。できれば大人数で入っても問題ないやつ。」

 今のままでも十分だと思うんだけど、デイジー的にはまだ足りないのかな?

「デイジー、お風呂で泳ごうとしないの。カイト、お風呂はそのままでも十分よ。どこも傷みとか無いからね。」
「たしかに、風呂は今のままでも十分だな。」

 確かに風呂は今のままでも十分にくつろげるサイズはある。
 最初にここを建てた人がこだわって作ったようで、ゆったりとした造りになっていた。

「じゃあ、キッチンの改装が第2候補だな。あとは可能だったら、風呂の給湯系の魔道具を新しいのに変えよっか。」
「あ、カイト。それいいね!!」

 デイジーも自分の意見が少し通ったことで、機嫌がよくなっていた。
 本当にデイジーって見てて飽きないな。

 お金の使い方も決まったし、その辺は木工ギルドと魔道具ギルドに話を通しておこう。

「それじゃあ、冷めないうちに朝食にしましょう。デイジー運ぶの手伝って。」
「は~い。カイトたちはダイニングの準備おねが~い。」

 エルダとデイジーはキッチンへ朝食を取りに行ってくれた。
 俺とポールはダイニングテーブルを片付けて食器類を準備していく。

「そういえばカイト。庭はいじらないのか?」
「庭ねぇ~。俺そう言うの詳しくないからなぁ~。」

 まさかポールから庭について話が出てくるとは思わなかったよ。

「なら、ちょっとした訓練施設でも作ったらどうだろうか?」
「あ、確かにそれ良いかも。軽く試射出来たり模擬戦できるといいよね。」

 よし、それも候補に入れておこう。
 
 そんなこんなでポールと話していると、エルダとデイジーの手によって次々と朝食が運び込まれてきた。
 本日のメニューは、スクランブルエッグと厚切りベーコン。オニオンスープにパンとサラダ。
 あれ?結構手が込んでるな。

「デイジーも手伝ってくれたからいっぱい作っちゃった。」
「私だってやれば出来るんだからね!!」

 本当にデイジーはすごいな。
 ポジティブというかなんというか。
 まさに元気印って感じがするよ。



 俺たちは朝食を摂ると、そのまま冒険者ギルドへ向かった。
 今日の目的は森の最奥の深緑の森で調整と、【新緑のダンジョン】に初トライすることだ。
 ギルドの掲示板は、やはり争奪戦が繰り広げられていた。
 俺たちはこれといって何か狙っているわけではないので、【新緑のダンジョン】の常設依頼を確認していた。

・オークの肉納品(1kg)銅貨20枚
・オークの霜降り肉納品(250g)銅貨100枚

 うん、この二つが常設依頼で載ってるので、これでいいだろう。

「カイト~、これ見てこれ。急募だって。」

・オークの霜降り肉納品(5kg)銅貨3000枚

「ナイスデイジー。常設依頼のより高額じゃないか。で、期限は?」
「今日の夜。」
「「「却下!!」」」
「えぇ~。」

 どう考えても間に合うわけがない。
 前に少し調べたら、本当に極稀にしかドロップしないってなってたからね。
 達成できなかったときのペナルティの方が問題になってくる。

 ということで、常設依頼を確認した俺たちは、東門へ向かった。
 今日の目的地は東の森のその先。
 久しぶりの探索で少しワクワクしている自分がいた。
しおりを挟む
本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
感想 77

あなたにおすすめの小説

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。