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第3章 ここから始まる転換点?
二十九日目⑦ 父親だもの
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「そうだ。ここで会ったのもなんだから、少し訓練していくか?」
「え?ほんと?みんなも大丈夫?」
ジェダンの申し出はとてもありがたかった。
何せジェダンは聞く話によるとSランク冒険者だ。
しかも現役バリバリの。
そんな人から稽古してもらえる機会なんて、そうめったにあるものじゃない。
「じゃあ、エルダは魔法だからレイに見てもらえ。レイの魔法っていうか魔術?魔方陣術?ま、見ればわかるが、すごいことになるからな。良い経験になるはずだ。」
ジェダンさんからのレイ……さん?の紹介の仕方はいまいち要領を得なかった。
しかし、高位の魔法使いであることは何となく伝わってきた。
「レイさん、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしく。」
エルダとレイさんは魔法用の訓練場へ移動していった。
何だろうか、少しモヤッとしてしまった。
「デイジーちゃんは今何の職業なんだい?」
次は……っといった感じでデイジーに話を振るジェダンさん。
うん、俺……誰も見て無くない?
「今はスナイパーだよ。魔導弓の長距離射撃が中心かな?最大射程は1200m。有効射程は500mがいいところ。」
「そりゃすごい。鍛えがいがありそうだな。なぁ、カナデ。デイジーちゃんを見てくれるか?」
「…………うん。じゃあ、こっち。」
やっと聞こえた!!
そしてカナデさんに手を引かれて、デイジーもまた別な訓練場へと移動していった。
「ポールは……盾使いか。うちのチームに居ないタイプだな。」
「え?ではどうやって守るんですか?」
ポールの疑問はもっともだ。
盾使いがいないと戦線の構築は難しくなる。
機動性を特化させたりするならわかるけど……
「あぁ、それはムーがいるから問題ない。ムーのやつ打撃無効化のスキル持ちだし、ほとんどの属性も耐性持ちだ。しかも、回復魔法に強化魔法。しまいにゃ、属性魔法も使いこなす。マルチプレイヤーだ。極めつけは分裂スキルで、個体を増やせると来た。こいつに勝てる気が全くしないよ。」
ジェダンさんはそう言うと盛大に笑って見せた。
つか、もう笑うしかないだろそれ。
どうやって倒すかなんて考えるだけ無駄にしかならない。
会ったら速攻逃げるよ、まじで。
「盾使い教えられる。ラー君に教えてもらったから。」
そう言うと身体の一部を縦のよう形にしてぶんぶんと振り回す少年……ムー君?で良いのかな?
その無表情だけど、気合いが入ったって伝わってくるのはなんでなんだろうか?
「ん?そうか、じゃあムーにお願いするか。頼んだ。」
「うん、任された。あと、攻撃をジョウジにお願いしたい。できる?」
「かまいませんよ?じゃあ、ポール君だっけ?よろしくね?」
「はい!!」
気合十分のポールとムー君?さん?とジョウジさんは、訓練場の中央に戻り、訓練を始めたのだった。
遠くから魔法が炸裂する音が聞こえてくる。
こちらから見える限りではエルダの魔法じゃないみたいだ。
空中に見たことの無い模様が浮かぶと、大きな雷が発生したからだ。
あんな魔法があるなんて聞いたことないよ。
また別の場所からも何かを射抜く音が聞こえる。
しかもリズムよく。
デイジーも頑張っているんだろうな。
ポールもまた、ジョウジさんに転がされながらも懸命にくらいついていっていた。
ムーさんでいいや。ムーさんからの指導も的確らしく、どんどん動きが良くなっていった。
うん、みんなの成長がすごいや。
……
…………
………………
気が付いただろうか……
おれ、取り残されてるんだぜ?
いつ紹介してくれるか待ってたんだけど、なし崩し的に訓練が始まったので、名のれなかった。
「さてと、俺は少し休憩するかな。さすがに歳には勝てんな。」
「何を言っておるのじゃ?お主はまだまだいけてるのじゃ。」
みんなの訓練を見送ったジェダンさんは背伸びをしながら体をほぐしてた。
アウラさんの言う通り、歳という割には全然衰えているようには見えないな。
「ん?そういえば、君は?」
あ、やっと気が付いたらしい。
もう泣いていいのかな?
「あ、えぇっと。」
心が立ち直ったので改めて挨拶しようとしたところで、奥から全力ダッシュしてくる音が聞こえてきた。
「ごめ~~~~~~~~~~ん!!!!!」
息を切らせながら、エルダが走ってこっちに向かってきた。
「どうしたんだエルダ?そんなに慌てて。」
「はぁ、はぁ、はぁ。お、お父さんに、しょ、紹介したい人がいるの。」
あれ?ジェダンさんからいきなり殺気が発せられてきたよ?
しかも、これ本気のやつ。
俺の足が動かないんですけど?
手も震えるんですけど?
「ほう?どこの馬の骨だ?いや、今すぐ骨にすべきか?」
あ、俺死んだなこれ。
死亡フラグ確定か……
「ち、違うわお父さん。カイトはそんなんじゃなくて……」
「ほう、その馬はカイトと言うのか。エルダすまんな。そいつに会わせてくれないか。この気持ちをぶつける必要があるらしい。」
エルダさん。普通に紹介してくれてもよかったんだよ?
ほら見てよ、俺の手足が言うことを聞かないんだよ?
それにジェダンさんの表情なんて、100年来の敵にでもあったくらいに険しい物があるよ?
「この人がカイトよ。」
ギン!!!!
ジェダンさんの視線で、すでに殺されそうです。
拝啓父さん母さん。
俺ももうすぐそっちに行けそうです……
「え?ほんと?みんなも大丈夫?」
ジェダンの申し出はとてもありがたかった。
何せジェダンは聞く話によるとSランク冒険者だ。
しかも現役バリバリの。
そんな人から稽古してもらえる機会なんて、そうめったにあるものじゃない。
「じゃあ、エルダは魔法だからレイに見てもらえ。レイの魔法っていうか魔術?魔方陣術?ま、見ればわかるが、すごいことになるからな。良い経験になるはずだ。」
ジェダンさんからのレイ……さん?の紹介の仕方はいまいち要領を得なかった。
しかし、高位の魔法使いであることは何となく伝わってきた。
「レイさん、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしく。」
エルダとレイさんは魔法用の訓練場へ移動していった。
何だろうか、少しモヤッとしてしまった。
「デイジーちゃんは今何の職業なんだい?」
次は……っといった感じでデイジーに話を振るジェダンさん。
うん、俺……誰も見て無くない?
「今はスナイパーだよ。魔導弓の長距離射撃が中心かな?最大射程は1200m。有効射程は500mがいいところ。」
「そりゃすごい。鍛えがいがありそうだな。なぁ、カナデ。デイジーちゃんを見てくれるか?」
「…………うん。じゃあ、こっち。」
やっと聞こえた!!
そしてカナデさんに手を引かれて、デイジーもまた別な訓練場へと移動していった。
「ポールは……盾使いか。うちのチームに居ないタイプだな。」
「え?ではどうやって守るんですか?」
ポールの疑問はもっともだ。
盾使いがいないと戦線の構築は難しくなる。
機動性を特化させたりするならわかるけど……
「あぁ、それはムーがいるから問題ない。ムーのやつ打撃無効化のスキル持ちだし、ほとんどの属性も耐性持ちだ。しかも、回復魔法に強化魔法。しまいにゃ、属性魔法も使いこなす。マルチプレイヤーだ。極めつけは分裂スキルで、個体を増やせると来た。こいつに勝てる気が全くしないよ。」
ジェダンさんはそう言うと盛大に笑って見せた。
つか、もう笑うしかないだろそれ。
どうやって倒すかなんて考えるだけ無駄にしかならない。
会ったら速攻逃げるよ、まじで。
「盾使い教えられる。ラー君に教えてもらったから。」
そう言うと身体の一部を縦のよう形にしてぶんぶんと振り回す少年……ムー君?で良いのかな?
その無表情だけど、気合いが入ったって伝わってくるのはなんでなんだろうか?
「ん?そうか、じゃあムーにお願いするか。頼んだ。」
「うん、任された。あと、攻撃をジョウジにお願いしたい。できる?」
「かまいませんよ?じゃあ、ポール君だっけ?よろしくね?」
「はい!!」
気合十分のポールとムー君?さん?とジョウジさんは、訓練場の中央に戻り、訓練を始めたのだった。
遠くから魔法が炸裂する音が聞こえてくる。
こちらから見える限りではエルダの魔法じゃないみたいだ。
空中に見たことの無い模様が浮かぶと、大きな雷が発生したからだ。
あんな魔法があるなんて聞いたことないよ。
また別の場所からも何かを射抜く音が聞こえる。
しかもリズムよく。
デイジーも頑張っているんだろうな。
ポールもまた、ジョウジさんに転がされながらも懸命にくらいついていっていた。
ムーさんでいいや。ムーさんからの指導も的確らしく、どんどん動きが良くなっていった。
うん、みんなの成長がすごいや。
……
…………
………………
気が付いただろうか……
おれ、取り残されてるんだぜ?
いつ紹介してくれるか待ってたんだけど、なし崩し的に訓練が始まったので、名のれなかった。
「さてと、俺は少し休憩するかな。さすがに歳には勝てんな。」
「何を言っておるのじゃ?お主はまだまだいけてるのじゃ。」
みんなの訓練を見送ったジェダンさんは背伸びをしながら体をほぐしてた。
アウラさんの言う通り、歳という割には全然衰えているようには見えないな。
「ん?そういえば、君は?」
あ、やっと気が付いたらしい。
もう泣いていいのかな?
「あ、えぇっと。」
心が立ち直ったので改めて挨拶しようとしたところで、奥から全力ダッシュしてくる音が聞こえてきた。
「ごめ~~~~~~~~~~ん!!!!!」
息を切らせながら、エルダが走ってこっちに向かってきた。
「どうしたんだエルダ?そんなに慌てて。」
「はぁ、はぁ、はぁ。お、お父さんに、しょ、紹介したい人がいるの。」
あれ?ジェダンさんからいきなり殺気が発せられてきたよ?
しかも、これ本気のやつ。
俺の足が動かないんですけど?
手も震えるんですけど?
「ほう?どこの馬の骨だ?いや、今すぐ骨にすべきか?」
あ、俺死んだなこれ。
死亡フラグ確定か……
「ち、違うわお父さん。カイトはそんなんじゃなくて……」
「ほう、その馬はカイトと言うのか。エルダすまんな。そいつに会わせてくれないか。この気持ちをぶつける必要があるらしい。」
エルダさん。普通に紹介してくれてもよかったんだよ?
ほら見てよ、俺の手足が言うことを聞かないんだよ?
それにジェダンさんの表情なんて、100年来の敵にでもあったくらいに険しい物があるよ?
「この人がカイトよ。」
ギン!!!!
ジェダンさんの視線で、すでに殺されそうです。
拝啓父さん母さん。
俺ももうすぐそっちに行けそうです……
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