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第3章 ここから始まる転換点?
二十九日目⑥ 突然の……
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「お父さん!!」
エルダはそう叫ぶと、一目散に駆け出した。
向かう先は訓練場の真ん中。
今まさに訓練中のパーティーの処だ。
俺はあっけにとられてしまい、エルダの行動に付いて行けなかった。
事態を察した二人もエルダの後を追った。
俺は何が何だかわからず後ろから付いて行くことしかできなかった。
「んお?エルダじゃないか!?」
「どぉ~~~~っせい!!」
バチ~~~~~~~ン!!
エルダの勢いの乗った良いビンタが、その男性の左頬にクリーンヒットした。
ものすごくいい音がした。
「いきなり何するんだよ、エルダ。親子の再会じゃないか?!」
「うるさい!!この馬鹿親父!!」
エルダさんの口調がものすごく悪くなってるのは気のせいでしょうか……
はい、気のせいだってことにしておきます。
エルダさんから鋭い眼差しがあったことは気にしてはいけない。
お口にチャックします。
「ジェダン、この子は?」
「あぁすまんなレイ。この子は俺の娘だ。」
「はぁ~~~?ジェダン子持ちだったの?」
「兄さん、それは失礼なんじゃない?」
「ジョウジ……」
うん、なんて言っていいのか……
俺、蚊帳の外……
とりあえず、このスラっとした男性がジェダン。
エルダの父親だってのはわかった。
で、このレイと呼ばれる男性と、ジョウジと呼ばれた男性はいったい何者なんだ?
「お父さん!!いったい今まで何をやってたの?!ずっとずっとずっとずっと待ってたんだから……」
エルダはあふれる涙が我慢できなかったようだ。
両目から滝のような涙を流し、力なくジェダンの胸を叩き続けている。
それを受けたジェダンは、目を細めてそっとエルダの頭を撫でつけていた。
エルダが落ち着くまでずっと。
「レイ兄さん、本当の親子みたいですよ?」
「ジョウジ、さすがに俺でもこれはわかったからね?」
男性ふたりで何か話しているみたいだ。
「悪かったなエルダ。極秘の任務に就いていたので話せなかったんだ。それがやっとひと段落して戻ってこれたってわけだ。」
「でもでもでも、それでも家族にくらいは話してくれてもよかったじゃない!!心配したんだよ!!」
何となくエルダが幼く感じてしまった。
きっと、今まで我慢して生きてきたんだろうな。
これもまたエルダの素の部分だと思うとなんだかうれしく思えてしまう。
「ねぇ、ポール。私が懐かしく感じるのって変じゃないよね?」
「あぁ、俺も感じている。村でよく見た光景だな。」
「そうだよね?狩りに出て数日帰ってこれなかったときの光景と全く一緒だね。」
あ~なんだろ。完全に入れそうにないな。
とりあえずここでスクワットとか筋トレとかしてればいいかな?
「ん?そこに居るのはポール君とデイジーちゃんじゃないか?ひさしぶりだな~。ポール君なんて俺よりでかくなったんじゃないか?元気そうで何よりだ。」
ジェダンさんはエルダに追いついたポールたちを見て感慨深げに話しかける。
ポールはジェダンさんよりも身長が高く、その成長を嬉しそうにしていた。
「おじさん、久しぶり!!って、どこ行ってたのよ?おじさんもう死んだことになってるんだよ?」
「おひさしぶりです。」
デイジーたちにも気が付いて、ジェダンが声をかけた。
デイジーたちも懐かしそうにジェダンとの会話をしていた。
「まじか……俺、死んじゃったのか……ってそうじゃない。お前たちに紹介しよう。今の俺のパーティーメンバーだ。」
そう言うとジェダンは後ろに控えていた人たちを手招きで呼び、挨拶を交わしていった。
「パーティーリーダーのレイ・アマザワです。一応は魔法使い?ってことで良いのかな?」
「兄さん、なんで疑問形なの?僕はジョウジ・アマザワです。武術全般こなせます。」
どうやら二人は兄弟らしい。
しかも名前が日本名。
この二人もまた転移者又は転生者なのかな?
もしくは東国かもしれないな。
まあ、いいんだけどね。
「私はスーザン・リン・ニューマンなんじゃが、今はアウラ・セイレンと名のっておる。アウラと呼ぶのじゃ。」
なんかめっちゃ個性的なのでてきた!!
見た目的には幼女?
だけど来てる服は若干きわどいのは気のせいだろうか。
こう、見えそうで見えない的な?
あ、耳がとがってるってことはエルフ族かな?
そしてメガネに金髪ツインテール。
極めつけはのじゃ娘……
ドンだけ個性を盛る気だよ。
「……………。」
え?何か言ってるけど全く聞こえない……
「わりいな、こいつはカナデ・ウエマツ。魔弓士だ。」
ジェダンさんが代わりに教えてくれたんだけど……
この人も個性強そうだな。
身長は……170前後かな?
体の線が細い割に出るとこ出てるから、メリハリがはっきりしている。
その体でモジモジするものだから、余計に目立ってしょうがない。
そう言えば、ウエマツって言ったかな?
もしかして、マイさん達の姉妹とか?
「僕の名前はムー。こう見えてスライムです。」
おい!!これ以上は個性の渋滞事故起こすからやめてくれ!!
ムーと名のった少年は、いきなり青い液体になったと思ったら、小さなドラゴンに変わったり、少女になったり、エルダになったりと、姿かたちを次々に変えていった。
こいつが居たら情報収集し放題じゃないか?
まったく、意味が分からなくなってきた。
俺に普通の冒険者をさせてくれないのだろうか……
エルダはそう叫ぶと、一目散に駆け出した。
向かう先は訓練場の真ん中。
今まさに訓練中のパーティーの処だ。
俺はあっけにとられてしまい、エルダの行動に付いて行けなかった。
事態を察した二人もエルダの後を追った。
俺は何が何だかわからず後ろから付いて行くことしかできなかった。
「んお?エルダじゃないか!?」
「どぉ~~~~っせい!!」
バチ~~~~~~~ン!!
エルダの勢いの乗った良いビンタが、その男性の左頬にクリーンヒットした。
ものすごくいい音がした。
「いきなり何するんだよ、エルダ。親子の再会じゃないか?!」
「うるさい!!この馬鹿親父!!」
エルダさんの口調がものすごく悪くなってるのは気のせいでしょうか……
はい、気のせいだってことにしておきます。
エルダさんから鋭い眼差しがあったことは気にしてはいけない。
お口にチャックします。
「ジェダン、この子は?」
「あぁすまんなレイ。この子は俺の娘だ。」
「はぁ~~~?ジェダン子持ちだったの?」
「兄さん、それは失礼なんじゃない?」
「ジョウジ……」
うん、なんて言っていいのか……
俺、蚊帳の外……
とりあえず、このスラっとした男性がジェダン。
エルダの父親だってのはわかった。
で、このレイと呼ばれる男性と、ジョウジと呼ばれた男性はいったい何者なんだ?
「お父さん!!いったい今まで何をやってたの?!ずっとずっとずっとずっと待ってたんだから……」
エルダはあふれる涙が我慢できなかったようだ。
両目から滝のような涙を流し、力なくジェダンの胸を叩き続けている。
それを受けたジェダンは、目を細めてそっとエルダの頭を撫でつけていた。
エルダが落ち着くまでずっと。
「レイ兄さん、本当の親子みたいですよ?」
「ジョウジ、さすがに俺でもこれはわかったからね?」
男性ふたりで何か話しているみたいだ。
「悪かったなエルダ。極秘の任務に就いていたので話せなかったんだ。それがやっとひと段落して戻ってこれたってわけだ。」
「でもでもでも、それでも家族にくらいは話してくれてもよかったじゃない!!心配したんだよ!!」
何となくエルダが幼く感じてしまった。
きっと、今まで我慢して生きてきたんだろうな。
これもまたエルダの素の部分だと思うとなんだかうれしく思えてしまう。
「ねぇ、ポール。私が懐かしく感じるのって変じゃないよね?」
「あぁ、俺も感じている。村でよく見た光景だな。」
「そうだよね?狩りに出て数日帰ってこれなかったときの光景と全く一緒だね。」
あ~なんだろ。完全に入れそうにないな。
とりあえずここでスクワットとか筋トレとかしてればいいかな?
「ん?そこに居るのはポール君とデイジーちゃんじゃないか?ひさしぶりだな~。ポール君なんて俺よりでかくなったんじゃないか?元気そうで何よりだ。」
ジェダンさんはエルダに追いついたポールたちを見て感慨深げに話しかける。
ポールはジェダンさんよりも身長が高く、その成長を嬉しそうにしていた。
「おじさん、久しぶり!!って、どこ行ってたのよ?おじさんもう死んだことになってるんだよ?」
「おひさしぶりです。」
デイジーたちにも気が付いて、ジェダンが声をかけた。
デイジーたちも懐かしそうにジェダンとの会話をしていた。
「まじか……俺、死んじゃったのか……ってそうじゃない。お前たちに紹介しよう。今の俺のパーティーメンバーだ。」
そう言うとジェダンは後ろに控えていた人たちを手招きで呼び、挨拶を交わしていった。
「パーティーリーダーのレイ・アマザワです。一応は魔法使い?ってことで良いのかな?」
「兄さん、なんで疑問形なの?僕はジョウジ・アマザワです。武術全般こなせます。」
どうやら二人は兄弟らしい。
しかも名前が日本名。
この二人もまた転移者又は転生者なのかな?
もしくは東国かもしれないな。
まあ、いいんだけどね。
「私はスーザン・リン・ニューマンなんじゃが、今はアウラ・セイレンと名のっておる。アウラと呼ぶのじゃ。」
なんかめっちゃ個性的なのでてきた!!
見た目的には幼女?
だけど来てる服は若干きわどいのは気のせいだろうか。
こう、見えそうで見えない的な?
あ、耳がとがってるってことはエルフ族かな?
そしてメガネに金髪ツインテール。
極めつけはのじゃ娘……
ドンだけ個性を盛る気だよ。
「……………。」
え?何か言ってるけど全く聞こえない……
「わりいな、こいつはカナデ・ウエマツ。魔弓士だ。」
ジェダンさんが代わりに教えてくれたんだけど……
この人も個性強そうだな。
身長は……170前後かな?
体の線が細い割に出るとこ出てるから、メリハリがはっきりしている。
その体でモジモジするものだから、余計に目立ってしょうがない。
そう言えば、ウエマツって言ったかな?
もしかして、マイさん達の姉妹とか?
「僕の名前はムー。こう見えてスライムです。」
おい!!これ以上は個性の渋滞事故起こすからやめてくれ!!
ムーと名のった少年は、いきなり青い液体になったと思ったら、小さなドラゴンに変わったり、少女になったり、エルダになったりと、姿かたちを次々に変えていった。
こいつが居たら情報収集し放題じゃないか?
まったく、意味が分からなくなってきた。
俺に普通の冒険者をさせてくれないのだろうか……
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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