109 / 322
第2章 これから始まる共同生活
二十八日目⑩ 共犯関係
しおりを挟む
「そうだ、ポールとデイジー。あとで見せたいものがあるから、食後に付き合ってくれる?」
「何々何々。私たちにサプライズ?」
デイジーの食いつき半端ないな。
エルダは……。
うん、わかってるみたいで、苦笑いしてた。
俺は口に人差し指を当てて、エルダには黙ってもらうことにした。
それを理解したのか、苦笑いが乾いた笑みに変わっていたが気にしてはいけない。
「ある意味サプライズ……かな。まぁ、楽しみにしててよ。」
「カイト……」
エルダから非難の目が向けられてるけど、それはそれだ。
同じパーティーとして活動するなら、必ず教えなくてはいけないこと。
そのための魔道具による契約書なんだから。
「ごちそうさまでした。」
俺たちは大満足の夕食を終えた。
エルダはさすがに作りすぎたといって反省していたけど、うまいから問題はないよ。
用意してくれた料理はきれいに俺たちの胃袋に収まったんだし。
むしろ、こんなうまいご飯を用意してくれたんだ、文句を言ったら罰が当たるる。
「じゃあ、この後作業室へ案内するよ。」
「作業室?」
俺は食後のお茶で少し休んでから、ポールたちに声をかけた。
ポールは俺が何を言っているか理解できていないようだった。
デイジーも同じで、頭にはてなマークが浮かんでいそうな表情をしていた。
「そ。俺の作業室。なんて言ったらいいのか……。見たらわかるってしか言えないかな?」
「二人とも、頑張って。」
エルダさんの応援がいまいちわからなかったみたいだけど、ある意味頑張ってとしか言えない。
むしろ、気を確かに持ってほしい……
あのシャバズのおっちゃんでさえ呆れたんだから。
そして食事の後片付けが終わったところで、全員で作業場へ移動した。
「ねぇ、カイト……。カイトっていったい何の職業なの?」
「確かに。」
デイジーとポールは作業場に入るなり、驚きを隠せずにいた。
まぁ、それが普通の反応だと思う。
炉や作業台。
製薬台に鍜治場。
うん、作業場のごった煮もいいところだね。
「何の職業と言われても……、冒険者?」
「なんで疑問形なのよ……」
デイジーが呆れ顔で俺を睨み付ける。
睨まれても仕方がないんだけど……
だって、本当に冒険者だもの。
冒険者……だよね?
「カイト……」
「わかってるよエルダ。俺の職業は【なんでも屋】。スキルは【DIY】。ぶっちゃけると、どんな職業にもなれ、どんなものも作れる。そんな感じだ。」
あれ?二人とも固まっちゃったね。
そりゃそうか。
とりあえず、2人が返ってくるまで待つかな。
「ねぇ、ポール。私は夢を見たのかな?」
「あぁ。きっと夢を見たんだ。」
デイジーはほっぺたをつねって現実か確認しているようだ。
もちろんつねっているのはポールのほっぺただが……
そこは怒ろうよポール。
さてと話が進まないから、そろそろ二人には現実に帰ってきてもらわないとね。
「二人ともそろそろいいかい?」
「あ、あぁ。」
やっとポールが帰ってきたみたいだ。
そろそろ本題に入りたいんだけど、大丈夫かな?
「じゃあ、そろそろいいかな?まだ本題にすら入ってないんだけど……。」
「すまない。予想外過ぎて混乱していた。」
「そう?まいっか。じゃあ、次にこの素材持ってもらっていい?」
俺はポールに回復ポーション(低)の素材を手渡した。
ポールはなぜ素材を手渡されたのかわからずにいるようだった。
まあ当たり前と言えば当たり前か。
「じゃあ、ポール。その素材を持ってこの簡易薬物作業台に手を当てて、『回復ポーション(低)』って声にだしてもらっていい?」
「わかった。」
何が何だか分からないって顔を浮かべるポール。
ポールは恐る恐る俺の言われた通りに、簡易薬物作業台に手を触れた。
「回復ポーション(低)」
ポールの言葉と共に素材が光に包まれ、手の中から消えていった。
突然の出来事に何事かと飛び退いたポールは、一気に緊張感を高めていった。
「大丈夫だよ。警戒しなくてもいいよ。」
ピコン
『回復ポーション(低)が作成完了しました。』
突如流れる音声に、ポールとデイジーは体をビックっとさせて、周辺を見回していた。
「え⁈何今の⁈」
「カイト!!これはなんだ⁈」
やっぱりそうなるよね。
慌てた二人は、俺に詰め寄ってきたけど、大丈夫としか言いようがないんだよね。
エルダも苦笑いしていたので、同じことを考えていたと思う。
「ポール。簡易薬物作業台にもう一回手を触れてもらっていいかい?」
「あ、あぁ。」
ポールは警戒しながら簡易薬物作業台に手を触れる。
すると、透明な板状のものが目の前に現れたことにさらに驚きを隠せずにいた。
「じゃあ、ポールその板に書かれている回復ポーション(低)を取り出すイメージをしてみて。」
「あ。あぁ。」
すると、目の前に突然回復ポーション(低)が現れたものだから、ポールはまたフリーズしてしまった。
今まで黙っていたデイジーがようやく回復したようで、その回復ポーション(低)について質問をしてきた。
「カイト、その回復ポーション(低)って何なの⁉」
「これ?これはポールが作った回復ポーション(低)だよ?」
「はぁ~~~~~~~?!」
わお、二人そろってきれいなハーモニーだこと。
まあ、そうなるよね。
「とりあえず、2人とも。これが秘密にしてほしい内容なんだ。というわけで二人とも俺たちの共犯ね?」
「「うん、この依頼受けるんじゃなかった。」」
ですよね~。
「何々何々。私たちにサプライズ?」
デイジーの食いつき半端ないな。
エルダは……。
うん、わかってるみたいで、苦笑いしてた。
俺は口に人差し指を当てて、エルダには黙ってもらうことにした。
それを理解したのか、苦笑いが乾いた笑みに変わっていたが気にしてはいけない。
「ある意味サプライズ……かな。まぁ、楽しみにしててよ。」
「カイト……」
エルダから非難の目が向けられてるけど、それはそれだ。
同じパーティーとして活動するなら、必ず教えなくてはいけないこと。
そのための魔道具による契約書なんだから。
「ごちそうさまでした。」
俺たちは大満足の夕食を終えた。
エルダはさすがに作りすぎたといって反省していたけど、うまいから問題はないよ。
用意してくれた料理はきれいに俺たちの胃袋に収まったんだし。
むしろ、こんなうまいご飯を用意してくれたんだ、文句を言ったら罰が当たるる。
「じゃあ、この後作業室へ案内するよ。」
「作業室?」
俺は食後のお茶で少し休んでから、ポールたちに声をかけた。
ポールは俺が何を言っているか理解できていないようだった。
デイジーも同じで、頭にはてなマークが浮かんでいそうな表情をしていた。
「そ。俺の作業室。なんて言ったらいいのか……。見たらわかるってしか言えないかな?」
「二人とも、頑張って。」
エルダさんの応援がいまいちわからなかったみたいだけど、ある意味頑張ってとしか言えない。
むしろ、気を確かに持ってほしい……
あのシャバズのおっちゃんでさえ呆れたんだから。
そして食事の後片付けが終わったところで、全員で作業場へ移動した。
「ねぇ、カイト……。カイトっていったい何の職業なの?」
「確かに。」
デイジーとポールは作業場に入るなり、驚きを隠せずにいた。
まぁ、それが普通の反応だと思う。
炉や作業台。
製薬台に鍜治場。
うん、作業場のごった煮もいいところだね。
「何の職業と言われても……、冒険者?」
「なんで疑問形なのよ……」
デイジーが呆れ顔で俺を睨み付ける。
睨まれても仕方がないんだけど……
だって、本当に冒険者だもの。
冒険者……だよね?
「カイト……」
「わかってるよエルダ。俺の職業は【なんでも屋】。スキルは【DIY】。ぶっちゃけると、どんな職業にもなれ、どんなものも作れる。そんな感じだ。」
あれ?二人とも固まっちゃったね。
そりゃそうか。
とりあえず、2人が返ってくるまで待つかな。
「ねぇ、ポール。私は夢を見たのかな?」
「あぁ。きっと夢を見たんだ。」
デイジーはほっぺたをつねって現実か確認しているようだ。
もちろんつねっているのはポールのほっぺただが……
そこは怒ろうよポール。
さてと話が進まないから、そろそろ二人には現実に帰ってきてもらわないとね。
「二人ともそろそろいいかい?」
「あ、あぁ。」
やっとポールが帰ってきたみたいだ。
そろそろ本題に入りたいんだけど、大丈夫かな?
「じゃあ、そろそろいいかな?まだ本題にすら入ってないんだけど……。」
「すまない。予想外過ぎて混乱していた。」
「そう?まいっか。じゃあ、次にこの素材持ってもらっていい?」
俺はポールに回復ポーション(低)の素材を手渡した。
ポールはなぜ素材を手渡されたのかわからずにいるようだった。
まあ当たり前と言えば当たり前か。
「じゃあ、ポール。その素材を持ってこの簡易薬物作業台に手を当てて、『回復ポーション(低)』って声にだしてもらっていい?」
「わかった。」
何が何だか分からないって顔を浮かべるポール。
ポールは恐る恐る俺の言われた通りに、簡易薬物作業台に手を触れた。
「回復ポーション(低)」
ポールの言葉と共に素材が光に包まれ、手の中から消えていった。
突然の出来事に何事かと飛び退いたポールは、一気に緊張感を高めていった。
「大丈夫だよ。警戒しなくてもいいよ。」
ピコン
『回復ポーション(低)が作成完了しました。』
突如流れる音声に、ポールとデイジーは体をビックっとさせて、周辺を見回していた。
「え⁈何今の⁈」
「カイト!!これはなんだ⁈」
やっぱりそうなるよね。
慌てた二人は、俺に詰め寄ってきたけど、大丈夫としか言いようがないんだよね。
エルダも苦笑いしていたので、同じことを考えていたと思う。
「ポール。簡易薬物作業台にもう一回手を触れてもらっていいかい?」
「あ、あぁ。」
ポールは警戒しながら簡易薬物作業台に手を触れる。
すると、透明な板状のものが目の前に現れたことにさらに驚きを隠せずにいた。
「じゃあ、ポールその板に書かれている回復ポーション(低)を取り出すイメージをしてみて。」
「あ。あぁ。」
すると、目の前に突然回復ポーション(低)が現れたものだから、ポールはまたフリーズしてしまった。
今まで黙っていたデイジーがようやく回復したようで、その回復ポーション(低)について質問をしてきた。
「カイト、その回復ポーション(低)って何なの⁉」
「これ?これはポールが作った回復ポーション(低)だよ?」
「はぁ~~~~~~~?!」
わお、二人そろってきれいなハーモニーだこと。
まあ、そうなるよね。
「とりあえず、2人とも。これが秘密にしてほしい内容なんだ。というわけで二人とも俺たちの共犯ね?」
「「うん、この依頼受けるんじゃなかった。」」
ですよね~。
1,025
お気に入りに追加
3,346
あなたにおすすめの小説

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。