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第2章 これから始まる共同生活

二十七日目⑤ キレるガンテツ。怯えるエルダ。

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スキル【鑑定】!!

岩蠕虫の胸鎧:軽量防具 レベル3。(体力3UP・素早さ1DOWN)。強:土属性。弱:水属性。
岩蠕虫の腰当:軽量防具 レベル3。(体力2UP・素早さ1DOWN)。強:土属性。弱:水属性。
岩蠕虫の具足:軽量防具 レベル3。(体力2UP・素早さ1DOWN)。強:土属性。弱:水属性。
岩蠕虫の小手:軽量防具 レベル3。(体力2UP・素早さ1DOWN)。強:土属性。弱:水属性。
岩蠕虫の兜:軽量防具 レベル3。(体力2UP・素早さ1DOWN)。強:土属性。弱:水属性。

 なかなかいい装備ができたな。
 あれ?なんか項目増えてないか?

——————

ステータス

技能 :鑑定 レベル3(1UP)……簡易鑑定が可能。名前と簡単な効果が判明。鑑定内容の追加。SP:3

——————

 レベルアップのおかげで詳細が増えたのか。
 まぁ、いっか。とりあえず、出来立てほやほやの新装備を装着しよう……
 正直あまり乗り気はしないけど……

 おそらく、岩蠕虫の外皮が鎧下に使われていて、柔軟性があって動きやすそうだ。
 外装にロックミミクリーの甲殻が使われている。
 で、接続パーツに鉄の鎖。
 うん、良くできている。

 とりあえず装着してみることにした。
 どっからどう見ても茶色いマスクドライダーでした。
 しかも本気で動きやすいし軽い。
 だからこそ文句が言えない……
 これでバイクが有ったら完ぺきだっただろうな。

 この世界に鏡がないのが悔やまれる。
 ガラスが手に入ったから、そのうち作れるようになりそうだな。

 よし、エルダに見せてみるかな。

 俺は作業場での作業を終了して、リビングに戻ってきた。
 もちろん岩蠕虫シリーズのままで。

「完成したのね?じゃあ、昼食は露店で済ませて、そのままダンジョンに潜りましょう。」
「了解。」

 うん、反応は完全にスルーでした。
 この装備の人見たことないけど、一般的なの?

「なぁ、エルダ。この装備をしている人って見たことないけど、どうなの?」
「え?そりゃそうよ。大体の冒険者は初期装備は金属装備だもの。魔物装備する人は少ないわ。理由は簡単で、魔物装備の値段が高いから。素材持ち込み価格ですら、金属装備より高いからね?だからその分、性能は魔物装備の方がいいわよ。」
「つまり、魔物装備している低ランク冒険者が居たら、絶好のカモって状況か?」
「そうね、だから早くランク上げもしなくちゃね。」

 なるほど、通りで街中で見かける人いないわけだ。
 金持ちアピール以外のなにものでもないってことね。

「そうだ、一度ガンテツのおっちゃんに見てもらった方がいいな?」
「そうね、その方が評価がわかりやすいかもね」



 エルダに言われた通り、ガンテツのおっちゃんに装備を見てもらうことにした。

「おっちゃん、いきなりで悪いんだけど見てもらっていいか?」

 善は急げと『ガンテツ武具店』俺たちはやってきた。
 挨拶も済ませないうちから背負ってきた木箱から装備一式を取り出してカウンターに載せた。
 それを見た途端、おっちゃんの目の色が変わったのがわかった。

「こいつは誰が造った?」

 おっちゃんの声に怒気が滲んでいた。

「どうかしたのおっちゃん?」

 いきなりの怒気に一瞬たじろいでしまい、恐る恐る聞いてみた。

「こいつは一流の見た目をした、二流だ。いや、見た目が一流だけに3流以下だ。おそらくだが、性能的には3割から4割は下がってる。」
「え?そんなに?」

 これで確定したな。装備品にいたっても性能・品質が落ちる。
 これが俺のスキルの欠点ってことだ。
 まあ、減少率が思ったよりも大きいことにびっくりしたけど。

「お前さんが依頼して作ってもらったんだろうが……。こいつの制作主に伝えておけ。『てめぇは依頼人を殺したいのか!!』ってな。」

 きっとこれが職人としての矜持なんだろうな。
 ここは素直に伝えておいた方がいいかな?
 って、あれ?
 エルダさんがいない?

 辺りを見回すと、エルダの姿が見えなくなっていた。
 ふと、展示台の影を見るとエルダが隠れていたのだった。
 若干震えながら、こちらをそっと隠れて見ていた。
 おそらくおっちゃんの怒気が怖かったんだと思う。

「なぁ、エルダさん。これは本当のこと言うべきかな?」

 エルダに小声で確認すると、首を縦に高速で振って了承してくれた。
 意地でもそこから動かないつもりらしい。

「おっちゃん……。ごめん、それ作ったの俺なんだ。」
「はぁ~~~~?!なんでお前さんがこんなの作れんだ?鍛冶師じゃあるまいて。」

 さすがのおっちゃんも目を丸くして驚いていた。
 おっちゃんにはこれからも装備の事でいろいろ話を聞く機会が多いから、簡潔に事情を説明させてもらった。

「なるほどねぇ。事情は分かった。だがこいつはいただけねぇ。鍛冶師としてこのまま渡すわけにいかん。」

 そう言うとおっちゃんはしばらくい考えこんでしまった。
 エルダはと言うと、おっちゃんの怒気が収まったあたりから隠れるのをやめて周りの防具などを見て回っていた。
 エルダの装備もそのうち考えないとな…

「よし、わかった!!カイト、こいつを1日預けろ。俺が調整してやる。少しはましになるはずだからよ。」
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