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第2章 これから始まる共同生活
二十七日目③ 伝えたい思い
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「なんだか面倒なことになったわね。」
うん、エルダさんや。
あなたが速攻で了承したんだからね?
俺はまだ考えてる途中だったんだからね?
と言っても後の祭りだな全く。
「まぁ、とりあえず急いで装備を作って先に進まないとな。」
「そうね。午前中には装備ができそう?」
おっと急かしてくるね。
でもまあ、素材もそろっているから大丈夫っちゃ大丈夫なんだけどね。
「それは問題ないね。これから作れば間違いなく終われると思うよ。」
「じゃあ、午後から装備の調整を兼ねて鉱山跡地ダンジョンへ向かいましょう。」
今日の予定はこれで決まったかな?
まずは第1段階の装備の制作からだ。
作業場へ移動した俺は材料をアイテムボックスから取り出した。
必要素材もそろっていることだし、準備を進めていこう。
今日作るものは岩蠕虫シリーズ。
・岩蠕虫の胸鎧
・岩蠕虫の腰当
・岩蠕虫の具足
・岩蠕虫の小手
・岩蠕虫の兜
この5つだ。
うん、正直装備したいとは思わない。
だってあの大ミミズだぞ?
ヤバイ鳥肌が立ってきた……
おっと、意識がそれてしまった。
これからを考えたら我慢我慢。
装備制作の前段階として、鉄の鎖が必要になってくるんだけど……
今度は鉄インゴットが足りてないな。
となると、鉄インゴットの制作からか。
しゃーなし……やりますか……
まずは簡易溶鉱炉に魔石(極小)をセット。
今回は換金しなくてほんと良かったよ。
換金してたらまた魔石を取りに行かなきゃいけなくなってた。
あれ?もしかして簡易溶鉱炉って効率めっちゃ悪くないかこれ?
き、気にしたら負けな気がしてきた。
よし、気を取り直して早速鉄インゴットを精錬していこう。
俺は必要な鉱石を簡易溶鉱炉にセットする。
素材は光に包まれてそのまま消えてしまった。
これであとは出来上がりを待つだけになったな。
「順調?」
いつも通り制作していると、エルダが作業場へやってきた。
どうやら進捗が気になったらしい。
「ん?ぼちぼちだね。素材も揃ったし、あとは順に作成すればいいだけだね。」
エルダが作業場に姿を現したのは、丁度鉄インゴットから鉄の鎖を制作し終えたタイミングだった。
エルダは作業場の椅子に腰を下ろすと、こちらをじっと見つめていた。
「見てていい?」
「いいけど……。つまんないよ?」
うん、だってただ待つだけだもんな。
何かするわけでもないから、見ていて面白いことは何も起こらない。
むしろ、作ってる俺自身暇だったりする。
「だいじょうぶ。ただ見ていたいだけだから。」
「そか。」
良く分からないけど、エルダがいいならそれでいっか。
俺は素材を集めて作業台へと移動した。
用意した素材は
・岩蠕虫の外皮×6
・鉄の鎖×5
・ロックミミクリーの甲殻×5
作業台に触れるといつも通りのディスプレイが表示された。
後はいつも通り、簡単な作業だ。
「岩蠕虫の胸鎧、岩蠕虫の腰当、岩蠕虫の具足、岩蠕虫の小手、岩蠕虫の兜」
作業台の上に用意した素材が次々と光に包まれて消えていく。
『岩蠕虫の胸鎧を作成中。残り時間:3分。岩蠕虫の腰当を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の具足を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の小手を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の兜を作成中。残り時間:2分。予約枠5/5』
ディスプレイに表示された作業予定。
後はしばし完成までの時間を待つだけだ。
「本当に不思議な光景よね?」
「まぁ、普通じゃないよね。」
「普通じゃない自覚はあるようね?」
なんで俺が呆れられているんだ?
あれ?もしかして、俺ディスられてます?
ぼんやりと作業台を見つめるエルダは、何かを考えているようだった。
聞いていいのかどうなのか……
「ねぇ、カイト。朝にいったい何を話しかけたの?」
「あぁ、あれか……」
そうか、それが気になってたのか……
話すタイミングを逃してしまっていたから気にしてくれていたんだね。
ここで話すべきことなのか迷うところだよな。
出来ればもう少しこう、フインキ……雰囲気のある場所で話したいんだけど……
でも、今がいいタイミングなのかもしれないな。
「あのさエルダ。君に聞きたいことがあるんだ。君はここにいて楽しいかい?ここにずっといたいかい?」
「何それ!!私が迷惑ってこと?!」
エルダが急に目を真っ赤にして涙を流していた。
それは俺に対する涙なのか、父親に対する涙なのか……
「違うんだ!!エルダが寝言で「お父さん」って呼んでたから。前に話してくれたよね?お父さんに会うために冒険者になったって。だから君をここに縛り付けていいのかわからなくなってきたんだ。」
「いつ、聞いたの?」
「夜にね……。俺のベッドに入ってきたでしょ?その後に寝言で言ってた。」
エルダの顔が真っ赤に染まっていく。見ると耳まで真っ赤だった。
もしかして気付かれていないと思ってたのだろうか?
さすがに鈍い俺でもきがつくよ?
「この際だからはっきり言うよ……。俺は……。俺は……。俺は!!」
ピコン
『岩蠕虫の胸鎧、岩蠕虫の腰当、岩蠕虫の具足、岩蠕虫の小手、岩蠕虫の兜が作成完了しました。』
またタイミング悪いな!!
「俺は……。何?」
「俺はエルダが好きだ。」
うん、エルダさんや。
あなたが速攻で了承したんだからね?
俺はまだ考えてる途中だったんだからね?
と言っても後の祭りだな全く。
「まぁ、とりあえず急いで装備を作って先に進まないとな。」
「そうね。午前中には装備ができそう?」
おっと急かしてくるね。
でもまあ、素材もそろっているから大丈夫っちゃ大丈夫なんだけどね。
「それは問題ないね。これから作れば間違いなく終われると思うよ。」
「じゃあ、午後から装備の調整を兼ねて鉱山跡地ダンジョンへ向かいましょう。」
今日の予定はこれで決まったかな?
まずは第1段階の装備の制作からだ。
作業場へ移動した俺は材料をアイテムボックスから取り出した。
必要素材もそろっていることだし、準備を進めていこう。
今日作るものは岩蠕虫シリーズ。
・岩蠕虫の胸鎧
・岩蠕虫の腰当
・岩蠕虫の具足
・岩蠕虫の小手
・岩蠕虫の兜
この5つだ。
うん、正直装備したいとは思わない。
だってあの大ミミズだぞ?
ヤバイ鳥肌が立ってきた……
おっと、意識がそれてしまった。
これからを考えたら我慢我慢。
装備制作の前段階として、鉄の鎖が必要になってくるんだけど……
今度は鉄インゴットが足りてないな。
となると、鉄インゴットの制作からか。
しゃーなし……やりますか……
まずは簡易溶鉱炉に魔石(極小)をセット。
今回は換金しなくてほんと良かったよ。
換金してたらまた魔石を取りに行かなきゃいけなくなってた。
あれ?もしかして簡易溶鉱炉って効率めっちゃ悪くないかこれ?
き、気にしたら負けな気がしてきた。
よし、気を取り直して早速鉄インゴットを精錬していこう。
俺は必要な鉱石を簡易溶鉱炉にセットする。
素材は光に包まれてそのまま消えてしまった。
これであとは出来上がりを待つだけになったな。
「順調?」
いつも通り制作していると、エルダが作業場へやってきた。
どうやら進捗が気になったらしい。
「ん?ぼちぼちだね。素材も揃ったし、あとは順に作成すればいいだけだね。」
エルダが作業場に姿を現したのは、丁度鉄インゴットから鉄の鎖を制作し終えたタイミングだった。
エルダは作業場の椅子に腰を下ろすと、こちらをじっと見つめていた。
「見てていい?」
「いいけど……。つまんないよ?」
うん、だってただ待つだけだもんな。
何かするわけでもないから、見ていて面白いことは何も起こらない。
むしろ、作ってる俺自身暇だったりする。
「だいじょうぶ。ただ見ていたいだけだから。」
「そか。」
良く分からないけど、エルダがいいならそれでいっか。
俺は素材を集めて作業台へと移動した。
用意した素材は
・岩蠕虫の外皮×6
・鉄の鎖×5
・ロックミミクリーの甲殻×5
作業台に触れるといつも通りのディスプレイが表示された。
後はいつも通り、簡単な作業だ。
「岩蠕虫の胸鎧、岩蠕虫の腰当、岩蠕虫の具足、岩蠕虫の小手、岩蠕虫の兜」
作業台の上に用意した素材が次々と光に包まれて消えていく。
『岩蠕虫の胸鎧を作成中。残り時間:3分。岩蠕虫の腰当を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の具足を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の小手を作成中。残り時間:2分。岩蠕虫の兜を作成中。残り時間:2分。予約枠5/5』
ディスプレイに表示された作業予定。
後はしばし完成までの時間を待つだけだ。
「本当に不思議な光景よね?」
「まぁ、普通じゃないよね。」
「普通じゃない自覚はあるようね?」
なんで俺が呆れられているんだ?
あれ?もしかして、俺ディスられてます?
ぼんやりと作業台を見つめるエルダは、何かを考えているようだった。
聞いていいのかどうなのか……
「ねぇ、カイト。朝にいったい何を話しかけたの?」
「あぁ、あれか……」
そうか、それが気になってたのか……
話すタイミングを逃してしまっていたから気にしてくれていたんだね。
ここで話すべきことなのか迷うところだよな。
出来ればもう少しこう、フインキ……雰囲気のある場所で話したいんだけど……
でも、今がいいタイミングなのかもしれないな。
「あのさエルダ。君に聞きたいことがあるんだ。君はここにいて楽しいかい?ここにずっといたいかい?」
「何それ!!私が迷惑ってこと?!」
エルダが急に目を真っ赤にして涙を流していた。
それは俺に対する涙なのか、父親に対する涙なのか……
「違うんだ!!エルダが寝言で「お父さん」って呼んでたから。前に話してくれたよね?お父さんに会うために冒険者になったって。だから君をここに縛り付けていいのかわからなくなってきたんだ。」
「いつ、聞いたの?」
「夜にね……。俺のベッドに入ってきたでしょ?その後に寝言で言ってた。」
エルダの顔が真っ赤に染まっていく。見ると耳まで真っ赤だった。
もしかして気付かれていないと思ってたのだろうか?
さすがに鈍い俺でもきがつくよ?
「この際だからはっきり言うよ……。俺は……。俺は……。俺は!!」
ピコン
『岩蠕虫の胸鎧、岩蠕虫の腰当、岩蠕虫の具足、岩蠕虫の小手、岩蠕虫の兜が作成完了しました。』
またタイミング悪いな!!
「俺は……。何?」
「俺はエルダが好きだ。」
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