勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
上 下
86 / 322
第2章 これから始まる共同生活

二十六日目⑤ フラグ建てエルダさん

しおりを挟む
 俺たちは【鉱山跡地ダンジョン】の第1層に足を踏み入れた。

「【ウォーターバレット】!!からの【ステップイン】!!」

 俺の水属性魔法が【ロックワーム】を捉える。
 威力的にはそれほど高くなくても、下手な鉄砲かずうちゃあたる。
 おかげさまで蓄積することに成功して、こうして懐?まで入り込めるまでになった。
 あとは切り裂いて終了。
 
 正直、前回来た時よりもかなり楽に進めている。
 俺の魔法もそれなりに役に立つようで、【ロックワーム】が1匹なら何とか処理できるようになっていた。

 それと、これは今回初めての試みなんだけど、モンスターを倒した後すぐに職業を【解体業(なんでも屋)】に切り替えてみた。
 スキル【解体】がどこまで対応できるのかの実験も兼ねていた。

 そして効果はと言うと……地味だけどたぶん良くなってる。
 ドロップ量がエルダの経験則上、地味に増えてると思うそうだ。

 これ幸いと思い、俺たちはますます探索に力を入れていく。
 エルダの援護もあり、鉱石類も集まっていく。



「なぁ、エルダさんや。この先って進んでも大丈夫だと思うかい?」

 俺の目の前には、下へと続く階段がある。
 そう、第2層へ向かう階段だ。
 エルダはこの階段の位置は知っていた。
 ただ、あえて俺に探させてくれた。
 どうやら、新しいダンジョンに入った際の練習なんだとか。
 エルダが知っているダンジョンなので、何かあっても対応できるからと、訓練をしてくれたらしい。
 本当にそうなんだよね?
 エルダの顔を見ると、いきなり視線を外された……
 大丈夫……だよな?

「この先は第2層よ。モンスターは【ロックワーム】が中心でカイトなら問題はないわ。ただ、極稀に【クイーンロックワーム】が出現するから気を付ける必要があるわ。」

 何それ怖い。
 エルダ曰く、本当に極稀で【クイーンロックワーム】に見つからなければそのまま後退。
 見つかったらエルダの水魔法で一撃当てて全力逃走すれば問題ないそうだ。
 これも第2層のあるあるで、【クイーンロックワーム】は移動が極端に遅く、初心者でもなんとかなるそうだ。



 第2層に降り立った俺の感想は……
 代り映えしない!!

 周囲は洞窟。
 薄っすら光る鉱脈。
 転がってる岩モドキ。
 待ち構えてる巨大ミミズ。

 強いて言うなら、【ロックワーム】の数が多かった。
 鉱脈の近くには必ずと言っていいほど、陣取っていやがった。
 酷いのは鉱脈の真下に陣取って、掘り始めた振動を感知して下からくる始末。
 エルダも警戒練習だって言って、あえて教えてくれなかったりした。
 そのため、ケガを負うことが増えて、回復ポーション(低)の出番が増えてしまった。
 ただ、収穫もあった。
 おそらくは連続使用すると効果が出でなかった。
 約1分ほど待ってから使用すると効果が出たことから、おそらく回復ポーション(低)にもリキャストタイム的なモノが存在しているかもしれない。
 エルダに確認すると、普通はそんなことはないそうだ。
 きっとこれも俺が作る物のデメリットなのかもしれない。
 メリットデメリット両方を加味しても、メリットが大きいのは言うまでもない。


 そうそう、奇襲を受けまくったおかげで得たものもあった。
 おかげで新しく職業【斥候】を覚えましたよ。

技能:気配探知 レベル(仮)……周辺の気配を探る。効果範囲レベル×5m+100m。SP:1/分
  :気配遮断 レベル(仮)……自身の気配を遮断する。気配探知のレベルとの差が0は100%遮断。レベル差ごとに20%減少。レベル差5以上は感知される。SP:1/分
  :集音 レベル(仮)……周囲の音を感知する。効果範囲レベル×5m+100m。SP:1/分
  :消音 レベル(仮)……自身の発生させる音を押さえる。集音のレベルとの差が0は100%遮断。レベル差ごとに20%減少。レベル差5以上は感知される。SP:1/分
  :マッピング レベル(仮)……自動地図作成。マップ機能の追加。SP:消費なし

 結果、エルダから常時職業【斥候】でいるようにとのお達しがあった。
 常に職業【斥候】にして、モンスターを倒したら職業【解体業】に切り替えることになった。
 エルダ曰く、この5つのスキルは有用すぎるので必ず覚えるようにとの厳命がなされた。

 何だろうか、エルダがスパルタに見えてきた。
 あれ?優しいエルダさんはどこへ出張したんだろうな……


 
 それからも張り切って?第2層を探索し続けた。

 職業【斥候】のスキルのおかげで、【ロックワーム】の奇襲が減り、かなり楽に探索が進められている。
 一番は【マッピング】だ。
 今まで頑張って紙に書いていたが、それが不要になったのだ。
 ただ、これの欠点もある。
 自分しか見れないのだ。
 共有するためには紙に書き起こす必要があり、結果二度手間になってしまう。
 まあ、落ち着いた段階で書けばいいだけなんだが、リアルタイムで共有できないのはつらい。
 きっとあれなんだろうな、お決まりのご都合主義様がご乱心して「筆写士」とか「写術師」とか写し物系の職業も出るんだろうな。
 もしくは、上位スキルでマップ共有化とかかな?
 まぁ、今ところは俺とエルダだけなんで、共有は不要だったりする。
 エルダはすでにここのマップを覚えているからだ。

 で、結局効率よく回れたおかげで、必要分の素材は集まったりなんかしていた。
しおりを挟む
本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
感想 77

あなたにおすすめの小説

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。