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第2章 これから始まる共同生活
二十四日目⑧ ギルド間定例会議 理性の限界
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「シャバズよ。商人とは相手からの信頼を得て己の利益を最大限に高めるものだ。そうですよね、公爵閣下。」
「さようであるな。」
ドルーは先ほどまでとは打って変わって、温和なおっさんになっていた。
さっきまでのは演技ってことなのか?
「カイト殿から言質をいただいて、最大限の利益を上げる。それが今回の私の目的だったのだが……。公爵閣下がすでに手を付けているとはついてなかった。」
そう言うと、ドルーはガシガシと頭を掻いて席へ座りなおした。
目の前のお茶に口を付け一息つくと、また商人の顔にもどっていた。
「で、シャバズよ。我々ギルド間連絡会議に求める物ともたらしてくれる利益は何なのです?」
やっと交渉に入れるらしい。
どうやら、交渉の主導権はシャバズのおっさんと公爵閣下に移ったらしい。
素人目には何があったのかは全くわからない。
しかし、きっと、たぶん何かがあったと思う(いや、わかるわけねぇから)。
「その前にもう一つ話が有る。公爵閣下、お願いいたします。」
シャバズのおっさんが頭を下げると、あとを継いで公爵閣下が語り始めた。
俺が召喚された経緯。
本来であれば、召喚された者の存在。
そして、おそらくその者は召喚に成功しているであろうこと。
最後に、王国・他国に見つかってはならないこと。
特に教会に見つかってはならないこと。
全て話し終えると、皆深いため息をついていた。
「これはこれは、またおっきな爆弾どすなぁ?ほんで、魔人国との戦争は極力回避すべきどす。なら、うちらのやるべきことは一つ。勇者の早急な確保どすなぁ。」
「そうねぇ~。それしかないわねぇ~。あたしたちの生活は魔人国と共存関係ですからねん。」
「そうですね。では書面にまとめましょう。どうも職業柄口約束は信用ならんのでな。」
そういうとすぐにドルーは紙に書き起こしていた。
①素材の融通
②過度な干渉の是正
③カイトへの依頼は冒険者ギルドを通して指名依頼とする。
④勇者探索について可能な限り協力する。
⑤ギルド間連絡会議はカイトの後ろ盾になることを宣言する。
内容を見せてもらったけど、特に変な場所はなく全員の判が押され、締結されたのだった。
最後にドルーから収納箱(簡易)について早急に量産してほしいと申し出があった。
俺は特に問題はないと思ったんだけど、シャバズのおっさんに止められた。
結果月に20箱の納品ということで折り合いがついた。
値段は1箱金貨10枚……
今までの苦労は何だったんだろうか……
会議は無事?に終わり、解散となった。
帰り際に各々のギルマスに声をかけられた。
これからの事や、お茶のお誘い。
いろいろだった。
そして一人……忘れてた人がいた……
エルダだ……
はっきり言おう……
エルダさん、放心状態でした。
そりゃ、こんだけのギルマス集まってて、公爵閣下がいて緊張するなって方がおかしいから。
しかも、なんだかんだで各ギルドと協力関係を結べたってことだけでもすごいことだと思う。
取り合えず、エルダは情報過多で活動停止したらいい。
「こりゃぁ~まずったな。カイト、どうせお前と一緒なんだし、背負って帰れ。」
シャバズのおっちゃんの言葉に一瞬耳を疑った。
え?背負うの?まじで?
「何焦ってんだよ。お前以外連れていける奴はいないだろうに。諦めて背負って帰れ。良いな?」
結局俺はエルダを背負って帰ることになった。
途中で気が付いてくれたら良かったんだけど、自宅に着くまで気が付くことはなかった。
正直言おう……
めっちゃ柔らかかったです。
そしていい匂いがしました。
がんばった俺の理性。
そしてもう一つ問題が発生したんだ……
エルダを部屋に連れていかないといけない。
マジですか?!
そっと起こさないようにエルダを2階の部屋へと連れて来た。
エルダの部屋の前。
真面目に緊張する。
確かに引っ越し当時荷物を卸しに入ったけど、それっきりだから。
もう心臓がぶっ壊れるんじゃないかってくらい激しく動いていた。
「カイト……うるさいよ?」
え?起きてる?
「エルダ……いつから起きてたの?」
「う~ん、ここにつくちょっと前かな?階段を上る振動で気が付いたわ。」
だったら教えてください。
今までのやばいドキドキを返してください。
「エルダ……気が付いてるなら教えてほしかったよ。」
「カイトの反応が面白くてつい。ごめんなさい……」
「もういいよ。で、歩けそう?」
「もう少し、甘えていい?」
ちょおおおおおおおお!!!!!!
いきなり何言いだすのこの子⁉
からかうにもほどがあるでしょう!!
「そんなに動揺しなくてもいいでしょ?それよりも、まだ歩けそうにないのよ。だから部屋の中まで運んでくれない?」
俺は緊張しながらエルダの部屋に入った。
エルダの部屋は、とても女性らしい内装になっていた。
ほのかに香る香りは品が良く、嫌みがない。
エルダをベッドへ下すと、俺は部屋を出ようとした。
「ありがとうカイト。おやすみなさい。」
「おやすみエルダ。」
パタン
俺は静かに部屋の扉を閉めた。
閉まる間際、部屋の中から「カイトのヘタレ」って聞こえてきた気がしたけど、気のせいだよな?
「さようであるな。」
ドルーは先ほどまでとは打って変わって、温和なおっさんになっていた。
さっきまでのは演技ってことなのか?
「カイト殿から言質をいただいて、最大限の利益を上げる。それが今回の私の目的だったのだが……。公爵閣下がすでに手を付けているとはついてなかった。」
そう言うと、ドルーはガシガシと頭を掻いて席へ座りなおした。
目の前のお茶に口を付け一息つくと、また商人の顔にもどっていた。
「で、シャバズよ。我々ギルド間連絡会議に求める物ともたらしてくれる利益は何なのです?」
やっと交渉に入れるらしい。
どうやら、交渉の主導権はシャバズのおっさんと公爵閣下に移ったらしい。
素人目には何があったのかは全くわからない。
しかし、きっと、たぶん何かがあったと思う(いや、わかるわけねぇから)。
「その前にもう一つ話が有る。公爵閣下、お願いいたします。」
シャバズのおっさんが頭を下げると、あとを継いで公爵閣下が語り始めた。
俺が召喚された経緯。
本来であれば、召喚された者の存在。
そして、おそらくその者は召喚に成功しているであろうこと。
最後に、王国・他国に見つかってはならないこと。
特に教会に見つかってはならないこと。
全て話し終えると、皆深いため息をついていた。
「これはこれは、またおっきな爆弾どすなぁ?ほんで、魔人国との戦争は極力回避すべきどす。なら、うちらのやるべきことは一つ。勇者の早急な確保どすなぁ。」
「そうねぇ~。それしかないわねぇ~。あたしたちの生活は魔人国と共存関係ですからねん。」
「そうですね。では書面にまとめましょう。どうも職業柄口約束は信用ならんのでな。」
そういうとすぐにドルーは紙に書き起こしていた。
①素材の融通
②過度な干渉の是正
③カイトへの依頼は冒険者ギルドを通して指名依頼とする。
④勇者探索について可能な限り協力する。
⑤ギルド間連絡会議はカイトの後ろ盾になることを宣言する。
内容を見せてもらったけど、特に変な場所はなく全員の判が押され、締結されたのだった。
最後にドルーから収納箱(簡易)について早急に量産してほしいと申し出があった。
俺は特に問題はないと思ったんだけど、シャバズのおっさんに止められた。
結果月に20箱の納品ということで折り合いがついた。
値段は1箱金貨10枚……
今までの苦労は何だったんだろうか……
会議は無事?に終わり、解散となった。
帰り際に各々のギルマスに声をかけられた。
これからの事や、お茶のお誘い。
いろいろだった。
そして一人……忘れてた人がいた……
エルダだ……
はっきり言おう……
エルダさん、放心状態でした。
そりゃ、こんだけのギルマス集まってて、公爵閣下がいて緊張するなって方がおかしいから。
しかも、なんだかんだで各ギルドと協力関係を結べたってことだけでもすごいことだと思う。
取り合えず、エルダは情報過多で活動停止したらいい。
「こりゃぁ~まずったな。カイト、どうせお前と一緒なんだし、背負って帰れ。」
シャバズのおっちゃんの言葉に一瞬耳を疑った。
え?背負うの?まじで?
「何焦ってんだよ。お前以外連れていける奴はいないだろうに。諦めて背負って帰れ。良いな?」
結局俺はエルダを背負って帰ることになった。
途中で気が付いてくれたら良かったんだけど、自宅に着くまで気が付くことはなかった。
正直言おう……
めっちゃ柔らかかったです。
そしていい匂いがしました。
がんばった俺の理性。
そしてもう一つ問題が発生したんだ……
エルダを部屋に連れていかないといけない。
マジですか?!
そっと起こさないようにエルダを2階の部屋へと連れて来た。
エルダの部屋の前。
真面目に緊張する。
確かに引っ越し当時荷物を卸しに入ったけど、それっきりだから。
もう心臓がぶっ壊れるんじゃないかってくらい激しく動いていた。
「カイト……うるさいよ?」
え?起きてる?
「エルダ……いつから起きてたの?」
「う~ん、ここにつくちょっと前かな?階段を上る振動で気が付いたわ。」
だったら教えてください。
今までのやばいドキドキを返してください。
「エルダ……気が付いてるなら教えてほしかったよ。」
「カイトの反応が面白くてつい。ごめんなさい……」
「もういいよ。で、歩けそう?」
「もう少し、甘えていい?」
ちょおおおおおおおお!!!!!!
いきなり何言いだすのこの子⁉
からかうにもほどがあるでしょう!!
「そんなに動揺しなくてもいいでしょ?それよりも、まだ歩けそうにないのよ。だから部屋の中まで運んでくれない?」
俺は緊張しながらエルダの部屋に入った。
エルダの部屋は、とても女性らしい内装になっていた。
ほのかに香る香りは品が良く、嫌みがない。
エルダをベッドへ下すと、俺は部屋を出ようとした。
「ありがとうカイト。おやすみなさい。」
「おやすみエルダ。」
パタン
俺は静かに部屋の扉を閉めた。
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