勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第2章 これから始まる共同生活

二十三日目③ 作業場が手狭になっていく……

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ピコン

『簡易薬物作業台が作成完了しました。』
『精製水蒸留装置が作成完了しました。』

 出来上がったみたいだ。
 それじゃあ、どこに出そうかな。
 この二つはどうやらセットらしい。
 作業台とも連携しそうだし、石釜戸も連携しそう。
 そうするとその二つが近い場所はっと、ここでいっか。
 丁度、作業台と石釜戸の間に十分そうなスペースがあったのでそこに出すことにした。

 どん!!
 って出ると普通なんだけど、いつ見ても不思議。
 音もなく現れるのだもの。
 その場が光って、気が付いたら〝そこにある〟っていう現象。
 謎すぎるけど、だと思うしかないか。

 それにしても、さすがに二つ並ぶとでかいね。
 さらに作業台と石釜戸も近いから圧迫感がすごすぎる。

 これ以上設備が増えるとさすがに設置出来なくなりそうだな。
 その時は木工ギルドにお願いして、作業場を拡張するしかないかな。
 まさかと話思うけど、空間拡張!!とか言ってご都合主義様が発動しないよね?

 ……
 …………
 ………………
 
 よし、しなかった。

 まずは恒例の鑑定作業っと。

簡易薬物作業台:薬品作業台。各種薬品作成。
精製水蒸留装置:精製水作成台。薬品に使用する精製水を作成。

ピコン

『スキル:DIYのレシピが増えました。』

――――――

技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
     ▼素材
       精製水(NEW)……水1で作成。中間素材。SP:1

――――――

 ほらきたまたのコンボ。
 こんどは精製水か……
 あ、水全部蒸留しちゃった。
 もう一回汲みにいかないと……

 俺は水瓶をアイテムボックスにしまい、中庭に移動した。
 外に出ると日が真上まで来ており、日差しが熱いくらいだった。
 これが日本だったら真夏の海水浴ってシーズンなんだろうな。
 今度世界を旅した時行ってみようかな。
 エルダもさそって。
 あ、水着ってどうなるんだ?
 まさか中世の……
 その時は俺が作る!!
 何が何でも作ってやる!!
 布生地は……うん、多分ご都合主義様がどうにかしてくれるはず!!

 

 井戸で水を汲んでいて思った。
 あ、これ手押しポンプ作れればいいんだけど……
 材料を知らない……
 しかもポンプの構造も知らないし。
 仕方ない、諦めて頑張ろう。

 そして俺は知らなかった。
 魔力式汲み上げポンプという魔道具が存在していることを。

 何回も汲み上げていると、腕がパンパンになってきた。
 もう面倒だし、いっその事一気に井戸の水アイテムボックスに入れられないかな?


アイテムボックス
 ▼水×100

 入っちゃったよ。
 俺の時間と労力を返してくれ……
 って、水が直接アイテムボックスに入るって、取る出すときどうすんのさ。
 しかも単位が不明だから準備する容器も分からない……
 はぁ……アイテムボックスの性能テスト今度やらないといけないかもしれないな……
 水汲みが終わった(?)俺は、作業場へ戻ることにした。
 なんか一気に疲れた……



 さっそく汲んできた水で精製水の作成をしてみた。

「精製水」

『精製水作成中。残り時間:1分。予約枠1/5』

 って、1分かよ。案外短いな。

ピコン

『精製水が作成完了しました。』

 って、そりゃすぐできるわな。
 俺は出来上がった精製水を小甕に移して、鑑定をしてみた。

精製水:中間素材。不純物を含まない水。飲めないことはないが味はない。

ピコン

『スキル:DIYのレシピが増えました。』

 さすがに連続はうざったくなってきた。

――――――

技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
     ▼薬(NEW)
       HPポーション(低)(NEW)……ヒール草2+スライムゼリー1+精製水1で1本作成。SP:4
       解毒ポーション(低)(NEW)……ヒール草2+弱毒草1+スライムゼリー1+精製水1で1本作成。SP:5

――――――

 俺は思わず二度見してしまった……
 ついに……
 ついに来た……
 この時が来てしまった!!

 HPポーションが自分で作れるとなると、探索がかなり楽になる。
 これはもう増産待ったなしでしょ!!

 さっそく、簡易薬物作業台に触れてみる。

『待機中。予約枠0/5』

 こうなったら、HPポーション量産しかないでしょ!!
 まずは精製水を、今作れる分を作ろう。

 で、結局100有ったアイテムボックスの中の水を全部精製水にしてしまいました。
 やはり単位がわからない……
 諦めよう……
 
 そして、やりすぎは認める。

 さて、準備は整った!!

 じゃあ、さっそく作ってみようって……
 あ、ヒール草とスライムゼリーがない……

 仕方がない……
 一回エルダに相談するしかないかな。
 確か各種ギルドで素材購入が可能なはずだから、きっと薬師ギルドで買えるはず……



 リビングに戻ると、エルダがガンテツさんのところから帰っており、ソファーの上でくつろいでいた。
 っていうより、お昼寝中だった。
 なんてまぁ、可愛い寝息の可愛い寝顔だこと。
 ソファーに横になったエルダは、仰向けでおなか辺りに本が乗っていた。
 おそらく本を読んでいて、そのまま寝ちゃったらしい。
 ん?その本……レシピ本じゃない?
 料理の本か……
 もしかして……
 き、期待しちゃうじゃないか……

 俺はエルダを起こさないようにそっとその場を後にした。
 もう少ししたら起こしてあげよう。
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