勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第2章 これから始まる共同生活

二十二日目③ 常識ブレイカーカイト!!

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 ガラス炉の作成を終えた俺は、ガラス炉の鑑定を行った。
 すると、またもやレシピが解放された。

——————

技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
     ▼道具(NEW)
       ガラス食器(NEW)……ガラス1で作成。任意の形に作成可能。食器。

     ▼設備(NEW)
       ビーカー(NEW)……ガラス2で作成。実験・製薬などで使用。精製水精製装置・簡易薬物作業台の素材。
       ガラス管(NEW)……ガラス3で作成。実験・制約などで使用。精製水精製装置・簡易薬物作業台の素材。

     ▼家具
       窓ガラス(NEW)……ガラス5で1枚作成。SP:消費なし
     
——————

 やった。
 ついにガラスの製品が作れるようになった。
 食器以外にも作れるものがあるな。
 それについてはおいおい作るとして、今はエルダの為のガラス食器だ。
 どんなデザインが良いんだろうか?
 って形変えられるのかな?
 まあ作ってみればわかることだな。
 うん、さっそくエルダの為にガラスの器を作ろう。

「ガラスの器!!」

 ってあれ?またできない……まさか……またなのか……
 ガラス炉を触ってみるとまた出たよ……

『待機中。予約枠0/5。ガラス残量:0個。エネルギー残量0%。』

 また魔石ですか……
 今手元にあるのいくつかな。
 1,2,3,4……15個か。
 1回でどのくらい使うか見ていかないとな。
 ん?それよりもまた、見たことない部分があるな。
 ガラス残量か。
 これあれかな。
 石英溶かしてガラスの残量を確保しろってことなのか?
 まあ、やってみよう。
 まずは魔石(極小)をセットしてっと。

 「ガラス!!」

 光に包まれた石英の塊はみるみる吸い込まれていく。
 手元の石英がすべてなくなる。
 確認の為ガラス炉に触れると表示が変わっていた。

『待機中。予約枠0/5。ガラス残量:0個。溶解中:石英80個。作業期間:80分。エネルギー残量100%。』

 これで少し待てばガラスができるはず。
 
 それにしても、このクラフトのシステムっていったい誰が作ったんだ。
 まあ、神様とか創造神とか。
 そういうのかとは思うけど。
 さすがにここまでご都合主義が続くと、怪しむなって方がおかしい話になってくる。
 今までを振り返ると、あまりにも出来すぎている。

 無事に召喚されたこと。
 追い出されてもすぐに生活できたこと。
 エルダの事。
 ギルドの事。
 職業にスキル。
 戦闘などでは苦労させられたけど、あまりにも順当すぎる。
 ゲームで言うと、チュートリアルをやってきた感じがする。
 もしかすると、ここはゲームの世界じゃないかとすら思ってしまう。
 そして、そんなはずはない!!って言えるだけの材料がそろっていない。

 まあ、考えても仕方がないことなんだけど。
 今ここで生きている俺は俺だから。

 そうこうしているうちに、だいぶ溶けたと思うんだけど……

『待機中。予約枠0/5。ガラス残量:10個。溶解中:石英70個。作業期間:70分。エネルギー残量95%。』

 よし。これで改めて作成ができる。

 「ガラスの皿」「ガラスのコップ」「ガラスの靴」

『ガラスの皿作成中。残り時間:1分。ガラスのコップ作成中。残り時間:1分。ガラスの靴作成中。残り時間:1分。予約枠3/5。ガラス残量:10個。溶解中:石英70個。作業期間:70分。エネルギー残量95%。』

 意外とすぐできるんだな。
 全部1分とかどうなってるんだろうか。

『ガラスの皿が作成完了しました。』
『ガラスのコップが作成完了しました。』
『ガラスの靴が作成完了しました。』

 立て続けに出来上がった。
 そしてすべて鑑定した結果がこうなった。

ガラスの皿:食器。透明度の高いガラスでできた皿。料理の質が向上する。
ガラスのコップ:食器。透明度の高いガラスでできた食器。料理の質が向上する。
ガラスの靴:調度品。透明度の高いガラスでできた靴。履けなくはないが、踊ることは不可能。

 これはきれいだ。
 たぶん、地球の水準と同じレベルのガラスができたみたいだ。
 よし、皿とコップをもう少し作ろう。

 結果として、大きさの異なる皿を2組計10枚。コップが6個とワイングラスを2組作ってみた。
 これだけあればエルダも喜んでくれるだろうか。
 さっそくエルダのいるダイニングに出来上がったガラス製品を移動させた。

「え?!これが全部ガラスでできてるの!?ありえない!!ありえない透明度よ?!貴族の屋敷にすらないレベルのガラス製品がここにある……。カイト、あなた何したか理解してるの?」
「それはもちろん、エルダの喜ぶ姿がみたかったんだ。」

 エルダはうれしい反面呆れてしまい、盛大にため息をついてしまった。
 おそらくカイトは理解していない。
 これを売り払えば、大金貨が乱れ飛ぶレベルだ。
 しかも、調度品のガラスの靴が素敵すぎた。
 エルダの目はガラスの靴から離れられなくなっていた。

「え、エルダさんや。感想はいかに?」
「はぁ~。もうね、言葉にならないの。わかる?私の気持ち?うれしいわよ。とてもうれしいわ。でもね恐れ多すぎて使えないわよ。」
「あ、心配しないでいいよ。割れてもすぐに作り直せるから。破片を溶かして再利用できるし。」

 エルダはさらに深いため息をつくこととなった。
 カイトに常識をみっちり教えないとと、心に誓ったエルダなのだった。
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