勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
上 下
57 / 322
第2章 これから始まる共同生活

二十二日目② 面白いほどよく増える

しおりを挟む
 ギルド職員を伴って、さっそく砂の取れる地層まで来ていた。
 そこはもともと鉱山跡地だった場所だ。
 この鉱山跡地は元々地盤が脆く、坑道が掘れないために、露天掘りで掘り進められていた。
 そのため、主要な鉱脈まで行くにしても、周りを無駄に広く深く掘る必要が出てきたそうだ。
 ぶっちゃけ言えば費用対効果の面でも旨味が薄かったみたいだ。
 ある程度鉱石を掘り出すと、今度は砂の地層に当たり、湧水も出始めた。
 湧き水対策なんてしていたらいくらあっても足りないことから、採掘を断念したそうだ。
 それに近くにダンジョンが出現したために無理して掘る必要性がなくなってしまったそうだ。
 冒険者に依頼すれば掘るよりも上質な鉱石が手にはいるんだから、そうするよなって話だ。
 ただ流石というべきか。
 元鉄鉱山だけあって砂地には砂鉄も多く含まれているが、魔法師でないと分別ができないそうだ。
 どうやって集めているんだろうな。
 もしかしたら人間電磁石みたいな感じなのかな?
 想像したらちょっと面白かった。
 ちなみに、高品質のアイテムバックだと砂をバック内でさらにより分けることは可能だそうだが、購入には白金貨数枚が必要なため費用対効果を考えると現実的ではないそうだ。
 普通にダンジョン産出の鉱石でこと足りてしまうのだから。

 俺はというと、アイテムボックス様々だった。
 砂にはその場所の特徴がよく現れているという。
 これは、異世界転移する前の営業先の社長から教えてもらった話だ。
 ここの砂には主掘削時に砕くけた砂や石英・砂鉄が含まれていた。
 俺は誰彼憚ることなくどんどん回収すると、面白いように集まってきた。 

 ある程度集まったので素材を鑑定してみた。

 スキル【鑑定】

 砂:ただの砂。
 石英:中間素材。砂に含まれるガラス成分。ガラスの素材。
 砂鉄:鉱石。砂に含まれる鉄成分。玉鋼の素材。

ピコン

『スキル:DIYのレシピが増えました。』

 アイテムボックス内の数が一定数を超えたころで、新たなレシピが解放されたようだ。

——————

技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
     ▼素材(NEW)
       ガラス(変更)……石英1でガラスを作成。中間素材。
       玉鋼(NEW)……砂鉄1で作成。中間素材。

——————

 これまた面白いのが来たね。
 玉鋼か……もしかして日本刀作れんじゃね?!
 これは期待値ガンガンに上がってくるわ~~~!!
 剣道家の血が騒いでくる(初段で無勝)。
 何て冗談を言いたくなるくらいにテンションが上がってしまった。

 あと、レシピの変化がびっくりだった。
 おそらく石英が増えたんでそれが影響しているかもしれない。
 これからも、手に入れた素材でレシピの変更もあるかもしれないな。

 それと思ったことがある。
 さすがはファンタジーと言うしかないんだが……
 ガラスは石英だけでは製造が難しいというか不可能だ。
 あとソーダ灰と呼ばれる木灰。
 チョークとかの材料の石灰石も確か必要になったはず。
 この辺は聞きかじった程度の知識だから正確には分からない。
 そもそも現代日本の知識がここで通用するかって話なんだよな。
 必要素材を不要としているのは、おそらく魔石から出る魔力とかが作用しているのかもしれない。
 正直、学者じゃない俺からすればファンタジーだからで片付けるほうが楽でいい。
 おそらくほかのレシピの対してもこういった仕様なんだと思う。

 とりあえずこれで材料があらかたそろったし、ついにガラス製品が作れる!!
 エルダの料理を盛ってもらえば見栄えも最高だ。

 俺は同行してくれたギルド職員にお礼を言うと、自宅へ急いで戻った。
 自宅に入ると、途端にお腹の空く匂いが漂ってきた。
 どうやらエルダが晩御飯の準備をしてくれているらしい。
 台所から聞こえる小気味よい包丁がまな板を叩く音。
 いくら魔法が発達した世界だとしても、こういった日常はあまり変わらないんだな。

「ただいま。料理してくれてありがとうエルダ。それでさ唐突なんだけど、食事のガラス食器作ったらおもしろいと思わないか?」
「お帰り。いきなり何言ってるの?ものすごく高価なガラスで食器を作るってバカな……。うん、カイトならやりかねないね。でも……ガラス食器ね……。考えたこともなかったわ。それはとっても素敵かもしれないわね。」

 というわけで、俺は丹精込めてガラスを作ることにしました!!
 だってエルダに喜んでもらえたら嬉しいでしょ?
 だったら頑張るしかないでしょ?

 まずはガラス炉の作成からしないと。
 場所は……って、まだまだ広いから問題ないか。

 材料は……レンガと魔石(極小)。
 うん、数もOK!!
 では作りますか。

「ガラス炉!!」

 光が渦巻くと同時にレンガ20個と魔石(極小)5個が宙に浮きあがり光へと消えていった。
 しばらくして光が収まると、目の前にそこそこ大きな炉が出来上がっていた。
 溶鉱炉でも思ったけど、良く溶けた個体が漏れないよな。
 さすがわファンタジーだ。

 違う違うそうじゃない。
 感心している場良いじゃなかった。
 俺はさっそくガラス炉を鑑定してみた。

 ガラス炉:ガラスの溶解および形成。ガラス製品の作成。

 良し、これであとは素材を入れれば大丈夫なはずだ。

ピコン

『スキル:DIYのレシピが増えました。』

 また増えたよ。
 どんだけ増えれば気が済むんだ?
しおりを挟む
本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
感想 77

あなたにおすすめの小説

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。