勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第1章 ここから始まるDIY

十八日目① 結果 魔石不足

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 俺は、いつもより少し早く目が覚めてしまった。

 昨日のラストがあまりにも目まぐるしい展開だったために、若干整理しきれていない感じがする。
 とりあえず、今後の行動についての整理をしてみた。

①今日中に転居先が決定する
②同居人としてエルダが決まる可能性がある
③明日には引っ越しをしなくてはならない
④集まった素材でクラフト作業をする
⑤魔法の検証
⑥貴族への対応

 で、朝から取り掛かるのは④と⑤。戻ったら①が確定。
 ②と③は明日の対応って感じかな。
 ⑥は……ギルマスに任せよう。
 正直俺が関わると、碌なことにならない気がする。

 さてと、じゃあステータスを確認してみるか。
 変化したのはどこかな?

——————

ステータス

 HP :115/115
 MP :  10/ 10(10UP)
 SP : 32/ 32
 体力 : 24(+3)
 力  : 65(2UP)(+3)
 知力 :  7(5UP)
 魔力 :  7(5UP)
 素早さ: 80(-3)
 魅力 :  5
 幸運 : 50

自然回復量
 HP :1/分
 MP :1/分(1UP)
 SP :1/分

技能 :高速採掘 レベル2(1UP)……採掘作業の効率化。採掘速度上昇。レベル×1%。効果時間レベル×5分。SP:4

——————

 やった、昨日の魔導士見習いの効果が効いてるんだな。
 魔法関連のステータスが伸びてる。
 ということは、自分が伸ばしたいステータスに沿った職業にしたり、行動すれがそのステータスが上がるのかもしれない。
 これは今後の検証課題だな。

 あとは……高速採掘がレベル上がったか。
 それはそうだよな。
 あれだけ掘ってりゃ上がるよね。

 他を見てみたけど、特に上昇している項目は見られなかった。
 MP:10あるけど、バレット系はMP:3だから、3発撃ったら打ち止めってことか。
 それ以降は3分に1発撃てるってわけか。
 うん、これはまだまだ実践向きじゃあないな。
 ゴブリンとかで試し撃ちしつつ、MPを伸ばしていくしかないかな。

 朝食を済ませると、冒険者ギルドには寄らずに東門へと移動した。
 おそらく今日は、ギルド内がごった返しているはずだ。
 もうすぐアーマードロックアント討伐作戦が決行されるはずだからだ。
 とりあえず、「エルダが無事だったら特に問題ない」と思ってしまった自分は、この世界に慣れてきたのかもしれない。



 東門でいつもの衛兵に挨拶をして、いつもの場所へと移動した。
 川辺に仮拠点を作ろうとして、また失敗したことに気が付いた。
 魔石をすべて換金してしまった……
 ということで……ゴブ狩り入りま~~~す。
 
 というかいったいいくつ魔石が必要なんだ?
 たしかインゴット二つ作るのに魔石(極小)一つ消費だったはず。
 そう考えると……
 そこそこ集めておかないと作業中に魔石が切れる恐れがあるな。
 最低でも20……いや25くらいかな。
 失敗した。
 いくつ集めればいいか確認するっだった。
 
 とりあえず、かなり厳しくないか?
 集落でも落とさないと集まらない数じゃないか?
 まずは午前中で集められるだけ集めてみるしかないかな?
 最悪明日でもいいわけだし。
 明後日も集めると考えれば大丈夫だと思うけど……


 俺は今後を考えて魔法を覚えたいので、職業を【魔導士見習い】に変更しておく。

『職業:なんでも屋の起動を確認しました。職業:魔導士見習い(なんでも屋)へ一時変更します。』

 そうして東の森に入った俺は、すぐにゴブリンに出会ったのだった。
 目の前にはゴブリンが4体。
 投擲でも倒せるとはおもうけど、スキルレベルを上げるためにあえて魔法で先制攻撃を仕掛けた。

スキル【ウォーターバレット】!!

 水の弾丸が、目にも止まらぬ速さで飛んでいく。
 そして、縦に並んでいた2匹のゴブリンの胴体を貫いた。
 何が起きたかわからないゴブリンは、胸を押さえながら倒れこんで痙攣をしていた。
 残り2匹がまだ俺を見つけられていないうちに、さらにもう2発魔法を放った。

スキル【ウォーターバレット】×2!!

 立て続けに飛んでいく水の弾丸が、ゴブリンに襲い掛かった。
 2匹とも警戒していたのか、飛んできた水の弾丸を転がるように回避していた。
 俺はその隙に回避して倒れこんでいるゴブリンに向かって駆けだした。
 慌てたゴブリンはすぐに立ち上がろうとしたが、一瞬遅くその胴体を切り裂かれた。
 残り1匹も慌てたように立ち上がり、こん棒を振り回している。
 剣を構え、ゴブリンを見据える。

 数拍後、奇声とともに突進してきたゴブリンを躱しざま、その無防備にさらされたゴブリンの首を、手にした剣で撥ね飛ばした。
 勢いを殺し切れず、そのままゴロゴロと転がり木にぶつかり、やっとゴブリンの体は停止した。
 撥ね飛ばされた頭は宙を舞い、その表情は何が起こったかわからないと言いたげだった。
 
 それを見た俺は思わず吐いてしまった。

 何度もゴブリンを倒してきた。しかし、どこかでゲームの感覚でいたようだ。
 改めてゴブリンの顔を見て、こいつらも【生物】であることを強制的に認識させられた。

 吐き気が収まった俺は、周囲を確認して歩いた。
 ゴブリンが消えた後には魔石(極小)が3つとこん棒が1つ。腰布が4つ散らばっていた。

 気が付くと俺の手は久しぶりに震えていた。そう、初めてゴブリンを倒したときのように。
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本日 5/2(木)より新作掲載開始しました!!もしよろしければそちらも立ち寄っていただければ幸いです!!手加減必須のチートハンター ~神様の計算を超えて、魔王の手から世界を護ります!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/911619238/145877156
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