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第1章 ここから始まるDIY
十五日目③ 鉱脈発見!!
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『職業:なんでも屋の起動を確認しました。職業:狩人(なんでも屋)へ一時変更します。』
俺はダンジョンでの戦闘に備え職業を変更した。
ダンジョンでは危険が伴うのが常識だ。
それにしても、そろそろスキルを覚えたいけど……
第一層に足を踏み入れた俺の感想は……『ザ・PRG!!』っだった。
このダンジョンは廃坑跡だけあって洞窟のような構造をしていた。
ただ、ジメジメはしていないものの、清潔感があるかと言われればそうでもない。
壁面はごつごつとした感触で、吹っ飛ばされて壁にぶつかった時にダメージを受けそうだ。
道幅はそれなりに広いけど、戦闘と考えるとだいぶ動きが制限されそうだ。
洞窟内はうすぼんやりと明るくなっており、壁に見える緑色に光る苔がうっすらとダンジョンを照らし出してくれていた。
だからと言って戦闘しやすいかと言ったらそうではないレベルでだ。
スキル【鑑定】
陽緑苔:淡い緑色の光を発光する苔。特に何かの素材になったりはしない。
なるほどね。
素材にはならないけど、ダンジョンのライト的役割を果たしてくれているのか。
これも『ザ・PRG!!』の感覚に拍車をかけてくる。
ここまでくるとリアルであることを否定したくなる。
ん?この苔も鑑定できるってことは……
じゃあ、ダンジョンそのものも鑑定できるのかな?
スキル【鑑定】
ダンジョンの壁:壁
ダンジョンの床:床
ダンジョンの天井:天井
ダンジョン……
「ぐわぁ!!」
あぁ~~~~くそっ!!失敗した!!頭が痛い!!
俺は思わず叫び声をあげてしまった。
おそらく情報過多という奴だろうか。
俺の頭が情報を処理しきれなくなって、悲鳴を上げてしまったらしい。
はい、もうやめます。
ですよね?これもまたテンプレですよね?
気を取り直して探索します。
周囲には敵影……なし。
入り口から先は……
直線っぽいから道なりに進んでみよう。
違和感があったら即時鑑定していけば問題ないはず。
しばらく進むと二股の分かれ道があった。
そして親切にも看板が……
『←採掘コース/討伐コース→』
うん、これも魔族の親切心なのだろうか……
それとも罠か……
考えても仕方がないので、素直に従うことにした。
少し歩くと、目の前に第一モンスターを発見。
岩に擬態した【ロックミミクリー】が2匹。
さすがに見慣れたなぁ。
あからさまに丸い岩が並んでるから……
ロックミミクリーは、まだこちらに気が付いていないようだった。
俺はスキルを発動して奇襲を仕掛けた。
スキル【ホークアイ】
スキル【投擲】
投げた魔晶石(水)は見事ロックミミクリーに命中し、2匹とも行動不能に陥った。
あとは簡単なお仕事。スパッと切り裂いて終了。
ドロップアイテムはロックミミクリーの甲殻1つ、魔石(極小)1つに石が2つだった。
結構厳しい懐事情になりそうだ。
できれば魔晶石(水)1つ消費で銀貨1枚以上の稼ぎでないと採算が取れない計算になる。
しかし、ここは初心者ダンジョン。
それのさらに上階……そううまくはいかないか……
気持ちを切り替えて採掘をしよう。
鉄鉱石を手に入れれば話が変わってくるかもしれないし。
さらに奥に進んでも鉄鉱石は見つからなかった。
途中、ロックミミクリー4匹に遭遇。
魔晶石(水)をうまくヒットさせられたおかげで、何とか撃退できた。
戦果はロックミミクリーの甲殻が3つ。
魔石(極小)が1つ。
石が4つ。
ドロップアイテムはアイテムボックスにしまって、さらに探索を続けた。
何度か分かれ道を進むと、目の前が行き止まりとなっていた。
行き止まりには周囲とは違い、若干赤みがかった壁があった。
俺は怪しさ満点な壁を鑑定してみた。
スキル【鑑定】
鉱床:鉱石が埋まっている可能性がある場所。埋蔵量等はランダムの為掘るまで不明。
キタコレ!!!!
さっそくつるはし装備して掘りだそう。
カンキンコンカンキンコン……
めっちゃ堅いんですが……
ついに鉱脈を発見した俺は石のつるはしを取り出し、一心不乱に振り下ろした。
カンキンコン
カンキンコン
かなり堅い。
ま、石のつるはしだしそれは仕方がないのだろうか。
それでも振り続けた。
何度か降るうちに「ガコン」と塊が地面に落ちた。
すると塊が砕け、拳二つ分の塊数個に分かれた。
スキル【鑑定】
鉄鉱石:鉄を含んだ鉱石。そのままでは使用できない。※要溶鉱炉
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
よっしゃ!!確認確認。
——————
▼素材(NEW)
鉄インゴット……鉄鉱石で作成。鉄製品基本素材。SP:消費なし
——————
ついに鉄鉱石が手に入った。
さらに、鉄インゴットの作成もできるようになった。
これからは鉄器時代に突入できるのか。
逸る気持ちを押さえ、さらに掘り進める。
カンキンコン
カンキンコン
俄然やる気が出てきた!!
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
そろそろここの鉱脈では出にくくなってきたので、採掘をいったん終了とした。
採掘できたのは鉄鉱石20個と石10個。
これは多いのか少ないのか。
しかも、冒険者ギルドの買取価格はkg単位なのに、アイテムだと個数表記……
何か違和感を感じるな。
「痛っつううううううううう~~~~~~~!!」
突如謎の頭痛に襲われ、その場に座り込んでしまった。
頭痛は体感的に1分以上続き、徐々に収まってきた。
そして唐突に鉄鉱石への理解が深まった。
さすが御都合主義としか言いようのないタイミングだ……
①鉄インゴットは1本=鉄鉱石2kgで製錬。
②鉄鉱石2kg=鉄鉱石5個と同量。
③つまり、鉄鉱石1個=400g。※銅鉱石も一緒。
やはりここでも現実味を薄れさせるような状況になった。
おそらくだが、本来は鉄鉱石から不純物の除去作業を行いつつ製錬するのだろう。
しかし、スキルの使用によって不純物除去等の作業が簡略化され、結果インゴットができるところだけが発現する。
そう考えると、俺はこの世界の摂理の外の存在なのではないかと考えてしまう。
むしろ、そっちの方が釈然としてしまうのが悲しい。
俺は自分の感情をコントロールするために深呼吸をした。
そのおかげか、少しだけ思考がクリアになった。
ぶっちゃけ、摂理の外の存在だろうが何だろうが、俺はここで生きている。
ただそれだけだ。
鉄鉱石に関しては、明日以降に製錬して確認するしかないな。
改めて、鉄鉱石の探索へと動き出した。
俺はダンジョンでの戦闘に備え職業を変更した。
ダンジョンでは危険が伴うのが常識だ。
それにしても、そろそろスキルを覚えたいけど……
第一層に足を踏み入れた俺の感想は……『ザ・PRG!!』っだった。
このダンジョンは廃坑跡だけあって洞窟のような構造をしていた。
ただ、ジメジメはしていないものの、清潔感があるかと言われればそうでもない。
壁面はごつごつとした感触で、吹っ飛ばされて壁にぶつかった時にダメージを受けそうだ。
道幅はそれなりに広いけど、戦闘と考えるとだいぶ動きが制限されそうだ。
洞窟内はうすぼんやりと明るくなっており、壁に見える緑色に光る苔がうっすらとダンジョンを照らし出してくれていた。
だからと言って戦闘しやすいかと言ったらそうではないレベルでだ。
スキル【鑑定】
陽緑苔:淡い緑色の光を発光する苔。特に何かの素材になったりはしない。
なるほどね。
素材にはならないけど、ダンジョンのライト的役割を果たしてくれているのか。
これも『ザ・PRG!!』の感覚に拍車をかけてくる。
ここまでくるとリアルであることを否定したくなる。
ん?この苔も鑑定できるってことは……
じゃあ、ダンジョンそのものも鑑定できるのかな?
スキル【鑑定】
ダンジョンの壁:壁
ダンジョンの床:床
ダンジョンの天井:天井
ダンジョン……
「ぐわぁ!!」
あぁ~~~~くそっ!!失敗した!!頭が痛い!!
俺は思わず叫び声をあげてしまった。
おそらく情報過多という奴だろうか。
俺の頭が情報を処理しきれなくなって、悲鳴を上げてしまったらしい。
はい、もうやめます。
ですよね?これもまたテンプレですよね?
気を取り直して探索します。
周囲には敵影……なし。
入り口から先は……
直線っぽいから道なりに進んでみよう。
違和感があったら即時鑑定していけば問題ないはず。
しばらく進むと二股の分かれ道があった。
そして親切にも看板が……
『←採掘コース/討伐コース→』
うん、これも魔族の親切心なのだろうか……
それとも罠か……
考えても仕方がないので、素直に従うことにした。
少し歩くと、目の前に第一モンスターを発見。
岩に擬態した【ロックミミクリー】が2匹。
さすがに見慣れたなぁ。
あからさまに丸い岩が並んでるから……
ロックミミクリーは、まだこちらに気が付いていないようだった。
俺はスキルを発動して奇襲を仕掛けた。
スキル【ホークアイ】
スキル【投擲】
投げた魔晶石(水)は見事ロックミミクリーに命中し、2匹とも行動不能に陥った。
あとは簡単なお仕事。スパッと切り裂いて終了。
ドロップアイテムはロックミミクリーの甲殻1つ、魔石(極小)1つに石が2つだった。
結構厳しい懐事情になりそうだ。
できれば魔晶石(水)1つ消費で銀貨1枚以上の稼ぎでないと採算が取れない計算になる。
しかし、ここは初心者ダンジョン。
それのさらに上階……そううまくはいかないか……
気持ちを切り替えて採掘をしよう。
鉄鉱石を手に入れれば話が変わってくるかもしれないし。
さらに奥に進んでも鉄鉱石は見つからなかった。
途中、ロックミミクリー4匹に遭遇。
魔晶石(水)をうまくヒットさせられたおかげで、何とか撃退できた。
戦果はロックミミクリーの甲殻が3つ。
魔石(極小)が1つ。
石が4つ。
ドロップアイテムはアイテムボックスにしまって、さらに探索を続けた。
何度か分かれ道を進むと、目の前が行き止まりとなっていた。
行き止まりには周囲とは違い、若干赤みがかった壁があった。
俺は怪しさ満点な壁を鑑定してみた。
スキル【鑑定】
鉱床:鉱石が埋まっている可能性がある場所。埋蔵量等はランダムの為掘るまで不明。
キタコレ!!!!
さっそくつるはし装備して掘りだそう。
カンキンコンカンキンコン……
めっちゃ堅いんですが……
ついに鉱脈を発見した俺は石のつるはしを取り出し、一心不乱に振り下ろした。
カンキンコン
カンキンコン
かなり堅い。
ま、石のつるはしだしそれは仕方がないのだろうか。
それでも振り続けた。
何度か降るうちに「ガコン」と塊が地面に落ちた。
すると塊が砕け、拳二つ分の塊数個に分かれた。
スキル【鑑定】
鉄鉱石:鉄を含んだ鉱石。そのままでは使用できない。※要溶鉱炉
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
よっしゃ!!確認確認。
——————
▼素材(NEW)
鉄インゴット……鉄鉱石で作成。鉄製品基本素材。SP:消費なし
——————
ついに鉄鉱石が手に入った。
さらに、鉄インゴットの作成もできるようになった。
これからは鉄器時代に突入できるのか。
逸る気持ちを押さえ、さらに掘り進める。
カンキンコン
カンキンコン
俄然やる気が出てきた!!
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
カンキンコン
そろそろここの鉱脈では出にくくなってきたので、採掘をいったん終了とした。
採掘できたのは鉄鉱石20個と石10個。
これは多いのか少ないのか。
しかも、冒険者ギルドの買取価格はkg単位なのに、アイテムだと個数表記……
何か違和感を感じるな。
「痛っつううううううううう~~~~~~~!!」
突如謎の頭痛に襲われ、その場に座り込んでしまった。
頭痛は体感的に1分以上続き、徐々に収まってきた。
そして唐突に鉄鉱石への理解が深まった。
さすが御都合主義としか言いようのないタイミングだ……
①鉄インゴットは1本=鉄鉱石2kgで製錬。
②鉄鉱石2kg=鉄鉱石5個と同量。
③つまり、鉄鉱石1個=400g。※銅鉱石も一緒。
やはりここでも現実味を薄れさせるような状況になった。
おそらくだが、本来は鉄鉱石から不純物の除去作業を行いつつ製錬するのだろう。
しかし、スキルの使用によって不純物除去等の作業が簡略化され、結果インゴットができるところだけが発現する。
そう考えると、俺はこの世界の摂理の外の存在なのではないかと考えてしまう。
むしろ、そっちの方が釈然としてしまうのが悲しい。
俺は自分の感情をコントロールするために深呼吸をした。
そのおかげか、少しだけ思考がクリアになった。
ぶっちゃけ、摂理の外の存在だろうが何だろうが、俺はここで生きている。
ただそれだけだ。
鉄鉱石に関しては、明日以降に製錬して確認するしかないな。
改めて、鉄鉱石の探索へと動き出した。
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