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第2章
第40話 養殖技術おそるべし
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「ご注文が決まりましたらこちらのボタンを押して教えてください。」
「あ、ハイ……」
俺たちはテーブル席に案内してもらい、席に着いた。
席には冷やした水の入ったボトルとコップ、それにおしぼりが準備されていた。
脇にはメニュー表があり、ここから選べってことだな。
「陸人の世界の者が召喚されたときにここをオープンさせたみたいよ。」
「やっぱりそうだろうと思ったよ。
リリーはメニュー表を開いてリルと一緒に何にするか選んでいた。
リルとしてはどれも初めて見る料理ばかりで、どれがどういうものなのかリリーに聞きながらああでもないこうでもないと品定めをしていた。
俺が気になっていたものは入り口ショーケースに飾られていた物……そう、カリ!!
敢えてカレーと表記していない理由は分からないけど、どう見てもカレーだった。
ただ、ご飯が無いらしくパンなどが添えられていた。
せめてそこはナンを準備してくれてもよかったじゃないか……
その他にもなんかの魚っぽい刺身とか、魔物肉の焼肉定食っぽいの……あ、もつ鍋まである。
いや、何のモツだよ⁈
周りの客を見てみても、それぞれが思い思いのメニューを注文していた。
その表情は至福と言わんばかりにほころんでおり、どれもうまいってことなんだろうな。
俺たち決まったメニューを店員に告げ、届くのを待つことにした。
リルはすでに待ち飽きたのかまだかまだかとそわそわしている。
その間にも別のテーブルに運ばれている食べ物を見て、目を輝かせていた。
近くを店員が食べ物を持って歩くたび、「あれは何?」「これは何?」などと急かされるので、暇を持て余すってことは無かった。
「お待ち度様でした!!」
威勢の良い定員の声と共に運ばれてきた料理の数々。
どう見ても日本の大衆食堂の料理でした。
俺の前にどんと置かれた料理……まさにカレー!!
しかもインド式だ。
ここでは米を扱っていないためカレーライスは出来なかったけど、こうしてナンモドキの厚切りパンが数枚添えられていた。
さらに福神漬けまであるなんて誰も思わないじゃないか……
リリーの目の前にあるのは……うな重っぽいモノ。
しかも特上を選んだらしく、お重の中はウナギっぽい物であふれ返っている。
だがそもそもの話、リリーってあの量を食べきれるのか?
どう見ても自分の身体よりも数倍以上でかい気がするんだけど。
「食べれるのかそれ?」
「え?無理に決まってるでしょ?だからこうして……」
そう言うとリリーは店員からもらった木の器に自分のうな重の中身をとりわけ始めた。
なんとも器用にスプーンを使って崩さないように取り出されたうな重。
まあ重箱に入ってないからうな重って言って良いのか分からないけど。
「というわけでこれよろしく!!」
そう言って取り分けたうな重の中身を俺に渡してきた。
どうやらアイテムボックスにしまえってことらしい。
確かにこれならいつでもうな重が食べられるな。
リルの前にあるのは魔獣ステーキ食べ比べセット、魔獣4種盛ってやつだ。
そのボリューム感たるや、見た目だけで胃もたれをしそうだった。
食べ比べ内容としては、オーク肉、ロックバード、ワイルドバッファーロー、そして最後……仰々しく鎮座しているのは……ドラゴンミート(養殖)……
え?養殖?ドラゴンを?どういうこと?
「あ、それね、ドラゴンって言ってるけど亜龍種の肉だから、比較的簡単に手が入るのよ。」
いや、亜龍って言ったってドラゴンはドラゴンでしょ?
それを養殖してしまうってどんだけの技術だよって思った。
そう言えば狩猟者連合協同組合で見た狩猟者も装備で龍皮や鱗を使った物を装備している人て、さすが総領都だけあるなって思ったけど、もしかしてあれも養殖ドラゴンのモノなのか?
さすがファンタジーだな……
「じゃあ冷めないうちに……いただきます!!」
それから俺たちは思い思いに料理に舌鼓を打った。
それぞれの料理の食べ比べをしたりしたので、いろいろな味を堪能できた。
でも一番びっくりしたのは、リルが頼んだステーキ。
あのドラゴンステーキが反則級にうまい!!
いや、その前のワイルドバッファローも肉感があってうまかったんだけど、ドラゴンは本当に別格だな。
あんなにうまい肉を食ったことが無い。
噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁。
だがその脂はしつこくなく、さらりとしていて旨味の余韻を残して消えていく。
そこに追い打ちをかけるように赤み部分の肉々しい肉の旨味。
それが一噛み一噛み毎に交互に押し寄せてくる。
これで養殖だっていうんだから、天然物はさらに……
「なぁ、リリー。ドラゴンってどこで狩れるんだ?」
「何処って……まあ、生息地は限られているし、行けなくはない場所よ?ただ狩猟者連合協同組合で管理しているでしょうから、そこで確認するのが一番ね。」
よし、次の目標が決まった。
俺はドラゴンスレイヤーになる!!
「主殿……とりあえず落ち着いて喰わんか?」
いつもなら乗ってくるリルがあまり乗り気には見えなかった。
むしろステーキを冷静にゆっくりと堪能しているようにすら思えた。
リル……なんでいつもと違うんだ?
とまあ、こんな感じで俺たちは食事を楽しんだのだった。
「あ、ハイ……」
俺たちはテーブル席に案内してもらい、席に着いた。
席には冷やした水の入ったボトルとコップ、それにおしぼりが準備されていた。
脇にはメニュー表があり、ここから選べってことだな。
「陸人の世界の者が召喚されたときにここをオープンさせたみたいよ。」
「やっぱりそうだろうと思ったよ。
リリーはメニュー表を開いてリルと一緒に何にするか選んでいた。
リルとしてはどれも初めて見る料理ばかりで、どれがどういうものなのかリリーに聞きながらああでもないこうでもないと品定めをしていた。
俺が気になっていたものは入り口ショーケースに飾られていた物……そう、カリ!!
敢えてカレーと表記していない理由は分からないけど、どう見てもカレーだった。
ただ、ご飯が無いらしくパンなどが添えられていた。
せめてそこはナンを準備してくれてもよかったじゃないか……
その他にもなんかの魚っぽい刺身とか、魔物肉の焼肉定食っぽいの……あ、もつ鍋まである。
いや、何のモツだよ⁈
周りの客を見てみても、それぞれが思い思いのメニューを注文していた。
その表情は至福と言わんばかりにほころんでおり、どれもうまいってことなんだろうな。
俺たち決まったメニューを店員に告げ、届くのを待つことにした。
リルはすでに待ち飽きたのかまだかまだかとそわそわしている。
その間にも別のテーブルに運ばれている食べ物を見て、目を輝かせていた。
近くを店員が食べ物を持って歩くたび、「あれは何?」「これは何?」などと急かされるので、暇を持て余すってことは無かった。
「お待ち度様でした!!」
威勢の良い定員の声と共に運ばれてきた料理の数々。
どう見ても日本の大衆食堂の料理でした。
俺の前にどんと置かれた料理……まさにカレー!!
しかもインド式だ。
ここでは米を扱っていないためカレーライスは出来なかったけど、こうしてナンモドキの厚切りパンが数枚添えられていた。
さらに福神漬けまであるなんて誰も思わないじゃないか……
リリーの目の前にあるのは……うな重っぽいモノ。
しかも特上を選んだらしく、お重の中はウナギっぽい物であふれ返っている。
だがそもそもの話、リリーってあの量を食べきれるのか?
どう見ても自分の身体よりも数倍以上でかい気がするんだけど。
「食べれるのかそれ?」
「え?無理に決まってるでしょ?だからこうして……」
そう言うとリリーは店員からもらった木の器に自分のうな重の中身をとりわけ始めた。
なんとも器用にスプーンを使って崩さないように取り出されたうな重。
まあ重箱に入ってないからうな重って言って良いのか分からないけど。
「というわけでこれよろしく!!」
そう言って取り分けたうな重の中身を俺に渡してきた。
どうやらアイテムボックスにしまえってことらしい。
確かにこれならいつでもうな重が食べられるな。
リルの前にあるのは魔獣ステーキ食べ比べセット、魔獣4種盛ってやつだ。
そのボリューム感たるや、見た目だけで胃もたれをしそうだった。
食べ比べ内容としては、オーク肉、ロックバード、ワイルドバッファーロー、そして最後……仰々しく鎮座しているのは……ドラゴンミート(養殖)……
え?養殖?ドラゴンを?どういうこと?
「あ、それね、ドラゴンって言ってるけど亜龍種の肉だから、比較的簡単に手が入るのよ。」
いや、亜龍って言ったってドラゴンはドラゴンでしょ?
それを養殖してしまうってどんだけの技術だよって思った。
そう言えば狩猟者連合協同組合で見た狩猟者も装備で龍皮や鱗を使った物を装備している人て、さすが総領都だけあるなって思ったけど、もしかしてあれも養殖ドラゴンのモノなのか?
さすがファンタジーだな……
「じゃあ冷めないうちに……いただきます!!」
それから俺たちは思い思いに料理に舌鼓を打った。
それぞれの料理の食べ比べをしたりしたので、いろいろな味を堪能できた。
でも一番びっくりしたのは、リルが頼んだステーキ。
あのドラゴンステーキが反則級にうまい!!
いや、その前のワイルドバッファローも肉感があってうまかったんだけど、ドラゴンは本当に別格だな。
あんなにうまい肉を食ったことが無い。
噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁。
だがその脂はしつこくなく、さらりとしていて旨味の余韻を残して消えていく。
そこに追い打ちをかけるように赤み部分の肉々しい肉の旨味。
それが一噛み一噛み毎に交互に押し寄せてくる。
これで養殖だっていうんだから、天然物はさらに……
「なぁ、リリー。ドラゴンってどこで狩れるんだ?」
「何処って……まあ、生息地は限られているし、行けなくはない場所よ?ただ狩猟者連合協同組合で管理しているでしょうから、そこで確認するのが一番ね。」
よし、次の目標が決まった。
俺はドラゴンスレイヤーになる!!
「主殿……とりあえず落ち着いて喰わんか?」
いつもなら乗ってくるリルがあまり乗り気には見えなかった。
むしろステーキを冷静にゆっくりと堪能しているようにすら思えた。
リル……なんでいつもと違うんだ?
とまあ、こんな感じで俺たちは食事を楽しんだのだった。
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