7 / 51
第1章
第7話 ダンジョン攻略……ってより破壊?
しおりを挟む
リリーから教えてもらった位置にあったダンジョンは比較的弱い敵しか出てこなかった。
ほとんどのモンスターをワンパンで蹴散らしながら、ダンジョンを進んでいく。
途中休憩する必要性があるかと思ったけど、そこは〝丈夫な身体〟のおかげだろうか、疲れるということは全くない。
むしろ睡眠欲も食欲もなく、ほぼノンストップでダンジョンをひたすら攻略していく。
若干リリーの顔が引き攣っていたけど、そこは気にしないことにした。
それよりも何よりもダンジョン攻略が最優先だから。
それよりもダンジョンとは不思議な場所だった。
案内してもらったダンジョンは、森の中の木の洞に有った。
普通に見たらダンジョンだって分からないようになっていた。
ダンジョンの入り口付近にきて初めてその違和感を覚えるほどに、精巧に隠蔽されていた。
ただ、その入り口に手を入れると、空間に波紋が出来てするっと中に入ることが出来た。
その中は……なぜか岩肌むき出しの洞窟になっていた。
いやいや、さっきは木の入り口だったよな?
なぜに岩なんだ?
これは気にしたら負けだってやつなのか?木だけに!!
くそ、親父ギャグで悪かったな。
初めて出くわしたモンスターはスライムだった。
某ゲームに出てくるような雫型じゃなくて、こうアメーバみたいな形だった。
色的にはなんだか薄暗い感じで、ちょっと毒々しく見えたけど、まあスライムだしな。
俺は武器なんて持ってなかったから、森で拾った木の枝を構えて一振り当ててみた。
するとスライムははじけるように爆散してしまった。
もちろん木の枝も木っ端みじんだ。
振り下ろすまではよかったんだけど、スライムにあたった瞬間思わず力をほんの少しだけ入れてしまったのがだめだったらしい。
脱力脱力。
その後出くわしたのは、これまた定番のゴブリン……にしてはイメージよりも大きいな。
色も青いし……なんか金ぴかの鎧をまとっていた。
とはいえゴブリンだしな。
そんな感じで様子見をしていたら、こっちが構える前に襲い掛かってきた。
躱すとかできるわけもなく俺は切り裂かれ……たはずなんだけど……
ゴブリンが思いっきり吹っ飛んでいった。
あぁ、〝丈夫な身体〟の反発力ってやつなのかな……
ピクリともしないゴブリン。
そのまま黒い靄となってダンジョンに消えていった。
うん、俺戦ってすらないよな……
その次に出てきたのは、これまた定番のコボルト!!
いやぁ~もふもふだった。
あまりのもふもふに撫でたくなって、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ足に力を入れて駆け寄ろうとしたんだ……
そしたら、なんということでしょう……
地面が爆ぜることが無かったんだ。
おかげで俺は前に走ることが出来た。
まではよかったんだ……
うん、一瞬でおおよそ100mはあった距離が0になった。
で、俺が急停止したもんだから風圧が発生したようで、コボルトは触れることなく吹っ飛んでいった。
そしてゴブリン同様に壁に激突し、そのままダンジョンに吸収されていった。
そんなこんなでモンスターとほぼ戦うことなく、階層を進めていくことになった。
そして今俺の目の前には、10回目のザ・ボス部屋って言う感じの扉がある。
さっきまで見ていた扉よりもさらに豪華というか禍々しさがあった。
その扉を俺はゆっくりと押し開く。
それはもう手加減しまくりの気を使いまくりで。
だって初めての扉の時勢い良く開けたら、その扉吹っ飛んでいったんだもの。
そして中にいたであろうボスに激突してそのまま壁まで飛んでいった。
うん、ボスと戦わずしてボスに勝利とか……ボスがかわいそうすぎるでしょう。
その後は本当に気を使いつつ開けるようにしてきた。
扉を開け切ると、真っ暗な空間が広がっていた。
そして俺が一歩中に足を踏み入れると、壁際に設置されていたであろう松明が一斉に灯っていく。
現代日本では考えられない青い炎だった。
「よくぞ来た……我がこの領域の王!!」
「あ、どうも。」
俺はいきなり話しかけられたんで若干焦って、気の抜けた返事をしてしまった。
目の前には躯体がゆうに10mは超えるであろうオオカミが寝そべっていた。
オオカミは銀色の美しい毛並みに、青く澄んだ海のような瞳を輝かせていた。
オーラって言えばいいのだろうか、貫禄ともとれるような気配がただ者では無いと告げていた。
「さて、ここまで来た褒美に我が遊んでやろう!!」
そう言ってオオカミは一吠えすると、それに呼応したかのように周囲に複数の魔方陣が展開されていく。
それは幾何学模様とどこかの国の言葉だろうか、びっしりと書き記されたそれは次第に輝きを増していく。
そこから現れたのは2mくらいの躯体の漆黒のオオカミだった。
グルグルと唸り声をあげて挑発してくるオオカミたち。
最後のオオカミが出現すると、そこにはおおよそ30匹くらいのオオカミがこちらを睨みつけている状況になった。
「リリーこれって大ピンチってやつなのか?」
「……その割に余裕過ぎない?」
もう呆れを通り越して遠い目をしているリリーは放っておこう。
まずは目の前のオオカミの群れをどうするかってことだな。
「死んでくれるなよ……人間!!」
ほとんどのモンスターをワンパンで蹴散らしながら、ダンジョンを進んでいく。
途中休憩する必要性があるかと思ったけど、そこは〝丈夫な身体〟のおかげだろうか、疲れるということは全くない。
むしろ睡眠欲も食欲もなく、ほぼノンストップでダンジョンをひたすら攻略していく。
若干リリーの顔が引き攣っていたけど、そこは気にしないことにした。
それよりも何よりもダンジョン攻略が最優先だから。
それよりもダンジョンとは不思議な場所だった。
案内してもらったダンジョンは、森の中の木の洞に有った。
普通に見たらダンジョンだって分からないようになっていた。
ダンジョンの入り口付近にきて初めてその違和感を覚えるほどに、精巧に隠蔽されていた。
ただ、その入り口に手を入れると、空間に波紋が出来てするっと中に入ることが出来た。
その中は……なぜか岩肌むき出しの洞窟になっていた。
いやいや、さっきは木の入り口だったよな?
なぜに岩なんだ?
これは気にしたら負けだってやつなのか?木だけに!!
くそ、親父ギャグで悪かったな。
初めて出くわしたモンスターはスライムだった。
某ゲームに出てくるような雫型じゃなくて、こうアメーバみたいな形だった。
色的にはなんだか薄暗い感じで、ちょっと毒々しく見えたけど、まあスライムだしな。
俺は武器なんて持ってなかったから、森で拾った木の枝を構えて一振り当ててみた。
するとスライムははじけるように爆散してしまった。
もちろん木の枝も木っ端みじんだ。
振り下ろすまではよかったんだけど、スライムにあたった瞬間思わず力をほんの少しだけ入れてしまったのがだめだったらしい。
脱力脱力。
その後出くわしたのは、これまた定番のゴブリン……にしてはイメージよりも大きいな。
色も青いし……なんか金ぴかの鎧をまとっていた。
とはいえゴブリンだしな。
そんな感じで様子見をしていたら、こっちが構える前に襲い掛かってきた。
躱すとかできるわけもなく俺は切り裂かれ……たはずなんだけど……
ゴブリンが思いっきり吹っ飛んでいった。
あぁ、〝丈夫な身体〟の反発力ってやつなのかな……
ピクリともしないゴブリン。
そのまま黒い靄となってダンジョンに消えていった。
うん、俺戦ってすらないよな……
その次に出てきたのは、これまた定番のコボルト!!
いやぁ~もふもふだった。
あまりのもふもふに撫でたくなって、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ足に力を入れて駆け寄ろうとしたんだ……
そしたら、なんということでしょう……
地面が爆ぜることが無かったんだ。
おかげで俺は前に走ることが出来た。
まではよかったんだ……
うん、一瞬でおおよそ100mはあった距離が0になった。
で、俺が急停止したもんだから風圧が発生したようで、コボルトは触れることなく吹っ飛んでいった。
そしてゴブリン同様に壁に激突し、そのままダンジョンに吸収されていった。
そんなこんなでモンスターとほぼ戦うことなく、階層を進めていくことになった。
そして今俺の目の前には、10回目のザ・ボス部屋って言う感じの扉がある。
さっきまで見ていた扉よりもさらに豪華というか禍々しさがあった。
その扉を俺はゆっくりと押し開く。
それはもう手加減しまくりの気を使いまくりで。
だって初めての扉の時勢い良く開けたら、その扉吹っ飛んでいったんだもの。
そして中にいたであろうボスに激突してそのまま壁まで飛んでいった。
うん、ボスと戦わずしてボスに勝利とか……ボスがかわいそうすぎるでしょう。
その後は本当に気を使いつつ開けるようにしてきた。
扉を開け切ると、真っ暗な空間が広がっていた。
そして俺が一歩中に足を踏み入れると、壁際に設置されていたであろう松明が一斉に灯っていく。
現代日本では考えられない青い炎だった。
「よくぞ来た……我がこの領域の王!!」
「あ、どうも。」
俺はいきなり話しかけられたんで若干焦って、気の抜けた返事をしてしまった。
目の前には躯体がゆうに10mは超えるであろうオオカミが寝そべっていた。
オオカミは銀色の美しい毛並みに、青く澄んだ海のような瞳を輝かせていた。
オーラって言えばいいのだろうか、貫禄ともとれるような気配がただ者では無いと告げていた。
「さて、ここまで来た褒美に我が遊んでやろう!!」
そう言ってオオカミは一吠えすると、それに呼応したかのように周囲に複数の魔方陣が展開されていく。
それは幾何学模様とどこかの国の言葉だろうか、びっしりと書き記されたそれは次第に輝きを増していく。
そこから現れたのは2mくらいの躯体の漆黒のオオカミだった。
グルグルと唸り声をあげて挑発してくるオオカミたち。
最後のオオカミが出現すると、そこにはおおよそ30匹くらいのオオカミがこちらを睨みつけている状況になった。
「リリーこれって大ピンチってやつなのか?」
「……その割に余裕過ぎない?」
もう呆れを通り越して遠い目をしているリリーは放っておこう。
まずは目の前のオオカミの群れをどうするかってことだな。
「死んでくれるなよ……人間!!」
221
お気に入りに追加
543
あなたにおすすめの小説

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる
まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。
そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる