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第1章
第3話 話は戻って紐無しバンジー
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「畜生!!これをどうしろって言うんだよ!!」
俺は誰にもぶつけようがない怒りを晴らそうと、喚き散らす。
それもそのはずで絶賛空を落下中。
これでパラシュートとかあればいいんだけど、そんなもんはもっていない。
じゃあどうするかって?俺が聞きたいよ。
「……さ……き……ます……」
ん?なんか聞こえたような……
なわけないよな、だってここ空だし……
「あの!!聞こえてますよね!!」
「って誰だよ!!」
なんかいきなり隣から声が聞こえてきたと思ったら、女性が一緒に落下していた。
え?マジ誰です⁈無理心中とかニュースになるんじゃないのか?
「本当にごめんなさい!!あなたにスキルを付けてないんです!!」
「今それどころじゃないの見て分かんないかな!!どう見ても落下中で、後数十秒で俺は地面にダイブなんですけど!?」
冗談抜きでファーストキスが地面とか勘弁してほしい。
せっかくあのくそみたいな人生をやり直せると思ったのに、開始数十秒で終了とかマジでないから!!
「でしたら、緊急措置として〝丈夫な身体〟にしておきますね!!」
そうその女性が言うと、俺の身体が一瞬光ったように見えた。
それから数十秒後……
俺は地面にキスをしたのだった……
~~~FIN~~~
ってなるかい!!
地面に大穴開いてるじゃないか!!
普通人間が地面に落ちたらグシャ!!ってなるでしょう!!
それが何で地面がこんだけ陥没してんの⁈
しかもこれだと隕石堕ちたとか言われたって信じるレベルで穴開いてるぞ!!
そんなことを脳内妄想していたら、大分冷静になれた。
「しっかし、これどうすんだよ……ってここ何処だ?」
「ここは大樹海【グリゴストワール】……通称死の森と呼ばれる場所ですよ、間宮陸人さん。」
俺の独り言に反応するように声が聞こえた。
だが周りを見ても誰もいない。
だいぶ近くから聞こえてきたからそばにいるんだと思ったんだけど、あたりに見えるのは壁……まあ、俺の落下の衝撃で開いた穴の底に俺がいるせいなんだけど。
「此処です此処!!」
俺はふと横を見ると、何かふわふわと浮いているものがあった。
一瞬虫かと思ったんだけど、大きさ的に15cm近い虫とかマジで勘弁してほしい。
「今虫とか思ったでしょ!?ひどくないですか!?せっかく助けたのに!!」
そう言って何かが飛び回っている。
あれか?妖精ってやつか?
「リリーは妖精じゃないし!!神様だし!!この世界の神様だし!!」
ほうほう、神様だって言う妄言を吐く遊びが妖精の間で流行ってるのか?
って現実逃避していると、思いっきり鼻の頭に突撃された。
「あだっ⁈」
まあ、痛くはないんだけどなんとなく痛いって思ってしまった。
思わず鼻の頭をなでると、空中で頭を抱えている妖精がいた。
「なんであんたそんなに硬いわけ⁈リリーがおバカになったらどうすんのよ!!って丈夫にしたのリリーだった!!」
「で、そのリリーさんがなんで俺なんかにまとわりついているわけさ?」
とりあえずリリーっと名乗った妖精を顔の前に構えた手のひらに乗せた。
リリーも素直に手のひらに座ると、少し不貞腐れていた。
よくよく見ると均整の取れた顔立ちだが、少しだけ幼さが残り、ある意味でオタク界隈で人気が出そうなのではないかと思ってしまった。
「ちょっと!!リリーに欲情しないでよね!!」
「するかちんちくりん!!」
思わずデコピンしそうになったのを我慢した。
俺よく耐えた!!
とりあえず、このままではらちが明かないからリリーの話を聞くことにした。
「で、ここは何処で、何の目的で俺たちを召喚したんだ?」
「違うわよ!!勝手に送り込まれたの!!まあ確かにリソース不足に陥りかけていたけど、それでも何とか運営出来ていたわよ。なのにあのアホ神が無理やり1000人も押し付けてきたのよ?おかげでリソースがキャパオーバーで暴走始めちゃったのよ!!全くどうしてくれるのよ!!」
怒り心頭なリリーなんだけど、その身体のサイズと見た目と相まってぷりぷりと怒る小動物にしか見えないな。
うん、なごむわぁ~。
「で?なんで俺を助けたんだ?それだったら俺を含めて送り込まれた奴全員殺してしまった方が良いんじゃないのか?」
「それもそうも言ってられないのよ。神々の条約に基づいて、全員保護しないといけないの。いくら強制的って言ってもこっちに送られた以上、私の管轄。それで死なれたら私の責任問題なの!!」
なるほどね、なんとも厄介なことに巻き込まれたもんだな。
しかも地球の神もその神々の条約ってやつの穴をついて自分の特になるように動いたってわけだ。
なんとも哀れというか……
「ちょっとあなた!!憐れんだ目で見ないでよ!!それより話を戻すわね。あなた以外の全員が無事この地に降り立ったの。で、あなただけあの空中に放り出されたもんだから、慌てて助けたってわけよ。」
なんかドヤ顔決めてるけど、むしろなんであんな場所に放り出されたんだって話じゃないのか?
いくらあのくそ上司の妨害があったからって普通に考えれば地表に転送されるんじゃないのか?
俺がジト目でリリーを見つめると、ふっと目をそらしやがった。
絶対なんかミスしたとかそんな感じだろうな。
「それで、何をやらかしたんだ?」
さらに追及のために睨みつけると、わたわたとし始めるリリー。
こりゃ絶対あかんやつをやらかしたパターンだな……
俺は誰にもぶつけようがない怒りを晴らそうと、喚き散らす。
それもそのはずで絶賛空を落下中。
これでパラシュートとかあればいいんだけど、そんなもんはもっていない。
じゃあどうするかって?俺が聞きたいよ。
「……さ……き……ます……」
ん?なんか聞こえたような……
なわけないよな、だってここ空だし……
「あの!!聞こえてますよね!!」
「って誰だよ!!」
なんかいきなり隣から声が聞こえてきたと思ったら、女性が一緒に落下していた。
え?マジ誰です⁈無理心中とかニュースになるんじゃないのか?
「本当にごめんなさい!!あなたにスキルを付けてないんです!!」
「今それどころじゃないの見て分かんないかな!!どう見ても落下中で、後数十秒で俺は地面にダイブなんですけど!?」
冗談抜きでファーストキスが地面とか勘弁してほしい。
せっかくあのくそみたいな人生をやり直せると思ったのに、開始数十秒で終了とかマジでないから!!
「でしたら、緊急措置として〝丈夫な身体〟にしておきますね!!」
そうその女性が言うと、俺の身体が一瞬光ったように見えた。
それから数十秒後……
俺は地面にキスをしたのだった……
~~~FIN~~~
ってなるかい!!
地面に大穴開いてるじゃないか!!
普通人間が地面に落ちたらグシャ!!ってなるでしょう!!
それが何で地面がこんだけ陥没してんの⁈
しかもこれだと隕石堕ちたとか言われたって信じるレベルで穴開いてるぞ!!
そんなことを脳内妄想していたら、大分冷静になれた。
「しっかし、これどうすんだよ……ってここ何処だ?」
「ここは大樹海【グリゴストワール】……通称死の森と呼ばれる場所ですよ、間宮陸人さん。」
俺の独り言に反応するように声が聞こえた。
だが周りを見ても誰もいない。
だいぶ近くから聞こえてきたからそばにいるんだと思ったんだけど、あたりに見えるのは壁……まあ、俺の落下の衝撃で開いた穴の底に俺がいるせいなんだけど。
「此処です此処!!」
俺はふと横を見ると、何かふわふわと浮いているものがあった。
一瞬虫かと思ったんだけど、大きさ的に15cm近い虫とかマジで勘弁してほしい。
「今虫とか思ったでしょ!?ひどくないですか!?せっかく助けたのに!!」
そう言って何かが飛び回っている。
あれか?妖精ってやつか?
「リリーは妖精じゃないし!!神様だし!!この世界の神様だし!!」
ほうほう、神様だって言う妄言を吐く遊びが妖精の間で流行ってるのか?
って現実逃避していると、思いっきり鼻の頭に突撃された。
「あだっ⁈」
まあ、痛くはないんだけどなんとなく痛いって思ってしまった。
思わず鼻の頭をなでると、空中で頭を抱えている妖精がいた。
「なんであんたそんなに硬いわけ⁈リリーがおバカになったらどうすんのよ!!って丈夫にしたのリリーだった!!」
「で、そのリリーさんがなんで俺なんかにまとわりついているわけさ?」
とりあえずリリーっと名乗った妖精を顔の前に構えた手のひらに乗せた。
リリーも素直に手のひらに座ると、少し不貞腐れていた。
よくよく見ると均整の取れた顔立ちだが、少しだけ幼さが残り、ある意味でオタク界隈で人気が出そうなのではないかと思ってしまった。
「ちょっと!!リリーに欲情しないでよね!!」
「するかちんちくりん!!」
思わずデコピンしそうになったのを我慢した。
俺よく耐えた!!
とりあえず、このままではらちが明かないからリリーの話を聞くことにした。
「で、ここは何処で、何の目的で俺たちを召喚したんだ?」
「違うわよ!!勝手に送り込まれたの!!まあ確かにリソース不足に陥りかけていたけど、それでも何とか運営出来ていたわよ。なのにあのアホ神が無理やり1000人も押し付けてきたのよ?おかげでリソースがキャパオーバーで暴走始めちゃったのよ!!全くどうしてくれるのよ!!」
怒り心頭なリリーなんだけど、その身体のサイズと見た目と相まってぷりぷりと怒る小動物にしか見えないな。
うん、なごむわぁ~。
「で?なんで俺を助けたんだ?それだったら俺を含めて送り込まれた奴全員殺してしまった方が良いんじゃないのか?」
「それもそうも言ってられないのよ。神々の条約に基づいて、全員保護しないといけないの。いくら強制的って言ってもこっちに送られた以上、私の管轄。それで死なれたら私の責任問題なの!!」
なるほどね、なんとも厄介なことに巻き込まれたもんだな。
しかも地球の神もその神々の条約ってやつの穴をついて自分の特になるように動いたってわけだ。
なんとも哀れというか……
「ちょっとあなた!!憐れんだ目で見ないでよ!!それより話を戻すわね。あなた以外の全員が無事この地に降り立ったの。で、あなただけあの空中に放り出されたもんだから、慌てて助けたってわけよ。」
なんかドヤ顔決めてるけど、むしろなんであんな場所に放り出されたんだって話じゃないのか?
いくらあのくそ上司の妨害があったからって普通に考えれば地表に転送されるんじゃないのか?
俺がジト目でリリーを見つめると、ふっと目をそらしやがった。
絶対なんかミスしたとかそんな感じだろうな。
「それで、何をやらかしたんだ?」
さらに追及のために睨みつけると、わたわたとし始めるリリー。
こりゃ絶対あかんやつをやらかしたパターンだな……
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