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初めての人里
最初の出会い
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闇に閉ざされていた意識の中、『少年』がまず感じたのは、ぽた、ぽた、と口元に垂れてくる生暖かい液体と、鉄錆くさい、しかしたまらなく魅力的な匂い。
「……っと、半吸血鬼も、これで良い……んだよな?」
何か聞こえた気がしたが、それよりも、無我夢中で口に流れ込むその液体を嚥下し、唇の周りを舐め取る。
甘い。
熱い液体がお腹の中に滑り落ち、そこでかっと熱を放つ。
冷え切って、凍り付いた体が解凍され、筋肉の一つ一つが解れていくかのよう。
数滴のその液体が、渇いた全身に活力となって沁み渡り……ようやく意識が真っ暗闇から浮上した。
ただし……寝惚け、朦朧としたまま、口内に広がる美味に浮かされて。
「お、目覚めたか。調子は……」
「……美味しい」
「……へ?」
「今までで、一番美味しい。だから、もっと……ッ!」
こんなご馳走を逃すまいと、眼前の人物に抱きつく。
「ちょ、おま、何だこれ、抜け出せね……痛ってえっ!?」
慌てふためくその獲物に蛇のように絡みついて、全身を使い器用に動きを封じ、その逞しい上腕に牙を立て滲んできた熱い液体を啜り……
「……ふぁれ? おっふぁん、られ?」
「はぁ……ようやく目覚めたか、こんのガキ……」
顔を引きつらせ、不機嫌そうに髪をかきあげるその男性に……今目覚めたばかりの『少年』は、噛み付いた状態のまま、その大きな目をぱちくりと瞬くのだった。
ようやく落ち着いて、そっと男の腕から口を離し、周囲をキョロキョロと見回す。
どうやら床でなく、一段高い場所に横になっていたらしい。そして、身体の下にはゴワゴワした獣の毛皮の感触。そこから察するに、寝台の上だろうか。
窓の外が真っ暗なのは、今がどうやら夜だから、らしい。
中央に据えられた囲炉裏では、パチパチと火の粉を上げながら炎が柔らかく部屋内を照らしていた。
粗末ではあるが、あちこちに動物の毛皮が貼り付けられた部屋の中は、案外暖かい。
どうやら奴隷部屋に連れ戻された訳ではなさそうだと安堵しつつも、事情がよく飲み込めない。
故に……『少年』は、とりあえず事情を知っていそうな者に聞く事にした。
「……ここ、どこ?」
「ここは山小屋の中だ。外は寒いから、こっちに運んだ。ついでにお前は川辺に倒れていたのを俺が見つけて救助した」
おー痛ぇ、と先程『少年』が噛んでしまった場所を手当てしながら、必要な情報を大体くれた男。
タンクトップに包まれたその身体は、貧弱さなど微塵も感じさせない鍛えられたもの。先程噛み付いた腕も、その周囲を覆っている筋肉が鋼のように硬かった……気がする。
ボサボサに伸び、日焼けなどでくすんだ金髪を後ろで雑に束ね、無精髭も生えたままのその顔は老けて見える。だけどその顔は整っており、きちんと身だしなみを整えていれば、見違えそうな男だった。
そんな男の様子をぼーっと眺め……そういえばまだ幼い頃、お師匠様にお礼と謝罪はきちんとするようにと言われていた事を思い出す。
「それは、ありがと。あと、ごめんなさい」
「おぅ。なんだ、礼も謝罪も、ちゃんと言えるじゃねえか」
「やっ……やーめーろ子供扱いすんなーッ!」
相好を崩して、グリグリと頭を撫でて来る男。
小さな子にするようなその手を掴み、ぺいっと横に投げ捨てる。
……っていうか、このおっさんデカくね?
あっさり子供扱いされた事、頭を包みこむようなその手の大きさから、自分の体格との差をざっと考えながら、そんな事を『少年』は考えた。
「あー、悪い悪い、丁度いい場所に頭があったもんでな。目覚めたなら、起きあがれるか?」
「ん……何か変な感じだけど、大丈夫」
首を傾げながら『少年』が答える。
……どうにも、先程から声の調子がおかしい。確かに同年代の他の物と比べて幾分高かった気がするが、ここまでではなかった気がする。
そして、手足の感覚も、なんだか違和感がある。体に染みついた記憶と実際の体の動きに、大きなズレがあるような気持ちの悪い感じ。
しかし……動く。
意識を失う直前には、負傷によってもう上げることさえできなかった左腕さえも今は問題なく動く。ただそれだけで、何よりも僥倖だった。
「ん、大丈夫そ……」
「あ、馬鹿、急に……」
それを確認し、寝かせられている台から勢いよく降りようとして……足が、何の感触も掴めず空を切った。
「ぅびゅっ!?」
「……降りると、案外高いから危な……遅かったか」
「ん――ッ、――ぃ~~っっっッ!?」
眼前に迫る床と、頭の中に散る火花。
遅れて襲いかかってくる鈍痛に、頭を抱えて床を転げ回るのだった。
「ぁ――ッ、ってぇ……ッ…………ん、何だ、これ?」
未だ鈍痛に揺れる頭を抑えていた『少年』の眼前を、さらさらと行き来する白く細い無数の糸。それを不思議に思い、糸を掴もうとして……目に映ったものに驚いて、固まる。
眼に映るその腕が、筋肉がほとんど見当たらない程に、あまりにも細い。
手も、剣を振り続けたためにすっかり皮が厚さを増し始め、あちこち擦れた元の手とは全く違う。細く、小さく、柔らかそうな白い手だった。
そして……成長期を経て窮屈に感じていたはずの腕輪が、やけにぶかぶかで、重く感じるのだ。
「……どうかしたか?」
「いや、なんだか身体がおかしくて……おっさん、何か姿を見れる物とか、ある?」
「おっさん言うな。手鏡でいいか?」
「ん、ありがと」
ペタペタと、主に胸のあたりに触れて首を捻っていた『少年』は、素直に礼を述べて差し出された折り畳み式の鏡を受け取り、覗き込む。
「……誰、これ」
鏡を見て、呆然と呟く『少年』……いや、可憐な少女がそこに居た。
元から中性的な容姿だと言われていたが、今の姿はそんなレベルではなく、幼気な少女そのものだ。
肩のあたりくらいの長さだった髪も、今は座っていると床に落ちる程にとても長い。
その色も、元は真っ黒だったはずのものが、今は純白に輝いている。
細身ながらも日々の生活の中で鍛えられて硬く引き締まっていた筋肉は、今や見る影もなくすっかり痩せており、代わりにその上を柔らかくも薄い脂肪と、やけに滑らかな肌が覆っている。
身に纏っている襤褸切れの中を覗き込むと、がっしりした胸筋だったそこは僅かに膨らんだ丘へと変わっており、その先端の突起も、元から比べてやや大きい。
一方で、身長は体感で頭一つ分近く低くなっている気がする……先程の男が巨体だと思ったのは、どうやら自分が縮んだが故にそう見えてしまっただけらしい。
最後に、服の裾を捲って太ももの付け根あたりを調べようとし……その手をガッと掴まれた。
「それは、女の子として、男がいるときにやってはダメだ、いいな?」
「お、おう」
今まで推移を見守っていた男に、怖いくらいの真顔で言われ、思わずカクカク頷く。
「で、どうしたよ。変な顔をして自分の体なんか調べて」
「……女になってる」
「……は?」
「おれ、男なのに……女になってるッ!!?」
少女の絶叫が、小屋の中に響き渡るのだった。
「……成る程な。つまりお前は、元は男だった、と。そんで、変な光に飲み込まれて気を失って、気がついたらその姿だった……って事でいいのか?」
「……うん、多分。おっさん、信じてくれるのか?」
「おっさんじゃねぇ、まだ三十路前だ。普通なら、そんな馬鹿なって言うところなんだかな」
バリバリと、頭を掻いて困った様子を見せる男。
「お前、闘技場で奴隷として戦ってたって言ったな。ってぇ事は、そこは魔族領、隷属都市ネーベルに間違いないな」
「う、うん、多分」
「そうか……くっそ、厄介な話だな……」
心底忌々しそうな男の様子を見るに、どうやら自分の身に降りかかった事態は相当厄介らしいと、少女が察する。
そんな不安が顔に出ていたのか、まるで安心させるように、頭をポンポンと軽く叩いて来る男。
「そんな顔すんな。俺はさ、こう見えても色々な伝手があってな……お前に掛かったその魔法も、聞いたことがある……ついでに、それを治せそうな奴にも心当たりがある」
「本当か!?」
「ああ……結構長旅になるが、どうする? 連れて行ってやろうか?」
「それは、ありがたいけど……でも、何でそこまでしてくれるんだ?」
男にとって、自分など初対面の他人に過ぎないはずなのに。
命を救われただけでもありがたいというのに、更にそこまでする義理などないはずだ。
そう少女は思っていたのだが……
「……気にするな、罪滅ぼしみたいなもんだ」
「……つみ?」
「いや、なんでもない。それよりも、一緒に旅をするんだ、名前くらいは名乗っておこうぜ。俺は……今は、アッシュって名乗っている。冒険者だ」
どうやら、同行するのは男……アッシュの中では決定事項らしい。
そこに邪心などは感じられないため、素直に甘えさせて貰うことにした。
「おれは……名前は分からないけど。他の奴には、4って呼ばれてた」
「オーケー、フィアだな、可愛い名前じゃないか」
「可愛いって言うな!」
「ははは、お前がおっさんって呼ぶの止めたら考えてやるよ。目的地までの短い付き合いだが、よろしくな、フィア」
「ん……よろしく」
差し出された手を、おそるおそる握り返す。
これが二人の、最初の出会いであった――……
「……っと、半吸血鬼も、これで良い……んだよな?」
何か聞こえた気がしたが、それよりも、無我夢中で口に流れ込むその液体を嚥下し、唇の周りを舐め取る。
甘い。
熱い液体がお腹の中に滑り落ち、そこでかっと熱を放つ。
冷え切って、凍り付いた体が解凍され、筋肉の一つ一つが解れていくかのよう。
数滴のその液体が、渇いた全身に活力となって沁み渡り……ようやく意識が真っ暗闇から浮上した。
ただし……寝惚け、朦朧としたまま、口内に広がる美味に浮かされて。
「お、目覚めたか。調子は……」
「……美味しい」
「……へ?」
「今までで、一番美味しい。だから、もっと……ッ!」
こんなご馳走を逃すまいと、眼前の人物に抱きつく。
「ちょ、おま、何だこれ、抜け出せね……痛ってえっ!?」
慌てふためくその獲物に蛇のように絡みついて、全身を使い器用に動きを封じ、その逞しい上腕に牙を立て滲んできた熱い液体を啜り……
「……ふぁれ? おっふぁん、られ?」
「はぁ……ようやく目覚めたか、こんのガキ……」
顔を引きつらせ、不機嫌そうに髪をかきあげるその男性に……今目覚めたばかりの『少年』は、噛み付いた状態のまま、その大きな目をぱちくりと瞬くのだった。
ようやく落ち着いて、そっと男の腕から口を離し、周囲をキョロキョロと見回す。
どうやら床でなく、一段高い場所に横になっていたらしい。そして、身体の下にはゴワゴワした獣の毛皮の感触。そこから察するに、寝台の上だろうか。
窓の外が真っ暗なのは、今がどうやら夜だから、らしい。
中央に据えられた囲炉裏では、パチパチと火の粉を上げながら炎が柔らかく部屋内を照らしていた。
粗末ではあるが、あちこちに動物の毛皮が貼り付けられた部屋の中は、案外暖かい。
どうやら奴隷部屋に連れ戻された訳ではなさそうだと安堵しつつも、事情がよく飲み込めない。
故に……『少年』は、とりあえず事情を知っていそうな者に聞く事にした。
「……ここ、どこ?」
「ここは山小屋の中だ。外は寒いから、こっちに運んだ。ついでにお前は川辺に倒れていたのを俺が見つけて救助した」
おー痛ぇ、と先程『少年』が噛んでしまった場所を手当てしながら、必要な情報を大体くれた男。
タンクトップに包まれたその身体は、貧弱さなど微塵も感じさせない鍛えられたもの。先程噛み付いた腕も、その周囲を覆っている筋肉が鋼のように硬かった……気がする。
ボサボサに伸び、日焼けなどでくすんだ金髪を後ろで雑に束ね、無精髭も生えたままのその顔は老けて見える。だけどその顔は整っており、きちんと身だしなみを整えていれば、見違えそうな男だった。
そんな男の様子をぼーっと眺め……そういえばまだ幼い頃、お師匠様にお礼と謝罪はきちんとするようにと言われていた事を思い出す。
「それは、ありがと。あと、ごめんなさい」
「おぅ。なんだ、礼も謝罪も、ちゃんと言えるじゃねえか」
「やっ……やーめーろ子供扱いすんなーッ!」
相好を崩して、グリグリと頭を撫でて来る男。
小さな子にするようなその手を掴み、ぺいっと横に投げ捨てる。
……っていうか、このおっさんデカくね?
あっさり子供扱いされた事、頭を包みこむようなその手の大きさから、自分の体格との差をざっと考えながら、そんな事を『少年』は考えた。
「あー、悪い悪い、丁度いい場所に頭があったもんでな。目覚めたなら、起きあがれるか?」
「ん……何か変な感じだけど、大丈夫」
首を傾げながら『少年』が答える。
……どうにも、先程から声の調子がおかしい。確かに同年代の他の物と比べて幾分高かった気がするが、ここまでではなかった気がする。
そして、手足の感覚も、なんだか違和感がある。体に染みついた記憶と実際の体の動きに、大きなズレがあるような気持ちの悪い感じ。
しかし……動く。
意識を失う直前には、負傷によってもう上げることさえできなかった左腕さえも今は問題なく動く。ただそれだけで、何よりも僥倖だった。
「ん、大丈夫そ……」
「あ、馬鹿、急に……」
それを確認し、寝かせられている台から勢いよく降りようとして……足が、何の感触も掴めず空を切った。
「ぅびゅっ!?」
「……降りると、案外高いから危な……遅かったか」
「ん――ッ、――ぃ~~っっっッ!?」
眼前に迫る床と、頭の中に散る火花。
遅れて襲いかかってくる鈍痛に、頭を抱えて床を転げ回るのだった。
「ぁ――ッ、ってぇ……ッ…………ん、何だ、これ?」
未だ鈍痛に揺れる頭を抑えていた『少年』の眼前を、さらさらと行き来する白く細い無数の糸。それを不思議に思い、糸を掴もうとして……目に映ったものに驚いて、固まる。
眼に映るその腕が、筋肉がほとんど見当たらない程に、あまりにも細い。
手も、剣を振り続けたためにすっかり皮が厚さを増し始め、あちこち擦れた元の手とは全く違う。細く、小さく、柔らかそうな白い手だった。
そして……成長期を経て窮屈に感じていたはずの腕輪が、やけにぶかぶかで、重く感じるのだ。
「……どうかしたか?」
「いや、なんだか身体がおかしくて……おっさん、何か姿を見れる物とか、ある?」
「おっさん言うな。手鏡でいいか?」
「ん、ありがと」
ペタペタと、主に胸のあたりに触れて首を捻っていた『少年』は、素直に礼を述べて差し出された折り畳み式の鏡を受け取り、覗き込む。
「……誰、これ」
鏡を見て、呆然と呟く『少年』……いや、可憐な少女がそこに居た。
元から中性的な容姿だと言われていたが、今の姿はそんなレベルではなく、幼気な少女そのものだ。
肩のあたりくらいの長さだった髪も、今は座っていると床に落ちる程にとても長い。
その色も、元は真っ黒だったはずのものが、今は純白に輝いている。
細身ながらも日々の生活の中で鍛えられて硬く引き締まっていた筋肉は、今や見る影もなくすっかり痩せており、代わりにその上を柔らかくも薄い脂肪と、やけに滑らかな肌が覆っている。
身に纏っている襤褸切れの中を覗き込むと、がっしりした胸筋だったそこは僅かに膨らんだ丘へと変わっており、その先端の突起も、元から比べてやや大きい。
一方で、身長は体感で頭一つ分近く低くなっている気がする……先程の男が巨体だと思ったのは、どうやら自分が縮んだが故にそう見えてしまっただけらしい。
最後に、服の裾を捲って太ももの付け根あたりを調べようとし……その手をガッと掴まれた。
「それは、女の子として、男がいるときにやってはダメだ、いいな?」
「お、おう」
今まで推移を見守っていた男に、怖いくらいの真顔で言われ、思わずカクカク頷く。
「で、どうしたよ。変な顔をして自分の体なんか調べて」
「……女になってる」
「……は?」
「おれ、男なのに……女になってるッ!!?」
少女の絶叫が、小屋の中に響き渡るのだった。
「……成る程な。つまりお前は、元は男だった、と。そんで、変な光に飲み込まれて気を失って、気がついたらその姿だった……って事でいいのか?」
「……うん、多分。おっさん、信じてくれるのか?」
「おっさんじゃねぇ、まだ三十路前だ。普通なら、そんな馬鹿なって言うところなんだかな」
バリバリと、頭を掻いて困った様子を見せる男。
「お前、闘技場で奴隷として戦ってたって言ったな。ってぇ事は、そこは魔族領、隷属都市ネーベルに間違いないな」
「う、うん、多分」
「そうか……くっそ、厄介な話だな……」
心底忌々しそうな男の様子を見るに、どうやら自分の身に降りかかった事態は相当厄介らしいと、少女が察する。
そんな不安が顔に出ていたのか、まるで安心させるように、頭をポンポンと軽く叩いて来る男。
「そんな顔すんな。俺はさ、こう見えても色々な伝手があってな……お前に掛かったその魔法も、聞いたことがある……ついでに、それを治せそうな奴にも心当たりがある」
「本当か!?」
「ああ……結構長旅になるが、どうする? 連れて行ってやろうか?」
「それは、ありがたいけど……でも、何でそこまでしてくれるんだ?」
男にとって、自分など初対面の他人に過ぎないはずなのに。
命を救われただけでもありがたいというのに、更にそこまでする義理などないはずだ。
そう少女は思っていたのだが……
「……気にするな、罪滅ぼしみたいなもんだ」
「……つみ?」
「いや、なんでもない。それよりも、一緒に旅をするんだ、名前くらいは名乗っておこうぜ。俺は……今は、アッシュって名乗っている。冒険者だ」
どうやら、同行するのは男……アッシュの中では決定事項らしい。
そこに邪心などは感じられないため、素直に甘えさせて貰うことにした。
「おれは……名前は分からないけど。他の奴には、4って呼ばれてた」
「オーケー、フィアだな、可愛い名前じゃないか」
「可愛いって言うな!」
「ははは、お前がおっさんって呼ぶの止めたら考えてやるよ。目的地までの短い付き合いだが、よろしくな、フィア」
「ん……よろしく」
差し出された手を、おそるおそる握り返す。
これが二人の、最初の出会いであった――……
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