上 下
415 / 428
第8章 宣言

第1話 開国宣言したら…

しおりを挟む


さて、保護施設の一件から更に月日が経ち。
とうとうマクゥエル家が公国とする開国宣言を他の国々に発信したのであった。

発信には各国の王宛に文を出すだけなのだが。
それでも時間と金を掛けて開国の旗を挙げたのだった。
とはいえ各国と言っても、大小併せてもほんの15ヶ国と小さな世界だ。

地球に居た頃は考えもつかない程小さな世界である。

そうして宣言をして国と成り、各国からの祝いの文も届き始め暫くした頃に独立する前の国リミット王国よりの使者が、国境を抜けようとして抜けれずに文だけを置いて帰国して行ったとの知らせが国王であるガウルに届いた。

その文の内容は……。
要約すれば、何が国をたちあげるだ!
リミット国内が荒れて内戦状態の中気楽な者だ!
お前も我国の民なら馬鹿なことを言わずに国内の情勢を考え手助けするのが筋だろ!
と、こんな感じの、内容の文が届いた。

それをガウルは鼻で笑い息子達の前で破り捨てた。

そして、従兄妹の問題だが……未だに棚に上がったまま何もしない伯父と従兄の態度にイラつくルークである。

だがルークの生活は変わらない。

国の事は父である国王と、兄である皇太子に任せるというか丸投げしていた。

そんなある日、他国より使者が城に到着した。
なんと国境を超えた使者が王城に着いたのだ。
此にはルークも驚いたようでしっかり見張る様に影達に指示を出した。
とはいえ、父、兄の影達も同じなのでそこは父の影達の指示に従えと言い付けた。


使者の届けた文の内容は。

国の建国の祝いの言葉と近いうちに王自ら祝いの為にマクゥエル国を訪れたいとの内容だった。

この内容には少し警戒をすることに為る。

取りあえず滞在させている使者達には、持て成しをして暫く滞在をして貰う事に為る。
そして、文の返事には親子三人プラス伯父に息子一人の5人で話し合う事に為った。

場所は父上の執務室。

そこに男5人で話し合う。

「さて、ガウル陛下。これをどうしますか?」

と、言葉を発したのは伯父である。
建国と共に、父付の宰相と為りその流れで大公の爵位を叙爵したのである。

義兄と言うことで、父上は仕事が遣りづらいのかと思って居たが…あながちそうでも無さそうだ。
それには安心したが。

「まぁ、向こうが来ると云うなら、招くことも考えないとな?」
「そうですか……それではその様に動きますか?」
「ま、それもあの国境を越えられたらの話しだがな。ククク」
「父上、笑ってる場合では無いですよ?」
「だがな、見張りの騎士達からも、不振な事は言ってないと聞くぞ?」
「………まぁ、他国に足を踏み入れて、迂闊なことを言う間抜な者を寄越すなんてしないであろうよ。それにこの国の国王とは、顔見知り故な。単に、祝いの為に訪問と言うこともあるのではないか?」
「父上そう云う事は、もっと早く言って貰ってもよろしいでしょうか?」
「済まない忘れて居た。エルク、ハハハ!」

笑う父上だが……なんとなく不安はある。
訪問を希望して来た国はアルオス王国と云う国だ。
リミット王国の西に在る国で、隣国であるアルオスとは公益は在ったらしい。

その関係で、父上は隣の国アルオス国の王とは面識があると言う。

「そう言えば昔に、エルクお前とアルオス殿の娘子と婚姻を等と言う話もした。ワハハハ!懐かしい」

その父上の一言とで、兄エルクはとてもとても良い笑顔を顔に張り付けて父に微笑み話し掛けた。

「父上………その様なお話は、後にして頂きたい!そして、その様な巫山戯た戯言は止めて頂きたい物ですが?如何ですか?フフフ」
「お、おう?そうか…なら、後で話そう。しかしそんなことは彼方も、忘れて……あっ!」
「な、何ですか?伯父上?」
「エルク、ルーク、カミルも、良く文を読んで見ろ」
「父上何ですか……あっ!エルク貴方……フフフ」
「な、なんだ!カミルお前は…………あっ!父上!これは一体どういう!」
「ま、まぁ、ほら、こう云う話しは良くあることだ!そう固く捉えるな!ハハハ」

と、額に汗を滲ませて笑う父上。
俺はまだ文を見せて貰ってないのでよく分からない…こう云うところが末っ子の……。

ま、いいか……知らんわ。






しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。 しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。 覚悟して下さいませ王子様! 転生者嘗めないで下さいね。 追記 すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。 モフモフも、追加させて頂きます。 よろしくお願いいたします。 カクヨム様でも連載を始めました。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

目覚めたら地下室!?~転生少女の夢の先~

そらのあお
ファンタジー
夢半ばに死んでしまった少女が異世界に転生して、様々な困難を乗り越えて行く物語。 *小説を読もう!にも掲載中

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜

三月べに
ファンタジー
 令嬢に転生してよかった〜!!!  素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。  少女漫画や小説大好き人間だった前世。  転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。  そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが? 【連載再開しました! 二章 冒険編。】

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...