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第7章 冒険者ルーク3
第60話 後処理 11
しおりを挟むパラミアあいつは、巫山戯け過ぎだからな少しはお灸を据えないと。
「ククク、了解です!」
「にしても……これだけの事をして、騎士達は野山に裸で走らせるだけか……」
「だが檻に入れてだぞ?生きてる者の方が、少ないのでは?」
「だな!上から落としてるのだろ?多分生きてる者はいないのでは?」
と影達が雑談をし始めた。
「お前ら、もう少し声落とせ!」
「失礼しました……」
「まぁ、俺は後で探って見るけどな……。隊長クラスは全員火山にポチャンだがな」
骨も残らん。
「それは?」
「ん?確か…オルタが運んだかな?忘れたが」
「…………怖!」
「だろ?まぁ、俺は楽ができたがな」
「…………」
「……所で、ルーク様?」
「なんだ?女もそうですが……。男達も、精神がヤバイのが二人程……別のテントで隔離してますが…どうしますか?」
「そんなにヤバイ?」
「言葉にできない程……」
「場所は?」
「あのパーテーションの奥のテントですが……」
「サンズ案内頼む」
「行くのですか?」
「治せるか視診てみるよ」
「治して……元に戻っても記憶に残れば、また……」
「そう……でも少し診てくるよ」
そう言って、サンズと歩いてゆっくり男達がいる区域に入って行く。
テントは二ヶ所に、設置されている。
「サンズ男は何人?」
「全部で8人です」
「酷い人は?」
「二人が……」
「そう、なら、怪我人は?」
「8人全員です、逃げられない様になのでしょうが……。足を折られてて、引きずって居ます」
「そう。なら最初は、軽い人のテントに行こうか?寝てるかな?」
「どうでしょうか?わかりませんが……」
「そう。なら、行くか……」
そして、テントの入口に近付き中に入る人達に声を掛けた。
「すみません、少しお話がしたいのですが中に入っても」
「……………」
返事がないな…仕方ない、テントの出入り口のファスナーを下げて、中に無理やり入ると怒鳴る人物がいた。
「なんだ!あんた……」
「すみません、返事が無かったので。中に、入れてもらえませんか?」
「………」
「…………どうぞ」
「すみません、寝てましたね?」
「いや……で!あんたは」
「あ!私はここの、領主の、息子でルークと言うものです。南の国境は全て潰し、貴方方をこんな目に合わせた男達は、全て処分しました。発見が遅れて、申し訳なくすみませんでした……」
「…っ!もっと早く!来てくれれば」
「何が領主の、息子だ!くそ!」
「………俺の恋人は、あいつらに殺されてたんだ!それに俺は……」
「…………」
「……………」
「いくらでも、文句は聞きます。発見が遅れたのも、南の国境に騎士達を派遣したのも、我々ですから。それと怪我をされてると伺いましたが、私に診せて貰えないでしょうか?」
「あんたに診せて何か、変わる。なら診せてやる!これが俺らの足だ!腱を切られて歩くことも、走ることも出来ない!杖無しでは、歩くことも立つこともできない俺らの脚だ!」
「すみません。少し触りますね?」
と言い一人の脚を鑑定する。
鑑定。
アキレス腱断裂。
補助無しでは歩くことは不可。
治療はエクストラヒール以上の、上位の治癒魔法なら完治可能。
ふむ、エクストラヒール以上のって事はエクストラヒールでも、OKってことだな?ならやることは一つだ。
「すみません。少し、じっとしてて下さい。ここに居る方は、全員動かないで下さいね?」
「エリア・エクストラヒール!」
すると……子供達のテントの中で行った事と一緒で、テントが光り怪我人の声が上がった。
「おい、あんた何を………あ、足が痛くないぞ!」
「多分立てると思うので、立ってみて下さい。それと、他に怪我があれば治ってると思いますよ?それでは私は隣の、テントへ向かいます。この度は申し訳ありませんでした。明日の夕方にはここを出て違う施設に移って貰いますが……。何処か行く所があるなら、護衛の騎士達にも申し出て下さい。相談に乗りますから」
「…………」
そして、テントを出ると隣のテントに入る。
ここには二人の男達が横たわっていた。
唯寝ているのではなく……目を見開き俺をみる……のではなく目線が遭わないのだ。
だからなのか…何もしてこないし動かない者が一人。
毛布にくるまり顔を出さない者も一人。
こうきた………かぁ。
ルークは眩暈がするのを押さえて考える。
男がこれなら女はもっと酷いのかと……。
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